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狂った雑誌 ?! ― 「現代思想 2011 年 5 月号 特集 = 東日本大震災 危機を生きる思想」

柄谷 行人 は東日本大震災や阪神大震災の話から,ついには 「世界資本主義は 2,30 年のうちに存続することができなくなるだろう」 と書いている. しかし,その根拠は十分,明確にされていない.

酒井 直樹 は 「「無責任の体系」 3 たび」 という文章を書いている. そんなこと,いまさら,あらためて言うことか ?!

早尾 貴紀 は東京ももはや放射線において安全ではないので,「仙台にも東京にも子どもを置いておくことはできない」 と書いている. 矢部 史郎 も 「東京を離れて」 という文章を書いている. 気持ちはわからなくはないが,みんながそうやって京都や愛知などに移動し始めたら,どういうことになるのだろう.

著者のなかにはもっとまともなことを書いているひとはもちろんいるが,このひとたち,この雑誌,くるっているのではないだろうか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 現代思想2011年5月号@ [bk1] 現代思想2011年5月号@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

2011-6-4 追記: 山本一郎は Voice 2011 年 6 月号に 「原発で大混乱に陥った思想家たち」 という記事を書いている. そのなかで,つぎのように書いている.
「確たる組織をもたず,ウェブ上で思想やモノの考え方を伝えるなどして影響力を得てきた人たちが,誰よりも先に,事態の刻々とした悪化の前に動揺し,狼狽し,平常心を失って,普段は絶対に語らなかったであろう不思議な言説を繰り返すようになった.
 ある思想家は家族を連れて東京を離脱し,ある学者はパニックに陥って玉石混淆の事象をウェブに垂れ流した. [中略]
 問題の責任を彼らに期するべきではない. 単純に,それは人間だから起こすことなのだ. 人生に一度あるのかないのかわからない大災害と,それに伴う大混乱を前にして,冷静でいられる人のほうが少数である.」

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