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言語・コミュニケーションとネットワーキングアーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, DIY (日曜大工) とものづくりWeb とインターネットインタフェース,アメニティとデザインセキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護メディア・アート・イベント・エンターテイメント仕事と起業心理思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境・エネルギー生活知的生産とリテラシー社会・経済言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

WASSad.jpg
WASS (Wikipedia Axis-Specified Search) (Wikipedia の検索エンジン)

2007-10-01

本書はおもにインターネットがもたらした変化,とくに言論のフラット化 (匿名でも権威があっても 「何を言ったか」 だけで判断される) と,ウィキペディアなどにおいて意見の集約が困難になっいること,セレンディピティによって人と人とが出会いやすくなったことについてのべている. しかし,それと同時に日本において 2000 年代前半に 「戦後世界」 のわくぐみとそれを象徴する共同体が完全に崩壊した崩壊したことによって人々がばらばらにされたこともフラット化のひとつであり,それが 「出会い系」 へののめりこみを生んでいることも指摘している. このようなネットだけにとらわれないはばひろい視野はまなぶ価値がある.

評価: ★★★★★

関連リンク: フラット革命@ [bk1]フラット革命@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-09

220 ページほどの本のなかでモバゲータウンそのものについて書いた部分は 50 ページほどではあるが,モバゲータウンについての本がわずかしかないなかでは貴重な記録ということができるだろう. 著者はモバゲータウンを試用し,それを運用する DeNA と一部のユーザに取材し,それをこの本に反映させている. しかし,それらのいずれについての記述も中途半端だという印象をまぬがれない. 入門者のためにはモバゲータウンだけでなく周辺の説明も必要だろうが,もうすこしモバゲータウンそのものについてのページをふやして,もっと 「すごさ」 がわかるようにしてほしかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: モバゲータウンがすごい理由@ [bk1]モバゲータウンがすごい理由@Amazon.co.jp

つづく…

本書においては,一般市民がブログを通じてジャーナリズムに参加できるようになったいまジャーナリズムがどうなり,また将来どうあるべきかという点を論じている. 著者のジャーナリストとしてのこれまでの経験,ジャーナリズムがこれからどうなっていくのか,プロのジャーナリストや新聞社はどうするべきなのか,などなど,さまざまな問題があつかわれている. しかし,よみおわってみて,雑然とした印象しかのこらない. 前著 「ネットは新聞を殺すのか」 を出版したあと,著者は 「不完全燃焼のような思いを抱いていた」 とあとがきに書いているが,本書においてもまた不完全燃焼におわっているようにみえる. むずかしい問題が山積しているので,不完全燃焼するのはやむをえないのだろうが,もうすこし明確な主張をもりこんでほしかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ブログがジャーナリズムを変える@ [bk1]ブログがジャーナリズムを変える@Amazon.co.jp

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2007-11-13

本書は,おおくのひとびとが Web などをつかって共同で創造していくさまざまなしかけをとりあげている. そのうちのいくつかは,ほかの本や Web などを通じて,すでにおなじみになっている. しかし,「サイエンス 2.0」 などについては,まだ日本ではあまり議論されていないようにおもわれる.

また,本書を読めばウィキノミクスの弱点もわかってくる. たとえば,「ピアリング」 が機能するための条件のひとつとして生産物が部分に分割できることがあげられているが,これは複雑系のように分割できないものはウィキノミクスでつくりにくいことを意味している. いろいろと興味ぶかい内容をふくんだ本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ウィキノミクス@ [bk1]ウィキノミクス@Amazon.co.jp

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2008-04-04

著者の主張をひとことでいえば 「NTT はいまだに電話的価値観の呪縛からぬけだせないために低迷している」 ということになるだろう.フレッツ網の障害も NGN の低迷も電話的価値観のせいにされている.しかし,この本の内容をすなおによむと,これはこじつけだとおもえる.

フレッツの成功はこの呪縛をまぬがれて自由にサービス開発ができたからだという. しかし,フレッツよりまえ / よりあと (NGN) においても,フレッツにおいても,NTT が電話以外にめぼしいサービスを開発したことがあっただろうか? この本に書かれた NTT の動向は読むに値するが,著者の意見は聞くに値しないとおもわれる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: NTT の自縛@ [bk1]NTT の自縛@Amazon.co.jp

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2008-04-12

iPhone をタイトルにふくむ本は日本でもすでに何冊か出版されているが,iPhone がまだ当分日本ではつかえないためか,これまでの本は iPhone そのものにはあまりページをさかず,iPhone をつくった Apple や Steve Jobs について書いていた. この本は iPhone そのものに正面からとりくんだ最初の本だといえるだろう. iPhone の機能や日本の携帯電話との比較,日本での発売の可能性などについて書いている. 意外な話はとくにないが,iPhone の概要を知るにはよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: iPhoneが日本に上陸する日@ [bk1]iPhoneが日本に上陸する日@Amazon.co.jp

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2008-05-04

「放送と通信の融合」 に関する本は何 10 冊かあるが,本書はそのなかでももっとも示唆にとんでいる. テレビの進化をかんがえるうえでコンテンツをどのように発展させていくかをかんがえることが重要なのはいうまでもない. しかし,著者はテレビ局や従来の放送・通信政策におさえつけられていた古典的な意味でのコンテンツ制作者を自由にすることを主張してはいない. むしろ,「次のテレビ」 や 「テレビの次」 として,YouTube やニコニコ動画がしめしているような Web 2.0 的な方向をみている. 「テレビの次」 のビジネスモデルのヒントを Google や楽天にみている. とはいっても,よみおわると,むしろいろいろともやもやした感じがわきあがってくる. むしろ,そのもやもやをそだてていくことが今後のたのしみだとおもえる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: テレビ進化論@ [bk1]テレビ進化論@Amazon.co.jp

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2008-05-08

「調べる技術」 というと,最近ではまず Web をかんがえてしまうが,オリジナリティのあるものを書くにはいまでも取材が重要ということになるだろう. この本の中心は 「わすれさられた」 取材と執筆のルールを読者につたえることにある. 古典的な取材法と執筆法,そして書くテーマも古典的なテーマのなかからあたらしさをみつけるところに価値をおいているのだろう. しかしそれにしても,変化がはげしくなった時代のなかで 「あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくる」 と書かれているのを読むと,違和感を感じてしまう. 取材の場を世界にひろげれば,あたらしいテーマはいくらでもあるはずである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 調べる技術・書く技術@ [bk1]調べる技術・書く技術@Amazon.co.jp

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2008-08-11

タイトルには 「ウェブ」 がついているが,むしろケータイの話題,とくにこどもによるケータイ使用に関する話題がおおい. しかし,全体として散漫な印象であり,なにがいいたいのかよくわからない. その理由はこの本が新聞などからとった多数の文章を PHP の編集者が中心にまとめたものだからだろう. また,サル学が専門の著者がサルのはなしを書いていないことも,文章のおもしろさを減じているのかもしれない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ウェブ人間退化論@ [bk1]ウェブ人間退化論@Amazon.co.jp

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2008-08-12

この本がとりあげている問題は重大である. 子供がケータイを何にどのようにつかっているかを分析し,ネットいじめ,ケータイがもたらす心理的な罠,フィルタリングの問題などについて論じている. しかし,子供をすごく,とおくから見ている印象だ. 直接,子供にきいたナマの情報というのはないようにみえる. こういう情報はもう聞きあきたし,そういう本ならほかにも,いくらもあるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ケータイ世界の子どもたち@ [bk1]ケータイ世界の子どもたち@Amazon.co.jp

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2009-01-13

マンション屋から電話がかかってくることがおおい. 「マンションなどのセールスの手口とそれに対する感想」 という項目でそれを分析したが,最近は元気のないセールスマンがおおいようにおもう. なにが売りたいのか,なかなかわからない電話もおおい. そういうなかで,先日,大阪のセンチュリー 21 (Century 21) からかかってきた電話はみごとだった.

つづく…

タイトルをはじめとして,実用的な本であるかのようにみせかけているが,実は言語学者によるメール作法の分析書である. メールを書くときの実用にはあまりならないだろうが,ケータイ・メールまでふくめて,これだけ様々な場面を分析した本は他にないだろう. ただ,メール作法はコミュニティによってかなりのちがいがある. 大学生が書いたメールを中心に分析しているので,企業でメールをみている私には違和感がある部分もあった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル社会の日本語作法@ [bk1]デジタル社会の日本語作法@Amazon.co.jp

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2009-02-03

ケータイや 2 ちゃんねるから,つぎつぎと顔文字やこれまでの日本語になかったあたらしい表現がうまれている. 著者はそれを分析するところからはじめて,かな小文字,外来語表記,濁点・半濁点,長音,句読点などに関して,あたらしい表記法を提案している. こういう問題についていろいろかんがえるのはたのしいことではある. しかし,とびきりおもしろい話題があるわけではない. 結局のところ,1 冊の本が表記法に影響をあたえる可能性はすくないとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語ヴィジュアル系@ [bk1]日本語ヴィジュアル系@Amazon.co.jp

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2009-07-26

世界中で現在つかわれている言語をカバーしようとしている. 新書のページ数でそれをやろうとすれば,個々の言語に関しては最低限の記述にならざるをえない. それでたしかに 「地図」 をえがくことに成功してはいるが,地図以上ではない. エピソード的な話もいろいろ書かれているが,つっこみが浅いので,あまりつよく興味をひく記述はなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 言語世界地図@ [bk1]言語世界地図@Amazon.co.jp

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2009-08-08

認知心理学者ノーマンは著書 「誰のためのデザイン?」 において既存のさまざまな工業製品のデザインを分析していた. するどい分析ではあったが,その内容はむしろ保守的にみえた. 本書では知的な機械と人間とのインタラクションがテーマとなっていて,よりノーマンらしい内容だとおもえる. 本書の内容はそのなかに書かれている 「6 つのデザインルール」 にまとめられ,また 「機械によって [実はノーマンによって] 作られた 5 つのルール」 もあわせて書かれていて,そのほうが私にはピンとくる. いずれにしても,マイコンなどを内蔵した知的なインタフェースのデザイナーは,本書をてもとにおくとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 未来のモノのデザイン@ [bk1]未来のモノのデザイン@Amazon.co.jp

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2009-09-04

ローレンス・レッシグがつかいはじめた意味での 「アーキテクチャ」 は,権力がひとびとを規制するためというネガティブな意味をおびていたが,著者はそれをもっとポジティブにとらえようとしている. ミクシィ,ウィニーなどの P2P ソフト,ニコニコ動画,初音ミクなどがとりあげられて,アーキテクチャという観点から論じられる. あたらしい視点のはずだが,そのわりには新鮮味が感じられない. 著者の議論をすでにブログなどでみているせいかもしれないが…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アーキテクチャの生態系@ [bk1]アーキテクチャの生態系@Amazon.co.jp

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2009-10-07

「論理」 といえばまず 3 段論法をおもいだすが,この本では 「対」,「言い換え」,「媒介」 の 3 つがすべてである. 3 段論法があつかわれていないわけではなくて,それは 「媒介」 の一種としてあつかわれている. つまり,ふだんの日本語でつかわれる論理としては 「対」,「言い換え」 という 2 つのものの関係 (2 項関係) のほうがもっと重要であり,3 段論法は 3 つのものの関係 (3 項関係) である 「媒介」 のなかのひとつ (にすぎない) ということだろう.

この本のなかには 「類書はすでに多数あります」 と書いてあるが,こういう方針が単純で実用的な読解の本は比較的すくなくて,価値のある本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語論理トレーニング@ [bk1]日本語論理トレーニング@Amazon.co.jp

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2009-10-16

話が通じない理由をいろいろ分析している. ひとことでいえば 「非・論理的コミュニケーション」 をしているからだという. しかし,私の経験では互いに論理的に話をしようとしていても通じないことがしばしばだ. この本を読んでもその理由や対策はよくわからない. いろいろな話が書いてあるが,あまり新鮮な話題はなかった. 結局,知りたいことはわからなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: なぜあの人とは話が通じないのか?@ [bk1]なぜあの人とは話が通じないのか?@Amazon.co.jp

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2009-11-10

「読解」 というと文章のなかにあるものを解読することだとおもってしまうが,この本はむしろ本のなかには書いてないことがいかに文章の解釈に影響するか,とくにそういう 「文脈」 をただしく理解しないと 「わかったつもり」 つまり誤解することになるかを,いろいろな例をつかって説明している. この本をよめば,「わかったつもり」 というおとしあなにおちるのをふせぐことができるようになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: わかったつもり@ [bk1]わかったつもり@Amazon.co.jp

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2009-11-21

日本の近現代の地名のなかで,区別しにくい地名,まぜこぜの地名,まぼろしの地名など,さまざまな珍地名に横綱から前頭までの番付をつけて紹介している. まぎらわしい地名のなかにも (著者はそういう視点ではみていないが) 人間にはくべつしにくいがコンピュータにはくべつしやすいものや,その逆のものなどあって,コンピュータ・プログラムを書くものにとってはとくに後者に興味がわく. もちろん,それ以外の点にも興味はつきない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本の珍地名@ [bk1]日本の珍地名@Amazon.co.jp

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2009-12-21

著者は日本語が形式論理と同等であり論理的だという. 「同等」 ということばの意味がよくわからない. しかし,形式論理と 1 対 1 に対応するとはかんがえられないから,形式論理と対応づけられるという以上につよい意味はないだろう. 日本語が論理的でないといわれるのは,形式論理と対応づけられないということではなくて,それとの対応関係のあいまいさが英語にくらべておおきいということだろう. それを否定する議論はこの本のなかにはないから,「日本語が英語とくらべて論理的でない」 というかんがえを否定する根拠はあげられていないとかんがえられる. だから,この本はその主要なテーマにおいて失敗しているとかんがえられる.

しかし,この本にはおしえられることもおおい. 著者は日本では外国人向けには学校文法より合理的な文法が教育されているのに,英文法を無理にまねた学校文法が支持者がほとんどいないのに昔のまま教育されていることを批判している. そこには制度的な問題があることを指摘しているが,民主党政権がそこにきりこんでくれることを期待しておこう.

また,著者は日本語においては母音を左脳できくが,英語をはじめたいていの言語においては母音を右脳できいていることを指摘し,それを小学校での英語教育の問題にむすびつけている. 小学校で音声中心の英語教育をすれば母音を左脳できかなくなることを心配している. かんがえすぎのようにもおもうが,興味ぶかい議論ではある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は論理的である@ [bk1]日本語は論理的である@Amazon.co.jp

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2009-12-25

著者は携帯電話の危険を指摘しつつ,こどもにもたせることを否定してはいない. こどもに携帯電話をもたせている親がその得失をよくかんがえていないことに問題があると指摘し,その得失を議論している. しかし,実はこの本には携帯の利点つまり積極的にもたせるべき理由はほとんど書いていない. 基本的には,こどもにせがまれて携帯を買わざるをえなくなったとき,どうすればできるだけ危険をさけることができるかを知るための本ということだろう. いささか中途半端だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 子どもとケータイ@ [bk1]子どもとケータイ@Amazon.co.jp

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2010-04-05

どうすれば学会のポスターセッションで効果的なプレゼンテーションができるのかを説明している.ポスターセッションもしだいに紙のきりばりなどに依存しなくなってきているとおもうが,この本ではまだ,のりやはさみのつかいかたにウェイトがおかれている.本の末尾にはさまざまなポスター・セッションの写真とともに失敗している部分の説明が書かれている.成功例もわずかにふくまれているが,もっと成功例をふやしたほうが参考になったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ポスターセッションガイド@ [bk1] ポスターセッションガイド@Amazon.co.jp

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2010-11-12

パソコンやケータイをつかうのにあまりなれていない親のために,こどものケータイをどう管理したらよいかを書いている. こどもとどう向きあい,ケータイやパソコン をどう設定し,どう監視していけばいいか,ひととおりのことが書いてある. たぶん,ほかの本からは得にくい情報もあるのだろう.

しかし,新書だからページ数がかぎられているということもあり,あまり具体的なところまでは書いてない. それに,本のタイトルにあるケータイのことだけでなくパソコンのこともまぜて書いてあるから,どれがケータイのことでどれがパソコンのことなのかも,よくよく読まなければわからない. ケータイについては,さらに電話会社ごとにちがう点があるはずだが,会社ごとの情報にはまったくふれていない. いささか不親切な書きっぷりだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ケータイ不安@ [bk1] ケータイ不安@Amazon.co.jp

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2011-04-15

マスコミや有線放送,CATV などによる災害情報をさまざまな面からあつかっている. 章ごとにことなる著者が執筆しているので,一部重複もあるが,それはたいした問題ではない. 過去の災害情報の分析としてはよいだろう.

しかし,今後の参考にしようとすると,インターネットなどに関する記述がほとんどないのが気になる. 東日本大震災でひろくつかわれた Twitter や Facebook についての記述がないのはしかたがないが,この本の出版前におこった新潟県中越地震などでのインターネットのやくわりに関しては,もうすこし書いてあってもよかったのではないだろうか. いずれにしても,今後,大改訂が必要なことはまちがいないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 災害情報論入門@ [bk1]災害情報論入門@Amazon.co.jp

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2011-06-13

鈴木 謙介 らと 「ダメ情報の見分けかた」 という本を書いた著者は,震災後ブログで流言・デマのまとめを書いてきた. それをまとめたのがこの本だ. ネット上でさまざまな流言・デマがあり,それを信じさせ拡大させるしかけもあったが,それを否定するツイートや記事もあって,流言・デマがひろがらずにすんだことが分析されている. また,どうすればそれをくいとめることができるかも分析されている.

関東大震災のときには流言・デマが虐殺事件にまで発展したことをかんがえれば,日本人が冷静だったからひろがらなかったのではなくて,情報がうまく流通したからなのだろう. この震災ではツイッターなどが救援のためにうまくつかわれたが,流言・デマの防止という点においてもそれがうまくはたらいたということだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 東日本大震災の流言・デマ@ [bk1] 東日本大震災の流言・デマ@Amazon.co.jp

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2011-06-29

災害による観光業の被害や銀行の取り付け騒ぎなど,さまざまな風評被害が分析されている. そのなかには放射能に関するものもあるが,おもに東日本大震災よりまえの事件がとりあげられている. 最後の 2 章はこの震災における風評被害にあてられているが,のびのびになっていたこの本の出版が震災を機会に加速されたということだ. 立場によっておなじ 「事件」 が風評被害とみなされることもあり,そうでないこともあるというあやうさも,とりあげられている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 風評被害@ [bk1] 風評被害@Amazon.co.jp

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東日本大震災をうけて再刊された本だが,おもな部分は戦前に書かれたようだ. 前半はタイトルになっている流言蜚語について書いているが,抽象的なのと,インターネットがある現在とはことなる状況のものなので,途中で読むのをやめようかとおもった.

しかし,後半は著者の関東大震災の経験をつづった文章をあつめていて,具体的かつ印象的な文章だ. そこではしばしば 「天譴 (てんけん)」 ということばがあらわれる. 「天罰」 にちかい意味だ. 石原慎太郎のことばがおもいだされる. 過去の震災が書かれている本として鴨長明の 「方丈記」 とヴォルテールの 「カンディード」 があげられている. 後者はヨーロッパに広範な被害をだしたリスボン地震について書いているという. 「カンディード」 との比較で日本の 「天譴」 ということばの軽さが指摘されている.

著者は 「東京が消失しても,300 万の日本人が死んでも,涙を流す外国人は 1 人もいないでしょう」 と書いているが,東日本大震災でわかったことはそれとはまったく逆だった. そして,著者はまた大威張りで朝鮮人を殺して銃剣の血を洗っている兵隊と出会っておどろいているが,東日本大震災では日本人みなが献身的にはたらく自衛隊員のすがたを見た. このコントラストは現代の日本人の希望であり自信につながるものだ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 流言蜚語@ [bk1] 流言蜚語@Amazon.co.jp

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2011-11-23

マスコミに支配されていた時代はおわって,著者がビオトープとよぶ,多数のちいさな情報圏がうまれている. ひとびとはそこにチェックインし,キュレーターという,〈視座〉 を提供するひとをたよりに世界をみる. そこまでは,キュレーターというようなことばはべつとして,インターネットをつかってくらしているひとなら,みな感じているところだろう. この本ではあつかわれていないが,このような議論がでてくるまえから,インスタント・メッセージング (IM) というシステムがあり,そこにログインするとみんなにそれがつたわる (チェックインする) ようになっていた.

しかし,この本はそういう抽象的な話にとどまらず,どういうビオトープがあってどういうキュレーターがいるかを具体例でしめしている. 音楽の世界,ソーシャル・メディアとくにフォースクエア,アウトサイダー・アートなど,さまざまな例をとりあげながら,どういうキュレーターがなにをしてきたかをのべている. あまりまとまりのよい議論ではないが,1990 年代ごろからゆっくりとすすみつつある変化をとらえているといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: キュレーションの時代@ [bk1]キュレーションの時代@Amazon.co.jp

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2012-04-02

この本にはいたるところに妥当性に疑問がつく議論がある. そのうちのいくつかをここにあげてみよう.

著者は,最近の 10 年くらいでうつ病・躁うつ病が急激にふえているのはここ 20 年くらいでネットが普及しコミュニケーションを変えたからではないかという. しかし,それらの直接的な関係はしめされていない.

著者はまた,インターネットの普及で 「言葉」 がつかわれなくなったと書いているが,それによって顔をつきあわせての会話がへったとしても,文字でチャットする機会はふえているだろう. チャットでは短文しかかかないというのだが,もともと会話では短文しかしゅべっていなかっただろう. 昔は長文を読んだり書いたりしていたというのだが,それは相当にむかしのことだろう.

そこで著者は突然,「精神」 と 「言葉」 について考察するために,哲学や生物学や人工知能 (フレーム問題など) までもちだしてくる. しかし,それがこの議論のどこにやくだつのかわからない.

これらはまだ比較的慎重な最初の部分の議論であり,あとのほうになるとますます疑問があるが,枚挙にいとまがない. とりあげているテーマはよいが,議論や結論は信頼できない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: インターネットが壊した@ [bk1]インターネットが壊した@Amazon.co.jp

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2012-05-12

コンピュータ言語やその理論,とくに再帰を記号論的な見方で分析している. 記号論と人工言語とをむすびつけるそのやりかたは斬新だ. これら両方の分野に精通した人は非常にわずかだとかんがえられるから,どちらの分野のひとにとっても,この内容は新鮮だろう.

しかし,一応は両方を知っている立場からすると,このむすびつけかたはいささか強引だとおもえる. 記号論の対象は人間の言語や記号であり,記号の概念も解釈も人間のものだ. ところが,著者がそれをコンピュータ言語にあてはめるとき,そこには基本的に人間はいない. 機械が解釈するものとしてのコンピュータ言語と人間の言語の記号論を対応させるのには違和感がある. また,いまさら記号論なのかという気がしないでもない.

コンピュータ言語も人間が書くものだから,記号論や言語学の手法をとりいれるのにもっとべつの視点もある. 著者もところどころアドホックに人間の視点をいれてはいる. しかし,それをもっとすすめた議論は実は存在している. 金田 泰 著 「プログラミング言語学をめざして」がそれなのだが,(Web にはアップされているが) 残念ながら手書きの修士論文でおわっているためほとんど知られていないし,議論は浅い.

いずれにしても,この本はいくつかの賞をとり,英語でも出版されている. 著者あるいはこれらの本を読んだだれかが (私もふくめて) これをきっかけとして,さらにすすんだ議論や周辺の話題をほりおこしてくれればよいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 記号と再帰@ [bk1]記号と再帰@Amazon.co.jp記号と再帰@GoogleBooks

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2012-05-21

著者はこの本に 「記号学を超えて」 という比較的わかりやすいタイトルをつけておきながら,最後になってそれを 「確信に反対して」 にかえることを 「提案」 している. つまり,著者はこの本そのものを脱構築しようとしている (しかも最後までその過程にある). それがこの本を理解するのをむずかしくしているといえるだろう. しかし,記号学 (の先) にはそういう道しかのこされていないのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 記号学を超えて@ honto記号学を超えて@Amazon.co.jp

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2012-05-27

70 歳をこえるころまで鉄のカーテンのむこうにいたバフチンはクリステヴァに発見され西側で知られるようになったという. 著者はロシア内に秘められていたバフチンの若い時代からたどっていく. そして,クリステヴァが注目した 「ポリフォニー」 の概念や,それを論じたドストエフスキー論をはじめとするバフチンの主要な議論を紹介している. 新書というかぎられたスペースのなかで,よく,バフチンそのひとからその思想まで,全体像をみせてくれている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: バフチン@Amazon.co.jp

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Amazon.co.jp でみるかぎり,日本語に訳されたチェーザレ・セグレの本は 2 冊だけだ. 2 冊とも論文集だが,この本はボッカッチョなど,ふるい作家の文学をもとに展開された記号学的文献学の論文集であり,1979 年に出版されながら 2008 年にようやく和訳された. とりあげられた作品はあまりなじみのないものなので,読みこなすのはなかなか困難だろう. また,レオナルド・ダ・ビンチをあつかった章の訳出はもう 1 冊の訳本と重複しているという理由で省略されている. 私にはちょっと読みこなせなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: テクストと文化モデル@Amazon.co.jp

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2012-05-28

「記号論と社会学」 というタイトルではあるが,内容の大半は記号論入門だ. 入門書としてはわかりやすいが,あまり新鮮さはない. 社会学のながれの一部としてレヴィ・ストロースがとりあげられているが,これは記号論に興味をもってきたひとにはおなじみのなまえだ. この本が出版されたのは 2004 年だが,内容は 1980 年代に話題になったことだ. それというのも,この本はもともと 1886 年に大学で発行されたものをもとにしているということがわかって納得した.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 記号論と社会学@Amazon.co.jp

つづく…

2012-06-05

この本のなかにはしばしば作曲家のなまえも登場してくるが,序章がこの本のテーマの提示部,終章が再現部であり,そのあいだはながい展開部とかんがえることができる. こうしてソナタ形式の音楽のように織りあげられた本のなかで,蓄音機や電話などの音声メディアが,現在かんがえられているのとはちがって,歴史的には 1920〜1930 年以前にはもっとさまざまなやくわりをあたえられてきたことが語られる. それは図式的には線状 (つまり 1 対 1) ないしツリー状 (放送) とはちがって,「複数の声の輻輳的な重なりあい」,あるいはセミラティス状のコミュニケーションだったという. このような主張はカクテルパーティをおもいださせる.

しかし,こういう結論をみちびくために,ときにはいささか短絡的ないし強引な議論もあるようにみえる. たとえば,冒頭では永井荷風が隣人によるおおきなラジオの音になやまされたことが書かれている. それを著者は自然の音と再生された音とを対比させるためにもちだしている. しかし,実はそれは自然の音か再生された音かということではなくて,現代のピアノ殺人などにつながる近隣騒音とおなじなのではないかともおもえる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「声」の資本主義 (文庫)@Amazon.co.jp「声」の資本主義@Amazon.co.jp

つづく…

2012-06-28

マスメディアはもちろん,ケータイ,インターネットもとりあげ,テレビやテレビゲームがこどもにあたえる影響やネットの炎上,バーチャル・コミュニティなどにもかなりのページをさいている. ラジオについてもテレビ登場後の変化に注目している. 現代のメディアを俯瞰するのに適した本だといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: メディア・コミュニケーション学@Amazon.co.jp

つづく…

2012-07-01

言語学をまなんだことがあるひとが,もう一度,自分の知識をふりかえるのによい本だ. 当然のようにソシュールの話がでてくるが,だいじなのはシーニュとかシニフィアンとかではなくて,「現語句は規範の学ではない」 ということと 「文字はことばの正体をかくすものであって,文字を はぎとったところに,ほんもののことばが現れるのだ」 ということだという. その他,ソシュールやチョムスキーに関しても,言語学のほかの話題に関しても,教科書にはあまり書いてないようなさまざまな 話題がとりあげられていて,おもしろい. 「学校文法」 は 「言語学がまず最初にたたかうべき相手であった」 というのもそのひとつだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ことばとは何か@Amazon.co.jp

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2012-07-02

これはことばの誕生をさぐる本というよりは,動物の歌についての本だ. さまざまな鳥の歌の話が中心だが,くじらやガもうたうという話,霊長類のなかでは人間しかうたわないという話などがでてくる. 歌以外でも人間のことばや音楽の構造など,いろいろおもしろい話がちりばめられている. タイトルのとおりの内容を期待するとはずれるが,おもしろい本であることはたしかだ

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 言葉の誕生を科学する@Amazon.co.jp

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2012-07-13

タイトルから想像されるようにソシュール,レヴィ・ストロース,ロラン・バルトなどとの関係がふかい話題がおおいが,修辞学に 2 章がわりあてられている点に特徴がある. 修辞学というとふるくさいイメージだが,これを読むと (はっきり書いてはないが) チョムスキーとの関係も感じられる. 1980 年代に出版されたものであり新鮮さはないが,もう一度,ことばについてかんがえてみるにはよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 文化記号論@Amazon.co.jp

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2012-07-21

言語学と人工言語学との関係は認知心理学と人工知能との関係に似ている. 言語学は人工言語を対象としないが,人間の心理を研究するのに人工知能が有用であるならば,言語を研究するのに人工言語をつくることは有用なはずだ (人工知能は工学だが人工言語学にも工学の側面がある). つくっただけでつかわなければ,つくりっぱなしの人工知能と同様に有用ではない. しかし,著者は言語学を知らないころからアルカという言語をつくってきた. そして,ながらくそれをそだてて,インターネット上のユーザなどとともにつかってきた. この本はそこからえられた,世界に例のない成果である. まだこの本は序の口だ. 今後を期待したい.(PDF 版のレビュー)

評価: ★★★★☆

関連リンク: 人工言語学・アルカ@Amazon.co.jp

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2012-07-24

アダムが楽園にいたころは言語も完全だったとかんがえられて,その探求あるいは復元がめざされてきた. この本ではおもに 13 世紀ごろから 20 世紀にまでわたる,このような完全言語探求の歴史がたどられている. 話題の中心は哲学・哲学者や言語学であり,チョムスキーにまでつながっている. しかし,記号論,数学,コンピュータ言語やハイパーテキスト,人工知能,和声学や 12 音音楽などにちかづいている部分もある. この本の中心をなす哲学者や言語学者のかんがえにも興味があるが,むしろこうした周辺の部分に興味をひかれる. あくまで周辺であって,わずかにふれられているだけなのだが…

評価: ★★★★☆

関連リンク: 完全言語の探求@Amazon.co.jp

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2012-07-25

この本より最近書かれたウンベルト・エーコの 「完全言語の探求」 と同様に 「アダムの言葉」,洪水,バベルの塔 からはじまり,チョムスキーにつづいていく普遍言語が中心のテーマになっている. だが,エーコの本とはちがってユートピア小説とその作者にひかりをあてている. ゴドウィンの 「月世界の人」 をはじめとする月や火星の話,ならってもいない外国語や不思議なことばを話すひとの話 (「外国語がかり」 や 「異言」),そのなかにも 「火星語」 を話すエレーヌ・スミスの話がある. この本を読んでもなお正体不明だが,これらの話題にひきつけられる. エスペラントについても言及している部分はあるが,それはこの本のテーマではない. エーコの本とあわせて読むとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 言語の夢想者@Amazon.co.jp

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2012-08-06

タイトルからすると,日本語を英語やドイツ語などにかわって国際的につかわれる言語に することをめざしているようにみえる. しかし,著者が意図しているのは,それらにとってかわることではなくて,ドイツ語やフランス語と 同様に世界で通用するようにするということだ.

まだ日本にもっといきおいがある時代に書かれた本だから,いまよりは説得力があったのだろう. 日本は 「経済超大国」 だから,それにふさわしい情報発信をするべきであり,日本語をひろめるのも そのひとつだということだ. いまや 「経済超大国」 ではなくなってしまったが,文化的には世界から注目されている部分もあり, また WWW の世界では英語につぐ規模の情報発信があるといわれている. ただし,後者に関しては情報の質において疑問があるが…

日本はこれまで世界から情報をどんどんとりいれる一方で,情報発信や国際政治における主張が よわかった. それを強化するべきだというこの本の主張はいまでも重要だろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は国際語になりうるか (文庫)@Amazon.co.jp日本語は国際語になりうるか (著作集)@Amazon.co.jp

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2012-08-07

「日本語は国際語になりうるか」 という,そっくりなタイトルの本があるが,その著者である鈴木孝夫がここ (未来学会) でも中心人物のようだ. この本のほうがさきに書かれているが,鈴木の主張はかわっていない. だが,この本は一般公募の作文をふくむ 10 人以上の著者と,シンポジウムの記録をふくんでいる. そのなかにはさまざまなかんがえがある.

日本語を一枚岩の言語として論じた意見もあるが,示唆的なのは日本語は複数あってよいというかんがえだ. 日本語には方言があるということからも一枚岩でないことはあきらかだが,外国人のために簡約化された日本語をつくること,日本語を容易に学習できるようにする標準的な方法 (シラバス) を確立すべきことなどが示唆されている. 日本語を国際語になるかどうかはともかくとして,日本語をまなびたい外国人のためにこのような便宜をはかるのは必要なことだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は国際語になるか@Amazon.co.jp

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2012-08-12

三訂版は 2004 年に出版されているが,改訂されているにもかかわらず内容はふるく,現代のフィッティングの実践には適さないとかんがえられる. ディジタル補聴器全盛の時代だが,この本の内容の大半はアナログ補聴器に関するものだ. 補聴器がディジタルになっても耳はアナログのままだから,この本の内容のおおくもそのまま適用できるが,ディジタル補聴器や改良された測定器・材料などに関する配慮も必要なはずだ. ディジタル補聴器についての記述も,まだそれが未熟だった時期のものだ. もはや,やくわりをおえた本だとかんがえられる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 補聴器のフィッティング@Amazon.co.jp

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補聴器は対面販売が基本の商品だから,この本にはよい病院・医師・補聴器販売店をえらぶのに必要な知識が中心に書かれている. どういうタイプの補聴器があり,どういう技術がつかわれているかについても書いてあるが,その記述は比較的みじかい. もうすこしくわしく書いてもよいようにおもえる. しかし,2011 年に出版された本だから,内容はかなりあたらしい. 自分または親が補聴器を買おうとしているひとには最適な本だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「聞こえ」に不安を感じたら…@Amazon.co.jp

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「補聴器選び」 というタイトルだが,内容はもっと積極的に補聴器をつかおう! というところからはじまっている. 補聴器に関するさまざまな最新の知識がつめこまれているのはよいが,補聴器の種類や補聴器選びそのものに関する記述は比較的かぎられている. しかも,基本的にはさまざまな種類の補聴器に関する説明がならべられているだけであり,比較のための基準などはあたえられていないので,この本を読んでも補聴器をえらぶことはできないだろう. 病院や販売店についても記述はわずかなので,どこにいけばよいかもよくわからない. こんな本が毎年,出版されているというのはおどろきだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: よくわかる補聴器選び@Amazon.co.jp

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2012-08-14

140 ページという比較的うすい本のなかに,難聴と補聴器についての基本的な知識がまとめられている. 日本より普及がすすんだデンマークの現状を反映したこの本には,補聴器のフィッティングなどに関して日本の本からはえがたい知識がちりばめられている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: よい聞こえのために@Amazon.co.jp

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原題は 「Compression for Clinicians」 であり,内容をかんがえても 「臨床家のためのデジタル補聴器入門」 というタイトルには違和感がある. デジタル補聴器中心に書いているのは第 6〜8 章だけだ. しかし,著者によればアナログ補聴器について書いているのは,デジタル補聴器においては重要な技術がおおいかくされているため,いきなりデジタル補聴器について書くとそれが理解されないからだという. 読者は辛抱づよくアナログ補聴器の話をよむ必要があるということだろう.

いずれにしても,いま日本で出版された本のなかでデジタル補聴器についてきちんと書かれたほとんど唯一の本だとかんがえられる. 臨床家だけでなく,補聴器に興味があるすべてのひとにすすめられる本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 臨床家のためのデジタル補聴器入門@Amazon.co.jp

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補聴器フィッティングには多数の方法があるが,有名な方法として NAL-NL1,DSL などが知られている. 旧式のものではあるが日本でも大和田法が知られている. しかし,この本ではこのような確立されたフィッティング法についてなにも書いていない. 著者は E 章においてただ周波数レスポンスをあわせることだけを書いている. ベネマの 「デジタル補聴器入門」 などでは,それではうまくいかないことが書かれている.

補聴器において重要なのは声を認知することだが,語音明瞭度についてはようやく最終章で書いている. その記述は詳細だが,それはむしろ研究紹介であり,フィッティングにおいてどのようにやくだつのかはわからない. 「フィッティング」 をタイトルとする本としてはまったく不十分だとかんがえられる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 補聴器フィッティングの考え方@Amazon.co.jp

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2012-09-25

言語の比較的深層を中心にあつかった入門書 (上 + 中 + 下) だ. 深層についてといっても,「これでもか !」 というくらいに列挙された例はみな英語からとられているから,日本人にはかならずしもわかりやすくはない.

言語学とともに英語という言語に興味があるひとなら,きっと興味がもてるだろう. 日本語と英語との構造的なちがいを意識しながら読むこともできるだろうが,読みながらそれをきちんと把握するのはむずかしい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 思考する言語 (上)@Amazon.co.jp思考する言語 (中)@Amazon.co.jp思考する言語 (下)@Amazon.co.jp

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2012-10-22

言語で表現できない感情や感覚などがビジネスにおいても重要だという主張だ. それはそのとおりだとおもう. しかし,著者 (ほとんどひとりで書いたらしいのだが,表紙にはなぜか 「博報堂ブランドデザイン」 という肩書きが書いてある) が書いている具体的な話になると,この主題との関係がよくわからなくなる. 最初にでてくる周囲がぼけてうつるデジカメの話,第 1 章の 「たとえ」 の話など, 言語で表現できるかどうかということとは無関係であるようにおもえる.

結局のところ,「非言語」 というテーマをたてて,そこに関係のあるものないものすべて ほうりこんでいるという印象をうける. その結果,著者がほんとうにいいたいこと (ほんとうにあるの ?!) はわからなくなっている.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ビジネスは「非言語」で動く@Amazon.co.jp

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人工言語について,エスペラントやそこから派生した言語を中心にして書いている. これらについて書いた本はほかにもあるから,この本特有の主張がそこにあるわけではないだろう.

それとあわせて,著者は 「異言」 やコンピュータ言語,機械翻訳などについても書いているが, とくにコンピュータ言語の章は完全にういている. 機械翻訳に関しては,翻訳のための中間言語としてエスペラントにちかい言語が適切だと 主張され,オランダの BSO 社などがそれをこころみたことが書かれている。 しかし,エスペラントがその目的にあっているという根拠は十分でない. ひとつの研究だけがあげられているのは,その主張がうらづけられていないということを 意味しているのだろう.

というわけで,あまりみるべきところはなかったようにおもう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 国際共通語の夢@Amazon.co.jp

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2012-11-07

ひとと交渉する際に重要なポイントを 「1 時間め」 から 「6 時間め」 にわけて書いている. そのなかには,なれれば自然にできることもあるだろう. しかし,ここで書かれている交渉技術のおおくは明確に意識しないかぎりはできないことだ. この本の演習問題をとくだけで実際の場面でもできるようになるなんていうことはないだろう. それだけに,この本をくりかえし,とりだしてみるとやくにたつだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 武器としての交渉思考@Amazon.co.jp

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2013-01-17

これは英語の文章などにも通用するマクロな作文技術の本ではないが,日本語の文を構成するためのミクロな作文技術の本としてはこれ以上のものはないのではないかとおもう. 文系・理系をとわず,わかりやすい文を書くための方法が豊富な例をつかって徹底的に説明されている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語の作文技術@Amazon.co.jp

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2013-06-29

「読む辞典」 のつもりなのだろうが,それほどかわったことが書いてあるわけではない. 辞典としてつかうには検索機能が必須だが,この本では検索機能がはたらかない. 見出し語にあることばを検索してみても,なにも検索されない. だから,これは辞典とはいえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 悪口語1200語辞典@Amazon.co.jp

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