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社会・経済 アーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, Web とインターネット仕事と起業メディア・アート・イベント・エンターテイメントインタフェース,アメニティとデザイン思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境生活知的生産とリテラシー社会・経済秘密・プライバシー保護とセキュリティ言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

2006-05-14

この本は,ゴルバチョフからエリツィンに主役が交代する時期に,ロシアがかかえる,ひとことではいえないさまざまな問題をあつかっている. とくに,のちにプーチンをも苦しめることになる生産・流通の問題点などを分析している. とくに印象にのこったのは 「資本主義との対決に一喜一憂する中で,我々は何世紀にもわたって人類が創り上げてきた多くのものの意義を明らかに過小評価したのである」 というゴルバチョフのことば (p. 74) である. このことばは,「資本主義」 や 「人類」 を日本をとりまく局所的な文脈でよみかえることによって (たとえば 「人類」 を 「日本人」 とよみかえることで) 破壊的なマルクス主義の影響からぬけだしていない現在の日本にも警鐘となるであろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ロシアの悲劇@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

2006-05-15

3 つの章のうち 2 つはソビエト崩壊の予測に関係している. しかし,3 章では突然,日本の非武装中立論を批判している. 1990 年前後の小室直樹の本は饒舌で脱線が多いが,それにしても…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソビエト帝国の崩壊@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

最初の何章かは従軍慰安婦問題,東京裁判の問題など,すでにほかの論者によってさんざん書かれている内容である. そのなかには 「選挙コンプレックスがニクソンの生命取りになった」 (p. 113) というような,おもしろい話がちりばめてあったりはするものの,あまり新鮮さは感じられなかった. 3 章からは日本資本主義の分析など,小室らしい話題が登場するが,私にとってもっともインパクトがあったのは第 4 章 「なぜ,天皇は 「神」 となったのか」 である. 最近は教育勅語が現在でも有効な常識的な内容だとする意見が多くなっているが,小室によれば教育勅語はキリストのような現人神である天皇が儒教にはないまったく新しい規範を説いたものであるという. これぞ小室天皇教の真髄であり,逆にいえば教育勅語の “復活” に注意が必要だということでもある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本国民に告ぐ@ [bk1]日本国民に告ぐ@Amazon.co.jp

つづく…

2006-06-03

宮台真司の本には粗雑なものが多い. この本に関しても他のレビューで誤字脱字の多さや注釈がないことが指摘されている (注釈がある本でも場違いなことが多い). たくさんのひきだしのなかみをチラチラとひけらかしてくれて,つまりカタログ的にいろいろなことが書いてあるので,それをヒントにかんがえたり,ほかの本を読んだりすることはできるが,この本だけ読んでも宮台のように知識がない私には,それらの断片を理解することができない. もっと,だれでもわかるように,ていねいに書いてほしいものである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 亜細亜主義の顛末に学べ@ [bk1]亜細亜主義の顛末に学べ@Amazon.co.jp

つづく…

10 数年まえだったら,問題の本質にせまらずにただ表面をうわすべりするだけの,このようなものいいに対して,もっと共感をおぼえただろう. しかし,もはやサヨク的な信念をもてなくなったいまでは,もっと本質をえぐってもらわないかぎりは共感することができなくなってしまった. 本質にせまれない理由としてはこの本に収録されている文章のおおくが字数のかぎられた新聞やジャーナルの記事だからということもあるだろう. しかし,80 ページをついやしている 「禁煙ファシズム」 に関しても単なる事実とそれに対する意見の列挙以上に深い議論にはなっていない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 国家に隷従せず@ [bk1]国家に隷従せず@Amazon.co.jp

つづく…

2007-08-31

シャドーワークということばをつくったイヴァン・イリイチによるその定義は 「無報酬とされている仕事だが,何らかの経済行動の基盤を維持したり,支援したりするために不可欠な仕事」 だという. 本書の著者はシャドーワークをはっきり定義していないが,「上司の指示を待ったり,事前に相談したり,または許可を受けるようなことをせずに,自発的な非正規の行動を起こすこと」 がシャドーワークだと書いている. これはイリイチの定義とはあきらかにちがっていて,しかも,とくに 「非正規の行動」 というところがあいまいである. 本書でとりあげられている例をみると,著者がいう 「シャドーワーク」 には無報酬のものもあり報酬があたえられているものもある. また,仕事じたいも経済的に支援されているばあいとそうでないばあいとがある. 無報酬だったり支援されなかったりするときは,その 「仕事」 と会社との関係はよわくなるとかんがえられるが,本書では会社との関係がつよいケースばかりがとりあげられている. 私にはとりあげられている例の大半は本来のシャドーワークにあたらないようにおもえる. はっきり定義されていないことからもわかるように,著者にとっては実はシャドーワークという概念はたいした意味をもっていない,むしろ仕事における自発性に興味があるのだとかんがえられる. シャドーワークそのものに興味があった私は失望させられた.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: シャドーワーク 知識創造を促す組織戦略@ [bk1]シャドーワーク 知識創造を促す組織戦略@Amazon.co.jp

つづく…

2007-09-16

日本の歴史とくに大東亜戦争をみなおそうといううごきが,「新しい歴史教科書をつくる会」 をはじめとして,さかんになっています. みなおしを主張するひとたちが問題にする点のひとつは,「南京大虐殺」 をうつしたとされる写真のおおくが虚偽にみちたものだという点です. この戦争に関するおおくの本のなかでその真偽が議論されています. しかし私は,戦争とは直接の関係がない本のなかでこの問題に関連する記述があることを発見し,重要な論点を提供していると感じました. それは,今野 勉 の 「テレビの嘘を見破る」 という本です.

つづく…

2007-10-13

冒頭に 2020 年におけるケータイのつかわれかたをえがく 「小説」 が書かれているが,それを読んでいきなり,がっかりさせられた. そこに書いてあることは,研究レベルではいますでにほとんど実現されていることである. まったく夢が感じられない. しかし,著者はつぎのように書いている. 「人間の基本的なライフスタイルや考え方は,半世紀単位でも思ったほど変わっていないように思える. [中略] 今現在の生活者である我々がピンと来ないものは,10 年 ~ 20 年経ったとしても使われることはないのではないだろうか.」 冒頭の小説はこのかんがえにもとづいて書かれたということだろう. 通信インフラとして出発し i モードによって IT インフラとなったケータイだが,現在すでに,おさいふケータイがだいぶ普及し,つぎのステップはそれを 「生活インフラ」 にすることだという. 日本ではまだクレジット・カードが普及していないというところに目をつけて,それをケータイのうえで実現しようという戦略はしたたかなものである.

本書でおもしろいところは,第 3 章におけるテレコム業界批判である. 顧客ではなく 「業界のため」 を第 1 にかんがえる体質やをするどく批判し,それにたちむかったことで i モードを成功させたと自負している. また,WAP (ケータイ Web 標準) に関して,標準化会議における日本人の影の薄さを指摘している. また,技術の優位性こそすべてという 「技術単独信奉」 を批判し,FOMA においてそれが成果をあげたことをのべている. ほかにもおもしろい内容がふくまれているが,ここまでにしておこう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ケータイの未来@ [bk1]ケータイの未来@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-10

タイトルからして 「日はまた昇る」 の続編のようなつもりで買ったのだが,内容は日本だけでなくアメリカ,ヨーロッパ,中東にまで言及している. 日本を中心として世界全体をながめるのにちょうどよい本かもしれない. 日本ではジャーナリズムも近視眼的で,中東などのできごとが歴史的な考察までくわえながら論じられることはまれである. このうすい本からまなべることはかぎられているが,こういうインターナショナルな視点をまなぶべきだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: これから10年、新黄金時代の日本@ [bk1]これから10年、新黄金時代の日本@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-17

みじかい本ではあるが,著者の日本経済・社会についての理解から示唆される点がおおい. 1990~2005 年の分析としては,たとえば 「基本的な景気対策,たとえば公共投資によって一部の圧力団体と政治家の懐がさらに豊かになり,改革への抵抗がますます強くなった」 こと,「不満や疎外感は存在するが,多くのヨーロッパ諸国やアメリカなら起こったはずの秩序崩壊や暴力沙汰は見られなかった」 ことなどが指摘されている. また,A 級戦犯の合祀が 「欧州の人間にとっては,これはアドルフ・ヒトラーや他のナチ高官を祀り上げるのに等しく」 ということばは,そこに誤解があるかどうかはともかくとして,日本人が理解すべき点だとおもわれる. また,靖国神社のありかたについても読むべき内容がある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日はまた昇る@ [bk1]日はまた昇る@Amazon.co.jp

つづく…

2008-02-29

日本人は 50 年以上まえから 「ワーカホリック」 などといわれてきたが,いまや働きすぎは世界にひろがり,フランスでさえも労働時間をふやそうとしている. 日本では過労死さえ頻発している. そういう時代のながれをこの本では数値的にとらえている. しかし,それではどうしたらよいのか? この本では終章が対策の検討にあてられているが,そこでのべられている大半のことは,ずっと以前からいわれつづけてきたことである. たしかに基本は重要だが,もっと現在の状況にあわせた対策をかんがえなければ,問題の解決はおぼつかないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 働きすぎの時代@ [bk1]働きすぎの時代@Amazon.co.jp

つづく…

2008-03-11

アップル (Apple) はどういう会社か,またスティーブ・ジョブスはどういうひとか,それを新書というみじかい本のなかにうまく書いている. とくに,ジョブスがどうやってアップルという会社をとりもどしたのか,その後どのような戦略をとっているかなど,もしまだ知らなければ読む価値があるだろう. しかし,すでにある程度こうした知識を知っている私にとっては,おさらいにはなったが,いまひとつ,あたらしい発見はなかったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アップルの法則@ [bk1]アップルの法則@Amazon.co.jp

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2008-04-03

文化大革命でおおくの中国人がひどい目にあわされたが,この本を信じるならば,その後もべつの意味でひどい目にあわされつづけていることになる. 拝金主義,腐敗をはじめとするモラル・ハザードの極致,その種をまいたのが鄧小平だという. しかし,中国に対する敵意をむきだしにした本がおおいなかで,この本の著者は中国への愛をもって告発している. 中国だけでなく日本のためにも,はやく中国がこういう状態からぬけだしてほしいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: トンデモ国家@ [bk1]トンデモ国家@Amazon.co.jp

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2008-04-12

BK1 の内容説明によると 「日本の IT 産業が崩壊の危機に瀕している. 牙を剝くグローバル競争の脅威.富士通,NEC,日立はどう立ち向かうのか.産業構造の変革期にあることを改めて訴え,次の IT 産業を創出するための 「カギ」 を提示する.」 ということだが,実はまったく解決への方向を提示できていない. Amazon.co.jp の書評をみても,意見はまったくバラバラであり,問題の根深さを痛感する. しかし,それはすくなくともこの本が問題点の指摘においては成功していることを意味している.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: IT 産業崩壊の危機@ [bk1]IT 産業崩壊の危機@Amazon.co.jp

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2008-04-24

著者は農地地価などのデータを入手して,それをみずからコンピュータで分析し,十勝地方に 「特異的に,農業が産業として成立」 していることをみいだした. そして,その謎をとくために現地にでかけて取材している. こうした努力の末に書かれたのがこの本である. この本の最後では国政における自民党と民主党,有権者の行動なども分析されている.

とはいっても,この本がおもにあつかっているのは半導体材料におけるイノベーションである. みずからもかつてつとめていた大企業でイノベーションのたねが死蔵されている状態からぬけだすカギをもとめて,有名なクリステンセンの理論に異をとなえている. とはいえ,物理屋でも半導体屋でもないソフトウェア屋の私には,ここからイノベーションをおこすカギをみつけるのはむずかしい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: イノベーション 破壊と共鳴@ [bk1]イノベーション 破壊と共鳴@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-28

マイクログリッドの厳密な定義はこの本にゆずるが,それは従来の電力ネットワークに接続される分散した電力供給者と消費者とで構成される. 家庭の太陽光発電システムもマイクログリッドの一部になりうるが,この本がおもな対象としているのはもうすこし大規模な,企業などの発電システムであり,発電機器としてもマイクロ・ガスタービン,マイクロ・ガスエンジンなどがとりあげられている.

世間では太陽光発電に関しても CO2 が削減されるといった利点ばかりが強調されているという印象をうける. しかし,カリフォルニアやニューヨークでかつて発生した停電は,電力の安定供給がそんなにかんたんなものでないことをしめしている. 分散型の発電がひろまれば,電力系が不安定になるのではないかという私の疑問に,この本はこたえてくれた. ひとことでいえば,これから解決するべき課題が山積しているということである. 理系の私にもわかりにくい技術的な内容をふくんでいるが,おおまかな把握のためにはやくにたつとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: マイクログリッド@ [bk1]マイクログリッド@Amazon.co.jp

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2008-05-05

Amazon.co.jp や他の書籍サイトで 「電子マネー」 を検索すると,40 冊ちかい本がみつかります. しかし,その大半は 1990 年代に出版されたものです. それらの本と最近に出版された比較的かぎられた数の本の内容をくらべると,わずかしか,かさなりがないことがわかります. この事実が,第 1 世代と第 2 世代のあいだに断絶がある電子マネーの歴史をものがたっています.

つづく…

この本にはその出版後にひろくつかわれるようになった Suica や Edy, おサイフケータイなどに関する記述はない. これらが第 2 世代の電子マネーであるとすれば,この本は第 1 世代の電子マネーに関するものである. 第 2 世代とは非常にことなる,暗号技術に特徴がある第 1 世代の電子マネーが存在したことは知る価値がある. この本ではその問題点もくわしく分析されていて,実際にその一部が第 1 世代の電子マネーの失敗の原因になったとかんがえられる. それを知ることは,今後の技術開発やビジネスにもやくだつかもしれない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 手にとるように電子マネーがわかる本@ [bk1]手にとるように電子マネーがわかる本@Amazon.co.jp

つづく…

おなじ日経文庫の 「電子マネーがわかる」 が Suica,Edy, おサイフケータイなど,第 2 世代の電子マネーを中心としているのに対して,この本は DigiCash,Mondex など,第 1 世代の電子マネーとそれをささえる技術に関する解説である. ふるびてしまった部分があることは否定できないが,両方あわせて読むことによって,電子マネーをよりよく理解できるとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 電子マネー入門@ [bk1]電子マネー入門@Amazon.co.jp

つづく…

新書のかぎられたページ数のなかで,現在,日本でつかわれているさまざまな電子マネーだけでなく,世界でつかわれている ISO14443 タイプ A,タイプ B にもとづく香港,中国,ヨーロッパなどのさまざまな電子マネーや標準化動向,これらの第 2 世代の電子マネーとは一線を画する第 1 世代のモンデックスやゲルトカルテなどについてもひととおり説明している. 電子マネーの概要を把握するには最適な本だということができるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 電子マネーがわかる@ [bk1]電子マネーがわかる@Amazon.co.jp

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2008-05-06

この本では退職後にゆたかな生活をおくるために 40 代,50 代にどのようなそなえをすればよいかが書かれている. 単にカネのことだけでなく,40 代から資格取得をめざすとよいということにまで言及している. しかし,この本を読むと,私に関しては気持ちが暗くなってしまう. 「40 代の転職は退職金で決める」 など,カネのために行動がしばられる話が書かれているせいかもしれない. やりたい仕事があるならこの本の内容は無視してやればよいわけなのだが,「それでは生活がなりたたなくなるよ」 といわれている気がする.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 年金をあてにしない蓄財術@ [bk1]年金をあてにしない蓄財術@Amazon.co.jp

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読んだことはないが,「1人ビジネス」 に関する本はすでに何冊か出版されている. また,雑誌にはいろいろ紹介されている. この本はいろいろなケースがとりあげられていて,よくまとまっているとおもう. しかし,すでにいろいろ同様の情報があるなかで,なぜいまこの本を出版したのか,よくわからなかった. もっとオリジナリティをはっきりだしてほしかったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ひとりビジネス@ [bk1]ひとりビジネス@Amazon.co.jp

つづく…

著者は日本の会社に導入された 「実力主義」,「成果主義」,「360 度評価」,「フラット型組織」,「ボトムアップ主義」 をつぎつぎと斬っていく. これらは手本となった国の企業ではうまく作用していたのだろうが,それを国情や社風などのちがいに十分配慮せずに導入したために失敗した例が多々あるのは事実だろう. しかし,この本の論旨には飛躍しているところが多々あるようにおもう. たとえば実力主義は野心家に悪用されるからよくないということが書かれているが,それがどういう条件のもとでおこるかは分析されていない. 全体を通じて感じるのは,きちんと分析しないまま,わるい面ばかりが強調されていて,うまく導入すれば機能する上記の主義たちが不当にけなされているということである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 御社のトップがダメな理由@ [bk1]御社のトップがダメな理由@Amazon.co.jp

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2008-05-07

社会学ではフィールドワークが欠かせないが,社会学や社会調査などの本は調査の技術にかたよりがちである. 著者がこの本でつたえたいのは技術でなく,フィールドワークのこころがまえやかんがえかたである. 社会学者でなくてもフィールドワークやアンケートなどの調査が必要になる機会があるだろう. そういうとき,この本が参考になるのではないだろうか. また,これは 「おもてなし」 のこころにも通じているようにおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「あたりまえ」を疑う社会学@ [bk1]「あたりまえ」を疑う社会学@Amazon.co.jp

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2008-05-09

著者があげている 「5 つの定理」 すなわち 「アントレプレナーシップ」,「チーム力」,「技術者の眼」,「グーグリネス」,「大人の流儀」 はたしかにこれから Web などでなにごとかをしようとするひとが知っておくべきことだろう. しかし,これらは未来よりは過去につながっている. 「未来を切り開く!」 ためには,これだけでは十分とはいえないだろう. これらをヒントにするのはよいが,とらわれないほうがよいようにおもえる. それから,技術者である私の眼には,著者がいう 「技術者の眼」 はちょっとずれているようにおもえる. このあたりは,やはり技術者が書いているものをみたほうがよい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ウェブ時代 5つの定理@ [bk1]ウェブ時代 5つの定理@Amazon.co.jp

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2008-05-12

Web 2.0 の技術をどのように企業活動にいかすことができるか. 本書はその概論をのべ,ブログ,SNS,Wiki など,さまざまな Web 2.0 の手段について個別に検討してもいる. そこから,いろいろなヒントをよみとることができるだろう. しかし,本書においては現代の企業にとって最重要課題のひとつであるセキュリティに関する検討がまったくおこなわれていない. セキュリティに関する指針がないままでは,企業がこれらの手段をとりいれることはできないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: エンタープライズ 2.0@ [bk1]エンタープライズ 2.0@Amazon.co.jp

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2008-05-14

シリコンバレーに滞在する著者は,わかい日本人が海外旅行や海外での仕事などに関して消極的になったことを 「パラダイス鎖国」 と呼んでいる. 「鎖国」 はわかるが,非正規雇用問題,セーフティ・ネットの危機など,さまざまな問題をかかえている日本が 「パラダイス」 だとはとてもおもえない. しかし,著者はいろいろな数字をあげて,日本がさまざまな問題をかかえながらも,まだ大国であり,アメリカよりくらしやすいと書いている.

この本は 「鎖国」 に悲観しているわけではなく,そこからぬけだす道をしめしている. すなわち,シリコンバレーにいるような 「霧の中で見えないものに向かって敢然と進むこと,あるいは,ほかの人には見えないけれど自分だけに見えるものを探すこと」 を積極的にするひとをそだてる必要があるという. しかし,シリコンバレーにはそういうひとたちをつなぐしかけがあることが重要だろう. そこまでふみこまなければ,そういうひとたちがうまれても,すぐにきえてしまうだけではないだろうか.

評価: ★★★★☆

関連リンク: パラダイス鎖国@ [bk1]パラダイス鎖国@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-18

著者は 2005 年に 「しのびよるネオ階級社会」 という本を書いて,おおきな反響をえた. そのなかには批判もおおかった. 本書はその最初から名指しでそういう批判に反論している. 5 章までは比較的ていねいに反論をこころみていて,議論がかたよっていることが気にはなるものの,いろいろ示唆をあたえている. しかし,本書のタイトルとおなじタイトルをもつ 6 章になると,おおくのひとの名前をつぎつぎにあげて,揚げ足取りな議論をはじめる. これ以降の章はもはや読む価値がない. 後半の章が前半をだいなしにしていて,興ざめである.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ネオ階級社会を待望する人々@ [bk1]ネオ階級社会を待望する人々@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-20

新版がでるまえに買って,その存在を知らないままに読んだ. 現在でもこれが社会学のエッセンスであるということに異論はないが,第 1 刷が 1996 年ということで,とりあげられている事件や社会現象などは大半が 1980 年代のものであり,さすがにふるい. 新版を読むべきだろう.

第 10 章 「コミュニケーションの自己準拠」 では 「カオスの淵」 のことを書いているようだが,このことばをつかっていないので,かえってわかりにくいようにおもう. 第 11 章 「社会のなかの権力」 では日米開戦時の御前会議で昭和天皇がリーダーシップを発揮して戦争を回避できなかったのは 「稟議制」 のためだといっているが,これは戦前の政治体制に対する誤解にもとづいているとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 社会学のエッセンス@ [bk1]社会学のエッセンス@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-22

この本からえられるものはおおいが,論理に飛躍がおおいため,消化不良のままでおわってしまう. 本のタイトルの 「不可能性の時代」 については 「虚構の時代の後に,現実を秩序づける準拠点となっているのは,この認識と実践から逃れゆく 「不可能なもの」 である. [中略] われわれが今,その入り口にいる時代は,「不可能性の時代」 と呼ぶのが適切だ」 と書いているが,これで 「不可能」 が適切な呼び名であるとは到底,納得できない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 不可能性の時代@ [bk1]不可能性の時代@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-23

地域活性化のために (Web にかぎらない) インターネットなどを利用した例を 6 件ほど紹介している. 実践例を紹介するだけでなく,それにさきだって大店法や 「まちづくり三法」 の失敗など,政治や社会を分析し,それをのりこえて地域情報化をはかるための理論をしめしている. さきに理論だけが紹介されているため理論だおれなのではないかとおもったが,例の紹介のなかできちんとそれがフォローされている.

とはいえ,こうしたとりくみはまだはじまったばかりであり,この理論がただしいにせよ,まちがっているにせよ,この本がさらにいろいろなこころみがおこなわれていくきっかけになればよいのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ウェブが創る新しい郷土@ [bk1]ウェブが創る新しい郷土@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-31

著者はさまざまな 「まちづくり」 の活動を調査して,それらのなまのすがたをつたえるとともに,そこから今後のまちづくりへの展望をみちびこうとしている. 終章では 「上からの改革」 がもはや機能しないことやボランティアの重要性についてのべていて,それはそのとおりだとおもうが,この結論はまったく不満足なものである. この程度のことなら,たとえば NHK の 「ご近所の底力」 などでも,いつも話題にされていることである [もっとも,本書の出版の時点ではこの番組ははじまっていなかったのだろうが].

本書で紹介された 「まちづくり」 の例のなかにはもっと,くみとるべきものがあるようにおもう. たとえば十勝の 「北の屋台」 については 「改行準備として 2000 年 2 月に 「北の起業広場協同組合」 を設立し,ホームページを開設. 市内の各所で世界の屋台の写真パネルの展示会を開催し,新聞社をはじめとして各種のメディアの協力も得て広報活動を行った.…」 といった記述があるが,ここからくみとれるものはすくなくないとおもう. それをくみとる作業をすべて読者にまかせてしまうのでは,著者,研究者としての仕事を放棄してしまっているといわざるをえないのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 〈地域人〉とまちづくり@ [bk1]〈地域人〉とまちづくり@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-12

経済が低迷する 1990 年代に楽天で大成功をおさめた著者は,きっと,成功するための策をいろいろかんがえぬいたにちがいない. 読むまえには,「成功のコンセプト」 というタイトルの本であれば,そういうことがぎっしり書いてあるにちがいないとおもっていた. しかし,ここにつづられているのは,「僕にとってこの [ハーバード大学のビジネススクールへの] 留学のいちばんの収穫は,MBA を取得したことより起業精神に触れたことだ」 (p. 79) ということばに象徴されるように,むしろ非常にナイーブな印象をうける. 三木谷本人が書いた本であるがゆえに,よりつよくそういう印象をうけるのだろう. そこが,小手先の策を弄しつづけたホリエモンとの一番のちがいなのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 成功のコンセプト@ [bk1]成功のコンセプト@Amazon.co.jp

つづく…

この本のタイトルからは,いかがわしい雰囲気がつよく感じられる. しかし,内容は三木谷のおいたちから興銀就職,MBA 取得,孫正義との出会い,楽天のたちあげ,楽天球団誕生,フジテレビ問題などをまじめに論じていく. なぜこのようなタイトルをつけたのか,不明である. 三木谷と孫,ホリエモンなどとの関係やちがいの記述をはじめ,おもしろいエピソードはいろいろ書かれているが,280 ページほどのなかであまりにおおくのことを書いているので,食い足りないのはやむをえないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: “教祖” 降臨@ [bk1]“教祖” 降臨@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-20

まちやそのなかの店をその構造やひとのながれ,時間帯など,さまざまな角度から分析・分類している. とくに,それらの分類のしかたや概念につけられた 「わざわざ店」,「エキサイティングショップ」 などのなまえに,学術的な分析とはちがう博報堂らしさがある. 内容はもうだいぶふるくなってしまっているが,ここでしめされている 「ものの見方」 にはまなぶべき点がおおい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: タウン・ウォッチング@Amazon.co.jpタウン・ウォッチング@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-25

アメリカでは全労働者の 30% がクリエイティブな仕事についているが,これはこれまでアメリカが世界のクリエイティブなひとびとをひきよせていたからだという. ところが,最近はそういうひとびとがむしろアメリカ以外の国にひきよせられている. 本書はそういう危機感にいろどられている.

すこし意外だったのは,日本もこの本で使用された統計がとられた 2000 年ころにはいくつかの項目でアメリカよりクリエイティブだとみなされたことである. しかし,たぶん現在ではそうでなくなっているのだろう.

この本は日本では 「クリエイティブ資本論」 よりさきに出版されているが,「クリエイティブ・クラス」 そのものについて書かれているのは 「クリエイティブ資本論」 であり,それをまず読むべきだとおもう. この本はアメリカ人向きであり,日本人が読む必要はないのではないかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: クリエイティブ・クラスの世紀@ [bk1]クリエイティブ・クラスの世紀@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-30

テレワークに関してはその正の面ばかりを書いた本がおおいが,本書はその負の面を冷静に分析している. 正の面について書いた本とあわせて読むことによって,テレワークをよりよく理解することができるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: テレワーク@ [bk1]テレワーク@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-04

現在の経済・社会がもとめているのはクリエイティビティであり,都市が成長するのに必要な 「3 つの T」 は技術 (technology),才能 (talent),寛容性 (tolerance,ゲイを許容する) だと著者はいう. これらをもつ都市,たとえばオースティン,サンフランシスコ,シアトル,ボストンなどにクリエイティブ・クラス (新たな経済階級) のひとびとがあつまって活性化する. シリコン・バレーはこれらの都市のモデルにはなりえないし,著者の大学があるピッツバーグもおくれをとっている.

いろいろと刺激的な内容をふくむ本である. アメリカの都市を中心に論じていて,おなじ基準では日本の都市はひくい評価をうけることになるだろうが,たとえば東京は著者のいうクリエイティビティがゆたかな都市であるようにおもえる. 訳も基本的にはよみやすいが,重要なキーワードである social capital (ソーシャル・キャピタル) を 「社会資本」 と訳しているのは誤訳だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: クリエイティブ資本論@ [bk1]クリエイティブ資本論@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-07

「郊外化」 を都市計画や建築の問題としてとらえる 松原 隆一郎 のような論者と,それを人間や社会の問題としてとらえる 宮台 真司 のような論者がいるなかで,両者をつなぐ議論を展開し,郊外化を単に都市周辺の問題でなく日本全体の問題 (「総郊外化」) としてとらえているのが本書の著者である.

「街をつくらない」 ジャスコや他の大型店の地方進出によって享楽的・退廃的な消費社会がつくられたと主張する,その危機感には迫力がある. 一方で吉祥寺,下北沢,高円寺などの東京の都市には 「新たな原理」 をみている. 主張の根拠は十分ではないが,それは読者に課せられた課題とかんがえることができる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ファスト風土化する日本@ [bk1]ファスト風土化する日本@Amazon.co.jp

つづく…

地方の 「総郊外化」,退廃化に危機感をもつ三浦らの著者たちは,それぞれの立場から解決への努力をはらっている. 三浦は解決のヒントを東京にもとめているが,「商店主自身が街に住み,街に愛着を持って店を開いていれば,自然と人口も増える」 というのはあまりに楽観的なかんがえだろう. 渡もニューアーバニズムに解決策をもとめ,「もう一度東京のよさを学ぶ」 ことをすすめている. 馬場は日本橋を拠点として,まちの再生をめざしている.

さまざまな分野の著者たちは 「ファスト風土化」 に危機感をもち,そこからぬけだすヒントが東京にあるという点で共通するかんがえかたをもっているようにみえる. しかし,それがなぜなのかが,はっきりとはみえてこない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 脱ファスト風土宣言@ [bk1]脱ファスト風土宣言@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-11

本書は有名な KT 法の原典である.系統的な問題解決の方法を記述している. この方法は,状態把握,問題分析,決定分析,潜在的問題分析という 4 つの 「ラショナル・プロセス」 からなっている. 本書を読めば,これらのプロセスをどのように適用すればよいか,そのおおすじがわかる.

本書のもっとおもしろいところは,これらのプロセスの適用例として,おおくの実例がとりあげられていることである. これらの実例を理解することによって,KT 法をどう適用すればよいか,そのヒントをえることができる. 本書が書かれた時代のためだろうが,これらの例のおおくは生産現場や顧客への出荷にともなって発生した問題をとりあげている.

しかし,これらの実例をみると,それらにおいては KT 法によって必然的に問題が解決できたわけではなく,おおくのばあいにひらめきや常識にとらわれない判断などがきっかけとなって問題が解決されていることがわかる. 系統的に問題を詰めたことがこれらのひらめきや判断につながったのだろうが,KT 法以外のやりかたをとったときにくらべてよかったのか,わるかったのかは,これだけでは判断できない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 新・管理者の判断力@ [bk1]新・管理者の判断力@Amazon.co.jp

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2008-07-20

おなじ編著者による 「ファスト風土化する日本」,「脱ファスト風土化宣言」 などの続編とみなせる本である. 「ファスト風土化」 とは日本中が画一化された 「郊外」 になることを意味しているが,アメリカでもこうした現象がおこり,その元凶がウォルマートだとされている. 日本ではそれにちかいのがイオンである.

本書ではアメリカでも日本でも 「ファスト風土化」 と格差社会とが関係していることが指摘されている. また,ヨーロッパにおける 「ファスト風土化」 に対する規制について記述されている. もっとこまかいが注意をひく点として,これまでの日本が生産者中心だったのが消費者中心にするべきだといわれてきたのに対して,三浦は疑問を呈している (p. 16) こと,「ファスト風土化」 を 「再魔術化」 という概念とむすびつけていることなどがある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下流同盟@ [bk1]下流同盟@Amazon.co.jp

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2008-07-23

著者が設立したカルチャースタディーズ研究所が企画した 3 つの統計調査の結果を再利用して 「階層格差」 を追究している. 団塊ジュニアが 「下流化」 しているとし,所得がひくいだけでなく意欲や能力がひくいのが 「下流」 だとしている. サンプル数がすくないことを著者も気にしているが,この結果がみちびかれたのはそのためではなくて,著者が統計数値に大胆な解釈をくわえているからだろう. 話としてはおもしろいし,あたっているところもあるだろうが,ダマされないようにする必要もあるだろう.

本書には統計数値の表やグラフが多数のせられているが,そのためによみにくくなっているのは否定できない. どうせ大胆な解釈をくわえるのであれば,表やグラフを多数のせて客観的なフリをする必要もなかったのではないだろうか. 写真についてもそれとキャプションがあっているかどうかは疑問である.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下流社会@ [bk1]下流社会@Amazon.co.jp

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2008-07-29

逮捕歴 4 回の札付きのワルだった著者は改心したが,脅迫事件によってふたたび逮捕され,裁判で最高裁まで争い,さらに再審まで請求するが主張がみとめられていない. 裁判員制度に希望をつないでいるから 「裁判員に選ばれるあなたへ」 というタイトルをつけたのだろうが,この本の内容は裁判員制度とは無関係であり,だまされて買ってしまった. 意図がよくわからないまま長い文章をよまされるのは,いささか苦痛である. 残念ながら裁判員制度は著者をすくうのにはやくにたたないだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 裁判員に選ばれるあなたへ@ [bk1]裁判員に選ばれるあなたへ@Amazon.co.jp

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2008-08-09

小林 多喜二 の 「蟹工船」 を 「愛蔵版 ザ・多喜二」 で読んだ. この小説の存在は中学生ころから知っていたが,読んだことはなかった. 最近この小説が非正規雇用者を中心としてよく読まれていて,非正規雇用問題と関連づけてさんざん議論されているが,論じられていない点も多々あるようにおもえる.

つづく…

2008-08-11

タイトルには 「ウェブ」 がついているが,むしろケータイの話題,とくにこどもによるケータイ使用に関する話題がおおい. しかし,全体として散漫な印象であり,なにがいいたいのかよくわからない. その理由はこの本が新聞などからとった多数の文章を PHP の編集者が中心にまとめたものだからだろう. また,サル学が専門の著者がサルのはなしを書いていないことも,文章のおもしろさを減じているのかもしれない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ウェブ人間退化論@ [bk1]ウェブ人間退化論@Amazon.co.jp

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2008-08-18

著者は読売新聞記者出身ではあるが,1960 年代から大規模小売店業者を指導する立場になった. 本書はその立場から書かれたものである. 本書においてはアメリカの合理主義的なやりかたを紹介し,それが日本に根付かないことをいろいろな点から指摘・批判している.

たとえば,「有機栽培だから」,「自然農法だから」 よいといいつつ,その科学的根拠があいまいにされている点 (p. 71),マクドナルドのマニュアルが科学的実験をつきつめてできあがっていること (p. 202),台湾での買い付けにおいてアメリカのバイヤーが品質確保のためにきちんと指示をだしているのに日本のバイヤーはそれをしていないために品質が確保できていないこと (p. 241),日本のアイロン台は丈夫すぎて高価になっていること (p. 203) などが指摘されている.

しかし,アメリカと日本とのちがいやアメリカでウォルマートがきらわれていることなども考慮するべきだとおもえるが,こうしたことについてはほとんど書かれていない. アメリカの業界は日本より消費者を指向しているが,この本においては消費者の立場をどうかんがえているのかもあきらかでない. というわけで疑問の点もいろいろあるが,まだ,くみとれる点もおおいとかんがえられる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 流通革命の真実@ [bk1]流通革命の真実@Amazon.co.jp

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2008-08-22

著者はプレカリアートあるいはワーキングプアがうみだされる背景を分析し,プレカリアートを搾取する日雇い派遣などのビジネスを糾弾している. そして,立ち上がるプレカリアート (とともにたたかう著者) がいる一方で,そういう行動に批判的なプレカリアートがいることも具体的な取材にもとづいて書いている. 座談会を企画しているが,そのなかに努力しない若者をなげく 61 歳の女性もまじえているのがよい. また,石原都知事と著者との対談ものせているが,火花をちらしそうな雰囲気もあるなかで,都知事からある程度有意義な発言をみいだしているようだ.

冒頭にプレカリアートということばがイタリアでつくられたことが紹介されているが,そういう世界規模の問題であるだけに容易に解決できるものではない. しかし,解決をめざしていろいろくふうしている著者を応援したい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: プレカリアート@ [bk1]プレカリアート@Amazon.co.jp

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2008-08-23

この本は今年 7 月に出版されたばかりだが,その論点のほとんどは 10 年以上まえから指摘されていることである. IT がジェネラルパーパス (汎用) コンピュータにささえられた技術であることは,この本でもふれている 1960 年代に登場した IBM のシステム 360 以来である. 日本の情報システムのおおくがレガシーである,つまりふるびたシステムをだましだましつかっていることも 20 年以上まえからである. 日本の電子政府が 「おもちゃ」 だという指摘はもっとあたらしいが,ちょっとつかってみればわかる程度の指摘でしかない. そして,これらの問題点に対する解決策はあたえられていない. それでいて 「日本の停滞を打破する究極手段」 などという副題をつけているのはあまりにひどい.

つまり,この本のもとになっている知識はだれでもすぐにしらべられる程度のものであり,結論 (になっていないむすび) もそうである. 著者自身がもうレガシーになってしまったということだろうか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ジェネラルパーパス・テクノロジー@ [bk1]ジェネラルパーパス・テクノロジー@Amazon.co.jp

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2008-09-03

おおくのインタビューと豊富な統計によって,ミクロとマクロの両面からワーキングプアのすがたをとらえようとしている. 従来からよくある統計だけでなく,欠員率と完全失業率の統計から独自のグラフを書いて若年層ほど雇用のミスマッチつまり欠員はあるのに失業もおおいことをあきらかにしている. つまり,ワーキングプアの問題が 「失われた 10 年」 だけでない進行中の深刻な問題だということである.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ワーキングプア@ [bk1]ワーキングプア@Amazon.co.jp

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2008-09-27

この本でもとりあげられている話題だが,「生活保護がうけられずに餓死した」 というような話が断片的に報道されると,餓死に追いこんだ自治体や担当者はひどいという反応をひきおこす. しかし,生活保護を悪用するひともおおく,判断がむずかしいようだ. ほかにもさまざまな問題がある. この本を読めば,生活保護という制度がかかえる問題の全体を把握することができる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 生活保護が危ない@ [bk1]生活保護が危ない@Amazon.co.jp

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2008-09-29

緒言によれば本書は 「「グローバリゼーションの広がりとともに,ローカルなもの,自分らしさへの確固たる根拠を求める動きが強くなる」 という現象を,どのように理解すべきか,という関心の下に執筆されている」 という.

ギデンズの議論を軸として,さまざまな話題が関係づけられている. そのなかには民間企業による (民営化された) 軍事活動やセキュリティ・ソフト (ウィルス対策ソフト) の開発,「第 3 の道」 から 「新進歩主義」 への移行のなかでの 「民営化」 から 「公共化」 へのシフト,安全より安心をもとめる 「子供の安全」,福祉活動が私的な活動になって労働と余暇の境界が融解していること,フィンランド人が直面しているプロテスタント倫理にかわるべきハッカー倫理などなど,さまざまな問題がちりばめられている. それらは上記のテーマに関連づけられているが,その文脈からうきあがってみえる.

よみおわってのこるものは,これらのさまざまな問題のうずであって,なにも整理された感じがしない. しかし,これらのグローバリゼーションにかかわる問題のカタログとして,重宝するであろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 〈反転〉するグローバリゼーション@ [bk1]〈反転〉するグローバリゼーション@Amazon.co.jp

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2008-10-01

フランス人の手によるグローバリゼーションの本ということだ. 日本で出版されたのが 2004 年ということで,あまり最近の本でないこともあるが,アメリカ人などの手による他の本とくらべると,グローバリゼーションへの理解が浅いようにおもえる. フランス人でも 18 歳 ~ 24 歳の半分以上がグローバリゼーションはチャンスだとかんがえているというような記述はちょっと興味をひかれるが,そうしたフランス人とグローバリゼーションとの関係をべつにすれば,それほど,めあたらしいことはない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: グローバリゼーションの基礎知識@ [bk1]グローバリゼーションの基礎知識@Amazon.co.jp

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2008-10-02

著者は 2002 年以来,「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」,「人間が幸福になる経済とは何か」 そしてこの本という,一連のグローバリズム批判の本を書いている. これらはそのときどきのできごとをとりあげつつ,一貫してアメリカと IMF による 「グローバリズム」 のおしつけを批判している.

この本のなかでは,アルゼンチンが IMF の要求をはねのけて独自の経済再建を成功させた例がとりあげられている.それに対して IMF にしたがった国々は経済の低迷になやまされてきたという.

アメリカは浪費し赤字をたれながすことで世界経済の弱体化をふせぎ,「世界に奉仕」 してきた. しかし,アメリカはいつまでもそれをつづけられない (実際,サブプライム問題をきっかけにくずれた). 著者はそれにかわる体制を示唆している.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す@ [bk1]世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す@Amazon.co.jp

つづく…

サブプライム問題をメロンがつまったバスケットにたとえることのおもしろさに出版社が注目したことがこの本の出版につながったということだ. わかりにくいサブプライム問題をたとえ話でわかりやすくするのはけっこうだが,私にはかえって,よみにくかった. 昨年末の時点でのひととおりの話は書いてあるが,もともと本を書くためにあつめた情報ではないためか,つっこみがよわいようにおもう. 2008 年にはいってからの展開は書いてない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: サブプライム逆流する世界マネー@ [bk1]サブプライム逆流する世界マネー@Amazon.co.jp

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2008-10-05

2007 年 10 月くらいの時点で,サブプライム問題とはなにか,これからどうなるのか,などについて書いている. 金融技術を 「悪用」 しサブプライム・ローンを証券化して売ることがモラル・ハザードにつながったこと,そこに 「レバレッジ」 という手法で元手の 10 倍の資金を運用するファンドがかかわって損失を 10 倍に拡大させたことなどである. わかりにくい専門的な議論をさけているのでよみやすいが,そのために本質がつかめなくなっている部分もあるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: サブプライム問題とは何か@ [bk1]サブプライム問題とは何か@Amazon.co.jp

つづく…

サブプライム問題が発生したあとにおこった,金融商品の格付けに疑問がもたれたこと,レバレッジをつかって資金をふやす方法に疑問がもたれて資金があつめにくくなったこと,欧米での資金調達ができなくなったためにアジアや中東に有利な条件をしめして資金調達せざるをえなくなったことなどが書かれている. 前著 「サブプライム問題とは何か」 では解説されていなかった,証券化でつかわれた 「優先劣後構造」 という金融技術なども丁寧に解説されている. 今後,アメリカのやくわりが中国によってとってかわられるのか,日本はどうなるのか,などについても論じられている. 前著との重複はよくおさえられているので,あわせて読むとよいだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: サブプライム後に何が起きているのか@ [bk1]サブプライム後に何が起きているのか@Amazon.co.jp

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日本語で書かれた一般向けのサブプライム問題に関する本のなかでは,もっとも専門性がたかい本だとかんがえられる. この問題はサブプライム・ローンの証券化を通じておこっているが,証券化というしくみじたいがわるいのではないということを強調している. その一方で,本の末尾では金融工学の弱点を分析してもいる. また,「レバレッジ」 や 「優先劣後構造」 など,証券化にかかわる概念も解説している. さらに,日本の住宅金融システムや証券化市場について解説し,サブプライム問題の日本への影響をさまざまな統計などをつかって分析してもいる. じっくり読めばサブプライム問題への理解がふかまるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: サブプライム問題の正しい考え方@ [bk1]サブプライム問題の正しい考え方@Amazon.co.jp

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2008-10-08

この本は日本に独自の検索エンジンがないという話からはじまり,最後もそのはなしでおわる. そのあいだにいろいろな話がはいっている. しかし,読み終わってから本を見かえしてみても,なにが書いてあったのかおもいだせない. 書いてあることが中途半端だからではないだろうか. キーワードをひろってみても,「過去の亡霊」 とか 「IT への嫌悪」 とか,ピンとこないものがおおい. 終章では 「「まじめさ」 こそが,日本再生の手だて」 とあって,納得できる部分もあるが,なぜそれが手だてになるのかもよくわからない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 日本消滅@ [bk1]日本消滅@Amazon.co.jp

つづく…

戦争ビジネスに関する本としては,戦争請負企業を中心としたものから個人の体験を書いたものまであるが,この本は両方をカバーしようとしている. 日本人がこの問題に興味をもつようになったきっかけはイラクで戦死した斉藤さんのニュースだったが,そこからはじめて,部隊の劣悪な環境,古代からはじまる歴史,アフリカやアジアの紛争地でのできごとなど,戦争ビジネスを概観するには適当な本だろう. 太平洋戦争やベトナム戦争に関しても,あまり知られていないエピソードがふくまれていて,興味ぶかい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 戦争民営化@ [bk1]戦争民営化@Amazon.co.jp

つづく…

11 の章からなる本だが,各章は独立の論文であり,タイトルの 「民営化される戦争」 に関する章はおおくはない. 議論はあまりていねいとはいえず,裏付けが書かれていない記述もおおい. MPRI という戦争請負企業に関しては,クロアチアでセルビア人を 10 万人も殺害してしまったという噂も書かれている. 「噂」 と書いてあるからよいようなものだが,論旨が噂に影響されるのはどうかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 民営化される戦争@ [bk1]民営化される戦争@Amazon.co.jp

つづく…

これが 「社会学」 であるのかどうか私にはわからないが,郊外に関するさまざまなエピソードを 5 つの章にまとめている. 新書なので印刷はあまりよいとはいえないが,団地などの写真が効果的に配置されている. 区別のつかない建物や部屋がならぶ団地に関するエピソードとして安部公房の 「燃えつきた地図」 や 「ウルトラセブン」 の 「あなたはだぁれ?」 という話がとりあげられているのが印象にのこった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 郊外の社会学@ [bk1]郊外の社会学@Amazon.co.jp

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2008-10-14

2007 年 7 月に出版された本であり,この本が書かれたあとに急激に食糧価格が高騰した. この本は食糧価格の上昇を予測し,日本も対策をとるべきだと主張している. すなわち,国内の農地を利用しつくすこと,リサイクルを徹底すること,海外との連携を徹底することが必要だといっている. いまやさらにこれらの主張はおもみを増しているといってよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 食糧争奪@ [bk1]食糧争奪@Amazon.co.jp

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2008-10-15

レアメタル (希少金属) を中心に,世界で争奪戦をくりひろげる国や企業をとりあげている. 中心はレアメタルの主要な産出国でありながらアフリカなどから輸入している中国であり,低賃金,わるい労働条件,危険など,その悪評が執拗にかたられる. 日本では住友金属鉱山が積極的だというが,他国に負けるさまがえがかれている.

末尾では 「日本人が [中略] 話し合いを責任を持って行えば,少ない予算で短期間に成果を出せるだろう」 と書いている. この主張は理解できなくはないが,欧米や中国との対比はちょっと極端なのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: メタル・ウォーズ@ [bk1]メタル・ウォーズ@Amazon.co.jp

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2008-10-16

この本のなかでは投資銀行と商業銀行がずっと対比されている. 証券化商品とレバレッジの技法によっておおきな収益をあげる投資銀行をうらやみ,そこにちかづこうとしながらも投資銀行にはなれない商業銀行. しかし,バブルが崩壊して投資銀行はつぎつぎにきえていった (この本が書かれた時点ではまだ一部をのぞいては存在していたが). 専門家である著者はプット・オプションなどの専門用語の解説もいれながら,こうしたことを組曲としてかなでていく. やはり金融のことは金融の専門家にかなでてもらうのがいい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 投資銀行バブルの終焉@ [bk1]投資銀行バブルの終焉@Amazon.co.jp

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2008-10-17

紛争のタネにもなっている水にかかわる国家間の問題や日本における水の問題などについて書いている. 著者も日本人は水資源の問題には無関心になりやすいと指摘しているが,アジアの水問題に関しては日本が指導的なやくわりをはたすべきだと主張している. しかし,「湯水のように」 水をつかう日本人にそのやくわりがはたせるのだろうか?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 地球の水が危ない@ [bk1]地球の水が危ない@Amazon.co.jp

つづく…

2008-10-18

17 日の NHK 「視点・論点」 は 相原 博之 による 「キャラ化する日本」. 現代においてはさまざまなキャラクターが日本人に癒しをあたえているが,それがいま急におこったのではなくて,数 10 年の歴史があることをつたえていた. それをきいていておもったのは,キャラには,数 10 年どころか数 100 年の日本の歴史のなかではぐくまれてきたものがあるということだ.

つづく…

2008-10-21

世界の食料事情が逼迫するなかで,日本政府は未来を予測せず,過去の分析をもとに 「農政を転換する根拠はない」 といっている. 著者は,いまこそ政策を転換して,減反政策をやめて食料を大増産し,積極的な農家を優遇する政策をとるべきだと主張している. 私もこの本が国民の意識をかえ,食料自給率をたかめる方向に作用することを希望する.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 飢餓国家ニッポン@ [bk1]飢餓国家ニッポン@Amazon.co.jp

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2008-10-23

資産運用理論やデリバティブについて,最小限の平易な数式だけをつかって説明している. また,こうした理論には半分だけページをさき,のこりの半分で金融工学の歴史や著者ならではの経験をはじめとするさまざまな話題をとりあげている. サブプライム危機で問題になった住宅ローンの証券化についても平易に説明されている. たとえ数式をとばしても,えられるものはすくなくない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 金融工学の挑戦@ [bk1]金融工学の挑戦@Amazon.co.jp

つづく…

2008-10-24

この本のタイトルには 「資源」 がふくまれている. たしかに石油のことは書いてあるが,他の資源についてはほとんど言及していないし,レアメタルの宝庫である中国に 「資源がない」 と書いているのは疑問がある.

いずれにしてもこれは経済の本ではなくて国際政治の本である. 日本が今後,パートナーとしてアメリカをとるか,中国をとるか,独立独歩でいくか,その選択の指針をあたえているといえるだろう.

しかし,著者はアメリカ生活がながく,日本人の感覚とはずれがあるようにおもう. 自民党が 3 つに分裂しているという日本の政治のとらえかたもアメリカ的であり,参考にはなるが,疑問である.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 資源世界大戦が始まった@ [bk1]資源世界大戦が始まった@Amazon.co.jp

つづく…

2008-11-03

現在のアメリカ経済の状況は 1929 年ごろの状況に似ているといわれる. 1929 年にニューヨークで株価が暴落し,大恐慌につながったということはよく知られているが,それがどのようにおこったのかはあまり知られていない. この本はそれを時間にそって追い,なにがまちがっていたためにどうなったのかを検証しようとしている.

不動産の問題が最初におこった点では現在の不況と似ているが,このときはそれは 1928 年までには収束し,その後,レバレッジをきかせた投資信託の過熱がおこっている. 現在の不況とはさまざまなちがいがあるので,この本を読んだからといって現在の不況にどう対処すればよいかがわかるとはいえないだろう. とくに,どうすれば恐慌をふせぐことができるかが最大の関心事だが,この本には 「大恐慌の原因は,いまだにはっきりしていない」 とある. しかし,それでも状況を比較してみる価値はあるだろう.

ひとつ興味をひいたちがいは,当時はコンピュータがなかったので,取引量がふえると処理がまにあわず,速報が何時間もおくれて人々の不安をかりたてる,また取引じたいもまちがいがふえるということだ. 現在ではコンピュータのおかげで状況がすぐにわかるので,すくなくとも株価に関してはまちがいやデマにふりまわされなくなったのは,おおきなちがいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 大暴落1929@ [bk1]大暴落1929@Amazon.co.jp

つづく…

著者ソロスはサブプライム危機が単なる住宅バブルではなく,1980 年台から成長してきた 「超バブル」 崩壊のスイッチをいれ,1930 年代の大恐慌に匹敵する不況をもたらすことを警告している. 投資家は目先にとらわれがちだが,ソロスは経済だけにとらわれず,するどい目で世界をみているといえるだろう. ここには,まなぶべきものが多々ある.

しかし,この本の主要なテーマは 「再帰性」 であり,前半はその解説にあてられている. 「再帰性」 とは,現実が思考に影響し,思考が現実に影響するという双方向のつながりがあることを意味している. それが理解されていないことがさまざまな問題をひきおこしているという. そして,「再帰性」 が 「自己言及のパラドックス」 や量子力学の不確定性原理と関係があることをただしく指摘しつつも,それらにない点があることを主張している. しかし,実のところ,あたらしいことはないし,この本の後半を理解するうえで 「再帰性」 の概念は不要である. したがって,この本の前半は価値がなく,評価は下げざるをえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソロスは警告する@ [bk1]ソロスは警告する@Amazon.co.jp

つづく…

2008-11-07

タイトルからすると農協をどのように改革するべきかが中心テーマのようにみえるが,実際は大半のページが (2002 年) 現在の農協の問題点の指摘にあてられている. 巨大化してさまざまな事業をおこなうことの是非に関する議論 (是の部分もある),自民党との癒着,マスコミからのバッシングなどの問題がとりあげられている. 最後の章は 「「農協」 の時代」 と題されて,食料危機がちかづき安全性が問題にされるなかでの農協のやくわりがおおきいと主張している. バランスのとれた内容ではあるが,改革の方向に関してはキレがない.

評価: ★★★☆☆

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つづく…

2008-11-10

1970~80 年代の全盛時代に大胆なデザインのラブホテルをつくりつづけてきた著者の原点は幼稚園のおまるだったという. 新風営法以降,大胆なデザインは規制されてラブホテルは衰退したが,それでも著者は ED になやむ夫婦や萌えキャラにしか興奮しない若者にラブホテルをすすめて感謝されているという. ここにも規制緩和が必要なのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

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つづく…

タイトルにだまされて買ってしまったが,検索の話はほとんど書いてない. 「クウキを読む」 ことへの批判が大半のページを占めている. 著者によれば,ひとがいうことに疑問をはさんだり批判したりすることが 「空気がよめない」 とみなされて対話が封じこめられる. それに対して,かつての日本では季節のことばのあいさつから一見無駄にみえる会話がかさねられてきた.

私には 「クウキを読む」 ことが現代日本固有の問題なのではなくて,会話の技術がおとろえた,ないし個人主義がひろまるなかでもっと欧米的な話術への変化の途上にあるだけであるようにおもえるのだが,この本はそういうことをかんがえるきっかけとしてはよいだろう.

評価: ★★★☆☆

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つづく…

2008-11-14

医者や医療関係者に罵詈雑言をあびせたり特定の治療法を強迫したりする患者つまりモンスター・ペイシェントがこの本のタイトルになっている. しかし,この本がカバーしている範囲はそれにとどまらず,ちょっとしたミスで医者が逮捕されるようになってリスクのたかい検査や治療をさける傾向がでてきていること,医者が信じられずに病院を転々とする患者,医者の過酷な労働など,さまざまな問題がとりあげられている.

医療制度改革に関しては,新自由主義的な改革によってイギリスやアメリカの医療が悲惨な状態になっていること,日本でも小泉改革によって上記のような危機的な状況がもたらされたという. このまま 「小さな政府」 や民営化の政策がつづけられると事態はどんどん悪化していくと著者は主張している. 医療再生のための提案もしているが,十分な内容だとはおもえない.

解決への道はとおいようにおもえるが,意外なことに著者は 「光はうっすら見えています」 と書いている. まず,おおくのひとが実態を理解し,解決にむけた努力をかさねることが必要だろう.

評価: ★★★☆☆

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つづく…

日本人の 8 割がキャラクター商品をもっているという. 「むひょキャラ」 とよばれるキャラクターは (能面のように) 「無表情なため,かえって,こどもたちは自分のほうで勝手にキャラクターの表情を解釈し,自らの感情を様々に投影することができる」 という. 人間の 「キャラ」 についても 「現実の 「私」 とは似て非なる 「キャラとしての私」」 が他人によってあたえられるという. 小泉元首相や東国原知事のような政治家やホリエモンについても 「キャラ」 によって解釈しようとしている.

いろいろな社会現象が 「キャラ」 によって解釈されているが,それがただしいのかどうかはよくわからない. 基本的には日本の現象としてとらえているようだが,キティのような日本のキャラが世界ではやっていることをみても,日本に特異なことではなさそうだ. 外部から 「キャラ」 をあたえられるのはディベートのやりかたにも似ている. 現代社会をよみとくヒントはあたえているとおもうが,結局,この本を読んでも,わかったような,わからないようなでおわってしまう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: キャラ化するニッポン@ [bk1]キャラ化するニッポン@Amazon.co.jp

つづく…

2008-11-18

原油価格が一時は 140 ドルをこえた第 3 次オイルショックをさまざまな統計や予測によって分析し,第 1 次,第 2 次のオイルショックと比較している. 数値的に把握することは重要だし,過去のオイルショックと比較することで,現在およびちかい将来どう対処するべきか,ある程度の指針をえることもできるだろう.

しかし,現在の経済状況においては,原油だけでなく金属資源や農産物の価格高騰や,サブプライム問題からはじまった巨大なバブル崩壊とそこからもたらされる世界不況など,さまざまな要因がからみあっている. それに対してこの本はほとんど原油とその周辺に話題をかぎり,統計や予測の数値に説明をくわえる程度の分析にとどまっている. 他の要因をかんがえない予測にどれだけの意味があるのだろうか?

私自身もそうだが,一部のエピソードをべつにすれば,この内容が一般の読者の興味をひくものだとはおもえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 第3次オイルショック@ [bk1]第3次オイルショック@Amazon.co.jp

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2008-11-27

さまざまな国や時代の物価や金利などがグラフによってしめされ,インフレーションの本質があばかれている. すなわち,過去のインフレーションが,まちがった金融政策によってひきおこされたことが論証されている. ハイパーインフレといえばワイマール時代のドイツが有名だが,第 2 次大戦後のハンガリーや 1970 年代以降のメキシコ,アルゼンチン,チリのインフレも論じられている.

しかし,これらはいずれも統計数値だけで論じられていて,なまの感覚に欠けている. インフレが金融政策によってふせげるものであるのなら,なぜこのようにはげしいインフレがくりかえされてきたのか,その理由が知りたくなる. しかし,この本はそれにはこたえてくれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 物価迷走@ [bk1]物価迷走@Amazon.co.jp

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2008-11-28

タイトルからは,目からウロコの話がつぎつぎにくりだされることを期待してしまう. しかし,実のところ,私にとってはすでにくずされている常識を確認する,また,ピンとこない話がならべられている,退屈な本でしかなかった. まだ 20 年前の常識にとらわれているひとには新鮮な本なのかもしれない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: この国の経済常識はウソばかり@ [bk1]この国の経済常識はウソばかり@Amazon.co.jp

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2008-12-01

日本の政策は高齢者や団塊世代に有利であり高齢者対策は手厚かったが,若者対策は貧弱だった. この本はこうした世代間の配分の不公平をするどく指摘している. 「世代間戦争」 がはじまっていると著者はいう. 若者批判の本がおおいなかで,こういう視点から書かれた本は貴重だといえるだろう.

しかし,こういう現実を打破するためのさまざまな政策のアイデアがしめされているが,その実現性や効果は疑問である. また,若者問題以外の問題はとるにたらないという書きぶりだ (「平和か戦争か,右か左か,靖国参拝か謝罪かといった問題は,合理的に検討を加えれば容易に方向が定まる問題なのだ」 と書いている). このように視野狭窄していては,若者問題の解決の方向もみいだせないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 若者を喰い物にし続ける社会@ [bk1]若者を喰い物にし続ける社会@Amazon.co.jp

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2008-12-05

ケインズの 「一般理論」 は難解だが,この本はそれをできるだけ平易に解説しようとしている. 単に解説するのでなく,その 「あやまり」 をただして,著者独自の 「不況動学」 をきずこうとしている. 小島寛之は Wired Vision の 「環境と経済と幸福の関係」 のなかでこの本をベタぼめしているし,Amazon の書評などでも評価はたかい.

しかし,ケインズにあやまりがあったとしたら,それは動学的な経済理論のむずかしさゆえであり,おなじような道具でそれにたちむかっている著者がケインズにくらべてとくに有利なところがあるとはおもえない. というわけで,この本にも疑問な点は多々ある.そもそも出発点となっている,ケインズが流動性の罠から投資の限界だけがきまるとしているのに対して 「不況動学」 ではそれが (投資の限界とは独立に (?)) 消費の限界もきめるとしていることからして理解できない. また,現在の不況との関係を把握したいが,さっぱりわからない.

この理論が 「動学」 だと主張するためには単に経済の均衡点をしめすだけでなくそこにいたる軌跡まできめられなければならないはずだが,それにはまったくふれていない. 金融工学のような精密な論理がなければ,ひとを納得させることはできないのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 不況のメカニズム@ [bk1]不況のメカニズム@Amazon.co.jp

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2008-12-18

酒鬼薔薇聖斗事件以降,若者バッシングがさかんになったという. この本は若者バッシングの 「エセ科学」 性をあばき,徹底的に反論している. しかし,ここで批判されている本のおおくは,そもそも 「科学」 ではない. それを 「エセ科学」 といって批判するのは,いささか奇異な感じがする.

とはいえ,「教育再生会議」 などにおいて根拠のない議論にもとづいて政策の方向がきめられていくのは問題である. また,根拠も明確でないまま本を書き散らす日本の論壇は批判されてしかるべきだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「若者論」を疑え!@ [bk1]「若者論」を疑え!@Amazon.co.jp

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2009-01-09

本書は厚生労働省が無理に医師をへらし,製薬会社や医療機器の会社には手厚く医師や病院にはきびしい政策を撮っていることを批判している. すこし意外だったのは,「医療を軽視する日本政府のあり方は,明治維新で決定的に」 なり,現在,崩壊の危機のなかにある国民皆保険制度の導入時から医療崩壊がはじまっているという指摘である. それでは日本にどういう制度をきずけばよいのか? この本のなかには解をみいだすことはできない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 誰が日本の医療を殺すのか@ [bk1]誰が日本の医療を殺すのか@Amazon.co.jp

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2009-01-17

1 人の著者が書いたことになっているが,実際は 20 人くらいのひとが書いた (or 語った) 内容をまとめている. この本を読んでもフェアトレードとはなんなのかがかならずしもわからないが,ひとによってちがうさまざまなフェアトレードに対するかんがえかたを知ることができる. 私自身は 「消費者が満足してこその生産があるべきで [中略] 「かわいそうだから」 という気持ちで買っても,使わないでタンスにしまわれているのは果たしてフェアなのだろうかと考えてしまうのです」 という 山口 絵理子 のかんがえに共感する.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: フェアトレードの時代@ [bk1]フェアトレードの時代@Amazon.co.jp

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2009-01-20

現代の大学生や大卒で就職した若者たちと,そういう若者たちをおしえる大学教授や会社員,若者たちの親にきいた結果をまとめた本である. タイトルも内容も 「下流大学がわるい」 というトーンだが,すなおに読めば大学以前の教育や親の問題のほうがおおきいように読める. バカにされている若者が読めば気分がわるいだろうが,調査にもとづいた問題提起として価値がある. 「…さ」,「…ね」 などの表現をつかった文体は新書としてはいささか異様だが,これもタイトルとともに事態の深刻さをすこしやわらげる意図か?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下流大学が日本を滅ぼす!@ [bk1]下流大学が日本を滅ぼす!@Amazon.co.jp

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著者は産業医として若者の声をすなおにきくうちに,彼らをつかう側つまり会社側も彼らを理解せず,あつかいをあやまっていることを指摘している. これまでのやりかたをおしつけるのでなく,彼らにあわせたやりかたが必要だということを示唆している. しかし,具体的なやりかたをかんがえるべきなのは産業医ではなくて職場の上司たちである.

著者は 「したいこと」 にこだわる若者がおおいというが,彼らに対してはその姿勢を一端捨てよといっている. そうすることで将来はのぞみがかなう可能性もあるということだが,やはり元気がでない話ではある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 勝手に絶望する若者たち@ [bk1]勝手に絶望する若者たち@Amazon.co.jp

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2009-01-22

「構造改革」 について論じるとき,戦後日本の経済成長とその鈍化や現在の人口減少などの社会変化について考察することは必須だろう. ところが,この本では小泉改革やその反転に関する政府機関のうごきなど,表層的なところしかみていない. 非正規雇用者や貧困の問題がいくら深刻だからといって,表面にあらわれたことだけをみて政策をみれば,判断をあやまるだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 労働再規制@ [bk1]労働再規制@Amazon.co.jp

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年収が 「崩壊」 するなかで,どうやってくらしていけばよいか,著者は,はたらきかた,くらしかた,節約,資産運用など,さまざまな面から提案している. しかし,その内容には疑問がおおい.

たとえば,「ワークライフバランス」 についても論じているが,ワークライフバランスの意味すら説明していないし,「ワークライフバランス」 は,その [パートと正社員の] 中間のライフスタイルが実現できないと難しいという意味不明の記述ですませてしまっている.

ほかの部分も舌足らずでよくわからないことがおおい. カードでポイントをうまくためることをすすめているが,それでどのくらいの効果があるというのだろうか. 経済学者が書いた本としてはあまりにセコいのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 年収防衛@ [bk1]年収防衛@Amazon.co.jp

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2009-01-26

著者は 「空気を読」 んでそれにしばられることが,さまざまな面でマイナスにはたらいていると主張する. それはそうだろう. しかし,テレビにでて空気にさからう発言をすると,抗議の電話が殺到して番組をおろされるという. それでも空気を読むべきでないといえるのだろうか.

しかし,そもそもこの本の論点のおおくは空気とは関係がない. インドや中国はもちろん,ベトナムでさえも日本よりはるかに給料の格差がおおきいという. 高額の給料をもらえるひとは 「空気読み」 ではないといいたいのだろうが,空気との関係はすこしもあきらかになっていない. むしろこれは著者の人生観や仕事観についての本である. それが役にたつばあいもあるだろうが,あまりに,おしつけがましすぎる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 一流の人は空気を読まない@ [bk1]一流の人は空気を読まない@Amazon.co.jp

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2009-01-28

グローバル化がすすむなかで,日本人も日本固有の不適切なやりかたをつづけることはできない. この本は世界のなかでよりよいやりかたをみつけて,それをとりいれることをすすめている. それを 「世界標準 (グローバル・スタンダード)」 と呼んでいて,実際,ひきあいにだされているのはアメリカやイギリスであることがおおい.

アメリカやイギリスに範をとるということは 「新自由主義」 をすすめるようにもうけとれるが,この本の論点はかららずしもそういうことではない. 「新自由主義」 がダメになったとしても,アメリカやイギリスからまなぶべきことはおおい. それを率直にうけとるべきだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 世界標準で生きられますか@ [bk1] (単行本), 世界標準で生きられますか@ [bk1] (文庫), 世界標準で生きられますか@Amazon.co.jp (単行本), 世界標準で生きられますか@Amazon.co.jp (文庫).

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第 1 章では,現在の経済状況は主流の経済学では想定していなかったこと,バブルの際には通常の市場のメカニズムがはたらかないが,これまでそれを経済学があつかってこなかったことを指摘している. そして,「バブルの経済学」 を構想している. また第 2 章では,竹中平蔵らによる構造改革をことばをきわめて批判し,そうではなく教育投資や環境エネルギー革命などによって成長をめざすべきだと主張している. 第 3 章では格差とインセンティブの問題をあつかっている.

著者は主流の経済学を批判し,それにもとづく政策を批判している. 著者自身,「異端」 であることを認識している. 批判するのはけっこうだが,主流に対抗できるだけのものがあるのだろうか. この本では格差や医療や諮問機関など,現在の政治経済の問題点をつぎつぎにあげて批判しているが,それらがみな経済学者のせいだというのだろうか? 竹中のように政策をになえないもののひがみにしか,きこえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 閉塞経済@ [bk1]閉塞経済@Amazon.co.jp

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「思いやり格差」 ってなんだろうというのが気になって買ってしまった. 学生にきいたところでは,思いやりをもつひとともたないひとに 2 極分化しているとこたえたひとが 5 割,それが 「思いやり格差」 なんだという. しかし,それ以外には 「格差」 が拡大しているという証拠はあげられていない.

問題なのは格差ではなくて,「思いやり」 をはぐくむのがだいじだということだ. そのために本書ではいろいろな提案をしているが,そのなかでも重視しているのがボランティアだ. それ以外では宗教的な要素がつよくて違和感を感じるが,思いやりをはぐくむことに関しては異論はない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 思いやり格差が日本をダメにする@ [bk1]思いやり格差が日本をダメにする@Amazon.co.jp

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2009-01-29

2008 年 12 月時点での世界経済の状況を,アメリカ,ヨーロッパ,新興国,日本にわけて,さまざまな統計をもとにして論じている. 日本の章には,米国がデノミネーションを実施して,日本などが保有する米国債の価値が 1/10 になるかもしれないという,おそろしい話まで書いてある.

時間がたっても記録としての価値はのこるだろうが,基本的には時事的な内容であり,出版するまでに 1 月ぐらい要する新書というメディアにあっているのかどうか,いささか疑問がある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 恐慌第2波@ [bk1]恐慌第2波@Amazon.co.jp

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著者は,かつては 「まじめな国民」 だった日本人が,働きすぎはカッコわるいとか,ガリ勉はよくないといったかんがえがひろがって,ふまじめになってしまったという. 「ふまじめ」 の例としてマンションの耐震強度偽装事件や食品偽装事件などがあげられている.

しかし,こういう事件や著者の印象をあげられても,日本人がふまじめになったのかどうか,容易にわからないだろう. 耐震強度偽装事件の容疑者はコストカットのきびしい要求にある意味で 「まじめに」 こたえようとした結果として事件をおこしたようにもおもえる. これらの変化は日本人の気質が変化したためにおこったのではなくて,「まじめ」 な日本人を追いつめる経済・社会の状況からうまれているのではないだろうか.

実際,著者も日本人にウソつきがふえたように感じるが,その原因はウソがばれやすくなったから (であって 「まじめの崩壊」 が主因ではない) だとみとめている. また,耐震強度偽装事件に関しても,インチキはむかしからおこなわれていたことをみとめている. 拝金主義や医療崩壊についてもふれているが,いずれも納得できる議論ではない. エピソードとしてはいろいろおもしろい内容をふくんではいるが,砂上の楼閣といってよいだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: まじめの崩壊@ [bk1]まじめの崩壊@Amazon.co.jp

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2009-02-06

新自由主義に席巻されたアメリカの経済学を信奉してきた著者が,そういう過去を自己批判する. 最近はつよく批判される小泉政権の政策については,郵政民営化で公共事業に自動的に資金がながれるしくみにくさびをうった点を評価しながらも,いなかの特定郵便局まで民営化して採算重視することへの疑問をのべている.

しかし,著者の議論はそれだけにとどまらない. 格差や貧困ををうみだし環境を破壊する近年のグローバル資本主義を批判するだけでなく,一神教であるキリスト教にささえられた米英の資本主義や土地の私有制などにもメスがいれられる. その一方でグローバル資本主義を拒否したブータンとキューバに羨望の目がむけられる. また,自然との共生を重視してきた日本人の思想をみなおし,「商人道」 から発した日本の商慣習を評価し,日本の自動車産業の成功の理由をそういうところにみている. また,日本 「再生」 のためにも,さまざまな提言をしている.

しかし,その一方で,批判した資本主義を 「歴史を逆行させることはおそらくできないだろう」 というように,かんたんにみとめてしまっている. 資本主義のルーツにまでさかのぼった議論をするのであれば,改良主義的な提言よりも,もっと根本的なみなおしの議論がほしかったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 資本主義はなぜ自壊したのか@ [bk1]資本主義はなぜ自壊したのか@Amazon.co.jp

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2009-02-12

著者は,日本の環境政策のおくれた部分を批判し,非正規労働者と過酷な労働を増加させセイフティネットを崩壊させた政策を批判し,「名ばかりの」 男女平等を批判し,日の丸・君が代を押しつけて教育の多様性をみとめない政策を批判し,立法・行政の監視機能をうしなった司法を批判している. そして,こうした後進性をなくして真の先進国になるための提案をしている.

批判されている点にはもっともなところが多い. しかし,批判のために都合のよい材料だけをあつめている印象だ. さらに,議論は極端にはしり,「天皇制は,廃されるべき」 というような,多数の日本人にはうけいれられないであろうことを断定している. また,「数字の三桁打点に至っては,むしろ数字を読めなくする悪意だと言わざるをえない」 というのも,妥当性を欠く議論だろう (四桁打点の習慣があるわけではないのだから).

著者は急進的な議論をしている反面,「先進国」 であるかどうかを問題にしている. しかし,そもそも 「先進国」 という概念じたいが,みなおすべき時期にきているのではないだろうか. 本書の議論はそういう根本的な部分にきりこむものではない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「日本は先進国」のウソ@ [bk1]「日本は先進国」のウソ@Amazon.co.jp

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小泉政権下でずっと重要な位置をしめていた竹中平蔵が金融担当大臣だった時代をふりかえっている. 郵政民営化や道路財源に関する 「戦争」 に関してはおおくの文章があり,1 冊ならず読んでいたが,りそな,UFJ,ダイエーなどに関するいきさつは,よく知らなかった. 本書はそこで水面下でおこなわれていた熾烈なたたかいをあきらかにしてくれる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 竹中平蔵の戦争@ [bk1]竹中平蔵の戦争@Amazon.co.jp

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2009-02-13

イギリスの事情にくわしい著者が,おもにサッチャーからブレアまでの時代のイギリスの福祉政策や医療制度などについて書いている. 「ゆりかごから墓場まで」 といわれた福祉国家イギリスだが,サッチャーの時代に 「聖域なき構造改革」 がおこなわれて,経済は活性化したが医療制度はズタズタにされた. それを修復するはずのブレアも失策をおかしているという. しかし,そういうサッチャーでも無料の医療制度 NHS まではこわせなかったという.

こういうイギリスの現状をもとにして,著者は日本の現状も検討している. いくつかの提案はあるが,決め手はなく,歯切れはよくない.やはり日本は日本独自の道をさがすしかないということだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: カリスマ編集者の「読む技術」@ [bk1]カリスマ編集者の「読む技術」@Amazon.co.jp

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2009-02-19

小泉政権下での竹中大臣のさまざまな挑戦を挑戦者自身がえがいている. 個々の問題をもっとくわしくあつかった本はほかにあるが,金融改革,郵政民営化,政策プロセスの改革など,全部をとおしてみるにはこの本を読むのがよいだろう. 竹中大臣がただしかったかどかはより客観的にみる必要があるだろうが,彼自身がなにをかんがえ,なにをやってきたかを知ることができる.

(実名はあまり書いてないが) 批判されているひとがおおいなかで,北朝鮮訪問もふくめて,小泉首相には最大限の賛辞が書かれている. また,自民党税調のドンといわれた」山中貞則に対して 「政界のドンと言われる人の志の大きさと人間の奥深さを,様々な形で学ばせてもらった」 というのも興味ぶかい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 構造改革の真実@ [bk1]構造改革の真実@Amazon.co.jp

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2009-03-14

「思考停止」 をタイトルにふくむ本が 6 冊はあるが,その意味はさまざまである. この本では法令をはじめとするさまざまな規則をその本来の目的などかんがえずに盲目的に 「遵守」 しようとすることをさしている. 最初にとりあげられている食の 「偽装」,「隠蔽」 の問題においては,実質的には問題がないにもかかわらず規則を 「遵守」 していなかった食品企業をマスコミがバッシングし,そのために食品企業のほうもむだをだしても厳格に規則を 「遵守」 せざるをえなくなっている. 著者はさらに,同様の問題が他の業界についても,また司法や行政についても指摘している.

著者はこうした問題の解決策もしめそうとしているが,それは抽象的だったり,すぐに実現できないものだったりしている. 問題がおおきいだけに,容易に解決策がしめせるものではないということだろう. それは読者にあたえられた課題である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 思考停止社会@ [bk1]思考停止社会@Amazon.co.jp

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2009-03-18

タイトルをみて,おもわず買ってしまった. しかし,この話題は最初の 20 ページくらいをしめているだけである. 著者は権力者にはありとあらゆる罵詈雑言をあびせるが同士にはやさしい. それは単に敵と味方をくべつして敵だけを攻撃しているようにしかみえない. 彼自身にはそこに論理があるのかもしれないが,それがこの浅薄な文章からは読者に十分にはつたわってこない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 佐高信の政経外科XI@ [bk1]佐高信の政経外科XI@Amazon.co.jp

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2009-03-26

2 年ほど前にグアムに行った. 本書でも紹介されているモール内の博物館には行ったが,ガイドブックにも書いてないので,グアムの歴史につながる他の場所には行かなかった. それは,うすっぺらな旅行だったようにおもう. 本書はそういう 「かくされた場所」 をみせてくれる. レジャーをたのしむ日本人は知りたいとおもわないことかもしれない. しかし,現在のグアムの問題点までカバーしている本書は,グアムを観光するときにも 「厚み」 をあたえてくれるのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: グアムと日本人@ [bk1]グアムと日本人@Amazon.co.jp

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よりおおくのアジア人を日本にうけいれる必要が生じてきた現在,アジア人やアジアの文化を理解する必要はたかまっているといえるだろう. 著者は韓国人と日本人とのあいだにもおおきなへだたりがあることを指摘し,アジア人だから容易にわかりあえるというかんがえを戒めている. また,「カルチャー・ショック」 の深刻さについても書いている. アジアだけでなく,ベルサイユ宮殿の 「トイレの謎」 など,欧米とのちがいに関しても興味ぶかいエピソードをとりあげている. 内容は系統的というよりはエピソード的だが,それゆえにおもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アジア人との正しい付き合い方@ [bk1]アジア人との正しい付き合い方@Amazon.co.jp

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2009-03-29

著者は日本中に 「思考停止」 したひとがはびこっているのをうれいている. 藤原正彦の 「国家の品格」 を 「思考停止のススメ」 と評し,「ものを考えない」 小泉純一郎にだまされた国民も思考停止しているといい,食品偽装に関しては 「日本の食品には,真実性のかけらもない」 と評している. こうなった原因のひとつとして,思考をきたえない 「偏差値教育」 をあげ,「少年ジャンプ」 もヤリ玉にあげている. 中国,インドをはじめ日本以外の国では学生が必死に勉強しているなかで日本の学生だけが意欲をうしなっていることに危機感をもっている.

興味ぶかい点のひとつは,「いわゆる教養主義は 1970 年前後に消滅し」,「最近では世界のエグゼクティブと言われる人間でも,伝統的な教養をあまり知らない」,だから 「古典的教養」 を復活させるのでなく,ネット社会重視の 「21 世紀の教養」 を身につけるべきだといっていることである.

この本の内容にはうたがわしい点も多々ある. 「思考停止」 してそれを信じるのは著者がもっとものぞんでいないことだろう. 刺激的な著者の意見を自分のあたまでかんがえなおせば,えられるものはすくなくないだろう.

評価: ★★★★☆

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2009-04-04

朱鎔基は中国に市場経済を根づかせ 「資本主義を不言実行」 した,もっとも注目するべき指導者である. にもかかわらず,日本ではあまり有名だとはいえないのは,著者によれば日本のマスコミが 「痴呆状態」 だったからだという. それでも 1998-2000 年ころには日本でも朱鎔基をとりあげた本が何冊か出版されていた. しかし,私自身,最近まで朱鎔基に注目していなかったので,これらの本も目にとまっていなかった.

江沢民が中国のナンバーワンだったことは,もちろんよく知られている. 江沢民がみいだされたのは天安門事件がおこったとき上海ではおおきな混乱をおこさずにすんだためだというが,それも朱鎔基がいたからだという. 市場経済化にあたっても地域ごとに具体的な指示をだし正確な数値の報告をもとめたという. また,自分がだした指示にあやまりがあればすみやかにそれをみとめて補足したという.

私はまだ朱鎔基に関する本をこれ 1 冊しか読んでいないので,これが彼を知るのに最適かどうかはわからない. しかし,この本を読めば朱鎔基がどういう人でありどういう経済政策を実行したのかをいろいろな角度から知ることができる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「朱鎔基」@ [bk1]「朱鎔基」@Amazon.co.jp

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2009-04-23

シリコンバレーのベンチャー・キャピタリストである著者は,ベンチャーを殺すアメリカ型資本主義をさまざまな点で批判し,あたらしい資本主義をつくるべきだと書いている. サブプライム問題が発生してからはアメリカ型資本主義を批判する声はたかまったが,それ以前に書かれた本書は著者の目のたしかさを示しているといえるだろう.

しかし,それではこれからはどんな技術や産業がさかえるのか? 著者はそれを自身が提言している PUC (パーベイシブ・ユビキタス・コンピューティング) という概念にもとめ,それをささえるものとして IFX 理論 (インデックス・ファブリック理論) をあげている. しかし,それらは現在でもあまり知られていないままであり,今後ひろがるようにもおもえない. むしろ,本書ではまったくふれていない 「知識」 や 「知能」 の問題 (Web 3.0) がキーになるのではないだろうか?

著者は現在の情報機器のあいだでデータ構造がことなり互換性がないことを問題点としてあげている. しかし,とくに銀行の合併などで問題になる大規模なシステムの 「非互換性」 をもたらしているのは概念や文化のちがいである. こういう人間的な問題をかんがえなければ,将来有望な技術や産業をいいあてることはできないのではないだろうか?

評価: ★★★☆☆

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2009-04-26

プランターで農業のまねごとをしているが,平日はほとんどめんどうをみることはできないし,知識もかぎられている. この雑誌をみるとプロにはとてもかなわないということがよくわかる. この雑誌をみることによって,また農業のまねごとをすることによって,ほんとうの農業がどういうものであるかをかいまみることができるだろう. そうやって眼力をやしなって農業人をみれば,ホンモノかニセモノかもただしくみぬけるようになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 現代農業 09/5@ [bk1]現代農業 09/5@Amazon.co.jp

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2009-04-28

なにごとも最後まであきらめない著者のすごさに圧倒される. あきらめないことは重要である. しかし,それによってほとんどの困難をのりきって成功させてきたのにはいろいろ理由があることが,この本を読めばわかってくる. そのひとつは人脈だ. 有名人をふくむ,ひとの信頼をえることが重要な要素であるようだ. 著者とおなじようにふるまうことはできないだろうが,「爪の垢を煎じてのむ」 に値する.

評価: ★★★★☆

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2009-04-29