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日本の再生と針路アーカイブ

0001-01-01

このカテゴリーには日本の経済や政治の再生や針路,震災をきっかけとした日本全体の復興などに関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーは社会・経済です.

なお,このページは 日本の再生と針路 アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2012-04-15 10:41:09 です).

2006-11-06

新書という,かぎられたスペースのなかで,生い立ち,北朝鮮問題や靖国問題もふくむ外交,少子化,教育など,さまざまな問題をとりあげている. そのため,それぞれをきちんと論証するゆとりがなく,誤解するひとがでてくるのはやむをえない. しかし,この文章は,安倍 晋三 という政治家のゆるぎない信念や自信がその行間にまで,つまっている感じがする. 私は著者と同世代といってもよいが,著者とはちがってサヨクにさんざんふりまわされたはてに,いまは外交・教育などについては著者と比較的ちかいかんがえにたどりついたが,著者はその祖父や父の影響もあって,サヨクにふりまわされることなく自分のかんがえをふかめてきている. このストレートさがこれから安倍首相をどちらにみちびいていくのか,期待と不安とをもって,みまもりたい. それから,この本のなかでひとつ私の注意をひいた話は,帝国主義への反動から自虐的な歴史教育がおこなわれたのは日本だけでなくイギリスでもそうであり,サッチャーがそれをかえさせたということである.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 美しい国へ@ [bk1]美しい国へ@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-10

タイトルからして 「日はまた昇る」 の続編のようなつもりで買ったのだが,内容は日本だけでなくアメリカ,ヨーロッパ,中東にまで言及している. 日本を中心として世界全体をながめるのにちょうどよい本かもしれない. 日本ではジャーナリズムも近視眼的で,中東などのできごとが歴史的な考察までくわえながら論じられることはまれである. このうすい本からまなべることはかぎられているが,こういうインターナショナルな視点をまなぶべきだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: これから10年、新黄金時代の日本@ [bk1]これから10年、新黄金時代の日本@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-17

みじかい本ではあるが,著者の日本経済・社会についての理解から示唆される点がおおい. 1990~2005 年の分析としては,たとえば 「基本的な景気対策,たとえば公共投資によって一部の圧力団体と政治家の懐がさらに豊かになり,改革への抵抗がますます強くなった」 こと,「不満や疎外感は存在するが,多くのヨーロッパ諸国やアメリカなら起こったはずの秩序崩壊や暴力沙汰は見られなかった」 ことなどが指摘されている. また,A 級戦犯の合祀が 「欧州の人間にとっては,これはアドルフ・ヒトラーや他のナチ高官を祀り上げるのに等しく」 ということばは,そこに誤解があるかどうかはともかくとして,日本人が理解すべき点だとおもわれる. また,靖国神社のありかたについても読むべき内容がある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日はまた昇る@ [bk1]日はまた昇る@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-20

この 10 年くらいのあいだに世界は急速に変化し,今後も急速な変化がおこることが予測されています. ここ 10 数年,日本は停滞した状況にありましたが,それゆえに世界との関係はかえって急速に変化し,それにともなって今後は日本も急速に変化することが予想されます. こういうなかで,我々はどちらにすすむべきなのでしょうか? すこしかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2008-10-08

この本は日本に独自の検索エンジンがないという話からはじまり,最後もそのはなしでおわる. そのあいだにいろいろな話がはいっている. しかし,読み終わってから本を見かえしてみても,なにが書いてあったのかおもいだせない. 書いてあることが中途半端だからではないだろうか. キーワードをひろってみても,「過去の亡霊」 とか 「IT への嫌悪」 とか,ピンとこないものがおおい. 終章では 「「まじめさ」 こそが,日本再生の手だて」 とあって,納得できる部分もあるが,なぜそれが手だてになるのかもよくわからない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 日本消滅@ [bk1]日本消滅@Amazon.co.jp

つづく…

2009-01-28

グローバル化がすすむなかで,日本人も日本固有の不適切なやりかたをつづけることはできない. この本は世界のなかでよりよいやりかたをみつけて,それをとりいれることをすすめている. それを 「世界標準 (グローバル・スタンダード)」 と呼んでいて,実際,ひきあいにだされているのはアメリカやイギリスであることがおおい.

アメリカやイギリスに範をとるということは 「新自由主義」 をすすめるようにもうけとれるが,この本の論点はかららずしもそういうことではない. 「新自由主義」 がダメになったとしても,アメリカやイギリスからまなぶべきことはおおい. それを率直にうけとるべきだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 世界標準で生きられますか@ [bk1] (単行本), 世界標準で生きられますか@ [bk1] (文庫), 世界標準で生きられますか@Amazon.co.jp (単行本), 世界標準で生きられますか@Amazon.co.jp (文庫).

つづく…

2009-02-06

新自由主義に席巻されたアメリカの経済学を信奉してきた著者が,そういう過去を自己批判する. 最近はつよく批判される小泉政権の政策については,郵政民営化で公共事業に自動的に資金がながれるしくみにくさびをうった点を評価しながらも,いなかの特定郵便局まで民営化して採算重視することへの疑問をのべている.

しかし,著者の議論はそれだけにとどまらない. 格差や貧困ををうみだし環境を破壊する近年のグローバル資本主義を批判するだけでなく,一神教であるキリスト教にささえられた米英の資本主義や土地の私有制などにもメスがいれられる. その一方でグローバル資本主義を拒否したブータンとキューバに羨望の目がむけられる. また,自然との共生を重視してきた日本人の思想をみなおし,「商人道」 から発した日本の商慣習を評価し,日本の自動車産業の成功の理由をそういうところにみている. また,日本 「再生」 のためにも,さまざまな提言をしている.

しかし,その一方で,批判した資本主義を 「歴史を逆行させることはおそらくできないだろう」 というように,かんたんにみとめてしまっている. 資本主義のルーツにまでさかのぼった議論をするのであれば,改良主義的な提言よりも,もっと根本的なみなおしの議論がほしかったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 資本主義はなぜ自壊したのか@ [bk1]資本主義はなぜ自壊したのか@Amazon.co.jp

つづく…

2009-05-28

元気がなくなった日本を再生させるにはどうすればよいか? 著者は問題点を分析し,再生の道をさぐっている. ひとをそだてるところにひとつの重点があるが,もうひとつの重点は農業や工業 (モノづくり),IT 産業などに関する戦略をしめしている. そこにはいろいろなアイデアがもりこまれているが,実現性はよくわからない. 終章では,もはや GDP では競争できないところから,GCP (Gross Comfortable Product) という概念を提案しているが,GDP とはちがって数値的に定義されていないので,これはあまり意味がないだろう. 積極的ではあるが,いささか,からまわりしているという印象をぬぐえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本再生の戦略@ [bk1]日本再生の戦略@Amazon.co.jp

つづく…

2010-07-19

国の予算は本来,税金によってまかなわれるべきものだ. ところが,いまや税金より借金のほうがおおくなってしまっている. 借金は若い世代や未来の世代に負担をおしつけるものだと主張するひともいる. その一方で,借金も国内から調達しているのだから債務超過におちいることはなくて,さほど問題はないと主張するひともいる. しかし,どちらもちがうのではないかとおもえてきた.

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2010-08-21

世界でアニメ,ゴスロリ,コスプレなどを取材し,イベントに参加してきた著者が,そのパワーや世界の若者のかんがえかたなどについて書いている. おなじ著者が 「世界カワイイ革命」 などの本も書いていて,基本的な方向はかわらない. しかし,この本では世界と日本とのちがい,とくに世界ではコスプレがうけいれられているのに日本ではあまりうけいれられていないことなどがとりあげられている.

しかし,世界の現象も日本の状況も,十分に分析されているとはいえない. 「クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった」 のはたしかだろうが,アニメがどれだけそれにとってかわれるのか,近視眼的なこの本からはこたえがみいだせない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本はアニメで再興する@ [bk1] 日本はアニメで再興する@Amazon.co.jp

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2010-09-22

著者は技術にかたよらないイノベーションの必要性をうったえている. さまざまなイノベーションについて書いている本というと,ドラッカーをおもいだす. だが,この本はイノベーションを分析するよりは,それに関連する日本や世界のさまざまな話題をならべて,読者にかんがえさせようとしている. 内容は 「イノベーション」 ということばでまとめられてはいるものの,いささか発散的であり,ちょっと印象にのこりにくい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 変われる国・日本へ@ [bk1] 変われる国・日本へ@Amazon.co.jp

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2010-11-22

著者は 「コンクリートから人へ」 という民主党の政策のもとでは国がほろびるという. 民主党が公共事業をめがたきにしているかのように書き,それに反論している. たしかに,著者が指摘するように,最近は道路建設などの公共事業費がおさえられているにもかかわらず,過去をみてバッシングをつづけていると,必要な道路建設費などをけずってしまうことになるだろう. しかし,著者がとりあげているデータは都合のよいものだけをとりあげているようにみえるし,議論もあらけずりだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 公共事業が日本を救う@ [bk1] 公共事業が日本を救う@Amazon.co.jp

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2011-01-30

著者はその父がたてたこまばアゴラ劇場の億単位の借金を 23 歳のときに背負って出発したという. そういう著者は芸術と市場経済とのかかわりにもするどい感覚をもっているようだ, 著者は桜美林大学でおしえているが,「学内の演劇の公演は基本的にすべて有料で上演するように指導している」 という. どうすればチケットが売れるかをかんがえるのが重要だからだ.

著者はまた,演劇をはじめとする芸術の公共性を論じている. アメリカでは荒廃した地方都市の再生・再開発に芸術がつかわれて成功した例があるというとこから,日本でも中心街がシャッター通りとなり画一的な 「郊外」 でかこまれた地方都市において芸術がやくわりをはたすのではないかとかんがえている. そこでは,公共的な支援とともに,市民の参加が重要になる.

この本が出版されてから 10 年ちかくになるが,そのあいだに日本各地でビエンナーレ,トリエンナーレなどというもよおしがひらかれるようになった. それらは演劇とのかかわりはうすいだろうが,著者がかんがえていた芸術による地方の振興や市民参加を実現しているといえるだろう. 著者がのこしたするどいメッセージを,このようなこころみのなかに,さらにいかしていけるようにおもえる.

評価: ★★★★★

関連リンク: 芸術立国論@ [bk1]芸術立国論@Amazon.co.jp

つづく…

2011-04-05

日本が再生するためには人間 (日本人) はどうあるべきか,国家 (日本) はどうあるべきか,国際社会のなかで日本がどういうやくわりをはたすべきか,3 章にわけて論じている. よく全体像をえがいているということができる. しかし,どうあるべきかは書いてあっても,それがなぜなのかは書いてない. ただちに同意できる部分もあるだろうが,そうでない部分については,わからないままになってしまう. 論理がしめされていないという点で,これは哲学書というよりは宗教書だろう. カリスマのないひとが宗教書を書いても,ひとはなかなか信じてはくれないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ニッポン全体発展論@ [bk1]ニッポン全体発展論@Amazon.co.jp

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2011-06-06

おおくのひとが,東日本大震災をきっかけとして,日本全体がかわることを予感している. ところが,この本の著者たちは,かわるべきところもあるが,おおくの点でかわらなくてよい,いまのままでよいといっている.

原発は推進するべきであり,福島第一原発も廃炉にしなくてよいという. 欠陥だらけで痛みののひどい原発をどうやって再稼働させればよいというのだろうか (この本がもっとまえに出版されたのならわかるが,5 月に出版されているのだ).

これからインフレがおこることもないし,産業もこれまでどおりに復興させればよいという. 財政赤字もこれからさらに,つみあげていけばよいというのだろうか. 東日本大震災のショックはオイルショックのようなものだから,おなじようにのりこえていけるという. おこったことの質的なちがいも,日本の政治・経済などの状況のちがいも,おかまいなしだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大局を読む!@ [bk1] 大局を読む!@Amazon.co.jp

つづく…

堺屋 太一 と 5 人のひとのテレビ対談をまとめた本のようだ. 6 人それぞれ意見にちがいはあるが,全体としては堺屋のかんがえをつよく反映した内容になっている.

復興資金の調達には電力などのエネルギーに課税することを提言している. また,原発に関しては日本やロシアの 「基準主義」 つまり基準をまもっていさえすればよいというかんがえかたはダメで,「確率論」 つまりリスクをきちんと管理する必要があることがくりかえしのべられている.

最後には菅政権への批判や,国の進路や体制に関する議論がない復興構想会議が批判されている. 東北の復旧だけでなく,官僚主導から脱却して地域の特性をいかした日本全体の復興をめざすべきだということだ. さまざまな提言がふくまれているが,それらをどうやって実現すればよいのかはこれからの課題だろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本を救う道@ [bk1] 日本を救う道@Amazon.co.jp

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2011-06-27

東北の復興そして日本の復興がかかっているだいじなときに,政治家たちは目先のことであらそっているといわれている. 復興のために,原発や自衛隊など,現場のひとたちが最大限の努力をはらっているときに,政治家は無能ぶりを発揮しているともいわれる. だが,もうすこしながい目でみるとき,復興をおくらせる要因は政局や政治家の無能ではなくて,日本の針路に関する対立なのではないかとおもえる. 「復興の精神」 という共著本を読み,東京脱出に関するかんがえかたのちがいをみるにつけて,いまや,あらゆる点で国民のなかに対立があり,それを解消することの必要性と困難とを感じざるをえない.

つづく…

2011-07-02

幕末から明治維新までを第一の敗戦,太平洋戦争を第二の敗戦,そして構造不況から東日本大震災を第三の敗戦と呼んで,第一,第二の敗戦からまなんで第三の敗戦に対処する方法をかんがえている. 第一,第二の敗戦に 2/3 ちかいページ数がさかれているが,そのなかにも第三の敗戦からたちなおるためのヒントがちりばめられている. ただし,話題の中心になっているのは震災以前からある問題点だ.

震災後は理由も不明確なまま日本を賛辞する本がおおいなかで,この本は手きびしい. 日本はいまきびしい状況にあるのだから,元気はださなければならないが,解決するためには問題点をきちんとみすえなければならないということだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 第三の敗戦@ [bk1] 第三の敗戦@Amazon.co.jp

つづく…

2011-07-03

日本では,国力が低下するなかで東日本大震災をむかえ,世界的にも前例のない津波からの復興と,同様に前例のない原発事故からの復興が必要になっている. これらをつよみにかえなければ日本の復興はありえないだろう. 原発事故からの復興についてかんがえるとき,日本のつよみは原発をすてることからはえられないのではないだろうか? いま福島では世界に例のない事故対策をしている. それをつよみにかえるのは,原発そのものを復興することではないだろうか?

つづく…

2011-07-16

東日本大震災に関して他の本にはあまり書いてない 「当然のこと」 や辛口の内容がこの本にはふくまれている. 1000 年に一度の大災害でもチェルノブイリほど深刻な事態にはならなかったことからかんがえて軽水炉は安全だということ,「想定外」 ということばがさんざん批判されたが工学的には 「想定」 が必須であること,だから原発事故の原因はほかにあること,再生可能エネルギーを推進するより発送電の分離が重要であること,人口が減少するなかでは人口が集中する地域によりおおく投資するべきである (「地方切り捨て」 をやらざるをえない) ことなどだ. もし震災復興に関していろいろな意見を知りたいなら,この本もぜひそこにくわえるのがよいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 3.11 後 日本経済はこうなる!@ [bk1] 3.11 後 日本経済はこうなる!@Amazon.co.jp

つづく…

2011-07-29

震災にあった東北がかかえているさまざまな問題がとりあげられている. 岩手や宮城とちがって福島では復興プロジェクトがでてこないこと,震災前から人口がどんどんへっていること,などなど. しかし,この本でとりあげている話題のほとんどは,単なる感想の域をでていないようにおもう. 「震災が起きても変わらない知識人」 を問題視していたりするが,その理由は明確でない. この本が建設的なうごきにむすびつくかどうかは,はなはだ疑問だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「東北」再生@ [bk1] 「東北」再生@Amazon.co.jp

つづく…

2011-08-25

ダメなのは日本ではなくてまちがった政策をとりつづける日銀やマスコミ,政府などであり,それらにまどわされずに自分のあたまでかんがえることをすすめている. 現代のことだけでなく,1929 年の世界恐慌の原因や日本ではいつそこから脱却したかなど,過去の経済事象に関してもあやまった 「常識」 をかんがえなおさせてくれる. 政治・経済などに関して選択をあやまらないことが重要ないま,ぜひ読むべき本だといってよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「日本ダメ論」のウソ@ [bk1] 「日本ダメ論」のウソ@Amazon.co.jp

つづく…

2011-09-04

世界のなかでの日本の存在感がちいさくなっているなかで,著者は韓国,中国などとどう対峙していくか,また原子炉や新幹線などの日本製品をどう海外に売りこんでいくかなどの点を論じている. それぞれの論点に関しては示唆的な部分をふくんでいる. しかし,全体としてみると印象がうすい. さまざまな論点がうまくからみあっていないようにみえる. また,震災後に原子炉輸出の問題をとりあげているのに,事故に関する配慮がないのも疑問を感じる. 新興国が台頭し,日本の人口や経済が縮退するなかで,日本の復興は容易でない. だから,もうすこし全体的なビジョンがなければ,それを実現させることはできないのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 不屈の日本@ [bk1] 不屈の日本@Amazon.co.jp

つづく…

2011-09-28

東日本大震災後,原発に関する反省がひろがっている. 原発の危険を指摘するひとがいたにもかかわらず,それは無視されてきた. 著者はそれを 「空気」 を読んだからだと主張しようとしているようだ. しかし,この本のなかで 「空気」 は唐突に登場する. 著者は日本人が 「空気」 を読み思考停止したことを批判しているが,ここで思考停止したのは著者自身なのではないか. もし思考停止していないというなら,なぜそれが 「空気」 の問題なのかを説明する必要がある.

著者は放射線による発ガンに関して 「年間 20 ミリシーベルトを被爆してガンになり死亡するのは,1000 人に 1 人」 と書いている. それは客観的な結果なのだろうが,放射線がなくても死亡率はそれにちかい値であり,放射線によってふえているとしてもわずかだということが,この文章からはわからない. こういう不正確な記述から読者をあやまった方向にみちびいているようにおもえる.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: もう空気は読まなくていい@ [bk1] もう空気は読まなくていい@Amazon.co.jp

つづく…

2011-10-04

著者は 「論理的思考」 が重要だと強調し,自分は 「論理的」 に思考しているという. しかし,そうだとすると著者のいう 「論理」 とはなんだろうか. それについての説明はない. このことばを常識的に解釈してよみすすむと裏切られる.

あとがきに 「人生に習熟するとは,無数にある選択肢を,一瞬で,2 つ程度に絞り込めるようになる,ということなのです」 と書いている. この本のタイトルは 「選択の時代」 だから,これはきっと著者にとってこの本のエッセンスなのだろう. しかし,通常の意味の論理は逐次的なものだから,それによって一瞬で選択肢をしぼりこめるわけがない.

しかし,この文を読んでからふりかえると,1 章で通常の意味の論理展開なしに 「太平洋戦争当時を振り返れば,どこが間違ったか,おおよそのところはわかります.…」 と書いているのが著者が 「一瞬で」 判断したことなのだろうとかんがえると納得がいく. だが,やはり著者がいう 「論理的思考」 の意味はわからない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 選択の時代@ [bk1]選択の時代@Amazon.co.jp

つづく…

2012-01-03

日本人はこれまで,高い品質をえるためにコストをはらってきた. しかし,グローバル化がすすむなかで,国際水準にあわせるのか, それとも日本の水準を輸出するのかがとわれている. たぶん解はそれらの中間にあるのだろう.

つづく…

2012-01-29

日本の経済は成熟したのだから,経済成長をおいもとめるより分配をこそ,かんがえるべきだという. 著者はさまざまな統計をとりあげながら,そういう時期にきていることを主張する. ほかにも同様の議論をする経済の専門家はすくなくない. そのなかでは説得力のある議論をしているといえるだろう.

しかし,ところどころ,ひっかかる議論がある. 著者は医療費を無料化することを主張している. たいした病気もないひとが病院にあふれるようになってもよいというのだが,そんなコストを税金ではらっても,ゆたかになれるというのだろうか. また,平等をめざす議論のなかで,成熟した社会であれば共産主義はうまくいくかもしれないという話がでてくるのだが,これはエンゲルスの亡霊だとしかおもえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 成熟日本への進路@ [bk1]成熟日本への進路@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-02

日本の風土が日本人を世界のなかでも特異な思考や感情をもつようにさせていると著者はいう. 西洋や中国などで歴史上おこった大量殺戮が日本ではなかったこと,それに対して大規模な自然災害による死者がおおかったことなどをあげて,日本の特殊性をしめそうとしている. そして,外国人とちがって日本人が装置インフラを軽視し,合理的になれないといった弱点を説明している.

しかし,外国人とのちがいを章ごとにタイトルをつけてまとめようとしているようだが,各章の内容はタイトルとあまり合っていない. 雑然とならべているようにしかみえない. だから,この議論がまだ,だれでも理解できるように説得力を獲得しているとはいえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人はなぜ@ [bk1]日本人はなぜ@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-10

タイトルにある 「大震災」 にひきつけられて買ってしまったが,実は震災にはあまり関係がない. 著者がいつも主張している 「日本の生きる道は製造業ではない」 という話であり,震災以前から日本がすすむべき道はかわらないということだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大震災からの出発@ [bk1]大震災からの出発@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-24

13 人の専門家による提言集だ. 経済の専門家が多く,内容も経済と原子力に関するものが多い. 復興庁を東北につくり,いずれは東北州の州政府にするのがよいという意見もある. 私自身もそれがよいとかんがえていたが,復興庁はそうはならず,政治の改革もできなかった. これをふくめて,実現されていない,またこれからもされそうにない内容が多い.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 震災からの経済復興@ [bk1]震災からの経済復興@Amazon.co.jp

つづく…

2012-05-02

TPP の議論の際などに常にいわれることは 「日本の国益」 である. それを議論するのはもちろんまちがっていないが,現代は,世界経済・政治などをかんがえるときに日本だけのことをかんがえても,もはやうまくいく時代ではない.

つづく…

2012-07-01

日本人は 「まじめの罠」 にはまっているという. 日本人は、状況がかわっても,あらかじめきめられたことをきちんとやらないといられない. 特捜の問題,旧日本軍の問題,過労死の問題など,さまざまな問題が 「まじめの罠」 という ことばのもとで論じられる. たしかに,そこには共通するものがあるようにおもえる. 「まじめの罠」 をさけるための手段として,「クリティカル・シンキング」,「大局観」,「メタ認知」 などということばが登場する. しかし,まだ 「まじめの罠」 とはなんなのかがあきらかにされていない. そのために,およそ異質なものがまぎれこんでいるようにもおもえる. もうすこしそれをはっきりさせなければ,この本がおおくのひとからうけいれられることにはならないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: まじめの罠@Amazon.co.jp

つづく…

2012-11-21

田村 耕太郎 の 「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか !?」 という本への Amazon.co.jp の書評は,批判的なものが評価され,肯定的なものは評価されていない. もっとすなおに読めばよいのに,日本人とくにわかいひとたちの内向きつまり海外にでようとしない傾向を追認しようとしているのではないだろうか.

つづく…

2013-01-31

「この国でいま進行している事態は錯誤である! 」 ではじまる内容紹介の異常な (?!) わかりやすさとはうらはらに,もしその 「錯誤」 を指摘するのが目的であるなら,この本じたいはとてもまわりくどい. まわりくどく表現せざるをえないなにかがあり,それゆえに 「ぼくの書くこと,話すことが「文壇」 や 「論壇」 と呼ばれる場所で全く通じな」 いのではないか. そのまわりくどさ,わかりにくさは,まだこの議論が本質をとらえそこなっているからなのではないか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 物語消費論改@Amazon.co.jp

つづく…

2013-07-13

この 20 年,日本は停滞していたが,アベノミクスによって経済はうごきだし,政治や文化においてもうごきはじめたようにみえる. しかし,国内の議論は内向きだ. TPP など経済協定においてはもちろんだが,憲法だけをとってみても西洋と東洋あるいは世界への貢献をかんがえるべきだろう. 戦前・戦後をとわずそういう視点があったはずだが,いまはそれが希薄になっているのではないだろうか. 安倍政権,参議院議員選挙,そして憲法改正問題はそういう視点をとりもどすひとつのきっかけになればよいとおもう.

つづく…

2015-02-26

21 世紀のパラダイムとして 「爆発する知識」,「有限の地球」,「高齢化する社会」 の 3 つをあげて,説明している. もっともな 3 つだともおもえる. 説明は著者の知識にうらづけられていて,納得させられる. しかし,その論旨は著者の知識と記憶にうらづけられているだけで,データにうらづけられているわけではない. そこがこの本のよわみだとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本「再創造」

つづく…

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