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文化・教育と学習アーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, DIY (日曜大工) とものづくりWeb とインターネットインタフェース,アメニティとデザインセキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護メディア・アート・イベント・エンターテイメント仕事と起業心理思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境・エネルギー生活知的生産とリテラシー社会・経済言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

2006-05-15

この本は教育基本法制定から改正論の歴史と条文の抽象的な解釈がのべられているが,改正論の背景となっている現在の教育における具体的な問題点との関係がのべられていない. 改正に反対するのであれば,すくなくとも,いま教育現場でおこっているさまざまな問題が教育基本法に起因するものでないことをしめす必要があるし,できれば問題を解決するうえで教育基本法がどう役立つのかをしめしてほしい. こうした記述がない以上,改正への反対論としては失敗しているとかんがえざるをえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: いま、教育基本法を読む@ [bk1]いま、教育基本法を読む@Amazon.co.jp

つづく…

2007-05-18

この本を読んだのはもう 20 年以上まえであり,それ以後は読んでいないが,いまでも文章を書くときにはこの本からえた知識がやくにたっている.読点のうちかたと修飾語のならべかた (ながいものからみじかいものへ) はいつも意識している.とくに理科系むきにはほかの著者による本がすすめられていることがおおいが,私は理科系・文科系をとわず,この本をすすめたい.本多のほかの本 (「殺す側の論理」) の書評で本多勝一を「ばか」よばわりしたが,この本は秀逸である.

評価: ★★★★★

関連リンク: 日本語の作文技術@ [bk1]日本語の作文技術@Amazon.co.jp

つづく…

2007-07-27

Amazon には本のリストを登録することができます. たいていのリストは,なぜそれらの本がひとまとめになっているかもよくわかりません. そのなかで 「我が家の教科書~「教育改革」は当てにならない」 は,ありふれた教育書には興味がなくなってきた私にも,リストされた本のおおくに興味がもてます.

つづく…

2008-03-05

本書では,第 1 章を中心として,ゆとり教育のさまざまな深刻な問題がとりあげられている. しかし,第 2 章ではゆとり教育の理念がとりあげられて検討され,結論としては今後もこの理念を実現するべく,ゆとり教育をつづけていくべきだといっている. しかし,ゆとり教育の理念がどうすばらしいのか,第 2 章でとりあげられている 寺脇 研 のことばは,すくなくとも私には説得力がない. 著者がどうしてそのことばに説得されたのかがわかるように書かれないかぎり,消化不良からすくわれないままである.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ゆとり教育は本当に死んだのか@ [bk1]ゆとり教育は本当に死んだのか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-10-18

17 日の NHK 「視点・論点」 は 相原 博之 による 「キャラ化する日本」. 現代においてはさまざまなキャラクターが日本人に癒しをあたえているが,それがいま急におこったのではなくて,数 10 年の歴史があることをつたえていた. それをきいていておもったのは,キャラには,数 10 年どころか数 100 年の日本の歴史のなかではぐくまれてきたものがあるということだ.

つづく…

2008-11-14

日本人の 8 割がキャラクター商品をもっているという. 「むひょキャラ」 とよばれるキャラクターは (能面のように) 「無表情なため,かえって,こどもたちは自分のほうで勝手にキャラクターの表情を解釈し,自らの感情を様々に投影することができる」 という. 人間の 「キャラ」 についても 「現実の 「私」 とは似て非なる 「キャラとしての私」」 が他人によってあたえられるという. 小泉元首相や東国原知事のような政治家やホリエモンについても 「キャラ」 によって解釈しようとしている.

いろいろな社会現象が 「キャラ」 によって解釈されているが,それがただしいのかどうかはよくわからない. 基本的には日本の現象としてとらえているようだが,キティのような日本のキャラが世界ではやっていることをみても,日本に特異なことではなさそうだ. 外部から 「キャラ」 をあたえられるのはディベートのやりかたにも似ている. 現代社会をよみとくヒントはあたえているとおもうが,結局,この本を読んでも,わかったような,わからないようなでおわってしまう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: キャラ化するニッポン@ [bk1]キャラ化するニッポン@Amazon.co.jp

つづく…

相原 博之 の 「キャラ化するニッポン」 では 「現実の 「私」 とは似て非なる 「キャラとしての私」」 が他人によってあたえられるという. 相原はまた,日本のキャラには表情がない,それによってひとびとがキャラに自分の感情をうつすことができるといっている. このように 「キャラ」 が外部からあたえられることが,もしかすると 「だれでもいいから殺したい」 という,最近よくきかれることばとも関係しているのではないだろうか?

つづく…

2009-01-20

現代の大学生や大卒で就職した若者たちと,そういう若者たちをおしえる大学教授や会社員,若者たちの親にきいた結果をまとめた本である. タイトルも内容も 「下流大学がわるい」 というトーンだが,すなおに読めば大学以前の教育や親の問題のほうがおおきいように読める. バカにされている若者が読めば気分がわるいだろうが,調査にもとづいた問題提起として価値がある. 「…さ」,「…ね」 などの表現をつかった文体は新書としてはいささか異様だが,これもタイトルとともに事態の深刻さをすこしやわらげる意図か?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下流大学が日本を滅ぼす!@ [bk1]下流大学が日本を滅ぼす!@Amazon.co.jp

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2009-01-23

日本では 「幅広く底上げする」 教育から 「一部の優秀な子を引き上げる」 教育に方針転換することによって教育格差が拡大し,親の収入や学歴などがこどもの収入や学歴をきめるようになってきている. この本はこのような現象を実例をもとに具体的に検証している. 「底」 にきびしい方針に著者が異をとなえているのはあきらかだが,この問題に対して,予算をふやせという以上の明確な答案はしめしていない. いろいろなエピソードがもりこまれてはいるが,迫力は感じられない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 教育格差が日本を没落させる@ [bk1]教育格差が日本を没落させる@Amazon.co.jp

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2009-03-05

ひとが自分の意志で 「身ひとつで」 まなぶ,それが学問のすがたであり,それを役にもたたない本を読む二宮金次郎が体現しているのだと著者はいう. 著者もそういう独学の精神でまなんできたゆえに,この本にあらわれているような 「独創性」 があるということだろう.

しかし,独学にはやはり独断と偏見の危険があるようにおもえる. 同意できない部分も多々あるし,論理的にはよわい. 日本の学校教育のやりかたを否定し,会社や役所の仕事のやりかたを否定しているが,それは極論だとおもう. しかし,現代日本にはびこっている 「エセ学問」 を斬るにはこのくらい凶暴なナイフのほうがよいのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 独学の精神@ [bk1]独学の精神@Amazon.co.jp

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2009-03-29

著者は日本中に 「思考停止」 したひとがはびこっているのをうれいている. 藤原正彦の 「国家の品格」 を 「思考停止のススメ」 と評し,「ものを考えない」 小泉純一郎にだまされた国民も思考停止しているといい,食品偽装に関しては 「日本の食品には,真実性のかけらもない」 と評している. こうなった原因のひとつとして,思考をきたえない 「偏差値教育」 をあげ,「少年ジャンプ」 もヤリ玉にあげている. 中国,インドをはじめ日本以外の国では学生が必死に勉強しているなかで日本の学生だけが意欲をうしなっていることに危機感をもっている.

興味ぶかい点のひとつは,「いわゆる教養主義は 1970 年前後に消滅し」,「最近では世界のエグゼクティブと言われる人間でも,伝統的な教養をあまり知らない」,だから 「古典的教養」 を復活させるのでなく,ネット社会重視の 「21 世紀の教養」 を身につけるべきだといっていることである.

この本の内容にはうたがわしい点も多々ある. 「思考停止」 してそれを信じるのは著者がもっとものぞんでいないことだろう. 刺激的な著者の意見を自分のあたまでかんがえなおせば,えられるものはすくなくないだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「知の衰退」からいかに脱出するか?@ [bk1]「知の衰退」からいかに脱出するか?@Amazon.co.jp

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2009-04-29

350 ページをこえる,新書としては大作である. 大学法人化へのみちすじを行政改革とグローバル化,筑波大学の設立,東大医学部紛争にまでさかのぼって検討している.

行政改革とグローバル化はまだそれほどとおい過去のことではないが,筑波大学が設立された時代にはまだ私にはその背景がよく理解できていなかった. 当時は上からの改革ということで反感をもっていたが,この本を読むことで,あらためて改革の必要性を問いなおすことができた. しかし,著者は筑波大学の改革が結局は挫折し,従来の大学にもどってしまったと書いている.

法人化に関してはこの本が書かれたのはまだ進行中の時期だが,各大学のとりくみが紹介されている. その効果に関しては続編に書かれているのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学法人化@ [bk1]大学法人化@Amazon.co.jp

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2009-05-03

[よのなか] 科などを通じて公立中学の 「改造」 をめざし,この本の執筆後に杉並区和田中学校校長となった和田和博と他の 3 人の著者との対話をまとめた本である. 対話のなかで従来の公立を中心とする中学がかかえる問題点はいろいろ指摘されているし,にじみでているものはいろいろある. しかし,「改造」 のための具体的な提案はかぎられている. 櫻井との対談のなかでは彼女のおいたちなどがかたられていて,「改造」 とは関係ないが,そのほうが興味をひく. やはり,いまこの著者の本を読むなら,校長になったあとのものを読むべきなのだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 中学改造@ [bk1]中学改造@Amazon.co.jp

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2009-05-26

結局のところ,この本のおもな内容は,ラテン語の時代から著者の世代まで,教養とはどういうものだったかということだ. 現代において教養がどういう意味をもちうるかという問にはこたえていない. 電車のなかでコミック雑誌を読むのをみっともないと評しているのをみても,単なるノスタルジーでしかないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: あらためて教養とは@ [bk1]あらためて教養とは@Amazon.co.jp

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2009-06-28

日本のこどもの学力低下の原因を教師や文科省にもとめる議論がおおいが,著者はこどもがかわったのが原因だという. こどもが 「モンスター」 化し,努力して勉強することもしなくなった. 勉強がおもしろくなく,する意味もわからないからしなくなったのだろう.

8 章は 「「なぜ勉強するの?」 と問われたら」 というタイトルだが,そもそも,おもしろければこんな問はでてこないだろう. 問われたら答えざるをえないが,答えたからといって勉強するようになるわけではないだろう. 著者はいろいろ,こむずかしい議論をしているが,こどもに興味をもたせる方向の議論は欠けていて,問題の解決にはほどとおいようにおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: なぜ勉強させるのか?@ [bk1]なぜ勉強させるのか?@Amazon.co.jp

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学力低下をはじめ,学校ではさまざまなことが問題にされている. 著者は,教師がかわったわけではなくて,1980 年代にはいって,こどものありようがおおきくかわったことがその原因にあるという. ジャーナリズムでは 「こどもが変だ!」 という表現はタブーになっているため,教育問題はいつも学校,教師,文科省などのせいにされるのだという.

NHK スペシャルでとりあげられた,おおくのこどもが 「人間は死んでも生き返る」 と信じているということがとりあげられているが,著者は 「学校で教えられる近代の知識とは,むしろこどもたちの感覚とは衝突するものが多い. そして現代のこどもたちは,客観的な事実 (科学) よりも 「この私」 の感覚のほうを大事にする.」 と書いている. そして,著者はこどもに 「近代」 をおしえることの重要性を説いている. しかし,学校教育というものがはじまって以来つづいてきたはずの近代をおしえることで問題が解決するのなら,もうとっくに解決されているはずではないだろうか? これはむしろ時代錯誤であるようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: オレ様化する子どもたち@ [bk1]オレ様化する子どもたち@Amazon.co.jp

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2009-09-30

いささか過激なタイトルにひかれて買ってしまったが,だまされた感じだ. 内容はこどもをきちんとしつけようとか,美しい心をおしえこもうというような,もっともな内容ではある. しかし,浅い議論に終始している. タイトルにあらわされているような強い主張と説得力がもうすこしほしい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「自由」が子どもをダメにする@ [bk1]「自由」が子どもをダメにする@Amazon.co.jp

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2009-10-13

教師や学校に不当な要求をするモンスター・ペアレント,日本だけでなくアメリカやイギリスでも類似の現象があるという. イギリスの 「フーリガン・ペアレント」 は教師に暴力をふるうというから,日本のモンスター・ペアレントにちかくて,ある意味ではより,たちがわるい. しかし,アメリカの 「ヘリコプター・ペアレント」 は大学生になった子供についていって,大学教育に口をだすという. 日本でもありそうだがモンスター・ペアレントほど深刻だとはおもえない.

外国の状況を紹介するのもよいが,モンスター・ペアレントとの関係はよくわからないし,対策もそれぞれちがうのではないかとおもう. いっしょに論じる利点がよくわからない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 親たちの暴走@ [bk1]親たちの暴走@Amazon.co.jp

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2009-10-14

1994 年に出版され,当時はちからをもっていたいわゆる 「ゆとり教育」 でめざされていた教科書の内容削減に反対する本だ. 教育内容をへらして意味がわからなくなった内容をまるおぼえするのは困難だし,おぼえても効果がないことを本 1 冊かけて主張している. 教科書はもっと厚くして,そこに記述されたことがらの関連がよく把握できるようにするべきだという.

これはむしろ,いうまでもないことだとおもえる. いまでも廃刊されていないということは,いまだにこの本からまなぶべきひとがおおいということを意味しているのだろう. 実際,「ゆとり教育」 以前から日本の教科書はうすくて,記述がみじかすぎ,わかりにくかった. こういう教科書で教育されてきたから,社会にでてもひとが書いた文章をなかなか読まないひとがおおいのではないかとおもえる. そうだとしたら,これからも読まれるべき本なのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 間違いだらけの学習論@ [bk1]間違いだらけの学習論@Amazon.co.jp

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2010-02-02

科研費をはじめとする政府の研究資金を獲得するにはどうすればよいのか,とくに申請や面接のこなしかたについて書いている. この種の情報は比較的すくないので,まわりに得意なひとがいなければ参考になるだろう. 成功した研究者へのインタビューもいくつかあって参考になる. しかし,資料編をのぞくとわずか 110 ページほどしかない. 研究資金にもいろいろな種類があり,それぞれ採択基準などもちがうことをかんがえれば,いかにもうすい. できることなら,もっとはばひろく調査してから書いてほしかったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 研究資金獲得法@ [bk1]研究資金獲得法@Amazon.co.jp

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5 章で構成されるこの本の 4 章までを暗澹たるおもいで読んだ. 大学教員になって食っていけるようになるためには,師事するに値する教授にとりいってイエスマンになり,チャンスをつかむことが必要だ. 大学ならどの世界でもそうというわけではないが,そういう 「白い巨塔」 のような世界はいまもあるのだろう. そういうものにすがらなければ食えない時代になったということだろう. しかし,5 章にはどんでん返しが待っている. 4 章までに書かれた現時点での解にとってかわれる解にはなっていないが,もっと本質的な解にせまろうとしている. もしもこの章をよまずにこの本をほうりだしてしまうとしたら,著者のかんがえの半分以下しか見ずにおわることになるだろう.

評価: ★★★★★

関連リンク: アカデミア・サバイバル@ [bk1]アカデミア・サバイバル@Amazon.co.jp

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2010-02-03

博士号をとったものの就職できず,無給にちかいのに大学で必死に働き,論文を書くフリーターをえがいている. おなじ著者の 「アカデミア・サバイバル ― 「高学歴ワーキングプア」 から抜け出す」 をさきに読んだ. それとくらべるとこの本はまだ救いがあるが,それはこの本以降にさらにきびしい状況になっているということだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 高学歴ワーキングプア@ [bk1]高学歴ワーキングプア@Amazon.co.jp

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2010-02-07

大学教授になるための資格,こころがまえ,勉強のしかたなど,さまざまな内容がかかれている. 大学教授になりたいという動機にはいろいろあり,それぞれに対応しようとしているが,きびしい (無理な?) 要求もしている. つまり,「自由時間のすべてを研究活動に使う」,家事労働も研究の敵と書いている. 対談やアメリカの大学教授の紹介などもふくんでいて,大学教授になるつもりのない身にもおもしろい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 新 大学教授になる方法@ [bk1] 新 大学教授になる方法@Amazon.co.jp

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2010-08-23

「模倣」 がおもなテーマになっているが,模倣される日本だけでなく,日本が外国を模倣するさまもえがかれている. 大学のゼミでのいろいろな話をまとめたということで,それほどまとまりのある内容ではない. とはいえ,スピルバーグが他人がつくったストーリーをまねて,いちはやく成功したさまや,日本での省エネ・スーツの失敗の歴史など,いろいろおもしろいエピソードがちりばめられていて,おもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 模倣される日本@ [bk1] 模倣される日本@Amazon.co.jp

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2010-10-29

少子化がすすむなかで,おおくの大学が定員割れして,いきのこりをかけた競争がおこっている. 著者は実名をあげて日本の大学がかかえる具体的な短所や長所を指摘し,問題解決のための案をしめしている. とくに重要な指摘は,これまで大学は 「研究機関」 という面が強調されてきたが,「教育機関」 という面が重視されるべきだ,つまり大学教授は教育のプロでなければならないということだろう.

少子化がとまらなければ大学が淘汰されるのはさけられないだろう. しかし,著者が指摘するように大学教育が改善されていけば,日本の将来はよりあかるいものになるのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学破綻@ [bk1] 大学破綻@Amazon.co.jp

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2011-01-01

「理系脳」 ということばからは,それが 「文系脳」 とはちがうという印象をあたえる. この本ではたしかに 「理系脳」 とはなにかということは書いてあるのだが,「文系脳」 については書いてないから,なぜそれが 「理系脳」 とよばれるのかが書いてない. 実際,著者はその能力が弁護士など,文系の仕事にも必要だと書いている. 理系にも文系にも必要な能力を 「理系脳」 とよぶのはおかしい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 理系脳@ [bk1]理系脳@Amazon.co.jp

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2011-02-03

明治以来の日本の教養主義について書いている. 旧制高校に発したエリート学生文化における教養主義はやがてマルクス主義にとってかわられていく. 1930 年代にマルクス主義が弾圧されるようになると教養主義が復活するが,戦後はふたたびマルクス主義とのむすびつきがつよくなる. しかし,石原慎太郎に代表されるあたらしい世代は教養主義ともマルクス主義とも距離をおく. 戦後つぎつぎに新設された文学部に教養主義はささえられるが,全共闘運動のあと 1970 年代にキャンパスから駆逐されていく. そして,教養主義への反乱を最終的に完成したのがビートたけしだと著者はいう.

終章で著者は現代の大学生が人間形成の手段として従来の人文的教養ではなく,友人との交際を選ぶ傾向が強いこと,そして前尾繁三郎や木川田一隆にみられるように教師や友人などの人的媒体が教養がやしなわれる場として重要であり,これからの教養を考えるうえで大事にしたいと書いている. 教養主義が没落したといっても,今後もべつの教養主義がいきのこっていく可能性を指摘しているといえるだろう.

この本には海外の教養主義についての記述もわずかながらみられるが,ほとんどの記述は日本にフォーカスしている. 海外とのつながりについて,もうすこし語ってほしかった.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 教養主義の没落@ [bk1]教養主義の没落@Amazon.co.jp

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2011-09-11

「教えるな!」 というメッセージは教師だけでなく親にもむけられているとかんがえることができる. しかし,この本で論じているのは教師のあるべきすがたであり,そこから親がえられるものは比較的すくないようにおもう. 教師論としても異論はおおいのではないかとおもうが,それについては教師でない私はふれないことにする.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 教えるな!@ [bk1] 教えるな!@Amazon.co.jp

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2011-10-07

この本は,日本の過去にとらわれない 「デジタル脳」 をもつネット時代の若者に,とくにその教育にもっと投資するべきだと主張している. ことばやコミュニケーション力などを強化する教育が重要だという. そこまでは同意するひとがおおいだろうが,著者はさらにデジタル革命の成果をもっと教育にいかすことを主張している. しかし,どういかせばよいかは十分明確にされていない. 慶応の塾長だった著者はこの教育改革を実践しようとしたのだろうが,塾長選挙でやぶれてしまった. 慶応ではこの主張がみとめられなかったということだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 『デジタル脳』が日本を救う@ [bk1]『デジタル脳』が日本を救う@Amazon.co.jp

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2011-12-02

日本の大学や学生がかかえる問題点をあぶりだしている. しかし,系統的な分析ではないので,よわいという印象をうける. 改善提案もいくつかしているが,解決にはほどとおいという印象だ. これでは日本の大学に未来はない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 危機の大学論@ [bk1]危機の大学論@Amazon.co.jp

つづく…

2012-01-29

理想の教育を実現したいが大学の経営をかんがえるとそれができない. 矛盾にみちた弱小大学の現状をえがいている. 一度に何 100 人の学生におしえなければならず,そのレベルはそろっていない. どこに焦点をあわせて講義すればよいのかわからない. やる気のない学生にどうすればやる気をださせることができるか… 弱小大学の教員になろうとするひと,そしてもしかしたら経営者にとってもいろいろなヒントがあるだろうが,しかし,こたえは自分でみつけなければならない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 崖っぷち弱小大学物語@ [bk1]崖っぷち弱小大学物語@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-04

「ホームレス博士」 というタイトルだが,著者はホームレスの博士が (どれだけ) いるのかをしらべたわけではないようだ. その意味では,この本の内容もふくめて,誇張されている面はある. しかし,基本的には就職できずに非常勤講師をいくつも兼任している博士たちの,まだあまり知られていない実態を紹介している. 読者は著者や対談相手の鈴木謙介からまなぶことはできるだろうが,現状を改善する方法が書かれているわけではない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ホームレス博士@ [bk1]ホームレス博士@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-12

教養主義は死んだといわれてひさしい現代に,著者は大学における教養教育の重要性を初年次教育とあわせて強調している. 東大が教養学部をのこしたことが成功であったのなら,教養教育が重要なのはたしかだろう. しかし,「教養とは異分野の人と恊働するために欠かせない能力であると規定すると,教養の意義はとても分かりやすくなるはずです」 という記述はまったく理解不能だ. 教養についてのかんがえがふかまらないまま大学の教養教育について論じても,十分な議論はできないだろう. 初年次教育を教養教育とあわせて論じていることも,議論がふかまらない理由のようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 対決! 大学の教育力@ [bk1]対決! 大学の教育力@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-17

Google が提供するさまざまなツールやエバーノート,スカイプ,フェースブックなどのツールを研究にどうやくだてることができるかが書かれている. この手の一部の本とはちがって,著者の経験にもとづいて,ほんとうにつかえるやりかたを書いているのだろうし,先端的なつかいかただといえるだろう.

しかし,これだけさまざまなツールをずっとつかいこなしていけるのだろうかという疑問も感じる. メールにふりまわされないために G メールをつかうことをすすめていて,それはおおくのひとがこころみていることでもある. しかし,メールにふりまわされるかどうかは,著者もところどころ書いているように,環境よりつかいかたの問題だから,環境によって問題が解決されるかのようなかきかたは適切でないだろう. また,論文管理のためのツールはむかしからあるが,あまり決定版といえるものはないから,ここで紹介されているメンデレイがものになるのかは疑問だ.

とはいえ,ここにはさまざまなヒントがあることはたしかだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: クラウド知的生産術@ [bk1]クラウド知的生産術@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-18

この本を読んでみると,最近の大学論のおおくがいかに近視眼的だったかがわかる. おおくの本がここ数 10 年のスコープしかもっていないのに対して,この本は中世からの歴史をひもとく. そして,現在すすめられている改革のおおくがすでに 1971 年の 「四六答申」 で提案されていることが指摘されている. 大学問題にかぎらず,現代がかかえる問題をかんがえるうえで歴史的な認識が重要であることを,あらためて感じさせる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 大学とは何か@ [bk1]大学とは何か@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-25

著者が大学でおしえているのはマンガであり,おしえる内容も方法も 「大学論」 というタイトルから読者が普通に想像するのとはだいぶちがっている. マンガが大学でおしえるべきものなのかどうかは,読みおわってもなお,わからない. しかし,著者がいいたいのはこれが現在の大学のすがただということだろう. あとがきに著者はつぎのように書いている. 「大学でこの 4 年間,ぼくが行ったことは若いときからずっとものを書きながら考えてきたことを 「教える」 という目的の中で再構築する,ということだ. それは自分の思考を 「批評」 ではなく 「方法」 として徹底してつくりかえることであった.」 このことばには深く共感する.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学論@ [bk1]大学論@Amazon.co.jp

つづく…

2012-03-18

名門といわれる 36 の中高をかいまみて,授業のようすや教育方針などについて書いている. 新書 1 冊に 36 校なので,もともと,それほどつっこんだ内容は期待できないが,それにしても授業の表面や教師が言ったそのままを書いているだけという印象がぬぐえない. もし内情に気づいても,それを本に書いたらまずいということかもしれないが…

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 名門中学 最高の授業@ [bk1]名門中学 最高の授業@Amazon.co.jp

つづく…

この本ではまず,1949 年から 60 年間にわたる高校の東大合格ランキングを左ページの表に書き,右ページにその解説を書いている. これらの表の資料価値がこの本の一番の価値だろう. そのうえで,さらに地域ごとに分析したり,宗教系の高校について分析したり,さまざまな分析をくわえている. 60 年のあいだにきえていった学校もあるが,とくに 1960 年代からは,さまざまな制度改革があったにもかかわらず,しぶとくいきのこっている学校があることがわかる.

興味があるのは過去よりも未来だが,今後はどうなっていくのだろう. 「東大合格」 そのものが高校の評価基準としての価値をうしなっていく可能性がたかいようにおもうが,それでもこれまでの傾向がつづいていくのだろうか. それとも,なにかおおきな変化があるのだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 東大合格高校盛衰史@ [bk1]東大合格高校盛衰史@Amazon.co.jp

つづく…

現代の教育をたてなおす方向をリベラルな立場からさぐっている. 特定の科目や特定の題材にしぼった議論もふくまれているが,全体としては抽象的であり,教育現場をよくしらないものにとっては,この議論と現実の教育とを関係づけにくい. 現場にいる教師には有用な考察であるのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 考えあう技術@ [bk1]考えあう技術@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-04

さまざまな大学人が 震災やそれと研究との関係などについて語っている. 文系の研究者が多いが,理系のひともいる. さまざまなかんがえを知ることができるのはよいが,1 人平均 6 〜 7 ページのインタビューでは十分な議論にならない. もっとじっくり議論すれば共感できるかもしれないが,断片的で,ひっかかる点のほうがめだつ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ポスト3・11 変わる学問@ [bk1]ポスト3・11 変わる学問@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-17

小学校から高校までの授業方法に関する本は多数あるだろうが,大学に関してはすくない. 大学教員がこのような本を (読むべきなのにもかかわらず) 読もうとしないからなのだろう. あるいは,大学での講義のやりかたも高校とそれほど差がなくなっているから,専用の本はいらないということかもしれない.

第 1 章はシラバスの書き方にあてられているが,これは大学ならではだろう. ワークショップのような学生主体の授業のすすめかたに重点があるが,なかなかそこまでできない教員が多いだろう. もうすこし手間のかからない方法で学生をひきつけられないかとおもうが,そういうノウハウはあまりえることができなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 授業方法とデザイン@ [bk1]授業方法とデザイン@Amazon.co.jp

つづく…

2012-07-01

日本人は 「まじめの罠」 にはまっているという. 日本人は、状況がかわっても,あらかじめきめられたことをきちんとやらないといられない. 特捜の問題,旧日本軍の問題,過労死の問題など,さまざまな問題が 「まじめの罠」 という ことばのもとで論じられる. たしかに,そこには共通するものがあるようにおもえる. 「まじめの罠」 をさけるための手段として,「クリティカル・シンキング」,「大局観」,「メタ認知」 などということばが登場する. しかし,まだ 「まじめの罠」 とはなんなのかがあきらかにされていない. そのために,およそ異質なものがまぎれこんでいるようにもおもえる. もうすこしそれをはっきりさせなければ,この本がおおくのひとからうけいれられることにはならないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: まじめの罠@Amazon.co.jp

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2012-07-24

教師や教育関係者への講演にもとづく本であり,一般人にはわかりにくい部分もある. しかし,プロフェッショナルとしての教師のあるべきすがたは,他の職業にも通じている. 仕事に対してきびしく意識的にたちむかい,常に努力をおこたらない. そこからまなべることはすくなくないだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 教えるということ@Amazon.co.jp

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2012-09-12

どう研究するべきかではなくて,研究者はどうふるまうべきかを書いた本だ. プレゼンテーションのしかたというよう名,研究者むきのほかの本に書いてあることもある. しかし,ほかの書評にもあるように,研究者以外のプロフェッショナルに共通のことがおおい. それを研究者むきに書くことで研究者によりつよいメッセージがつたわるようになっているといえるだろう. しかし,もっと研究者特有のことがあるようにおもえる. プレゼンテーションに関しても内容は一般的であり,専門家むけの研究発表に適したものではないとかんがえられる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 研究者の仕事術@Amazon.co.jp

2012-09-25

タイトルからは一般的な内容を想像するが,これは放送大学についての本だとかんがえたほうがよい. 著者は放送大学の学長となって改革をすすめ,かなり成功したという. 最後の挑戦は官僚などと対決して実現されなかったというが,それ以前のさまざまなこころみは成功してきたようだ.

放送大学という組織の紹介としてはよいが,一般の読者が興味をもつのはそこでおこなわれている生涯教育の内容だろう. この本からはその点はあまり知ることができない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 新・学問のススメ@Amazon.co.jp

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2012-10-31

タイトルには 「教科書」 がふくまれているが,内容はデジタル教科書よりもデジタル教材の有効性を主張している. この本を読んでも教科書じたいをデジタル化することの利点はあまりわからない. 教材に関していえば,コンピュータをつかうことでさまざまな可能性がひろがり,世界とつながるから,さまざまな利点があるだろう. しかし,この本のなかで紹介されているさまざまな教育用のソフトやコンテンツのおおくは,とおからずきえていくものだろう. いずれ決定版がでるかどうかわからないが,それまでクズ・ソフトをつかわされクズ・コンテンツをみせられる生徒はかわいそうにもおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル教科書革命@Amazon.co.jp

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2012-11-03

タイトルの 「デジタル教育」 についてもすこしは書いてあるが,中心的な話題は日本の教育はどうあるべきか,「ゆとり教育」 がなぜおかしな方向にいったか,ほんとうはなにをめざしていたかなどということだ. 「ゆとり教育」 に関してはさまざまな誤解があるから,それをよりただしく理解するために有効な本だとおもう. タイトルにまどわされると,著者がいいたいことがわからなくなる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 緊急提言@Amazon.co.jp

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2012-11-26

1992 年におけるアメリカの大学と日本の大学とのちがいを論じている. 20 年たって,シラバスのように日本の大学がアメリカにちかづいた部分もあるが,差があるままの部分もある. アメリカのほうがすべてがよいわけではないが,いまでもまなぶべきことが多々ある. なぜとりいれられなかったのか,これからとりいれるべきなのか,この本を読んでかんがえてみるとよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: グローバル化時代の大学論 1@Amazon.co.jp

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2012-12-13

著者は大学キャリアセンターでさまざまな問題を目にし,それをこの本に書いている. ほんとうはみずから問題の解決ができればよいのだろうが,著者にはそれができないからこの本を書いているのだろう. 学生にほんとうのことをいえればよいが,「リストカットされてはこまる」 からいえない. 企業からもう求人をださないといわれるとこまるから,企業にもいいたいことがいえない. 犬のとおぼえのように,本を書くしかない. なさけない話だが,それが真相なのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学キャリアセンターのぶっちゃけ話@Amazon.co.jpKindle 本@Amazon.co.jp

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日本の大学だけでなく,世界の大学の歴史にまでスコープをひろげている. しかし,それが現代日本がかかえている問題とどう関係しているのかは,よくわからない. 知りたいのは現在の大学がどうなっていて,どうするべきかということだが,全体的に議論が抽象的であり,具体的な対策にはつながっていないようにおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大学の教育力@Amazon.co.jp

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2012-12-18

いわゆる 「ゆとり教育」 がはじまったころに書かれ,その後の日本の教育の失敗を予言しているような本だ. 「ゆとり教育」 が当時の教育の問題点のあやまったとらえかたにもとづいていること,そして教師に対して無理な要求をしていることなどを指摘している. 「ゆとり教育」 のモデルがアメリカの 「子ども中心主義」 にあるが,アメリカでもかならずしも成功していないこと,そしてアメリカと日本のこどもや環境のちがいも指摘されている.

「ゆとり教育」 は失敗したといわれているが,その原因はどこにあったのか,単純化された議論にまどわされないためにこの本がやくだつだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 教育改革の幻想@Amazon.co.jp

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2012-12-24

2006 年に書かれた本だが,「ゆとり教育」 改革がうまくいっていないこと,フィンランドの教育にまなぶべきことがあるが,そのまま日本に導入すればよいわけでないことなどを,対話のなかで語っている.フィンランドの教育については,うすい本のわりにはいろいろおしえられる. しかし,日本の教育をどうすればよいかは,あまりみえてこない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 欲ばり過ぎるニッポンの教育@Amazon.co.jp

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2012-12-29

内容紹介には 「日本初の e ラーニング大学として開学した八洲学園大学」 とあるが,この大学について,それ以上の説明はなにもない. この大学を知らないひとはこの本を買わないだろうということかもしれないが,アマゾンで出版するのだから,ちゃんと説明するべきだろう. しかも,ほんとうに開学するまでしか書いてない. 「日本初の e ラーニング大学として開学した」 と書いたからには,最低限はその結果について書くべきだろう.

もうひとつ,本の体裁に関することを書いておこう. この本には一応,目次らしきものがある. しかし,Kindle 本の構造としては目次がないので,メニューから目次をアクセスしようとしてもできない. 本の構造はきちんとつくってほしい.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 開学日記@Amazon.co.jp

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2013-01-11

「学問をきわめる」 という感じの従来のこの種の本とくらべると,より現代 (すでに現在ではないが) の大学の状況に即していて,斬新だ. しかし,この本を読んでも 「何を学ぶ」 べきかはみえてこないようにおもえる. 饒舌だが内容はうすい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学で何を学ぶか@Amazon.co.jp

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1960 年代に出版された,研究をする場所としての大学でまなぶべきことに関する本だ. 現在でも研究中心の大学をめざすひととくに文科系のひとには刺激的な内容だとおもえる. 生い立ちなど,著者の経験にもとづいて書かれているから,現在の環境とはまったくちがう. しかし,学問・研究の普遍的な部分をとらえているといえるだろう. しかし,研究者をめざすのではない多数の大学生にとっては,めざすものもちがうし時代もちがうから,えるものはすくないかもしれない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 大学でいかに学ぶか@Amazon.co.jp

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講義・教師や読書だけでなく,大学生活全般についての (全般からまなぶ) 本だ. この本に書いてあるように,まなべるもの,まなべることは何からでもまなぶのがよいだろう. しかし,もうすこしコアの部分があるのではないかとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学で何を学ぶか@Amazon.co.jp

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2013-01-16

「《大学で》すべきこと」 ではなくて 「《大学時代に》すべきこと」 というのがミソなのだろう. 勉強法も書いてあるが,ノートはこまかく書けば書くほどよいというような,首をかしげるようなことが書いてあるだけだ. むしろこの本の読むべきところは人間関係・恋愛などに関する部分かもしれない. しかし,たいていの内容はとくに 「大学時代」 に限定されることではない. 大学生活のマニュアルにはならないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大学時代にすべきこと@Amazon.co.jp

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2013-01-19

著者は科学史的な観点からこの本を書いているようだ. 学問には普遍的な部分があり,それをよく解説している. しかし,著者はこの本の執筆時点でも大学でおしえていたようなのだが,とても現代の大学や学問の状況を把握しているとはおもえない. たとえば,コンピュータ科学が成熟した時代なのに 「コンピュータ技術のように数年にしてすっかり陳腐化してしまう」 というような表現をつかっている. だから,これから大学生になるひとにとって,この本は骨董品であって実用品ではない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大学生になるきみへ@Amazon.co.jp

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この本は,まえがきを読むと一応これから大学に行こうとしているひと,とくにわかいひとを対象としてかんがえているらしい. しかし,読んでみると対象あるいはねらいがわからなくなってくる. 最初にはバリバリの研究者の文があり,これから大学にいくおおくのひとには関係なさそうだ. あとのほうには,わかいとき大学にいかないことを選択したひとの話や障碍者の話などがある. それも教養として意味があるとおもうが,これから大学にいこうとしているふつうのひとにとって重要な話だろうか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大学活用法@Amazon.co.jp

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2013-01-21

高校の授業・勉強から部活動,環境,人間関係など,さまざまなことに関して,非常に常識的かつ古典的なアドバイスがしめされている. ときにはステレオタイプだとおもえる内容もある. ひととおりのことを知るには便利だろう. しかし,これだけで現代の高校生活がおくれるということにはならないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 高校生活100のアドバイス@Amazon.co.jp

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現代の男子,女子がつかう 「かわいい」 から平安時代のそれ (現代とは意味がちがう),cute などの外国語まで,ひろく論じている. 男子がつかうのと女子がつかうのをいっしょに論じていいのかどうかも気になるところだが,すべての 「かわいい」 をはっきりわけずに論じている. 著者も 「「かわいい」 とジェンダーの関係については [中略] いずれ場所を変えて,より深い次元での分析がこころみられるべきであろう」 と書いているが,もうすこし整理してから本にしてもらいたかったとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「かわいい」論@Amazon.co.jp

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2013-01-23

出版されてから 30 年以上たつ本であり,その間,ずっと大学をふくむ教育改革の必要性が指摘され,部分的には実践されてきた. しかし,それにもかかわらず,この本に書かれていることの大半は現在の大学にもあてはまる. いかに改革がすすんでいないかがわかる.

だから,この本はいまの大学でもやくにたつだろう. しかし,そういう大学にそのままみとめてしまうのではなくて,読者にはそれを改革するべきものとして読んでほしいとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大学でなにを学ぶか@Amazon.co.jp

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2013-02-14

東大をめざすかどうかはともかくとして,文句なくおもしろい. この本の重要な点は,著者がやったことそのものではない. くれぐれも著者がやったことそのものをまねしないほうがよい. そうではなくて,著者の態度,自分でくふうすること,自分でかんがえること,それをまなぶべきだろう.

評価: ★★★★★

関連リンク: 子供を東大に入れる法@Amazon.co.jp

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2013-03-01

文科系の大学生にはヒントになる点はあるかもしれない. 読書のすすめはよいかもしれないが,すこしはインターネットをいかしてもよいようにおもう. いつまでも古典的な方法だけでよいということはないだろう. 作文の方法についても書いてあるが,本質をはずしているとしかおもえない. リズムとパンチを強調しているが,それよりまず論理的な文章を書く訓練をしたほうがよいだろう. 文章をたくさん書くことをすすめているが,へたな文章をいくらたくさん書いても,よい文章が書けるようにはならないだろう. あまり真にうけないほうがよい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 学問の技法@Amazon.co.jp

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2013-05-04

最近 「教養」 をみなおそうというながれがあり,この本もそのひとつだろう. それはよいのだが,この本も理系の教養についてはほとんど書いてない. 東大理一つまり駒場でかつてまなんだものとしては,理系の人間にとっての教養とはなにかということが気になるが,それにはあまりこたえてくれていない. この本でも重要性が指摘されている 「情報戦別の基準」 というような 「情報リテラシー」 は分離共通のものだろうが,この本の内容のほとんどは文系の教養だ. 「教養」 ということばがまず意味するものがそれだということはみとめるが,理系の教養というのもあるはずで,東大で理系が駒場でまなぶことはそれのはずだ. この本は文系の著者が書いたことだからしかたがないが,それが書いてないことにはやはりフラストレーションを感じざるをえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 教養の力@Amazon.co.jp

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2013-06-09

著者は現代や後期近代の社会や文化に否定的だ. それ以前の教養主義に傾倒している. その一方で東洋医学や東洋思想などにひかれている. たしかに,それらからまなぶべきことはすくなくないだろう. しかし,そこにもどることはできないだろうし,現代社会や文化がそんなにわるいものだとはおもえない. 読む価値のあるものは,もっと建設的な議論だろうとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 世直し教養論@Amazon.co.jp

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2013-06-13

基本的には SFC の成功についての本だ. SFC 設立当初の構想からその実現,日本の大学をリードしてきた大学改革などについて書いている. しかし,粉飾しているわけではなくて失敗したところ,危惧のあるところについても書いている. 丁寧によめば,高校生をもつ親がこどもを SFC に進学させるのが適切かどうか判断する材料にもなるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 異端の系譜@Amazon.co.jp

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2013-06-14

デジタル教科書のさまざまな問題点を検討しているが,できるだけ客観的・中立的な立場をとろうとしている. そのため,賛成派と反対派とがするどく対立しているデジタル教科書に関する本としては,いささか迫力に欠ける.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル教科書@Amazon.co.jp

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2013-07-05

「ヒラノ教授」 をはじめとして架空のなまえもつかわれているが,実名がつかわれているところも多数ある. いままで書かれたことがない工学部の内幕が暴露されている. 大学教授ではないが私も工学系研究者として,工学の研究がどういうものなのか,どういう問題があるのかを知ってもらいたいが,そのために適した本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 工学部ヒラノ教授@Amazon.co.jp

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2013-07-09

おしろかった 「工学部ヒラノ教授」 から参照されていたので読んでみたが,どこがおもしろいのやら,さっぱりわからない. ヘンなだけだ. だから,1/3 くらいでやめてしまった. 20 年前とはちがって,いまでは大学のヒミツが暴露されてしまっているからなのかもしれない. もしそうだとしたらもはや価値がなくなったということであり,「現代文庫」 なんかにいれるような本ではないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 文学部唯野教授@Amazon.co.jp

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2013-07-11

著者は大学教授を引退してからこのシリーズを書きつづけているらしい. 1 冊めにくらべるとインパクトがうすくなるのはやむをえないが,それでも工学部におけるいろいろなスキャンダラスなできごとのなかには,新鮮なものもある.

私も教授でなくても日本の大学にかかわっているから,日本の大学でおこっていることはある程度は知っている. しかし,アメリカのことはよく知らないので,ヒラノ教授がアメリカの女学生におそわれたところなどは,いささかショッキングだった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 工学部ヒラノ教授@Amazon.co.jp

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2013-07-13

「(旧) 知の技法」が出版されて 4 年後の 1998 年に出版された本だが,その後は同様の本は出版されていないようだ. 「知の技法」とくらべるとおもしろみはすくないようにおもえるが,それがつづかなかった原因だろうか? 「言語」 をあつかった文がおおく,それ以外にも記号論の影響がみられる. すくなくとも現在の流行からははずれている (ふるいから当然だが). 読みこなすには東大を受験できるくらいの教養は必要だろう (Web を検索すると,説明がたりないといってもんくを書いているひとがいるが,「出直せ」 といいたい).

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 新・知の技法@Amazon.co.jp

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