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社会・経済アーカイブ

0001-01-01

Nihonbasi.jpg CrowdedBus.jpg このカテゴリーには社会・経済を中心とする話題をあつめています. 上位のカテゴリーはカナダからのブログです. グローバル化マネー・電子マネーと景気循環乗物と道路・駅商店街とまちづくり日本の再生と針路災害・地震産業・ビジネス貿易・TPP若年者問題,ワーキングプアとプレカリアート農林水産業高齢者対策と福祉サービス などに関する話題はサブカテゴリーに分類しているので,そちらをみてください.

このページには書評もふくまれていますが,社会・経済に関する書評のページにはそれらの書評だけをあつめています.

なお,このページは社会・経済アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 19:38 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,個別ページにある写真をここに引用しておきます.

2006-05-14

この本は,ゴルバチョフからエリツィンに主役が交代する時期に,ロシアがかかえる,ひとことではいえないさまざまな問題をあつかっている. とくに,のちにプーチンをも苦しめることになる生産・流通の問題点などを分析している. とくに印象にのこったのは 「資本主義との対決に一喜一憂する中で,我々は何世紀にもわたって人類が創り上げてきた多くのものの意義を明らかに過小評価したのである」 というゴルバチョフのことば (p. 74) である. このことばは,「資本主義」 や 「人類」 を日本をとりまく局所的な文脈でよみかえることによって (たとえば 「人類」 を 「日本人」 とよみかえることで) 破壊的なマルクス主義の影響からぬけだしていない現在の日本にも警鐘となるであろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ロシアの悲劇@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

2006-05-15

3 つの章のうち 2 つはソビエト崩壊の予測に関係している. しかし,3 章では突然,日本の非武装中立論を批判している. 1990 年前後の小室直樹の本は饒舌で脱線が多いが,それにしても…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソビエト帝国の崩壊@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

最初の何章かは従軍慰安婦問題,東京裁判の問題など,すでにほかの論者によってさんざん書かれている内容である. そのなかには 「選挙コンプレックスがニクソンの生命取りになった」 (p. 113) というような,おもしろい話がちりばめてあったりはするものの,あまり新鮮さは感じられなかった. 3 章からは日本資本主義の分析など,小室らしい話題が登場するが,私にとってもっともインパクトがあったのは第 4 章 「なぜ,天皇は 「神」 となったのか」 である. 最近は教育勅語が現在でも有効な常識的な内容だとする意見が多くなっているが,小室によれば教育勅語はキリストのような現人神である天皇が儒教にはないまったく新しい規範を説いたものであるという. これぞ小室天皇教の真髄であり,逆にいえば教育勅語の “復活” に注意が必要だということでもある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本国民に告ぐ@ [bk1]日本国民に告ぐ@Amazon.co.jp

つづく…

2006-06-03

10 数年まえだったら,問題の本質にせまらずにただ表面をうわすべりするだけの,このようなものいいに対して,もっと共感をおぼえただろう. しかし,もはやサヨク的な信念をもてなくなったいまでは,もっと本質をえぐってもらわないかぎりは共感することができなくなってしまった. 本質にせまれない理由としてはこの本に収録されている文章のおおくが字数のかぎられた新聞やジャーナルの記事だからということもあるだろう. しかし,80 ページをついやしている 「禁煙ファシズム」 に関しても単なる事実とそれに対する意見の列挙以上に深い議論にはなっていない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 国家に隷従せず@ [bk1]国家に隷従せず@Amazon.co.jp

つづく…

宮台真司の本には粗雑なものが多い. この本に関しても他のレビューで誤字脱字の多さや注釈がないことが指摘されている (注釈がある本でも場違いなことが多い). たくさんのひきだしのなかみをチラチラとひけらかしてくれて,つまりカタログ的にいろいろなことが書いてあるので,それをヒントにかんがえたり,ほかの本を読んだりすることはできるが,この本だけ読んでも宮台のように知識がない私には,それらの断片を理解することができない. もっと,だれでもわかるように,ていねいに書いてほしいものである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 亜細亜主義の顛末に学べ@ [bk1]亜細亜主義の顛末に学べ@Amazon.co.jp

つづく…

2007-09-16

日本の歴史とくに大東亜戦争をみなおそうといううごきが,「新しい歴史教科書をつくる会」 をはじめとして,さかんになっています. みなおしを主張するひとたちが問題にする点のひとつは,「南京大虐殺」 をうつしたとされる写真のおおくが虚偽にみちたものだという点です. この戦争に関するおおくの本のなかでその真偽が議論されています. しかし私は,戦争とは直接の関係がない本のなかでこの問題に関連する記述があることを発見し,重要な論点を提供していると感じました. それは,今野 勉 の 「テレビの嘘を見破る」 という本です.

つづく…

2007-11-20

20 年くらいまえには,外国人から話しかけられるとにげてしまうというひとがけっこういました. いまではそういうひとはすくなくなっているとおもいますが,観光客にはぜひ親切にするとよいとおもいます.

つづく…

2007-11-21

岩村暢子の 「普通の家族がいちばん怖い」 (新潮社) という本には,アンケートの結果をもとに,現代の主婦から正月はきらわれクリスマスが好かれていることがえがかれています. クリスマスはたのしいが,正月はたのしくない. クリスマスにはケーキなどのおいしいものがたべられるが,おせち料理はこどもがおいしくないという. あと何 10 年かしたら正月をいわう伝統はすたれてしまうのでしょうか?

つづく…

2007-12-08

アンデルセンの 「マッチ売りの少女」 において,少女は売れないにもかかわらず,マッチを売りつづけました. さむいなかで売りつづけた少女は,やがて凍死してしまいます. 少女は天国に召されてすくわれたことになっていますが,やはり死んだということは敗北したということだとおもいます. どうすればこのような事態をふせぐことができたのでしょうか?

つづく…

2008-02-24

家電製品にもさまざまな流行がありますが,洗濯機も流行の機能がいろいろとりいれられている商品だとおもえます. 流行にのった商品は高価格なわりに実用性はそれほどでもありません. 洗濯機は 10 年以上つかえるものなので,流行におどらされないように選択することが重要だとおもえます.

つづく…

2008-04-03

文化大革命でおおくの中国人がひどい目にあわされたが,この本を信じるならば,その後もべつの意味でひどい目にあわされつづけていることになる. 拝金主義,腐敗をはじめとするモラル・ハザードの極致,その種をまいたのが鄧小平だという. しかし,中国に対する敵意をむきだしにした本がおおいなかで,この本の著者は中国への愛をもって告発している. 中国だけでなく日本のためにも,はやく中国がこういう状態からぬけだしてほしいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: トンデモ国家@ [bk1]トンデモ国家@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-20

この 10 年くらいのあいだに世界は急速に変化し,今後も急速な変化がおこることが予測されています. ここ 10 数年,日本は停滞した状況にありましたが,それゆえに世界との関係はかえって急速に変化し,それにともなって今後は日本も急速に変化することが予想されます. こういうなかで,我々はどちらにすすむべきなのでしょうか? すこしかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2008-04-29

資本主義経済においては,分業,大規模化,集中,グローバル化がめざされてきました. ひくいエネルギー・コストのもとではものを移動させてもそれほどコストがかからないからです. しかし,温暖化をはじめとする環境問題が深刻化し,エネルギー・コストが大幅に上昇すると,そういう方向はかならずしものぞましいものではなくなってきます.

逆の極端は自給自足です. 完全な自給自足を復活させることはかんがえられませんし,情報通信のグローバル化は今後もさらにすすみ,過去にもどることはないでしょう. しかし,モノに関しては分散的な生産・消費をゆるいネットワークによってむすぶシステムがひとつの理想形になるのではないでしょうか?

つづく…

ながらく借地に住んできましたが,現在は自分で土地を所有しています. そういうわけで 2 回ほど売買交渉の当事者となったのですが,土地という商品の値段の幅のおおきさにおどろかされました.

つづく…

ハーバート・サイモンによれば,「市場」 は最小限の情報流通と計算だけで機能するメカニズムです [Sim 99] (p. 41). 情報通信が高価だった時代には,それは不可欠なことでした. しかし,情報通信技術は人類がうまれて以来はじめての大変革をもたらそうとしているようにおもえます. もはや情報や計算は高価なものではなくなり,それにともなってグローバル化した市場は世界規模での物流をもとめました. しかし,エネルギー・コストの増大や温暖化防止の要請によって,世界規模の物流は制約されるようになります. そうなると,モノが流通する場としての市場はもはや従来のようには機能しなくなり,情報流通を中心とするあたらしいメカニズムが支配するようになるとかんがえられます.

つづく…

2008-05-02

税金のたかいガソリンを大量消費しても,なぜ高速ドライブはやすいのか!?」 という項目でスパリゾート・ハワイアンズへの旅行について書きました. それにしたがってくるまでスパリゾート・ハワイアンズにいってきました. ここには 「フラ・ミュージアム」 があり,スパリゾート・ハワイアンズの歴史もつづられています. それによるとスパリゾート・ハワイアンズのもとのなまえである 「常磐ハワイアン・センター」 がつくられたのは 1966 年であり,他ではみることのできないショーをみせる,つまりオンリーワン (only one) をめざしたということです. 最近ではオンリーワンでなければダメだということはよくいわれますが,1960 年代にそれをめざしたというのは画期的なことであり,それが,おおくのリゾート施設が倒産するなかでもスパリゾート・ハワイアンズがいきのびてくることができた理由なのではないかとおもいました.

つづく…

2008-05-03

京都議定書の基準となっている 1990 以降の日本の CO2 排出量のグラフをみると,1995 年に急増し,その後は増加する傾向にはあるが減少している年もあることがわかります. 1995 年に急増した理由をしらべてみました.

つづく…

2008-05-06

この本では退職後にゆたかな生活をおくるために 40 代,50 代にどのようなそなえをすればよいかが書かれている. 単にカネのことだけでなく,40 代から資格取得をめざすとよいということにまで言及している. しかし,この本を読むと,私に関しては気持ちが暗くなってしまう. 「40 代の転職は退職金で決める」 など,カネのために行動がしばられる話が書かれているせいかもしれない. やりたい仕事があるならこの本の内容は無視してやればよいわけなのだが,「それでは生活がなりたたなくなるよ」 といわれている気がする.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 年金をあてにしない蓄財術@ [bk1]年金をあてにしない蓄財術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-07

社会学ではフィールドワークが欠かせないが,社会学や社会調査などの本は調査の技術にかたよりがちである. 著者がこの本でつたえたいのは技術でなく,フィールドワークのこころがまえやかんがえかたである. 社会学者でなくてもフィールドワークやアンケートなどの調査が必要になる機会があるだろう. そういうとき,この本が参考になるのではないだろうか. また,これは 「おもてなし」 のこころにも通じているようにおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「あたりまえ」を疑う社会学@ [bk1]「あたりまえ」を疑う社会学@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-09

著者があげている 「5 つの定理」 すなわち 「アントレプレナーシップ」,「チーム力」,「技術者の眼」,「グーグリネス」,「大人の流儀」 はたしかにこれから Web などでなにごとかをしようとするひとが知っておくべきことだろう. しかし,これらは未来よりは過去につながっている. 「未来を切り開く!」 ためには,これだけでは十分とはいえないだろう. これらをヒントにするのはよいが,とらわれないほうがよいようにおもえる. それから,技術者である私の眼には,著者がいう 「技術者の眼」 はちょっとずれているようにおもえる. このあたりは,やはり技術者が書いているものをみたほうがよい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ウェブ時代 5つの定理@ [bk1]ウェブ時代 5つの定理@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-13

2~3 日に 1 回は会社にいく途中のコンビニ (サンクス) で 1 リットルの紙パックのお茶を買っています. レジ袋は持参しているにもかかわらず,それにだまってストローをいれる店員がいます. 私は気がつくと 「いりません」 というので,おぼえていてストローをいれない店員もいます. しかし,店員のいれかわりかはげしいため,いいそびれてストローをいれられてしまうこともあります. また,さいふのなかみをみているうちに気づかないままになってしまうこともあります. そのためストローはいったい何円のものなのだろうと気になって Google で検索しました. 値段は結局わからなかったのですが,いろいろとおもしろいブログ記事を発見しました.

つづく…

2008-05-14

シリコンバレーに滞在する著者は,わかい日本人が海外旅行や海外での仕事などに関して消極的になったことを 「パラダイス鎖国」 と呼んでいる. 「鎖国」 はわかるが,非正規雇用問題,セーフティ・ネットの危機など,さまざまな問題をかかえている日本が 「パラダイス」 だとはとてもおもえない. しかし,著者はいろいろな数字をあげて,日本がさまざまな問題をかかえながらも,まだ大国であり,アメリカよりくらしやすいと書いている.

この本は 「鎖国」 に悲観しているわけではなく,そこからぬけだす道をしめしている. すなわち,シリコンバレーにいるような 「霧の中で見えないものに向かって敢然と進むこと,あるいは,ほかの人には見えないけれど自分だけに見えるものを探すこと」 を積極的にするひとをそだてる必要があるという. しかし,シリコンバレーにはそういうひとたちをつなぐしかけがあることが重要だろう. そこまでふみこまなければ,そういうひとたちがうまれても,すぐにきえてしまうだけではないだろうか.

評価: ★★★★☆

関連リンク: パラダイス鎖国@ [bk1]パラダイス鎖国@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-15

研究上,数値や数式の計算やシミュレーションのためのプログラムをつかうことがあります. たとえば,voiscape におけるような音に関する計算をするとき,MATLAB がよくつかわれます. また,ネットワークに関するシミュレーションにはよく OPNET がつかわれます. しかし,これらは有料であり,使用するにはライセンスが必要です. そこから発生する問題のためにつかいにくくなっているので,どうしても必要なとき以外はフリーのもの (オープン・ソースのもの) のほうがつかいやすいと私はかんがえています.

つづく…

本をよまなくなり,モラルも低下し,若者はちょっとしたことで死にたくなり,リベラリズムは弱体化し,寛容さがなくなり,… といった現代日本の問題点を “劣化” ということばでくくって論じている. とりあげられている問題には深刻な問題がおおいが,そうした問題が発生しているのは日本の社会や政治が “質的” に変化しているからであって,それを “劣化” という量的なことばで,ひとまとめにしてとらえようとしているところにおおきな疑問がある. 旧体制勢力からみればこうした変化は “劣化” にほかならないかもしれないが,私にはこれは産みのくるしみだとおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: なぜ日本人は劣化したか@ [bk1]なぜ日本人は劣化したか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-16

日本の大学教員は論文数などの業績が諸外国にくらべてすくないといわれています. 業績をあげなくても大学教授をやめさせられないことにそのおもな原因をもとめる議論がさんざん,なされてきました. そのため,教員を評価する制度がしだいにとりいれられてきました. 地位が安定していることも業績がすくないひとつの理由ではあるのでしょうが,ほんとうにそれがおおきな原因なのでしょうか? すくなくとも,雑用がおおいことがおおきな原因になっていることは,まちがいないとおもえます.

つづく…

2008-05-17

第 1 次産業革命によってスキルを必要としなくなった資本主義社会は低賃金と長時間労働をうみだしました. こうした状況をマルクスは 「窮乏化」 ということばで表現しました. 原因はちがいますが現代の労働市場においても非正規雇用による低賃金と,正規・非正規をとわず長時間労働がひろがっています. にもかかわらず,「窮乏化」 をはじめとして,こういう現在の状況を社会主義の理論にあてはめる,あるいはアナロジーをこころみる議論は,あまりみあたりません. 過去の議論が現在の状況にそのままあてはまるわけではありませんが,もういちど,社会主義,マルクスなどをおもいだしてみてもよいのではないでしょうか?

つづく…

2008 年 5 月 12 日に発生した四川大地震の震源は汶川 (ぶんせん,ウェンチュアン) は中国では汶川大地震とよばれているということです. ところが,Web 上の日本のニュースでは 「汶」 という文字がほとんどふせ字になっています. これでは Windows PC などでユニコード (UTF) をつかっている意味がありません. ぜひともユニコードによってただしい字を表示するようにしてもらいたいものです.

つづく…

2008-05-20

新版がでるまえに買って,その存在を知らないままに読んだ. 現在でもこれが社会学のエッセンスであるということに異論はないが,第 1 刷が 1996 年ということで,とりあげられている事件や社会現象などは大半が 1980 年代のものであり,さすがにふるい. 新版を読むべきだろう.

第 10 章 「コミュニケーションの自己準拠」 では 「カオスの淵」 のことを書いているようだが,このことばをつかっていないので,かえってわかりにくいようにおもう. 第 11 章 「社会のなかの権力」 では日米開戦時の御前会議で昭和天皇がリーダーシップを発揮して戦争を回避できなかったのは 「稟議制」 のためだといっているが,これは戦前の政治体制に対する誤解にもとづいているとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 社会学のエッセンス@ [bk1]社会学のエッセンス@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-22

「熊本市の熊本赤十字病院で,救急患者が吐いた農薬の成分で 54 人が異状を訴えた」 (朝日新聞) という事故がありました. 農薬の成分はクロルピクリンだったが,それがわからなかったので中毒事故をおこしてしまったということです. しかし,NHK のニュースの内容などから判断すると,「ピクリン」 ということばがつたわっていたのに,リテラシーの問題でクロルピクリンをみつけることができなかったようです. 病院の職員にもネット・リテラシーの訓練が必要なようです.

つづく…

この本からえられるものはおおいが,論理に飛躍がおおいため,消化不良のままでおわってしまう. 本のタイトルの 「不可能性の時代」 については 「虚構の時代の後に,現実を秩序づける準拠点となっているのは,この認識と実践から逃れゆく 「不可能なもの」 である. [中略] われわれが今,その入り口にいる時代は,「不可能性の時代」 と呼ぶのが適切だ」 と書いているが,これで 「不可能」 が適切な呼び名であるとは到底,納得できない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 不可能性の時代@ [bk1]不可能性の時代@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-23

地域活性化のために (Web にかぎらない) インターネットなどを利用した例を 6 件ほど紹介している. 実践例を紹介するだけでなく,それにさきだって大店法や 「まちづくり三法」 の失敗など,政治や社会を分析し,それをのりこえて地域情報化をはかるための理論をしめしている. さきに理論だけが紹介されているため理論だおれなのではないかとおもったが,例の紹介のなかできちんとそれがフォローされている.

とはいえ,こうしたとりくみはまだはじまったばかりであり,この理論がただしいにせよ,まちがっているにせよ,この本がさらにいろいろなこころみがおこなわれていくきっかけになればよいのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ウェブが創る新しい郷土@ [bk1]ウェブが創る新しい郷土@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-29

期限ぎれ菓子のラベルはりかえ,牛肉の産地偽装,客のたべのこし料理のつかいまわしなど,つぎつぎに問題が発覚した船場吉兆が,ついに廃業しました. なぜ廃業にまでおいこまれたのか,かんがえてみます.

つづく…

2008-05-30

イラン・イラク戦争がおこった 1985 年 3 月にイランにとりのこされた日本人は,日本の航空会社によってはすくわれませんでした. そのとき救援の飛行機をとばしてくれたのはトルコ航空でした. 危険をおかして救援してくれたのは,1890 年に日本近海でエルトゥールル号が台風にあった (エルトゥールル号遭難事件) とき,日本人の献身的なはたらきでその乗組員のおおくがすくわれたことにむくいたのだといわれています. こうした友好関係はトルコにかぎらず,だいじにしていくべきでしょう.

つづく…

2008-05-31

日本財団会長の 笹川 陽平 がタバコ 1 箱を 1000 円にするべきだと産経新聞正論で主張し,おおきな反響をまきおこしています. 諸外国とくらべて日本のタバコの価格がどうか,値上げによってどれだけ税収がふえるかといった,すぐに計算できることは議論されていますが,医療費や健康保険との関係,経済効果など,もっと精密な定量的議論が必要でしょう.

つづく…

2008-06-12

秋葉原 で 6 月 8 日におこされた無差別殺傷事件に対しては,東 浩紀 による 12 日の朝日新聞への 「投稿」 をはじめ,何人かが 「テロ」 ということばをつかっている. 犯人はなぜ 「テロ」 をおこす場所として秋葉原をえらんだのか? 東 浩紀 は彼が首相官邸や経団連本部をえらばなかったことを 「幼稚」 と表しているが,9.11 をかんがえても,そうとはいえないのではないだろうか?

つづく…

2008-06-18

2003 年ころ,私は湘南新宿ラインをつかって戸塚に通勤していました. その電車のなかで,アジア系外国人とみられるひとにであいました. 東京テレポートにいきたいというのですが,電車はすでに大崎駅をでて,西大井にむかっていました. 彼がのりかえるべきであることを知らなかったのは,英語のアナウンスがなかったからだとかんがえられます. 運のわるいことに,その電車は快速であり,横浜まで,おりることはできません. しかも,横浜から東京テレポート方面にいくのはかなり困難だとおもわれました.

つづく…

2008-06-24

アマゾン (Amazon.co.jp) で古書を多数,買っています. それらの大半はヤマト運輸のメール便で,ポリ袋にいれられて配達されてきます. すべてが私あてであることを,うたがったことがありません. これまでは送信者が内容をまちがえていたことはありますが,それ以外の事故はありませんでした. ところが,きのうは近所のひとのぶんがまざっていました. いつものように,なにもたしかめずに開封してしまいました.

つづく…

2008-06-25

アメリカでは全労働者の 30% がクリエイティブな仕事についているが,これはこれまでアメリカが世界のクリエイティブなひとびとをひきよせていたからだという. ところが,最近はそういうひとびとがむしろアメリカ以外の国にひきよせられている. 本書はそういう危機感にいろどられている.

すこし意外だったのは,日本もこの本で使用された統計がとられた 2000 年ころにはいくつかの項目でアメリカよりクリエイティブだとみなされたことである. しかし,たぶん現在ではそうでなくなっているのだろう.

この本は日本では 「クリエイティブ資本論」 よりさきに出版されているが,「クリエイティブ・クラス」 そのものについて書かれているのは 「クリエイティブ資本論」 であり,それをまず読むべきだとおもう. この本はアメリカ人向きであり,日本人が読む必要はないのではないかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: クリエイティブ・クラスの世紀@ [bk1]クリエイティブ・クラスの世紀@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-03

米国政府は北朝鮮のテロ支援国家指定解除への手続きをすすめている. それが実現すれば北朝鮮の拉致問題解決に関してつかえる重要なカードが 1 枚へってしまうといわれている. これに対して,北朝鮮につけこまれないためには 6 カ国協議の各国の政府が協調することが必要であり,日本の内閣にできることはかぎられているとかんがえられる. しかし,米国でも議会のなかには政府の決定に反対し,テロ支援国家指定解除を阻止しようとするうごきがある (「北朝鮮のテロ支援国家指定 解除停止狙い米下院に法案」 など). 日本でも内閣以外の機関がそれにしばられる必然性はない. 家族会とその支援者がこういうひとびとと協調していくことが,北朝鮮にさらなる圧力をかけていくことになるだろう.

つづく…

2008-07-04

現在の経済・社会がもとめているのはクリエイティビティであり,都市が成長するのに必要な 「3 つの T」 は技術 (technology),才能 (talent),寛容性 (tolerance,ゲイを許容する) だと著者はいう. これらをもつ都市,たとえばオースティン,サンフランシスコ,シアトル,ボストンなどにクリエイティブ・クラス (新たな経済階級) のひとびとがあつまって活性化する. シリコン・バレーはこれらの都市のモデルにはなりえないし,著者の大学があるピッツバーグもおくれをとっている.

いろいろと刺激的な内容をふくむ本である. アメリカの都市を中心に論じていて,おなじ基準では日本の都市はひくい評価をうけることになるだろうが,たとえば東京は著者のいうクリエイティビティがゆたかな都市であるようにおもえる. 訳も基本的にはよみやすいが,重要なキーワードである social capital (ソーシャル・キャピタル) を 「社会資本」 と訳しているのは誤訳だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: クリエイティブ資本論@ [bk1]クリエイティブ資本論@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-27

最近,国内でおこるいろいろな刺殺事件・通り魔事件などがマスコミをにぎわせています. 秋葉原 で 6 月 8 日におこされた無差別殺傷事件7 月 19 日に埼玉県川口市で中学 3 年の長女が 46 歳の男性会社員を刺殺された事件7 月 22 日に京王八王子の書店で女性 2 人が刺された事件をはじめ,他にも多数ありました. このような事件がおこる背景に,親族やなかまとのコミュニケーションがうまくいっていないことがあるようにおもいます. 日本でも欧米的な個人主義がひろがっているなかで,コミュニケーションに関してももっと欧米のやりかたをとりいれるべきなのではないでしょうか?

つづく…

2008-07-29

逮捕歴 4 回の札付きのワルだった著者は改心したが,脅迫事件によってふたたび逮捕され,裁判で最高裁まで争い,さらに再審まで請求するが主張がみとめられていない. 裁判員制度に希望をつないでいるから 「裁判員に選ばれるあなたへ」 というタイトルをつけたのだろうが,この本の内容は裁判員制度とは無関係であり,だまされて買ってしまった. 意図がよくわからないまま長い文章をよまされるのは,いささか苦痛である. 残念ながら裁判員制度は著者をすくうのにはやくにたたないだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 裁判員に選ばれるあなたへ@ [bk1]裁判員に選ばれるあなたへ@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-11

タイトルには 「ウェブ」 がついているが,むしろケータイの話題,とくにこどもによるケータイ使用に関する話題がおおい. しかし,全体として散漫な印象であり,なにがいいたいのかよくわからない. その理由はこの本が新聞などからとった多数の文章を PHP の編集者が中心にまとめたものだからだろう. また,サル学が専門の著者がサルのはなしを書いていないことも,文章のおもしろさを減じているのかもしれない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ウェブ人間退化論@ [bk1]ウェブ人間退化論@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-26

海外から日本にくる旅行者はまだおおいとはいえませんが,小泉首相の時代から積極策がとられて,急速にふえているということです. 「徒歩による海外旅行のたのしみとリスク ― バンコク編 ―」 や 「徒歩による海外旅行のたのしみとリスク ― パリ編 ―」 に書いたように,私は海外旅行や出張の際に現地のひとたちから親切にしてもらいました. それゆえ,「観光客にはとくに親切に !」 にも書いたように,日本にきた旅行者に親切にしてあげなければと,つよくおもっています.

つづく…

2008-08-27

株,債券,インターネット上のさまざまなとりひきなど,経済のバーチャル化がすすんできましたが,最近はリアルな商品が買われています. そのために原油,食糧などの価格が高騰して深刻な事態をまねいていますが,リアルな商品がみなおされてバランスが回復されようとしているのだとかんがえることができます. これは経済の健全なうごきだということがいえるのではないでしょうか?

つづく…

もう,ふるい話題になってしまいましたが,郵政民営化の意味について書いてみたいとおもいます. 郵政民営化の意味はいろいろありますが,特定郵便局についてみると,その局員とくに局長が郵便局のいきのこりをかけて必死にかんがえる環境をつくることが最大の意味だったとおもうのです.

つづく…

2008-09-12

世界の経済や社会や技術やその他さまざまなものが 「急激にかわっている」 ということがよくいわれる. たしかに,電気製品にしろ,くるまにしろ,商品はめまぐるしくかわっている. また,最近では石油価格や穀物価格などが急激に上昇している. こういう急激な変化はたしかにあるのだが,その一方で人間や世界はそんなに急にはかわらないということを,最近ますます感じている.

つづく…

2008-09-15

きのう,NHK スペシャル 「戦場 心の傷(1)兵士はどう戦わされてきたか」 という番組をみた. かつてはベトナム戦争をたたかい,いまはイラクでテロリストとたたかうアメリカの歩兵たち,その訓練の様子や PTSD (心的外傷後ストレス障害) などがえがかれていた. 今後もアフガニスタンのテロリストとたたかわなければならないとしたら,兵士をおくらないようにすることによってこの問題を解決するということはできないだろう. そして,日本にとってもこれは無関係なできごとではないはずである.

つづく…

2008-09-27

最近,こどもの小・中学校で運動会がありました. 女子中学生のなかで何人か,迷彩服 (の一部) を着て登場してきたひとがいました. それをみて,9 月 15 日にみた NHK の 「戦場 心の傷 (2) ママはイラクへ行った」 という番組をおもいだして,いささか,くらいきもちになってしまいました.

つづく…

2008-10-08

戦争ビジネスに関する本としては,戦争請負企業を中心としたものから個人の体験を書いたものまであるが,この本は両方をカバーしようとしている. 日本人がこの問題に興味をもつようになったきっかけはイラクで戦死した斉藤さんのニュースだったが,そこからはじめて,部隊の劣悪な環境,古代からはじまる歴史,アフリカやアジアの紛争地でのできごとなど,戦争ビジネスを概観するには適当な本だろう. 太平洋戦争やベトナム戦争に関しても,あまり知られていないエピソードがふくまれていて,興味ぶかい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 戦争民営化@ [bk1]戦争民営化@Amazon.co.jp

つづく…

11 の章からなる本だが,各章は独立の論文であり,タイトルの 「民営化される戦争」 に関する章はおおくはない. 議論はあまりていねいとはいえず,裏付けが書かれていない記述もおおい. MPRI という戦争請負企業に関しては,クロアチアでセルビア人を 10 万人も殺害してしまったという噂も書かれている. 「噂」 と書いてあるからよいようなものだが,論旨が噂に影響されるのはどうかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 民営化される戦争@ [bk1]民営化される戦争@Amazon.co.jp

つづく…

これが 「社会学」 であるのかどうか私にはわからないが,郊外に関するさまざまなエピソードを 5 つの章にまとめている. 新書なので印刷はあまりよいとはいえないが,団地などの写真が効果的に配置されている. 区別のつかない建物や部屋がならぶ団地に関するエピソードとして安部公房の 「燃えつきた地図」 や 「ウルトラセブン」 の 「あなたはだぁれ?」 という話がとりあげられているのが印象にのこった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 郊外の社会学@ [bk1]郊外の社会学@Amazon.co.jp

つづく…

2008-10-24

この本のタイトルには 「資源」 がふくまれている. たしかに石油のことは書いてあるが,他の資源についてはほとんど言及していないし,レアメタルの宝庫である中国に 「資源がない」 と書いているのは疑問がある.

いずれにしてもこれは経済の本ではなくて国際政治の本である. 日本が今後,パートナーとしてアメリカをとるか,中国をとるか,独立独歩でいくか,その選択の指針をあたえているといえるだろう.

しかし,著者はアメリカ生活がながく,日本人の感覚とはずれがあるようにおもう. 自民党が 3 つに分裂しているという日本の政治のとらえかたもアメリカ的であり,参考にはなるが,疑問である.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 資源世界大戦が始まった@ [bk1]資源世界大戦が始まった@Amazon.co.jp

つづく…

2008-11-10

タイトルにだまされて買ってしまったが,検索の話はほとんど書いてない. 「クウキを読む」 ことへの批判が大半のページを占めている. 著者によれば,ひとがいうことに疑問をはさんだり批判したりすることが 「空気がよめない」 とみなされて対話が封じこめられる. それに対して,かつての日本では季節のことばのあいさつから一見無駄にみえる会話がかさねられてきた.

私には 「クウキを読む」 ことが現代日本固有の問題なのではなくて,会話の技術がおとろえた,ないし個人主義がひろまるなかでもっと欧米的な話術への変化の途上にあるだけであるようにおもえるのだが,この本はそういうことをかんがえるきっかけとしてはよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 検索バカ@ [bk1]検索バカ@Amazon.co.jp

つづく…

2008-11-11

政府は総額 2 兆円の定額給付金を国民にくばるという.所得制限をもうけるのは給付にてまがかかりすぎて困難だというので全国民に給付する方向だが,麻生首相は高額所得者には辞退してもらうのがよいというような発言をしている. 私は世論動向と同様に定額給付そのものには反対だが,もし全国民に給付するというのであれば,自由につかえるはずのカネをわざわざ辞退するつもりはない. 年末年始の炊き出しなどですぐに消費してもらえるところに寄付するのが給付金の目的からしても一番よいのではないかとおもう.

つづく…

2008-11-28

タイトルからは,目からウロコの話がつぎつぎにくりだされることを期待してしまう. しかし,実のところ,私にとってはすでにくずされている常識を確認する,また,ピンとこない話がならべられている,退屈な本でしかなかった. まだ 20 年前の常識にとらわれているひとには新鮮な本なのかもしれない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: この国の経済常識はウソばかり@ [bk1]この国の経済常識はウソばかり@Amazon.co.jp

つづく…

2008-12-01

日本の政策は高齢者や団塊世代に有利であり高齢者対策は手厚かったが,若者対策は貧弱だった. この本はこうした世代間の配分の不公平をするどく指摘している. 「世代間戦争」 がはじまっていると著者はいう. 若者批判の本がおおいなかで,こういう視点から書かれた本は貴重だといえるだろう.

しかし,こういう現実を打破するためのさまざまな政策のアイデアがしめされているが,その実現性や効果は疑問である. また,若者問題以外の問題はとるにたらないという書きぶりだ (「平和か戦争か,右か左か,靖国参拝か謝罪かといった問題は,合理的に検討を加えれば容易に方向が定まる問題なのだ」 と書いている). このように視野狭窄していては,若者問題の解決の方向もみいだせないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 若者を喰い物にし続ける社会@ [bk1]若者を喰い物にし続ける社会@Amazon.co.jp

つづく…

日本では,医師も教師も 「先生」 とよばれてきた. それは,これらの職業についたひとびとが尊敬されてきたからにほかならない. 「先生」 とよばれていることはいまでもかわらないが,その意味はすっかり,かるくなってしまった. 「先生」 の意味をもう一度,かんがえなおすべきなのではないだろうか? 医療や教育のさまざまな問題を解決するひとつのキーがここにあるとおもう.

つづく…

2008-12-05

ケインズの 「一般理論」 は難解だが,この本はそれをできるだけ平易に解説しようとしている. 単に解説するのでなく,その 「あやまり」 をただして,著者独自の 「不況動学」 をきずこうとしている. 小島寛之は Wired Vision の 「環境と経済と幸福の関係」 のなかでこの本をベタぼめしているし,Amazon の書評などでも評価はたかい.

しかし,ケインズにあやまりがあったとしたら,それは動学的な経済理論のむずかしさゆえであり,おなじような道具でそれにたちむかっている著者がケインズにくらべてとくに有利なところがあるとはおもえない. というわけで,この本にも疑問な点は多々ある.そもそも出発点となっている,ケインズが流動性の罠から投資の限界だけがきまるとしているのに対して 「不況動学」 ではそれが (投資の限界とは独立に (?)) 消費の限界もきめるとしていることからして理解できない. また,現在の不況との関係を把握したいが,さっぱりわからない.

この理論が 「動学」 だと主張するためには単に経済の均衡点をしめすだけでなくそこにいたる軌跡まできめられなければならないはずだが,それにはまったくふれていない. 金融工学のような精密な論理がなければ,ひとを納得させることはできないのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 不況のメカニズム@ [bk1]不況のメカニズム@Amazon.co.jp

つづく…

2008-12-13

けさの朝日新聞に勝間和代のコラムがあった. 勝間は本もたくさんだしているし,経済雑誌などをみても勝間の記事をよくみかける. 本を読めばたしかにスゴイことが書いてあって参考になる. しかし,これほどあちらこちらでみかけると,うんざりしてくる. 日本では人気の評論家ばかりをとりあげる傾向があるが,勝間もそれに乗っている. いくらスゴイひとでも言うことはそんなにかわらない. それよりも,やはりいろいろなひとの意見をきくことのほうが大事だろう.

つづく…

2008-12-17

円に対してウォンが 5 割もさがって,韓国製品が買いやすくなっているはずである. ところが,実際にはかならずしもそうではない.

つづく…

小林多喜二の時代には,搾取する階級つまり資本家は少数であり,搾取される階級つまり労働者は多数だった. したがって,労働者が団結してたちあがれば資本家に対抗できるという希望があった. ところが,現代では搾取されているのはフリーターやニートといわれる若年層であり,かれらの労働のうえにあぐらをかいているのは若年層より多数の壮年・老年層である. 若年層が団結しても,数のうえでは勝ちめがない.

つづく…

日本ではかつて,国内の不満のはけぐちとして朝鮮などへの戦争がかんがえられてきた. 明治時代の朝鮮出兵がその代表といえるだろう. 現在でも,なかなか仕事につくことができないフリーターやニートなどの若者のなかには,戦争 (内戦?) がその解決策になるとかんがえるものがいる. しかし,現在,大多数の日本人は戦争をのぞんではいない. 太平洋戦争の反省にもとづく反戦論・非戦論はこうした好戦論よりはるかにつよい. しかし,今後もそうであるつづけるといえるのだろうか?

つづく…

2008-12-18

石油,温暖化,農林水産業など,さまざまな問題がとりあげられている. 新聞などにだまされずに 「本質を見抜く力」 をやしなおうという趣旨はよい. しかし,ほんとうにこの対談によって本質が見抜かれているのかどうかについては,疑問がおおい. この本にもだまされないようにしよう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 本質を見抜く力@ [bk1]本質を見抜く力@Amazon.co.jp

つづく…

2009-01-03

ウィーンフィルのニューイヤー・コンサートは毎年,世界中に中継されている. 今年の指揮者バレンボイムは恒例のあいさつのなかに,中東の平和をのぞむみじかいメッセージをこめていた. イスラエルとガザで毎日多数の死傷者がでる状態がつづいているが,その切実なメッセージは,とくに日本の聴取者にどれだけつたわったのだろうか?

つづく…

2009-01-17

1 人の著者が書いたことになっているが,実際は 20 人くらいのひとが書いた (or 語った) 内容をまとめている. この本を読んでもフェアトレードとはなんなのかがかならずしもわからないが,ひとによってちがうさまざまなフェアトレードに対するかんがえかたを知ることができる. 私自身は 「消費者が満足してこその生産があるべきで [中略] 「かわいそうだから」 という気持ちで買っても,使わないでタンスにしまわれているのは果たしてフェアなのだろうかと考えてしまうのです」 という 山口 絵理子 のかんがえに共感する.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: フェアトレードの時代@ [bk1]フェアトレードの時代@Amazon.co.jp

つづく…

2009-01-20

現代の大学生や大卒で就職した若者たちと,そういう若者たちをおしえる大学教授や会社員,若者たちの親にきいた結果をまとめた本である. タイトルも内容も 「下流大学がわるい」 というトーンだが,すなおに読めば大学以前の教育や親の問題のほうがおおきいように読める. バカにされている若者が読めば気分がわるいだろうが,調査にもとづいた問題提起として価値がある. 「…さ」,「…ね」 などの表現をつかった文体は新書としてはいささか異様だが,これもタイトルとともに事態の深刻さをすこしやわらげる意図か?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下流大学が日本を滅ぼす!@ [bk1]下流大学が日本を滅ぼす!@Amazon.co.jp

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2009-01-26

著者は 「空気を読」 んでそれにしばられることが,さまざまな面でマイナスにはたらいていると主張する. それはそうだろう. しかし,テレビにでて空気にさからう発言をすると,抗議の電話が殺到して番組をおろされるという. それでも空気を読むべきでないといえるのだろうか.

しかし,そもそもこの本の論点のおおくは空気とは関係がない. インドや中国はもちろん,ベトナムでさえも日本よりはるかに給料の格差がおおきいという. 高額の給料をもらえるひとは 「空気読み」 ではないといいたいのだろうが,空気との関係はすこしもあきらかになっていない. むしろこれは著者の人生観や仕事観についての本である. それが役にたつばあいもあるだろうが,あまりに,おしつけがましすぎる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 一流の人は空気を読まない@ [bk1]一流の人は空気を読まない@Amazon.co.jp

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2009-01-28

第 1 章では,現在の経済状況は主流の経済学では想定していなかったこと,バブルの際には通常の市場のメカニズムがはたらかないが,これまでそれを経済学があつかってこなかったことを指摘している. そして,「バブルの経済学」 を構想している. また第 2 章では,竹中平蔵らによる構造改革をことばをきわめて批判し,そうではなく教育投資や環境エネルギー革命などによって成長をめざすべきだと主張している. 第 3 章では格差とインセンティブの問題をあつかっている.

著者は主流の経済学を批判し,それにもとづく政策を批判している. 著者自身,「異端」 であることを認識している. 批判するのはけっこうだが,主流に対抗できるだけのものがあるのだろうか. この本では格差や医療や諮問機関など,現在の政治経済の問題点をつぎつぎにあげて批判しているが,それらがみな経済学者のせいだというのだろうか? 竹中のように政策をになえないもののひがみにしか,きこえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 閉塞経済@ [bk1]閉塞経済@Amazon.co.jp

つづく…

「思いやり格差」 ってなんだろうというのが気になって買ってしまった. 学生にきいたところでは,思いやりをもつひとともたないひとに 2 極分化しているとこたえたひとが 5 割,それが 「思いやり格差」 なんだという. しかし,それ以外には 「格差」 が拡大しているという証拠はあげられていない.

問題なのは格差ではなくて,「思いやり」 をはぐくむのがだいじだということだ. そのために本書ではいろいろな提案をしているが,そのなかでも重視しているのがボランティアだ. それ以外では宗教的な要素がつよくて違和感を感じるが,思いやりをはぐくむことに関しては異論はない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 思いやり格差が日本をダメにする@ [bk1]思いやり格差が日本をダメにする@Amazon.co.jp

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2009-01-29

著者は,かつては 「まじめな国民」 だった日本人が,働きすぎはカッコわるいとか,ガリ勉はよくないといったかんがえがひろがって,ふまじめになってしまったという. 「ふまじめ」 の例としてマンションの耐震強度偽装事件や食品偽装事件などがあげられている.

しかし,こういう事件や著者の印象をあげられても,日本人がふまじめになったのかどうか,容易にわからないだろう. 耐震強度偽装事件の容疑者はコストカットのきびしい要求にある意味で 「まじめに」 こたえようとした結果として事件をおこしたようにもおもえる. これらの変化は日本人の気質が変化したためにおこったのではなくて,「まじめ」 な日本人を追いつめる経済・社会の状況からうまれているのではないだろうか.

実際,著者も日本人にウソつきがふえたように感じるが,その原因はウソがばれやすくなったから (であって 「まじめの崩壊」 が主因ではない) だとみとめている. また,耐震強度偽装事件に関しても,インチキはむかしからおこなわれていたことをみとめている. 拝金主義や医療崩壊についてもふれているが,いずれも納得できる議論ではない. エピソードとしてはいろいろおもしろい内容をふくんではいるが,砂上の楼閣といってよいだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: まじめの崩壊@ [bk1]まじめの崩壊@Amazon.co.jp

つづく…

2009-02-12

著者は,日本の環境政策のおくれた部分を批判し,非正規労働者と過酷な労働を増加させセイフティネットを崩壊させた政策を批判し,「名ばかりの」 男女平等を批判し,日の丸・君が代を押しつけて教育の多様性をみとめない政策を批判し,立法・行政の監視機能をうしなった司法を批判している. そして,こうした後進性をなくして真の先進国になるための提案をしている.

批判されている点にはもっともなところが多い. しかし,批判のために都合のよい材料だけをあつめている印象だ. さらに,議論は極端にはしり,「天皇制は,廃されるべき」 というような,多数の日本人にはうけいれられないであろうことを断定している. また,「数字の三桁打点に至っては,むしろ数字を読めなくする悪意だと言わざるをえない」 というのも,妥当性を欠く議論だろう (四桁打点の習慣があるわけではないのだから).

著者は急進的な議論をしている反面,「先進国」 であるかどうかを問題にしている. しかし,そもそも 「先進国」 という概念じたいが,みなおすべき時期にきているのではないだろうか. 本書の議論はそういう根本的な部分にきりこむものではない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「日本は先進国」のウソ@ [bk1]「日本は先進国」のウソ@Amazon.co.jp

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2009-02-19

小泉政権下での竹中大臣のさまざまな挑戦を挑戦者自身がえがいている. 個々の問題をもっとくわしくあつかった本はほかにあるが,金融改革,郵政民営化,政策プロセスの改革など,全部をとおしてみるにはこの本を読むのがよいだろう. 竹中大臣がただしかったかどかはより客観的にみる必要があるだろうが,彼自身がなにをかんがえ,なにをやってきたかを知ることができる.

(実名はあまり書いてないが) 批判されているひとがおおいなかで,北朝鮮訪問もふくめて,小泉首相には最大限の賛辞が書かれている. また,自民党税調のドンといわれた」山中貞則に対して 「政界のドンと言われる人の志の大きさと人間の奥深さを,様々な形で学ばせてもらった」 というのも興味ぶかい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 構造改革の真実@ [bk1]構造改革の真実@Amazon.co.jp

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2009-03-14

「思考停止」 をタイトルにふくむ本が 6 冊はあるが,その意味はさまざまである. この本では法令をはじめとするさまざまな規則をその本来の目的などかんがえずに盲目的に 「遵守」 しようとすることをさしている. 最初にとりあげられている食の 「偽装」,「隠蔽」 の問題においては,実質的には問題がないにもかかわらず規則を 「遵守」 していなかった食品企業をマスコミがバッシングし,そのために食品企業のほうもむだをだしても厳格に規則を 「遵守」 せざるをえなくなっている. 著者はさらに,同様の問題が他の業界についても,また司法や行政についても指摘している.

著者はこうした問題の解決策もしめそうとしているが,それは抽象的だったり,すぐに実現できないものだったりしている. 問題がおおきいだけに,容易に解決策がしめせるものではないということだろう. それは読者にあたえられた課題である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 思考停止社会@ [bk1]思考停止社会@Amazon.co.jp

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2009-03-15

最近,本を買うときはたいてい Web をつかっている. 以前はしばしば神田にいっていたが,ほとんどいくことはなくなっていた. 学士会館で同窓会があったついでに 1 時間強,書店をぶらついてみたが,あまりめぼしい発見のないままにおわってしまった.

つづく…

2009-03-18

タイトルをみて,おもわず買ってしまった. しかし,この話題は最初の 20 ページくらいをしめているだけである. 著者は権力者にはありとあらゆる罵詈雑言をあびせるが同士にはやさしい. それは単に敵と味方をくべつして敵だけを攻撃しているようにしかみえない. 彼自身にはそこに論理があるのかもしれないが,それがこの浅薄な文章からは読者に十分にはつたわってこない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 佐高信の政経外科XI@ [bk1]佐高信の政経外科XI@Amazon.co.jp

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2009-03-26

2 年ほど前にグアムに行った. 本書でも紹介されているモール内の博物館には行ったが,ガイドブックにも書いてないので,グアムの歴史につながる他の場所には行かなかった. それは,うすっぺらな旅行だったようにおもう. 本書はそういう 「かくされた場所」 をみせてくれる. レジャーをたのしむ日本人は知りたいとおもわないことかもしれない. しかし,現在のグアムの問題点までカバーしている本書は,グアムを観光するときにも 「厚み」 をあたえてくれるのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: グアムと日本人@ [bk1]グアムと日本人@Amazon.co.jp

つづく…

よりおおくのアジア人を日本にうけいれる必要が生じてきた現在,アジア人やアジアの文化を理解する必要はたかまっているといえるだろう. 著者は韓国人と日本人とのあいだにもおおきなへだたりがあることを指摘し,アジア人だから容易にわかりあえるというかんがえを戒めている. また,「カルチャー・ショック」 の深刻さについても書いている. アジアだけでなく,ベルサイユ宮殿の 「トイレの謎」 など,欧米とのちがいに関しても興味ぶかいエピソードをとりあげている. 内容は系統的というよりはエピソード的だが,それゆえにおもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アジア人との正しい付き合い方@ [bk1]アジア人との正しい付き合い方@Amazon.co.jp

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2009-03-29

著者は日本中に 「思考停止」 したひとがはびこっているのをうれいている. 藤原正彦の 「国家の品格」 を 「思考停止のススメ」 と評し,「ものを考えない」 小泉純一郎にだまされた国民も思考停止しているといい,食品偽装に関しては 「日本の食品には,真実性のかけらもない」 と評している. こうなった原因のひとつとして,思考をきたえない 「偏差値教育」 をあげ,「少年ジャンプ」 もヤリ玉にあげている. 中国,インドをはじめ日本以外の国では学生が必死に勉強しているなかで日本の学生だけが意欲をうしなっていることに危機感をもっている.

興味ぶかい点のひとつは,「いわゆる教養主義は 1970 年前後に消滅し」,「最近では世界のエグゼクティブと言われる人間でも,伝統的な教養をあまり知らない」,だから 「古典的教養」 を復活させるのでなく,ネット社会重視の 「21 世紀の教養」 を身につけるべきだといっていることである.

この本の内容にはうたがわしい点も多々ある. 「思考停止」 してそれを信じるのは著者がもっとものぞんでいないことだろう. 刺激的な著者の意見を自分のあたまでかんがえなおせば,えられるものはすくなくないだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「知の衰退」からいかに脱出するか?@ [bk1]「知の衰退」からいかに脱出するか?@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-04

朱鎔基は中国に市場経済を根づかせ 「資本主義を不言実行」 した,もっとも注目するべき指導者である. にもかかわらず,日本ではあまり有名だとはいえないのは,著者によれば日本のマスコミが 「痴呆状態」 だったからだという. それでも 1998-2000 年ころには日本でも朱鎔基をとりあげた本が何冊か出版されていた. しかし,私自身,最近まで朱鎔基に注目していなかったので,これらの本も目にとまっていなかった.

江沢民が中国のナンバーワンだったことは,もちろんよく知られている. 江沢民がみいだされたのは天安門事件がおこったとき上海ではおおきな混乱をおこさずにすんだためだというが,それも朱鎔基がいたからだという. 市場経済化にあたっても地域ごとに具体的な指示をだし正確な数値の報告をもとめたという. また,自分がだした指示にあやまりがあればすみやかにそれをみとめて補足したという.

私はまだ朱鎔基に関する本をこれ 1 冊しか読んでいないので,これが彼を知るのに最適かどうかはわからない. しかし,この本を読めば朱鎔基がどういう人でありどういう経済政策を実行したのかをいろいろな角度から知ることができる.

評価: ★★★☆☆

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2009-05-12

たまにしか日本にかえらないというバクチ打ちの著者が,石原慎太郎を斬り,愛国心,教育,性,ドラッグ,死刑,人種差別など,さまざまな問題を論じていく. これで,日本のなかしか見ていない読者は開眼されるのかもしれない. しかし,私にはどうも迫力が感じられない. 退屈な文章だ. チンピラがわめいているようにしか,きこえない (失礼!). めったに日本にいないからズレているということだろうか.

評価: ★★☆☆☆

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つづく…

2009-05-20

日本の学者はちょっとしたことで学会発表を中止するというので,海外では不思議がられていると朝日新聞が報じている. 私自身は 9.11 の直後にオーストラリアでのポスター発表をキャンセルしなければならなかったが,このときはテロの危険があるとほんとうに信じられていた. ところが,今回は弱毒性とわかっている新型インフルエンザのために,またしても AICT 2009 という学会でのオーラル発表をキャンセルせざるをえなくなってしまった. 自分自身はキャンセルするべきでないとおもっているにもかかわらず,キャンセルしなければならないのは,もどかしい.

つづく…

2009-05-23

グリーンピースやシー・シェパードなどによる過激な環境運動・動物解放運動の背景として,アメリカの 「正義のためには暴力も辞さない」 思想があることを論じている. 「アメリカの内なるテロ」 がこの本の主題だが,ブッシュが外にむけた暴力も根はおなじなのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: エコ・テロリズム@ [bk1]エコ・テロリズム@Amazon.co.jp

つづく…

2009-06-19

ETC を入手できないために,いまだに高速値下げの恩恵をうけられないひとがおおいようだ. 私自身もそのひとりだ. これはいちじるしく公平性を欠いた政策だといわざるをえない.

つづく…

2009-06-28

キレるのはふだんおとなしくて文句をいえないでいるためだとおもいがちだが,著者はそうではなくて,キレるひとはそもそもがまんしないひとなのだという. 「見て見ぬふりをしない人」,「泣き寝入りをしない人」,「いきなりトップにメールする人」 など,さまざまなタイプがとりあげられている. がまん 「しない」 のではなくて,いきなり怒りが爆発するからがまん 「できない」 のだろう.

著者はこの本のタイトルにあるように 「なぜ」 キレるのか,どうすればよいのかもかんがえてはいる. しかし,まだよくわからないというのがホンネであり,理由も対策もこれからだということだろう. しかし,すくなくともなにがおこっているかをよく知ることが第一であり,そこにこの本の価値があるというべきだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: キレる大人はなぜ増えた@ [bk1]キレる大人はなぜ増えた@Amazon.co.jp

つづく…

2009-07-25

あるひとが,今年の梅雨あけ宣言はまちがったんじゃないかという話をしていたので,すこしかんがえた. そもそも,梅雨のはじめもおわりも,梅雨前線が北へ南へと移動しながら,あるときたまたま雨がふったり,晴れたりするものだ. だから,いつ梅雨にはいったのか,いつ梅雨があけたのかはそんなにはっきりしたものではない. なのに,気象庁は梅雨いり宣言やら梅雨あけ宣言をだすことを仕事のひとつとしている. いったいだれがそんな,あやふやな宣言をもとめているのか?

つづく…

2009-08-26

この種の本にはよくあるが,「バカ」 を 「理系バカ」 と 「文系バカ」 とに無理矢理わけようとしている. たとえば 「論理的な考え方ができない人」 は 「文系バカ」 だとしているが,それは 「文系バカ」 ではなくて,ただの 「バカ」 だろう.

しかし,「文系」,「理系」 のくべつはともかく,自分がこの本でとりあげられいる 「バカ」 のようなふるまいをしていないかどうか,反省材料になるのはたしかだ. それと,この本の効用はちかくにいる 「バカ」 に寛容になれるということにもあるのではないだろうか. つまり,この本を読めばどういう 「バカ」 におちいりやすいかがわかるからだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 理系バカと文系バカ@ [bk1]理系バカと文系バカ@Amazon.co.jp

つづく…

2009-09-30

7 つの講演を大幅に改訂してまとめたという.それぞれの講演にはひかる部分もあり,また編集によって本としての体裁をつけようとしてはいるが,やはり章ごとにバラバラだという印象がぬぐえない.1 冊の本としてのまとまりや深さという点では,書き下ろしの本にはかなわない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大激震@ [bk1]大激震@Amazon.co.jp

つづく…

2009-10-19

副題として 「世界一 IQ が高い町の 「壁なし」 思考習慣」 がカバーに書いてあるので,シリコンバレーの思考の特徴を分析しているのかとおもって,読んでみた. しかし,そこにはバラバラなエピソードがならんでいるだけであり,そこから思考習慣を抽出するには,読者にかなりの負担がかかる. ちょっと表紙にだまされた感じだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?@ [bk1]なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?@Amazon.co.jp

つづく…

2009-10-20

IMF の管理下におかれたとき以来,韓国は 「超格差社会」 になった. もともと日本とはちかいところもあるが,ちがいもいろいろあった. その差がさらに拡大した.そういう,日本とちがうところを,もともとのちがいも IMF 危機以来のちがいもふくめて,この本は解説している.

「超格差」 に対しては韓国のほうがより批判されてしかるべきだろうが,それ以外の点については,はたして韓国と日本のどちらがフツーなのか,かならずしもわからない. この本では問題点のほうがおおくとりあげられているが,それがはたして公平なのかどうかは私にはわからない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 超格差社会・韓国@ [bk1]超格差社会・韓国@Amazon.co.jp

つづく…

2009-10-29

文化における 「ノイズ」 がテーマになっているが,「サブカルチャー」 ではなくて 「ノイズ」 ということばをもちだした意味はよくわからない. 「ノイズ」 ということばで,いままでにない概念を表現しているわけではないようだが,いわゆる 「サブカルチャー」 が死んだあとも生きのこっているものということか.

この本を読むと頭の体操にはなる. しかし,この講義じたいがノイズでしかないようにおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ノイズ文化論@ [bk1]ノイズ文化論@Amazon.co.jp

つづく…

2009-11-14

ちかごろの大前研一の本はグチっぽい.グチをよまされても足しにはならないが,グチりたくなる状況からぬけだすヒントはいろいろとつめこまれている.藤原正彦の「国家の品格」を「思考停止のすすめ」と評しているが,たしかにこの本を読んでよろこんだひとは反省したほうがよいのではないかとおもう.この本を読んで共感した部分があれば,いまの状況からぬけだすように,自分の行動をすこしずつかえていくのがよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「知の衰退」からいかに脱出するか?@ [bk1]「知の衰退」からいかに脱出するか?@Amazon.co.jp

つづく…

タイトルは極端にすぎるが,この本では日本をふくむ世界 9 カ国をとりあげてその 「国家モデル」 (経済モデル) を分析して,日本のモデルのすぐれた点を指摘している. ここでいう 「国家モデル」 だけで他国がダメで日本がよいと結論づけるのは乱暴だが,比較・分析の視点としてはおもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 繁栄する日本@ [bk1]繁栄する日本@Amazon.co.jp

つづく…

2010-02-02

5 章で構成されるこの本の 4 章までを暗澹たるおもいで読んだ. 大学教員になって食っていけるようになるためには,師事するに値する教授にとりいってイエスマンになり,チャンスをつかむことが必要だ. 大学ならどの世界でもそうというわけではないが,そういう 「白い巨塔」 のような世界はいまもあるのだろう. そういうものにすがらなければ食えない時代になったということだろう. しかし,5 章にはどんでん返しが待っている. 4 章までに書かれた現時点での解にとってかわれる解にはなっていないが,もっと本質的な解にせまろうとしている. もしもこの章をよまずにこの本をほうりだしてしまうとしたら,著者のかんがえの半分以下しか見ずにおわることになるだろう.

評価: ★★★★★

関連リンク: アカデミア・サバイバル@ [bk1]アカデミア・サバイバル@Amazon.co.jp

つづく…

2010-02-03

博士号をとったものの就職できず,無給にちかいのに大学で必死に働き,論文を書くフリーターをえがいている. おなじ著者の 「アカデミア・サバイバル ― 「高学歴ワーキングプア」 から抜け出す」 をさきに読んだ. それとくらべるとこの本はまだ救いがあるが,それはこの本以降にさらにきびしい状況になっているということだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 高学歴ワーキングプア@ [bk1]高学歴ワーキングプア@Amazon.co.jp

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2010-05-04

日本語や日本のさまざまな規則の間違いというよりは,おもにあいまいさを突いている. 「あいまいさは間違いではない」 などといってみても,はじまらないのだろう. これは雑学であって,あまりまじめに反論してみてもしかたがない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本のルールは間違いだらけ@ [bk1] 日本のルールは間違いだらけ@Amazon.co.jp

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2010-07-18

「日本の財政は債務超過になる! 危険だから借金をへらさなければならない」 というようなかんがえかたに対して,著者は債務超過になることはない,国債の金利もずっと,あがっていない,などとこたえていく. 豊富なデータをつかった議論には説得力がある.

しかし,所詮は 「これまでだいじょうぶだったやりかたを,今後もとればよい」 というだけのことだ. これからも長期金利があがらない,国内なら借金をかかえていてもだいじょうぶだ,などといえる保証はない. そういう議論にふれずに著者自身のかんがえだけをのべていくやりかたは歯切れはよいが,危険を感じてしまう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 民主党政権で日本経済が危ない!@ [bk1] 民主党政権で日本経済が危ない!@Amazon.co.jp

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2010-07-19

国の予算は本来,税金によってまかなわれるべきものだ. ところが,いまや税金より借金のほうがおおくなってしまっている. 借金は若い世代や未来の世代に負担をおしつけるものだと主張するひともいる. その一方で,借金も国内から調達しているのだから債務超過におちいることはなくて,さほど問題はないと主張するひともいる. しかし,どちらもちがうのではないかとおもえてきた.

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2010-07-26

個々の日本人はすっかり個人主義的になってしまって,もはや従来の 「安心社会」 をとりもどすことはできない. そういうなかで,著者は日本に適したやりかたをめざしつつも,個人主義の歴史がふるい欧米的な社会の実現をめざしているようだ. 「囚人のジレンマ」 など,ゲーム理論を武器にしつつ,合理的なゲームではなく不合理な人間がゲームでどうふるまうかを実験し,そこから結論をみちびこうとしている.

しかし,著者も書いているようにこの本では論理性よりわかりやすさを重視しているためか,飛躍する論理をうめることができず,納得できる議論にはなっていない. だが,東 浩紀 らのようにもはや 「規律訓練」 の時代ではなく,監視カメラのように 「環境管理」 によって安全・安心をまもる必要があるというような議論とくらべると,もしかするとまだ 「規律訓練」 的なやりかたにものぞみをつなぐことができるのではないかとおもえてくる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本の「安心」はなぜ、消えたのか@ [bk1] 日本の「安心」はなぜ、消えたのか@Amazon.co.jp

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2010-07-28

デフレがなかなかとまらないようだ. ちかくにオリンピックというスーパーマーケットがあるが,ここで売っているジュースの最低価格は最近まで 138 円だった (ただし賞味期限がちかいものは 128 円になる). いつもこれを買ってきていた. ところが,ここに 98 円のジュースが登場した.

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2010-08-14

著者はハリウッドで日本人の習慣などについてきかれ,それを実践しているアメリカ人もすくなくないということだ. 日本の文化や習慣が注目されていることはまちがいないだろうが,それではアメリカ人は日本以外の文化や習慣にどれだけ注目し,どれだけとりいれているのだろうか. この本にはそれについては,なにひとつ書いてない.

著者は日本人とアメリカ人のふるまいに共通点をみつけると,すぐにそれはアメリカ人が日本人をまねしたのでは…と書いている. そういうケースもあるだろうが,もともと共通の部分もあるだろうし,日本が西洋からまなんだものを逆輸入していることもあるだろう. 全部 「日本人のマネをしている」 といってしまうのは著者の無知ゆえだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ハリウッドではみんな日本人のマネをしている@ [bk1] ハリウッドではみんな日本人のマネをしている@Amazon.co.jp

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2010-08-23

「模倣」 がおもなテーマになっているが,模倣される日本だけでなく,日本が外国を模倣するさまもえがかれている. 大学のゼミでのいろいろな話をまとめたということで,それほどまとまりのある内容ではない. とはいえ,スピルバーグが他人がつくったストーリーをまねて,いちはやく成功したさまや,日本での省エネ・スーツの失敗の歴史など,いろいろおもしろいエピソードがちりばめられていて,おもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 模倣される日本@ [bk1] 模倣される日本@Amazon.co.jp

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2010-08-28

日本人にとってはあたりまえで意識にのぼることもないが,外国人にとってはふしぎな習慣やしぐさがたくさんあるようだ. 日本人だけでなく,日本にくらす外国人のあいだにも,ふしぎな習慣ができているらしい. 著者はそういったことたちを冷静にみつめている. この本を読めば,いままで気づいていなかったことに,いろいろと気づかされる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: トーキョーの謎は今日も深まる@ [bk1] トーキョーの謎は今日も深まる@Amazon.co.jp

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2010-09-13

「腐女子」 は男どうしの恋愛マンガやアニメを趣味としている以外はごく普通の女性だという. ふつうに異性を愛している自分とは関係ない世界を夢見るのだという. 「腐女子」 が話題の中心だが,それだけでなく,もっとひろくオタク化や普通の女性のファッションの話など,いろいろな話題がとりあげられている.

「腐女子」 という,好奇心をそそられるような名前でよばれているが,結局はすこしかわった趣味をもつふつうの女性なのだということで,どちらかといえば退屈な結論におちついている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 腐女子化する世界@ [bk1] 腐女子化する世界@Amazon.co.jp

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2010-09-14

著者は,おちいりやすい,さまざまな思い込みを切って捨て,デフレの正体は生産年齢人口つまり現役世代の減少だといっている. ほかに原因がないのかということをべつにすれば,はたらかない高齢者がふえれば内需が不振になるというのは,すなおに納得できる. それに対する対策として,著者があげているのは,高齢富裕層から若者への所得移転,女性の就労と経営参加,外国人観光客・短期定住客の受入である. それらが対策となりうるのも理解できるが,それだけなのだろうか. 健康な高齢者がふえているなかで,高齢者にもはたらいてもらって,もっと消費をふやしてもらうという対策もありそうにおもうのだが,それについてはふれられていない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: デフレの正体@ [bk1] デフレの正体@Amazon.co.jp

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2010-09-17

リーマン・ブラザーズが破綻し,人口が減少しつつあって,もはや経済成長がのぞめないなかでも経済成長によってさまざまな経済・社会の問題を解決しようとする政治から個人の意識までもが批判の対象になっている. 批判の重点は近所でたすけあうような共同体的なつながりがうしなわれてしまったひとびとのありかたに向かっているようにみえる. それは政治・経済というよりは個人の倫理の問題だろう. にもかかわらず 「経済成長」 を本のタイトルにしているところに違和感を感じる. 個人の意識から改革していかなければならない長期的なながれと,きょう,あるいはあすの雇用を確保するための経済成長とをいっしょに論じているところには,無理があるとおもわざるをえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 経済成長という病@ [bk1] 経済成長という病@Amazon.co.jp

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2010-09-22

制服やナンチャッテ制服についての本であり,最近 「コスプレ」 ということばからうける印象とこの本の内容はかなりちがっている. しかし,スチュワーデスとかナースとか,学校の面接をうける子供の母とかの役割を演じるための服装としての制服の話であるから,アニメの登場人物を演じるための服装とそれほど差はないともいえるだろう. そういう意味ではやはり 「コスプレ」 の本なのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: コスプレ@ [bk1] コスプレ@Amazon.co.jp

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2010-10-15

かつてセゾングループをひきいていた 辻井 喬 こと 堤 清二 が 上野 千鶴子 につっこまれつつ語っている. かつて 堤 清二 がしてきたことに対して,ときにはするどく自己批判的に語っているところが印象的だ. 経営者がちがっていればセゾンが破綻せずにすんだとはかんがえていないというが,グループがなぜうまくいかなくかったのかを,いろいろな面から分析している. 上野のツッコミにこたえるかたちだが,重要な点はみな辻井の口からでている. ふつうは語られないであろう,なまなましい経営の成功と失敗の分析として,価値がある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ポスト消費社会のゆくえ@ [bk1] ポスト消費社会のゆくえ@Amazon.co.jp

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チリ・コピアポの鉱山事故でとじこめられた 33 人が全員,生還した. このニュースはいつも 「奇跡」 ということばを付して報道される. たしかに幸運でなければ死者がでることはさけられなかっただろう. しかし,周到な計画をたて,全員をまとめてきたのはマニュエル・ゴンザレスという指導者のためだという. それは奇跡,すなわち偶然ではない.

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2010-10-26

江戸時代から現代までのあいだに日本でうまれた大発明 5 個ほどについて解説し,そこから教訓をひきだそうとしている. 教訓の中には 「失敗で諦めるな」 と 「目標は機を見てあっさり変えろ」 というように矛盾しているとみえるものもあり,ひとすじなわではいかない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 世界を驚かせた日本人の発明力@ [bk1] 世界を驚かせた日本人の発明力@Amazon.co.jp

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2010-11-02

フィードバックやら複雑系やら要素還元論の話がでてきて 「逆システム論」 などということばがでてくると,かなり精密な議論をしようとしているのかと誤解してしまう. しかし,著者がつかっている 「多重フィードバック」 をもつような複雑なシステムは,著者もそれらしいことを書いているように,帰納的にその構造を推定することはもちろん,システムのパラメタをきめることも困難だ. だから,「逆システム論」 ではあいまいな定性的な議論しかできない. 著者も書いているように定性的な議論は重要だが,すべてがあいまいなまま議論しても,有用な結果をだすことはむずかしいだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 逆システム学@ [bk1] 逆システム学@Amazon.co.jp

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2010-11-18

フランス人と結婚してパリ郊外に住んでいるという著者だから,日本人にもフランス人にも書けない日本女性とフランス女性とのちがいを書くことができたのだろう. そのちがいがフランスと日本の出生率のちがいにつながっているのかどうかはかならずしもわからないが,納得させられる理由とともに書かれている.

最後に日本の少子化対策のためにフランスからまなべる点が分析されているが,結局は日本はフランスとはちがうので,まねしてもだめだという. すぐに少子化対策につながる内容ではないが,エッセイ風の文化比較として読めば,いろいろおもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: なぜフランスでは子どもが増えるのか@ [bk1] なぜフランスでは子どもが増えるのか@Amazon.co.jp

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2010-11-22

著者は 「コンクリートから人へ」 という民主党の政策のもとでは国がほろびるという. 民主党が公共事業をめがたきにしているかのように書き,それに反論している. たしかに,著者が指摘するように,最近は道路建設などの公共事業費がおさえられているにもかかわらず,過去をみてバッシングをつづけていると,必要な道路建設費などをけずってしまうことになるだろう. しかし,著者がとりあげているデータは都合のよいものだけをとりあげているようにみえるし,議論もあらけずりだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 公共事業が日本を救う@ [bk1] 公共事業が日本を救う@Amazon.co.jp

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2010-12-01

日本人のなかには台湾人を極端に親日的だとかんがえたり,逆にかんがえたりするひとがいる. 著者はそれに対して執拗に反論している. そういう,くどい部分に我慢してよみすすむと,現代日本のさまざまなものに 「萌日」 する台湾人のすがたがえがかれている. しかし,哈日族についての本などを読んだひとにとっては,それほど新鮮な内容ではないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「親日」台湾の幻想@ [bk1]「親日」台湾の幻想@Amazon.co.jp

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2011-01-22

ダラスで機内にコーヒーをもちこんで失敗した. こんなことは日本でもおこりうるだろうが,ふと,アメリカと日本との (社会での教育上の (?!)) ちがいに,おもいいたった.

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2011-02-12

著者はこの本を書くにあたって何百の本,何百メガバイトのオンライン・メッセージを読んだという. それらからえられたことが 6 つの章にまとめられている. 各章のテーマは明確だが内容は章内でも種々であり,よみおわってみるとそこから著者の明確なメッセージをうけとることができない. 10 年前には集大成として価値があったかもしれないが,その後のおおきな変化をかんがえれば,もはや,やくわりを終えた本なのだとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ネットワーク社会の深層構造@ [bk1]ネットワーク社会の深層構造@Amazon.co.jp

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2011-03-06

中国では日本ではかんがえられないようなことがいろいろおこっている. この本には中国でくらす著者が経験したことやききこんだ話が書いてある. 写真もところどころにあって,話の真実味を増している.

しかし,マスコミもあまり信用できない国だし,うわさ話にいたっては眉にツバをつけて読むしかない. 著者が積極的にウソを書いているようなことはもちろんないとおもうが,中国人がやっていることもあやしければ,著者が書いていることもあやしいというわけだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 上海発! 新・中国的流儀 70@ [bk1]上海発! 新・中国的流儀 70@Amazon.co.jp

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正編にも上海の日本人にページがさかれていたが,この続編ではさらに日本人のビジネスやシモネタにページをさいている. また,時代を反映して 「タオバオ」 など,中国のネット・ビジネスについても書いている. 正編に書いてないあたらしい話題がとりあげられているのはもちろんだが,それでも,だんだん飽きてきた.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 続 上海発! 中国的驚愕流儀@ [bk1]続 上海発! 中国的驚愕流儀70@Amazon.co.jp

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2011-03-07

理科系人材をとりまくさまざまな悪条件をあきらかにしている. バブル期前後までは世界をリードしていた日本の科学技術が,「理科系冷遇」 によって危機に瀕しているという.

だが,著者も気がついているように,それは現在の日本がかかえる問題のなかのほんの一部だ. これがすべてなら,いくらでも手があるだろうが,予算がかぎられたなかでどうすればよいのか? 著者があたえているひとつの解決策は,アジア各国が連帯して欧米に対抗することだ. しかし,それで解決される問題はかぎられている. もうすこしつっこんだ議論をしないと,解決にはつながらないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 理科系冷遇社会@ [bk1]理科系冷遇社会@Amazon.co.jp

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2011-03-27

偽物・毒物が横行するオリンピック前の中国の状況をなまなましくつたえている. 著者は現在の中国につよい興味をもちながら,歴史も客観的にみようとしている. 歴史や儒教に無頓着な中国人をえがき,当時の主流派から弾圧された劉少奇がていねいにあつかわれているさまをえがいくなど,いろいろ興味をひかれる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: トンデモ中国@ [bk1]トンデモ中国@Amazon.co.jp

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2011-04-05

著者は,社会学などの研究者やマスコミなどがよくおこなう 「社会調査」 のおおくはゴミだという. つまり,きちんと計画された調査でなければ,あやまった結論をみちびいてしまう, それなのにおおくの 「社会調査」 はいいかげんにおこなわれている. 著者は 「社会調査」 がおちいりやすいあやまりをつぎつぎに指摘していく. それらの指摘は調査する側にも調査結果を読む側にも有益だろう.

しかし,著者は最後には調査とはいえない新聞の随筆風の記事まで攻撃する. これはいただけない. もうすこしフォーカスをしぼるべきだったのではないかとおもう. また,新聞などの調査に対して,莫大な時間やコストをかけなけばならないような精密な調査を要求している. これも無理難題だろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「社会調査」のウソ@ [bk1]「社会調査」のウソ@Amazon.co.jp

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ぎりぎりのところまで追いつめられつつ修士論文を 2 回もすっかり書きなおした著者の経験からはじまって,フィールドワークと恋愛,肉眼と録音・録画とでまったくちがう出来事を経験したことなど,フィールドワークのなかでの著者の経験がかたられる. 基本的にはフィールドワークの技法やむずかしさがかたられた本ということになるが,そこにはフィールドワークの魅力もあふれているといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 体験と経験のフィールドワーク@ [bk1]体験と経験のフィールドワーク@Amazon.co.jp

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2011-04-08

著者は TPP に反対する立場だが,この本は反対派にも賛成派にも重要な情報を提供してくれる. タイトルのように,TPP を菅首相がいう 「第 3 の開国」 ではなくて 「第 3 の構造改革」 だと書いている. つまり,第 2 の構造改革である小泉改革と同様に貧困化と格差拡大をもたらすという.

しかし,貧困化などの現代日本の問題点は,小泉改革によってもたらされたというよりは,さけがたいグローバル化によってもたらされたといえるだろう. もしグローバル化に抵抗することができるなら,「第 3 の改革」 を阻止して貧困と格差のない日本をめざしていけばよいだろう. しかし,はたしてそれは可能なことなのだろうか?

評価: ★★★★☆

関連リンク: TPP@ [bk1]TPP@Amazon.co.jp

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2011-04-15

アラブ人と日本人にはいろいろなちがいがあるという. アラブ人に地図をみせて道をきいても,わかるひとはほとんどいないというのが,もっともおおきなちがいということだ. アラブ人にとって宗教はとてもだいじなものだが,アラブ人である著者はある日本人に「宗教はないよ」といわれて,おおきなショックをうけたという. 日本人のほうがよい点もいろいろあるだろうが,アラブ人からまなぶべき点もいろいろありそうだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 地図が読めないアラブ人@ [bk1]地図が読めないアラブ人@Amazon.co.jp

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中国は経済的にはゆたかになったが,政治的には独裁がつづき,言論の自由も制限されている. しかし,この本でとりあげられているアンケートなどには中国人の本音もみえる. 著者は 2022 年までには,ゴルバチョフのような人物がでなくても,民主的な政治改革がなされるとかんがえている. 十分な説得力があるとはいえないが,それがほんとうだと信じたい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 中国@ [bk1]中国@Amazon.co.jp

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現代の 10 代,20 代の若者たちはどこがちがうのか,それをまざまな統計などをつかって,しめそうとしている. 変化は 1980 年代からおこっているが,とくに最近の 5 年間くらいの変化がはげしいという. それはソーシャルメディアの登場による.

だが,後半になると話題の焦点は日本の若者からははずれてくる. そのために,この本の印象もすこし散漫になっているようだ.

評価: ★★★☆☆

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2011-04-24

20 人以上の著者が災害復興における 「コミュニティ」 について書いている. 読んでいて疑問におもうのは,これらの著者のあいだにどれだけ 「コミュニティ」 ということばに関する共通理解があるのだろうということだ.

最近の日本の災害に関しては,町や村のなかでのひとびとのつながりについての記述がある. しかし,それも抽象的だ. もっと過去のことや海外での事例に関しては,人間が登場せずに住宅のようなモノについての記述にとどまっているばあいもある.

スマトラ地震に関してはアンケートの結果をみて 「コミュニティ」 がたよりにならなかったと書かれているが,そもそも被験者は 「コミュニティ」 ということばを理解できたのだろうかという疑問がわいてくる. ことばがわからなかったから,ひくい評価しかあたえなかっただけではないのか?

最悪なのは,災害が発生する 「事前に耐震・耐火の建物に建て替えておこうというのでは,それは単なる震災という脅しで行う再開発事業に過ぎず (脅し・説得のコミュニケーション),本稿で検討するに値しない」 (1.1.1) という記述だ. まずは価値判断ぬきで記述して,価値判断はそのあとにあるべきだろう. 全体をとおして,いまだ 「復興コミュニティ論」 にはなっていないといってよいだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 復興コミュニティ論入門@ [bk1]復興コミュニティ論入門@Amazon.co.jp

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著者はさまざまな災害現場において,みずからボランティアとしてはたらきながら,そこでフィールドワークをおこない,エスノグラフィーとしてまとめている. 著者はこのフィールドワークはグループ・ダイナミクスのわくぐみにもとづいているという.

フィールドワークにおいては本来は観察者はそこでおこっていることにかかわらないようにするが,著者はむしろそこに積極的にかかわっていく. それが結果にどのように影響しているのかはわからないままだ. また,(グループ) ダイナミクスがどのようにはたらいているのかもわからない. ただ,ボランティアが被災者によりそい,そのかたわらにいることが強調される.

著者のボランティアとしての経験は貴重だし,それをグループ・ダイナミクスの理論とむすびつけようとしているのもわかるが,説得力には欠ける.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ボランティアの知@ [bk1]ボランティアの知@Amazon.co.jp

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2011-05-10

臨界事故がどんな悲惨な患者をつくりだすかをえがいている. 中性子線被曝というきわめてまれな症例の記録として価値ある本であると同時に,事故をまねいた JCO の責任をするどく追求している本だといえるだろう.

末尾の解説ではチェルノブイリ原発事故もとりあげられている. 原発のこわさという点はどちらの事故も共通しているが,さまざまなちがいがあることも認識するべきだろう. それをあいまいにしたままの議論には疑問を感じる. 治療にあたった前川医師を中心とする原子力安全委員会がまとめた報告書のなかで,被曝治療の体制づくりが重要だと指摘しているという. しかし,ほとんど発生したことがない中性子線被曝のためにおおきなコストをかけるのは,はたして妥当なことだろうか? それはいま福島で発生の可能性がある放射性物質の崩壊による被曝とはまったくちがっている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 朽ちていった命@ [bk1] 朽ちていった命@Amazon.co.jp

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2011-05-14

レベッカ・ソルニットの 「災害ユートピア」 という本には,災害時にはおおくの場所で,たがいにたすけあい,自分がもつものすべてを他人にあたえ,金銭が機能しなくなるユートピアのような状態が生じると主張している. 例としてとりあげられているのはハリケーン・カトリーナやサンフランシスコ地震や 9.11 などだ. 東日本大震災直後の日本もそれにちかい状態だったといえるだろう. そういう空想的社会主義的な世界がうまれていたのだとしたら,空想的社会主義はけっして空想ではなかったということができるのではないだろうか.

つづく…

2011-05-21

「精神の空白」 や日本国憲法,戦後の教育を中心として,太平洋戦争後の日本がかかえたままの問題をしめそうとしている. 問題をうみだした元凶はアメリカによる占領時の上からの民主化や国防政策の転換,産業化の成功などだ. 憲法に関しては,非武装中立論に重点をおいて検討している. また,教育に関しては 「公民」 ということばの検討に重点がおかれている.

わかりのよい本ではないし,論旨にも弱点がある. しかし,わかりのよい本で思考停止におちいるよりは,こういう本を読んで読者みずからかんがえるのも,わるくないのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

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2011-06-14

被災地の地図をあつめて 1000 円という比較的やすい値段で提供している. それだけで意味のあることだろう.

しかし,浸水域がかきこまれている以外は,あらたにかきくわえられている情報はわずかだ. 福島第一原発がどこにあるのかも,よくみないとわからない. まだ出版されたばかりだが,電車の運休区間も現在とはちがっている. 石巻線は石巻まで運行しているが,この地図では前谷地までになっている. 結局,オンラインの地図でなければ電車の運休区間を書いてもあまり意味がないということだろう.

復旧はどんどんすすんでいる. どういう情報をかきこめばやくにたつのか,もうすこし検討が必要だったようにおもう.

評価: ★★☆☆☆

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2011-06-21

ゼロ年代の 17 人の論客について,かけあしで論じている. そこにはネットやオタクがたびたび登場してくるが,それらをのぞけば,ここでとりあげられいる問題も拡散的だ. もうすこししぼって,じっくり論じたほうが,ゼロ年代という時代をうまくとらえられたのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

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2011-06-23

海外のメディアや個人が東日本大震災時の日本人の行動をどうみたか,それをおもに日本人の著者が書いている. 震災時の日本人は冷静でたがいにたすけあい,他人に迷惑をかけず,整然と列をつくっていた. そういう評価はこれまでもきいてきたし,この本でとりあげているアメリカ,中国,台湾,韓国ほかの見方もそれと一致している. そして,この本で論じられていることではないが,それは日本人の特質というよりは災害時にアメリカなどでも出現した 「ユートピア」 なのだというかんがえもあった.

1 冊のなかで,おなじことを何回もよまされるだけではつまらない. もうすこし国によるちがいがうきぼりになるようなかきかたができれば,もっとよかっただろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 世界が感嘆する日本人@ [bk1] 世界が感嘆する日本人@Amazon.co.jp

つづく…

2011-06-28

大阪府の橋下知事が君が代起立条例案をだしている. 学校で君が代を斉唱する際に教師などが起立することを強制しようとしている. 私自身は学生時代に君が代をうたうことを強制されたおぼえもないし,そういうときに起立することを強制されたおぼえもない. 会社にはいってからは君が代斉唱の機会があったが,そのときになにかを強制されたということもなかった. 現在では会社でそういう機会もない. 君が代起立条例案はやはり異様だ.

つづく…

2011-07-02

幕末から明治維新までを第一の敗戦,太平洋戦争を第二の敗戦,そして構造不況から東日本大震災を第三の敗戦と呼んで,第一,第二の敗戦からまなんで第三の敗戦に対処する方法をかんがえている. 第一,第二の敗戦に 2/3 ちかいページ数がさかれているが,そのなかにも第三の敗戦からたちなおるためのヒントがちりばめられている. ただし,話題の中心になっているのは震災以前からある問題点だ.

震災後は理由も不明確なまま日本を賛辞する本がおおいなかで,この本は手きびしい. 日本はいまきびしい状況にあるのだから,元気はださなければならないが,解決するためには問題点をきちんとみすえなければならないということだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 第三の敗戦@ [bk1] 第三の敗戦@Amazon.co.jp

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2011-07-14

著者も最後に書いているように,マンションの管理組合にはいろいろあり,それぞれちがう問題をかかえている. 著者のばあいは荒廃したリゾート・マンションを買って再生させるというちょっと特殊なケースだ. ふだん住むためのマンションの場合,賃貸マンションの場合,それぞれかなりちがいがあるだろう.

しかし,管理会社に目をひからせる必要があること,修繕が必要になること,そしてその施工業者の選択や工事の管理などに関しては,共通な部分がおおきいだろう. 著者のようにそれが 「趣味」 になるひとはすくないだろうが,すくなくともひとまかせではうまくいかない可能性がある. そこに主体的にかかわっていくとき,この本は参考になるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 闘う楽しむマンション管理@ [bk1] 闘う楽しむマンション管理@Amazon.co.jp

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2011-07-24

定年後の仕事や生活の場をタイにもとめたひと,あるいは日本での仕事や生活をあきらめてタイにわたった若者など,いろいろな日本人がえがかれている. おなじ著者が 「日本を降りる若者たち」 という本を書いているが,この本ではより年配のひとをとりあげている. しかし,タイでくらす年配のひとについての本もほかにいろいろあって,この本がどうちがうのかもよくわからない.

評価: ★★★☆☆

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2011-07-29

グローバル化から日本の経済・財政,政治の問題点など,さまざまな問題をとりあげている. そのなかで TPP に賛成する議論には 1 章以上のスペースをあてている ― ようにみえるが,実は TPP そのものについてはわずかしか書いていない. どの問題も駆け足で論じているだけで,十分には理解できない. 中途半端な議論にだまされてはいけない.

評価: ★★☆☆☆

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2011-08-08

日本のジャーナリストにありがちなことは,予断をもって取材にのぞみ,相手がなにを言ってもおかまいなしに予断に合っている部分だけを記事にしてしまうことだ. そういう態度が典型的にあらわれているのがこの本だろう. 著者は記者が記事に自分の主観をいれてよいと書いているが,「デマ野郎」 とよばれているという著者は,もしかしたらジャーナリストが 「主観」 だけでなくハナシを勝手につくってもよいとかんがえているのではないだろうか. それでいて,ツイッターやソーシャルメディアの一部の利用者が物事をきめつけるのに疲れたといっている.

記者クラブに問題があるのはたしかだし,それに対抗して著者らがつくった自由報道協会 (この本の 2 章でとりあげられている) はしかるべきやくわりをはたしているとおもう. しかし,すくなくともこの本では,マスコミ,官邸,東電,評論家など,この本でヤリダマにあげられているひとたちは,著者のいろめがねの被害者だ. 読者には,こういう著者のいうことをそのまま信じないで,自分のあたまでかんがえてもらいたいものだ.

評価: ★★☆☆☆

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つづく…

2011-08-31

もとは 「マイコン少年さわやか漂流記」 というタイトルだったのを文庫化するときに現在のタイトルにしたという. たしかに秋葉原の話も登場するが,基本的には著者が PC ゲームを追求し,ゲームを借りてはコピーしまくり,ついには自分でもつくったり香港の店を買収したりする過程で,秋葉原の店にもかかわったということであり,アキバが中心というわけではない. アキバの店としては,マヤ電機,ソフマップ,マハーポーシャ,トライサルなど (のなつかしい名前が) 登場するが,池袋や池袋などの店も登場する. とくにこれといった内容があるわけではないが,ゲームヲタクでなくても著者のあやしい生活やビジネス体験をたのしむことができる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 怪しいアキバ漂流記@ [bk1] 怪しいアキバ漂流記@Amazon.co.jp

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2011-10-07

リベリアのエレン・サーリーフ大統領,同国の平和運動家レイマ・ボウィ,イエメンのタワックル・カルマンの 3 人がノーベル平和賞を受賞した. これらのひとびとのことを私はまったく知らないといってよい. アフリカの女性というと,すぐにおもいつくのは先日死去したワンガリ・マータイくらいだ. いかにアフリカについて無知であるかを感じ,もっと知るべきだと感じる.

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2011-10-25

タイトルからは概説書であるような感じをうけるが,内容はかなりしぼられている. 1 章,2 章では日本人や日本のマスコミがアフリカを誤解している,ただしくつたえていないと主張している. これだけで半分以上のページをつかっている. 誤解していることを知るのは重要だが,だからといって不適切な内容のテレビ番組をつるしあげるのに何 10 ページもつかう必要があるともおもえない.

3 章はアフリカの政治・経済について書いていて,この本のなかで一番,情報がある. 小泉元首相がアフリカ外交にちからをいれていたこと,しかしそれを日本の常任理事国いりにつなげることができなかったことなどが書かれている. 4章は日本がアフリカからまなぶものがあるかどうかがテーマだが,これはむしろ不毛なテーマだとおもえる. この章もあまり情報がない.

結局,興味をひかれる部分はあるものの,全体としては不毛な本だと結論せざるをえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: アフリカ入門@ [bk1]アフリカ入門@Amazon.co.jp

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2011-10-29

NHK スペシャル 3 回分の内容を出版したものだ. 最近アフリカでおこっていることのスナップショットであり,話題はかぎられているが,アフリカにふるいイメージをもっているひとにはインパクトがあるだろう. 番組をみたひとはこの本を読むことによって短時間でその内容をおもいだすことができる. 写真も何枚かあるが,やはりビデオでみるのにくらべるとかぎられた情報しかつたえられない. みていないひとはビデオがみられればそのほうがよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アフリカ@ [bk1]アフリカ@Amazon.co.jp

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2011-11-20

「スモールワールド現象」 を中心思想として,社会や企業におけるひとのつながりなどについて考察している. ネットワーク理論だけでなくサイバネティクスなどのシステム理論もてがかりにしようとしている. トヨタのサプライチェーンに関する考察などは興味ぶかい.

しかし,それらの科学理論と著者の理論とのつながりはあまり明確でない. ネットワークのポンチ絵がところどころに登場するが,それをみると著者がどれだけネットワーク理論を理解しているのか,うたがわしくおもえてくる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ネットワーク思考のすすめ@ [bk1]ネットワーク思考のすすめ@Amazon.co.jp

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2011-11-28

この本のタイトルは内容とはあまり関係がなくて,その内容はインドはどういう国であり,日本とインドとの関係はどうあるべきかということだ. 「もしアメリカが日本と核のシェアリングを渋るようならば,日本はインドと核のシェアリングを先行させるべきである」 というような過激な意見もちらほら,みえる. 経済的にももちろん,関係をふかめるべきだという内容だ. しかし,全般的には比較的地味な内容なので,記憶にはのこりにくいようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: インドと組めば日本は再建できる@ [bk1]インドと組めば日本は再建できる@Amazon.co.jp

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インドの産業の紹介にさいているページが多いが,歴史,宗教についてもひととおり紹介している. 日本でビジネスをしているインド人の著者ならではの内容は,「僕がインドとビジネスを 「しない」 理由」 だ. インドと日本とのあいだのギャップはまだおおきいということだ. もっと交流をふかめていく必要があるだろう. そういう私もインドに出張するから,下調べとしてこの本を読んでいるわけだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 驚異の超大国インドの真実@ [bk1]驚異の超大国インドの真実@Amazon.co.jp

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2011-12-10

著者は,エゴイスティックな経済を否定し,みんなを満足させるパレート最適な経済をめざす. しかし,その論理はよわく,かつ数値的なうらづけはない. 説得力のある理論にそだてていくのは,これからの課題なのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 新しい経済学@ [bk1]新しい経済学@Amazon.co.jp

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2011-12-16

2 人の経済専門家の対話だ. 2 人のかんがえかたは一致しているわけではないが,比較的ちかいところにあるようだ. 経済成長への願望をうちくだき 「優雅な衰退」 を主張する浜,あたらしい社会のありかたをさぐる橘木,最初はそれぞれが相手の聞き役にまわり,そのうちしだいに議論をかみあわせていく. 最後の章は 「優雅な衰退」 の話にもどっている. いろいろ理屈はあるが,やはり 「衰退」 ということばによいイメージはない. こういうかんがえかたに国民が納得するとはおもえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: もう経済成長はいらない@ [bk1]もう経済成長はいらない@Amazon.co.jp

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2012-02-17

「ネットワーク・サイエンス」 というと幅がひろいが,この本は社会学者である著者が四半世紀にわたってつづけてきたという社会ネットワーク分析を中心としていて,ほとんどのページはひととひととの関係について書かれている. もっとひろい意味の 「つながり」 を期待するひとには,期待はずれになるだろう. SNS や「恋人連鎖」のような個人的な関係と,業務電子メールなどからわかる,エンロンなどの企業内の関係の両方が話題としてとりあげられている. こういう話題に興味があるひとなら,おもしろく読めるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「つながり」を突き止めろ@ [bk1]「つながり」を突き止めろ@Amazon.co.jp

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2012-02-18

ノーベル賞をとり,「モッタイナイ」 ということばを世界にひろめた著者の自伝である. 著者自身を知ることができるだけでなく,著者がいきてきたケニアの政治状況や環境破壊とそれらへの反対運動などについて知ることができる貴重な本だということができる. ケニアはながらくイギリスに支配されてきたが,イギリスからきて白人・黒人のくべつなく接してきたひとの話,厳格な修道女に教育されてきたこと,根強い男女差別とそれが原因になった離婚,反政府的な運動に対する容赦ない弾圧など,著者をとりまくさまざまな状況がえがかれている. そういうなかで著者が成功したのは,成就するまでひとつのことをやめなかったからだということもわかる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: UNBOWED へこたれない@ [bk1]UNBOWED へこたれない@Amazon.co.jp

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2012-03-03

よく知られているとはいえない 小室 直樹 をその死を機会として紹介しようというのは,わるくないかんがえだとおもう. しかし,この本は 1992 年に出版された本をわずかに改訂しただけで再度,出版しているだけだ. 小室はその後も重要な本を書いているし,当時といまとでは評価軸もかわってきてしかるべきだろう. 1992 年以前の小室の本の評価が当時と現在とでそれほどかわるとはおもわないが,この本の内容はいかにもふるいし,せまい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 小室直樹の学問と思想@ [bk1]小室直樹の学問と思想@Amazon.co.jp

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いままで変化がなかったところに急におおきな変化がおこる瞬間をティッピング・ポイントという. この本はサブタイトルにある 「ネットワーク理論」 についてはなにも書いてなくて,書いてあるのはこのティッピング・ポイントのことだ. とはいえ,あつかわれている問題は人と人との関係 (= ネットワーク) であり,ネットワーク理論が対象としているものだ. えられる結論もよく似ている. また,ティッピング・ポイントをちょっと押せば世界をおおきくかえることができるということは,「カオスの淵」 ということばをおもいおこさせる. いろいろと刺激をあたえてくれる本であることはたしかだ.

評価: ★★★★☆

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2012-03-10

3 部構成だが,1 部と 2 部は数学的思考というよりは経済学的思考について書いている. 現代においてお金なしでいきていくことはできないから,経済をただしくとらえるのは必要なことだろう. 3 部は村上春樹の小説などを 「数学的」 だととらえて,分析している. しかし,読んでみても村上春樹がどう数学的なのか,わからない. 「難しい」 と書いているレビュアーもいるが,「数学的」 あるいは論理的にわかるように説明できていないのは著者の責任だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 数学的思考の技術@ [bk1]数学的思考の技術@Amazon.co.jp

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2012-04-27

この本は小泉政権のころのものであり,田中 真紀子 外相更迭にがっかりしたことなどが書かれている. 庶民的な感覚だ. 昭和天皇を評価するひとは多いが,この本で吉本も 「昭和天皇というのは天智天皇と並ぶ大皇帝であったとおもう」 と書いている. 著者は過去に書いたまちがいをすなおにみとめつつ,現在 (2002 年) については他人に影響されず大胆に,しかしたぶん慎重に,発言している. そのなかには 「脳死は人の死ではない」 という発言もある. メディアはもちろん,「常識的な」 ことしか書かないおおくの評論家などとは一線を画している.

評価: ★★★★☆

関連リンク: メディアを疑え@ [bk1]メディアを疑え@Amazon.co.jp

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2012-04-28

この本は,テレビタレントやテレビ番組などに関する評論集だ. 美空ひばりなどを評価し,筑紫 哲也,田原 総一朗 などの 「進歩派」 を批判している. スポーツの話題もあり,昭和天皇の死やその後のメディア等でのあつかいなどもとりあげられている. 著者の視点や完成は庶民的だが,評論に書くためにテレビをみながらいろいろメモをとっていたらしい. そういう努力のたまものなのだろう.

評価: ★★★★☆

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2012-05-28

「記号論と社会学」 というタイトルではあるが,内容の大半は記号論入門だ. 入門書としてはわかりやすいが,あまり新鮮さはない. 社会学のながれの一部としてレヴィ・ストロースがとりあげられているが,これは記号論に興味をもってきたひとにはおなじみのなまえだ. この本が出版されたのは 2004 年だが,内容は 1980 年代に話題になったことだ. それというのも,この本はもともと 1886 年に大学で発行されたものをもとにしているということがわかって納得した.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 記号論と社会学@Amazon.co.jp

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2012-06-28

トルコ大使だった著者が,歴史,民族,言語・ことわざ,日本や日本人との共通点など,トルコのおもての顔をえがいている. うらづけのない記述もおおいので注意して読んだほうがよいだろうが,トルコを理解するにはよい本だろう. しかし,トルコの裏側,つまり領内の異民族などについてはまったく書いてない. トルコに住んでいればみえてくることもあるだろうから,意図的に書いてないのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: トルコが見えてくる@Amazon.co.jp

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2012-07-15

「上から目線」 ということばは比較的最近つかわれるようになった. にもかかわらず,この本ではそれをふるくからの人間の心理や日本の文化などから説明しようとしているようにみえる. 第 5 章では 「母性原理」 と 「父性原理」 をもちだし,「父性原理は弱体化してきている」 と指摘している. しかし,それは 「父性原理」 ではうまくいかなかったからなのではないか. 「戸塚ヨットスクール事件」 をいまさらもちだして,そこからまなばなかったといわれても,それが現代の問題だとはおもえない. 時代錯誤ではないのか? そういうおもいは 「ビジネスの先輩や人生の先輩による 「上から目線」 に慣れていくこと. そして,必要に応じて自分自身もよい意味での 「上から目線」 に立つことができるようになること」 が必要だという部分で頂点に達する.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「上から目線」の構造@Amazon.co.jp

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「上から目線」 ということばは比較的最近つかわれるようになった. だから,それは最近の社会の変化を反映しているだろう. 著者はこのことばがつかわれるようになった社会の変化を分析する. しかし,あまりにいろいろな変化を 「上から目線」 とむすびつけてしまっているようにみえる.

たぶん,この本のなかでは 「上から目線」 より対話の 「テンプレート」 がつかえなくなったという,何回か登場する指摘のほうが重要なのだろう. 著者によれば,日本語には 「上下関係を規定する性質がある」 という. ここで著者はテンプレートということばをつかってはいないが,これもそれにちかいのだろう.

こういうテンプレートがつかえなくなった (あるいは不適当なテンプレートがつかわれている) ことによって,コミュニケーションがうまくいかなくなっている. それがうまくいかなくなっていることに問題があるのだから,第 8 章で著者がその処方箋をしめしているのは妥当なことだろうが,その処方箋は特殊なばあいにしかつかえないし,ピンとこない. つまり著者は処方箋をしめすのに失敗しているといえるだろう. しかし,テンプレートや上下関係の規定に関する指摘じたいは重要だとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「上から目線」の時代@Amazon.co.jp

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2012-07-16

著者は 「空気」 を追究していくうちに 「世間」 にぶつかった. その 「世間」 はこわれつつあり,そうあるべきだと著者はかんがえている. しかし,「空気」 はどうなのだろう. かつて山本七平が書いたように 「空気」 は戦前から日本をむしばんでいた. 現代人はそのとき以上に 「空気」 にふりまわされている. しかし,この本の最後で 「空気」 の話はどこかにいってしまっている. 「世間」 がきえても 「空気」 があるかぎり,現代日本の問題は解決されないのではなかったのか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「空気」と「世間」@Amazon.co.jp

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2012-07-18

著者は比較的かぎられたサラリーマンの経験をへて大学教員になったようだが,この本には 例として「社内の会話」 が多用されていて,違和感を感じる. とくに第 2 章 では「日本語の窒息」 について書かれているが,ほとんどは著者が想像にもとづいて創造した例にもとづいていて,説得力がない. 社内の 「空気」 に関しても,「ダラダラ残業追放」 ということばを 「ダラ残追放」 という 「社内用語」 に変えたことで発生した 「空気」 によってサービス残業がうみだされるというような,意味不明な主張がなされている.

著者が実際に接したのは 「タメ口」 という,学生中心の 「だ,である」 調の会話だという. だから,それについては経験にもとづいているわけだが,「いわゆる 「タメ口」 とはむき出しの権力関係を持ち込んだ不平等な言語空間を作り出すものなのだ」 という指摘がはたして妥当なものだろうか?

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 「関係の空気」 「場の空気」@Amazon.co.jp

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2012-07-27

ちかごろ,ニュースでは 「暑い」,「暑い」 を連発している. きょうの…の最高気温は…度,…の最高気温は…度,… あすの…の最高気温は…度,…の最高気温は…度,… おまけに,何人ものひとにインタビューしている.

しかし,都市ごとの気温をいわれても,あまり情報がない. 熱中症への注意は有用だろうが,「暑い」,「暑い」 といってみても,不快感がますばかりだろう. こんなことを毎日,延々とくりかえして報道するよりは,もっと情報のあるニュースもあるのではないだろうか. 暑さに関するニュースはほどほどにしてほしい.

2012-07-29

主張したいことがあるなら気軽にいこう ! というデモのススメである. 市民が主張し参加するのが民主主義なのだから,日本社会でこういう傾向がひろまるのはよいことなのだろう. ただ,この本の最後にベトナム反戦運動などがとりあげられているところは,ちょっと気になる. 著者がサヨクということではないようなのだが…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デモいこ !@Amazon.co.jp

つづく…

市民がデモに参加して主張するのは,きっと日本の民主主義を発展させるよいことなのだとおもう. それに,デモにかぎらず,行事に参加して経験を積むことはよいことだ. だが,そこでみたこと,きいたことだけを信じてしまうのは危険だろう.

著者はフジテレビが韓流ドラマを他局よりおおく放送し,「反日的」 な報道をしているというので,それに反対する保守派のデモに参加したという. 著者はそういうフジテレビの 「偏向」 を信じているのだろうが,フジ・サンケイ・グループが日本のマスコミのなかでもっとも保守的傾向がつよいことはよく知られている. それを考えると,著者の意見はいささか奇妙におもえる.

この本の読者にも,この本だけでなくて,いろいろな本やほかのメディアをみて判断してもらいたいとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: フジテレビデモに行ってみた!@Amazon.co.jp

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2012-08-11

著者は,ソーシャルメディア革命とは 「動員の革命」 なのだという. たしかに,アラブではソーシャルメディアによって動員されたデモによって政権が崩壊した. 日本でも大規模なデモが組織されるようになっている.

しかし,ソーシャルメディアの機能を 「動員」 ということばであらわしてしまうのは違和感がある. この本のなかでも,企業の苦情処理のような個別的なこともとりあげられている. ネット上でおこることはまずはそういうミクロで質的なことであり,そこからマクロで量的なことがおこってくるのではないのか? ミクロをとばしていきなり 「動員の革命」 といわれても,ピンとこない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 動員の革命@Amazon.co.jp

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2012-10-06

これからの社会では物質的なゆたかさをもとめるかわりに,あたらしいゆたかさをもとめることを提唱している. それじたいは著者独自のかんがえかたというわけではないし,2001 年に出版された本だから,あたらしくもない. また,よみやすい本でもない.

しかし,著者が提起している問題は長期的なものであり,10 年以上経たいまでもあまりかわっていない. また,それに対するかんがえかたもいまなお有効だとおもえる. 市場経済の 3 つの 「離陸」 というかんがえかた,「外的な限界」,「内的な限界」,そして 「分配」 という 3 つの問題,3 種類の社会保障のありかた,つまり 「自助」,「共助」,「公助」 など,いまこそ,これらの問題をもう一度かんがえてみる必要があるのではないだろうか?

評価: ★★★★☆

関連リンク: 定常型社会@Amazon.co.jp

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2012-11-07

「遠隔操作ウィルス事件」 では,他人のパソコンにウィルスをいれて犯罪行為をおこなわせ,その後そのウィルスをけすことによって,冤罪を誘発した. 巧妙な手口の犯罪はゆるしがたいものだが,この事件は警察・検察が冤罪を容易におこしうることを示した点では 「功」 があったということができるだろう.

つづく…

2012-12-26

タイトルからは創造工学かなにかをおもいだす. まったくトリッキーなタイトルだ. アマゾンの内容紹介でも内容はよくわからないが,これは社会学の方法論の本だ.

著者は社会学者であり,従来の日本にはびこっていた単に海外から学説を輸入するだけの 「学」 を脱却し,1970 年代にオリジナルな社会学を構築することをめざしてきた. その後さかんになった日本の社会学の先駆者なのだろう. この本は活字からしてふるびているが,日本の文科系学問がまだグローバル化していないなかでは価値をもちつづけているといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 創造の方法学@Amazon.co.jp

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2013-01-10

著者はハドソン研究所に籍をおき,日本にいてはわからないアメリカの情報をつたえてくれる. 日本の民主党政権や中国に対するアメリカ政府などの印象や対応などが,なまなましく書かれている. だが,著者自身ないし著者のまわりには共和党支持者が多いのだろう. オバマや他の民主党の大統領をクソミソに書いている. 大統領選のまえに書いているから,オバマは再選されないと書いているが,そうはならなかった. 中国の軍事力もひくく評価しているが,はたしてどうだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: いまアメリカで@Amazon.co.jp

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2013-02-01

著者はガンダムとワンピースを解説し,ガンダム世代はタテ社会つまり組織重視,ワンピース世代は仲間重視だという. そういう面はあるだろうが,そういう対比をしたとたんにもはやガンダムやワンピースからははなれてしまうし,ステレオタイプでしかないだろう.

ドラッカーのことばをひいて,ワンピース世代がいずれ社会に反旗をひるがえすときがくるはずだというので,それを物語風にえがいている. その物語もそんなによくできているとはおもえないが,彼らの反乱が「選挙に行かない,年金を支払わない,税金を払わない,住民票登録を行わない」というかたちでおこるだろうというのは示唆的だ. たしかに,「ガンダム世代」がつくった土俵にのってしまったら負けだ. 彼らはネットをつかって,従来の経済や社会からは把握できないかたちで活動するすべを身につけていくのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ワンピース世代@Amazon.co.jp

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2013-02-13

家族がちかくの病院に入院することになり,その手続きをした. そこで感じたのは,なんと効率のわるい方法でやっているかということだ. どこの病院でもそういうやりかたをしているわけではないだろうが,事務を改善できる病院はほかにもあるのではないだろうか.

つづく…

2013-06-13

スポーツ界や体育大学などで体罰をなくす対策が真剣にとられようとしている. 体罰のために死者までだした状況では,いそいで対策をとることが必要とされているのは理解できる. しかし,NHK のまちなかのインタビューでも体罰をみとめるような発言がおおくみられる状況でまず必要なのは体罰の効果をたしかめることなのではないだろうか.

つづく…

2013-07-09

情報技術が社会をかえるという 「情報化社会論」 のウソをあばく本ということだ. たしかに,情報技術そのものがあたらしい社会をつくるわけではなくて,情報技術の革新が社会のありかたに影響をあたえるだけだというのは,そのとおりだろう. しかし,さまざまな 「情報化社会論」 をひとからげにし,そうすることによってそれを正体不明なものにしておいて,それに反論するというやりかたが生産的なものだとはおもえない. 10 年以上たって文庫に収録されたということだが,論旨があいまいだから時間がたっても無意味にはならないというだけのことではないだろうか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 社会は情報化の夢を見る@Amazon.co.jp

つづく…

著者はグラミン銀行をつくったムハマド・ユヌスに影響をうけ,その講演をこの本に収録するとともに,イノベーションを成功させた例をとりあげている. しかし,震災をはじめ,その他いろいろな話題が脈絡なくとりあげられていて,いささか散漫な印象をあたえる. もっと論点をしぼらないと,意味のある結論はだせないのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 創発的破壊@Amazon.co.jp

つづく…

2013-12-30

この本の内容は「コンプライアンス」ということばから想像されるものとはまったくちがっている. 読んでみるとそれに失望するだけでなくて,およそ非論理的な書きっぷりに腹さえたってくる. 著者は有名大学で重職にあるように書いてあるのだが,そういうひとが書いた本だとは到底おもえない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: コンプライアンスが日本を潰す@Amazon.co.jp

つづく…

2014-07-14

地上放送のテレビのチャネルは地域によってさまざまだった. ところが,最近はどこにいっても NHK 総合のチャネルが 1 になっている. チャネル配列は受像機の設定でかえられるからアナログ時代にだいたいあわせることができるはずだが,いまや関東での配列が地方でもつかわれるようになっているということなのだろう.

つづく…

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