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数学・計算・情報学・プログラミングアーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, DIY (日曜大工) とものづくりWeb とインターネットインタフェース,アメニティとデザインセキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護メディア・アート・イベント・エンターテイメント仕事と起業心理思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境・エネルギー生活知的生産とリテラシー社会・経済言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

WASSad.jpg
WASS (Wikipedia Axis-Specified Search) (Wikipedia の検索エンジン)

2008-04-13

SaaS は ASP とどうちがうのか,えせ SaaS ベンダをみわけるにはどうしたらよいか,などの点について,技術内容にたちいらずにえがこうとしている. だれでも読める本にするために技術内容にふれていないことが,かえってわかりにくくしている面があることは否定できない. 最後の章で SaaS がおもに販売管理や人材管理につかわれていて,今後も企業の 「競争力強化」 にかかわる部分にはつかわれず,「未確定情報」 や 「文字情報」 の処理のため,「負荷削減」 のためにつかわれるだろうという指摘は納得できるものである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: SaaSはASPを超えた@ [bk1]SaaSはASPを超えた@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-12

雑然とした印象をあたえる本だが,それでも人工生命の中心概念である 「創発」 についてかたられ,それに関連する遺伝的アルゴリズムやニューラル・ネットワークなどについて説明されている. しかし,中心的な話題は並列コンピュータであって人工生命とは関係がない. また,「創発」 についての説明はまったくまちがっている. ダマされないようにしよう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 人工生命@ [bk1]人工生命@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-17

「人工生命」 といっても,単に生命のようなふるまいを人工的につくりだすだけではない. 言語の発生をシミュレートする研究もあるが,この本では著者の研究テーマでもある 「心の発生と進化」 に重点をおいている. 最先端の研究もふくんでいるが,それをできるだけ平易に説明しようとしている.

1994 年から 1998 年くらいまでのあいだに 20 冊くらい,人工生命に関する本が出版されているが,2003 年以降この本が出版されるまでの約 5 年間に出版された本はほとんどない. そういう意味でも貴重な本だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 心はプログラムできるか@ [bk1]心はプログラムできるか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-02

おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」 などを読んできたが,これは 「渋滞学」 というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である. くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている. 未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 渋滞学@ [bk1]渋滞学@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-16

「整理」 の 3 つの段階つまり,それ自体を整理する段階,索引をつかう段階,電子的な手段でそれらの制約をとりはらった段階について書いている. 「インターネットはいかに…」 というタイトルは原書と関係なく訳書につけられたものである. 第 3 の段階に焦点があるが,それ以前の記述,たとえば百科事典においてアルファベット順とたたかったひと,デューイと 10 進分類に関するエピソードなどのほうがおもしろかった. これらだけでも読む価値は十分にあるとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタルの無秩序がもつ力@ [bk1]デジタルの無秩序がもつ力@Amazon.co.jp

つづく…

2008-12-28

この本は 580 ページもあり,SQL の機能や使用法がくわしく記述されている. したがって,例が実際に DBMS でたしかめられていないとしても,SQL をつかうときにはやくにたつだろう. しかし,重複がおおいのと,バカていねいな説明にはいささか疑問がある. 算術演算子ひとつひとつにまで例をつける必要があるのだろうか?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: SQLハンドブック@ [bk1]SQLハンドブック@Amazon.co.jp

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2009-02-04

タイトルには 「基盤技術」 もふくまれていて,実際に最初の 80 ページくらいはコンパイラの一般論にあてられている. しかし,80 ページで説明されて理解できる内容ではないとかんがえられるので,これはオマケとかんがえたほうがよい.

この本のテーマは COINS をつかった実践 (演習) にある. COINS をつかえば Yacc のようなパーザ自動生成から最適化,コード生成までを比較的容易にためしてみることができる (らしい). 実際に C0 という簡単な言語のコンパイラのつくりかたが解説されている.

私はためしていないが,たぶんこの本をみながらじっくりとりくめば,他の本をただ読むよりはるかにえるところがあるだろう. 逆に,読むだけですませようというひと (私もそのひとりなのだが) には,この本はすすめられない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: コンパイラの基盤技術と実践@ [bk1]コンパイラの基盤技術と実践@Amazon.co.jp

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2009-03-18

タイトルの 10 ヶ条はところどころ列挙されてはいるが,「説明の必要なし」 として説明されていない. C++ についてや数人のひととの対話などから構成されているが,そのテーマは明確でない. 著者は自称 「IT エンジニア」 だが,なにが専門なのだろう. すくなくとも本書の内容からして C++ をよく理解してはいないようだから,プログラマではないのだろう. 著者の立場もよくわからないから,「10 ヶ条」 がだれのためのものなのかもわからない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: IT技術者として生き抜くための十ヶ条@ [bk1]IT技術者として生き抜くための十ヶ条@Amazon.co.jp

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2009-04-13

さまざまな分野の論客による環境知能の本ということで期待したのだが,はずれてしまったようだ. 第 1 部はシンポジウムの記録であり,おもしろい研究の紹介であるはずだが,テレビなどにくらべるとおもしろさがなかなかつたわらないようだ. それ以降はかなり哲学に傾斜しているが,それほどあたらしさを感じなかった. わすりやすくするために小説のようなスタイルなど,ストーリー性をあたえた部分もあるが,成功していないようで残念だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 環境知能のすすめ@ [bk1]環境知能のすすめ@Amazon.co.jp

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2009-05-10

ドナルド・クヌースの本にならって (?) 仮想マシン Comp-XX の機械語プログラミングからはじめて,アセンブラ,Fortran,Basic, … と説明がつづき,最後に C, C++, Java, スクリプト言語の説明でおわっている. 正統的な入門のしかただが,初心者にこれで理解しろというのはむずかしいだろう. 案の定 (失礼!) 品切れ (絶版 ?) になっている.

初心者でなくても 2 つ以上のプログラミング言語をあつかうのはむずかしい. 初心者にはなおさら,まずなるべくたんたんな言語をすこしおぼえてもらうのがよいのではないだろうか. そのうえでなら,もしかしたら Comp-XX にもつきあってもらえるかもしれない. Comp-XX として,スナップ・スイッチがならんだ古典的なコンピュータの絵が何枚もあるが,まったく 「仮想」 でおわってしまっている. これに似た実在したコンピュータの写真をのせれば,もっと迫力があっただろう. ほかにも,もっとリアリティがあれば…という気がする.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラミング言語@ [bk1]プログラミング言語@Amazon.co.jp

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2009-05-17

複雑系に関するやさしい話から数学的な話まで,さまざまな内容がいりまじっている. 数学的な話を理解するには基礎的な説明が必要だが,そのためにところどころ,「次元とは」,「対数とは」 といった基礎的な話もおりまぜられている. とはいえ,これだけでは初心者が理解するにはたりないだろう. それが 「雑学」 だといわれればそれまでだが… この本には第 2 版がでているが,最後に 10 ページくらい追加されている以外は,目次をみたかぎりでは変化がない. 理解しやすさもあまりかわっていないと想像される.

この本でひとつ不満な点は,この本でとりあげられている 「複雑系」 は比較的かんたんに計算できるものがおおくて,なぜ近年になって複雑系が 「大ブーム」 になったのか,その理由が書かれていないことだ. ライフゲームなどが複雑な挙動をすることは 40 年以上まえからしられていた. しかし,そういう複雑系の性質がよくわからなかったのはコンピュータの計算能力がひくかったからだ. コンピュータがはたしたやくわりについて書いてほしかったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 複雑系@ [bk1]複雑系(第2版)@ [bk1]複雑系@Amazon.co.jp複雑系(第2版)@Amazon.co.jp

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2009-06-28

分散オブジェクトを使用したシステムの設計方針を知るためにこの本を買ったが,まったく裏切られた. とりあげられている事例がそもそも Web サーバと RDB を連携させたアプリケーションという,どこにでもあるしろものなので,出版されたのが 2001 年だということをかんがえても,なぜ CORBA が必要なのかもわからない.

この事例に関して UML によるモデルがしめされているが,抽象的なレベルで記述されていて,各オブジェクトがどこに存在するのかは捨象されている. IDL はごく一部しか書いてない. つまり,「分散」 オブジェクトのモデルにはなっていない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 分散オブジェクトモデリングガイド@ [bk1]分散オブジェクトモデリングガイド@Amazon.co.jp

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2009-08-04

現在の最新版は Python 3.0 だが,この本は Python 2.4 (?) に準拠している. 3 年くらいふるくてもたいした差はないだろうとおもって古書を買ったが,いくつかの例をためしてみると,どれも結果が本書に書いてあるのとはちがう. “ustr = u"あ"” と入力するとエラーとなる (ただしくは ustr = "あ") し,“1/2” と入力すると,本書に書いてある 0 ではなくて 0.5 が表示される. というわけで,たとえ古書をやすく売っているとしても,最新版のほうを買うべきでしょう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: みんなのPython@ [bk1]みんなのPython@Amazon.co.jp

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2009-08-08

前著 「みんなの Python」 につづいて,Web アプリケーション開発にしぼった Python 入門書である. 前著と同様に Python 2.4 (?) に準拠しているため,最新版である Python 3.0 とはだいぶちがう点がある. しかし,Web アプリ開発技術という点からみれば,現在でもおおきなちがいはない.

むしろ問題は Web アプリ開発の基礎をひととおりさらうまえに特殊な 「テンプレートエンジン」 について書いていることだ. 現在では CGI をナマでつかうことはすくなくなっているので Web 開発ツールについて書くのはよいが,特殊なツールについて書いても読者にはあまり,やくにたたないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: みんなのPython@ [bk1]みんなのPython@Amazon.co.jp

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2009-09-11

Apache のインストールからログ解析,セキュリティ対策,運用管理などについて書いている. Web サーバへのいろいろな脅威,つまりストリーミング配信やロボットなどに対する対策や,ユーザの追跡のしかた,時計管理の方法なども書かれている. もはや最新の情報ではないので,現在ではあたらしい脅威もあるだろうが,おおくの点は現在でもやくにたつし,ほかの本にはあまり書いてない点も参考になるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: Webサーバ・メンテナンス@ [bk1]Webサーバ・メンテナンス@Amazon.co.jp

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おなじ 「最強の自宅サーバー」 というタイトルで Fedora によるサーバ構築の本もある. それとくらべると,この本のほうが XAMPP というツールをつかうことによって手順がかんたんになり,そのぶんだけ外向けのサービス構築の記述にちからがはいっている. 実際に外向けにサービスを提供するにはもっとセキュリティ対策などが必要になるが,記述のバランスとしてはよいようにおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 最強の自宅サーバー@ [bk1]最強の自宅サーバー@Amazon.co.jp

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Fedora のインストールは初期にくらべるとよりかんたんになった. しかし,それでもこの本を最初から読んでいくと,まずインストールと OS の設定でかなりのページをさいているので,(何 10 回もインストール経験がある私でも) ハードルはたかいと感じてしまう. おなじ 「最強の自宅サーバー」 というタイトルのべつの本にある Windows によるサーバ構築のほうがかんたんにみえる. しかも,メールサーバなど,内向きの設定に関する記述がおおくて,Web のような外向きの機能の記述はすくない. 初心者にはやはり Windows のほうがよいのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 最強の自宅サーバー@ [bk1]最強の自宅サーバー@Amazon.co.jp

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2009-11-21

竹内 正浩 の 「日本の珍地名@Amazon.co.jp」 (文春新書) は,「人間をまどわす地名,コンピュータをまどわす地名,… ― 竹内 正浩 著, 「日本の珍地名」」 という項目に書いたように,区別しにくい地名,まぜこぜの地名,まぼろしの地名など,さまざまな珍地名について書いている. そのなかでもとくに地名のあいまいさに関する記述は,テキストからの地名抽出をこころみたことがある身にはとくに興味ぶかいこれから地名抽出や地名検索のプログラムを開発しようとしているひとにはとくに参考になる本だ

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2009-11-23

ライブドアの技術力を結集した一冊ということのようだ. Google などが独自のインターネット・サービス技術をほこっているいま,ホリエモンですっかりイメージ・ダウンしてしまったライブドアがもう一度,スゴイ技術をみせようということか? 残念ながら Google にはくらべるべくもないが,いろいろ,おしえられることはある. ただ,「Web サービス構築術」 といわれると XML Web サービスを想像してしまうが,XML の話はなくて,データベースやキャッシュの話が中心だ. タイトルには 「4 Gbps を超える」 とあるが,ネットワークの部分はよわい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: Webサービス構築術@ [bk1]Webサービス構築術@Amazon.co.jp

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2009-12-01

ソフトウェア開発に関する名著 8 冊を紹介している. この本を読んでもこれらの本のエッセンスがわかるという虫のいいはなしはないだろう. しかし,この本を読むことによってもとの本のうちの 1 冊でも読む気になれば,収穫があったというべきだろう. 私のばあいは 「ソフトウェア職人気質」 を読みたいという気になった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソフトウェア開発の名著を読む@ [bk1]ソフトウェア開発の名著を読む@Amazon.co.jp

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2010-01-20

ビジネスを改善するための 「仮想化」 とはどういうものかを解説していて,その内容は理解することができる. 著者はそれを 「本当の仮想化」 と呼び,一応は 「インフラまでを含めた仮想化」 (Virtualization 2.0) と定義している. しかし,「インフラ」 ということばの意味があいまいであり,「本当の仮想化」 がそれにとどまらず 「コンマ何秒かの切り替え」 にはこだわらないものだというような記述もあり,読者を混乱させる. もっと整理が必要だろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ビジネスを仮想化で加速する@ [bk1]ビジネスを仮想化で加速する@Amazon.co.jp

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2010-06-24

粘菌を正面から研究したひととしては南方熊楠がよくしられているが,これとちがって著者は粘菌に迷路をとかせたり,最短経路をもとめさせたりという,ちょっとかわった研究をしている. 迷路などは実際に粘菌をつかってとかせているが,粘菌のふるまいをモデル化してシミュレーションでといているものもある. そのモデルについては数式をつかわずに定性的に説明している. 「知性」 ということばには疑問があるが,いろいろな例をたのしみながら,粘菌について理解をふかめられる,おもしろい本だ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 粘菌@ [bk1] 粘菌@Amazon.co.jp

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2010-07-26

日本人よりは,Ruby on Rails,Perl,Twitter などの有名な言語やサービスを開発してきた外国人がインタビューの対象になっている. 技術系雑誌の連載を単行本化したということで,Perl, Ruby, JavaScript などといったプログラミング言語の話題もおおい. これらの言語を知っていればよりたのしめるが,知らなくてもえられるものはおおいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 小飼弾のアルファギークに逢ってきた@ [bk1] 小飼弾のアルファギークに逢ってきた@Amazon.co.jp

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2010-08-21

エッシャーをとりあげた本はすくなくないが,この本はエッシャーの他の種類の作品もとりあげながら,おもにタイリングにもとづく作品をとりあげている. そこから話はペンローズ・タイルやイスラムや日本の文様につながっていく. 想像力や創造力を刺激される本だ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: エッシャーとペンローズ・タイル@ [bk1] エッシャーとペンローズ・タイル@Amazon.co.jp

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2010-09-07

建築だけでなく,おおくのデザインにおいてコンピュータはなくてはならないものになっている. しかし,そのほとんどがコンピュータを単なる道具として,デザインにとって本質的ではない部分でつかっているにすぎない. 著者はコンピュータのパワーをもっとデザインの本質的な部分にいかそうとしている.

この本のおおくの章は概念的な記述や既存のアルゴリズミックなこころみの紹介などにあてられている. そこにはアルゴリズミック・アーキテクチャのさまざまな可能性がよみとれる. しかし,プログラムの例がしめされた,アルゴリズミック・デザインの具体的な適用例の章になると,当面,著者が興味をもっているのはアルゴリズムで生成される形態やその過程だけらしいことがわかってくる. そこでは建築が人間をつつみこむものであり,居住性,アメニティなどがめざすべきものだということは,わすれられているようにみえる. コンピュータにさせるべき仕事はこういう目的と形態とをうまくつなぐことなのではないだろうか. 失望させられる内容だった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: アルゴリズミック・アーキテクチュア@ [bk1] アルゴリズミック・アーキテクチュア@Amazon.co.jp

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2010-09-14

まえから気になっていたこの本をやっと買った. カバーをふくめて,あやしいイラストが何枚かはいっていて期待したくなる (?!) が,はずれた :-)  NAND のような基本的なものを中心とする IC 10 個だけで一応動作する CPU がつくれる. 配線もそれほど複雑ではない. スキルは必要だが,ある程度,電子工作をつくった経験があれば,たぶんつくれるだろう.

メモリが ROM だけで,CPU からはかきこみができないところがちょっと機能不足だが,それをのぞけば最低限のしかけはもっている. この CPU をもとに,すこし変化させてつくることができればもっとよいが,そこまでできるひとはかぎられているのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: CPUの創りかた@ [bk1] CPUの創りかた@Amazon.co.jp

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2010-09-17

Eniac の時代からマイコン時代までのコンピュータ開発にたずさわった 10 人の日本人にインタビューしている. 本人にきくと,いろいろな裏話がでてくるところが,単なる 「歴史書」 とはちがうところだろう. そこには,TAC 開発のグループが分裂した話,その一方からでてきたパラメトロン計算機の開発者である後藤英一氏の話,TAC 開発をつづけたグループの和田弘氏の「パラメトロンは [中略] 速度が遅いから,実用価値は乏しいと思っていました」 という話など,ドラマもある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人がコンピュータを作った!@ [bk1] 日本人がコンピュータを作った!@Amazon.co.jp

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2010-11-02

フィードバックやら複雑系やら要素還元論の話がでてきて 「逆システム論」 などということばがでてくると,かなり精密な議論をしようとしているのかと誤解してしまう. しかし,著者がつかっている 「多重フィードバック」 をもつような複雑なシステムは,著者もそれらしいことを書いているように,帰納的にその構造を推定することはもちろん,システムのパラメタをきめることも困難だ. だから,「逆システム論」 ではあいまいな定性的な議論しかできない. 著者も書いているように定性的な議論は重要だが,すべてがあいまいなまま議論しても,有用な結果をだすことはむずかしいだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 逆システム学@ [bk1] 逆システム学@Amazon.co.jp

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2010-11-18

著者は Viaweb という Web 上のサービスをたちあげた 「ハッカー」 であり,この本のなかにも Viaweb がときどき登場してくる. 5 年間ねかしていた本だが,そのあいだに Viaweb のようなサービスには 「クラウド」 というなまえがつけられて,なじみのあるものになった.

話題はいろいろな方向にふれていく. なかには専門家でないとわかりにくい話もあるが,そうでなくてもたのしめる部分がおおいだろう. この本を読んで,本来の意味の 「ハッカー」 を理解してもらいたい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ハッカーと画家@ [bk1] ハッカーと画家@Amazon.co.jp

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2011-01-19

この本は,技術の習得を怠って 「35 歳定年」 をむかえてしまうプログラマと,著者のようにずっと現役でありつづけられるプログラマとのちがいがどこにあるかをしめそうとしている. 思考力をきたえ,つねによみやすいコードを書くように努力し,積極的・継続低に学習するなどの点が指摘されている. 英語力をきたえることもふくまれているが,TOEIC 900 点が必要というのは,いいすぎだろう.

目標はたかいほうがよいだろうが,「現役続行」 するためにこれほどたかい技術的・能力的なハードルが必要だとはおもえない. その一方で,これからのプログラマにはアップル・ストアで当てるというような起業家的な能力も必要なのではないかとおもえるが,この本がめざしているのは従来的なプログラマやシステム・エンジニアをきわめることであり,そこに弱点があるようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラマー現役続行@ [bk1]プログラマー現役続行@Amazon.co.jp

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2011-02-19

専門家ではなく IT ジャーナリストが書いた AR 論だ. だから,AR の技術よりは社会,とくに広告などのビジネスが中心の話題になっている. セカイカメラやそれに類するサービスにかなりのページがさかれているが,こういうサービスはセカンドライフと同様にあまりパッとしない.

むしろ,本書でもふれられている 「AR 空間を整備することで,現実空間の人の流れを意図的に変えようという試み」 のほうが興味ぶかい. つまり,AR をみているひとの数はかぎられているので,他のひとにどれだけ影響をあたえられるかが勝負だとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR@ [bk1]AR@Amazon.co.jp

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2011-07-07

ネットワーク・フロー問題や費用を最小化するネットワーク・トポロジーをもとめる問題など,さまざまなネットワーク設計問題をあつかっている. 200 ページの紙幅のなかで 10 種類ほどの問題をあつかい,そのそれぞれについてさらに厳密解法と何種類かの近似解法を記述している. 消化不良をおこしそうだがカタログとしてはやくにたつだろう. こういう本はもっとありそうだが,すくなくとも現在ではほとんどみあたらない.

実践という点では,それぞれの解法がどういう応用に適しているかがわかるとよいが,教科書としてはこれ以上ページ数をふやすのはむずかしいのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ネットワーク設計問題@ [bk1] ネットワーク設計問題@Amazon.co.jp

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2011-07-29

数学がきらいになるのは,先生が楽しそうにおしえてくれなかったり,暗記させたりするからだという. それは数学の教師が数学が好きでも得意でもないからなのではないかとかんがえると,くらいきもちになってしまう. この本では教科書や数学教育の退化も指摘されていて,ますます,くらくなってしまう. 著者はそういう問題を解決したいとおもってこの本を書いたのだろうが,解決への道はとおい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 人はなぜ数学が嫌いになるのか@ [bk1] 人はなぜ数学が嫌いになるのか@Amazon.co.jp

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2011-08-16

ベイズの定理にもとづく予測法のさまざまな応用について書いている. ベイズの定理そのものや,さまざまな理論については他の本を読む必要があるだろう. この本の内容はその応用に関するヒントといってよいだろう.

ビジネスなどにやくだてられている例も,もちろんとりあげられている. しかし,異性の行動分析とか家庭での利用とかいう,むしろ,あたまの体操的な話もとりあげられている. ベイズの応用に関する軽いよみものという雰囲気であり,他にはない貴重な本だといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ベイズな予測@ [bk1] ベイズな予測@Amazon.co.jp

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2011-10-01

いまさら書評を書くような本でもないのだが,たまたま古本を買って見た. 80 人ほどの東京情報大学の教官が 2 ページずつ,自分の専門分野の魅力を書いている. たしかにおもしろそうなことがいろいろ書いてあるのだが,2 ページだけではよくわからない. また,文字ばかりなので直観的に理解できない. もうすこし,それぞれのページをふやして,表現にもくふうすればよかったようにおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 真・情報学@ [bk1]真・情報学@Amazon.co.jp

つづく…

2011-10-05

自分はプログラマではないがプログラムを書くのが仕事の一部だ. この本はそういう自分のことが書かれているようだ. つまりは,プログラマだけのことを書いているのではなくて,理科系にはかなり共通する部分がある.

「本を読むのが仕事」,半分の時間は調べものをしていると書いてあるが,研究者のばあいはプログラミングより本,論文,Web などを読むのが本来の仕事. 自宅にかえっても趣味でプログラムを書くというのもあたっている. トイレにいくときについでになにかしてくるというのも,いいあてられている. バグで悩んでいるときは,社内を歩いているときでも原因を考えているというのもそうだ. つかったことのないソフトのつかいかたをきかれてもこたえられないのに…ということも書いてある. 読んだらやくにたつという本ではないが,共感してしまう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラマのしくみ@ [bk1]プログラマのしくみ@Amazon.co.jp

つづく…

この本を書いたのはプログラマから SE を経て 「卒業」 したフリーライター. SE というと高級プログラマとおもっていたが,この本と,プログラマが書いた SE についての本などをみくらべると,SE とプログラマとのギャップ・対立がいかにおおきいかがわかる. やとったプログラマをついつい信じてうらぎられ,顧客をよみちがえる SE のすがたが,ここにはある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: SEのフシギな生態(単行本)@ [bk1]SEのフシギな生態(文庫)@ [bk1]SEのフシギな生態(単行本)@Amazon.co.jpSEのフシギな生態(文庫)@Amazon.co.jp

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2011-10-07

具体的なコンパイラづくりの本はほかにも何冊かあるが,この本は,だいたいふつうだがちょっとクセのある言語をつくっている. 比較的ページ数が多いのは,この手の本のなかではかなりアルゴリズムやデータ構造をくわしく説明しているからだ.

巻末にはソースリストがある. インターネットでダウンロードすればすむ時代にソースリストをのせる必要はないが,30 ページ弱だから,それほどじゃまになっているわけではない. もうちょっとみじかくてすむ言語仕様にすればもっとよかったとおもう. 基本はなるべくみじかくしておいて,この本の第 3 章のようにそれをいろいろ拡張してあそべるようにしておくのがよいようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラムのしくみ@ [bk1]プログラムのしくみ@Amazon.co.jp

つづく…

2011-10-26

タイトルは魅力的だ,夢のある話がいろいろ書いてあるにちがいない,そうおもって読んだのだが… しかし,内容のおおくは現在すでに実現可能なものや,まだないが延長線上のものがおおい. 魅力を感じるような建築のイメージはみあたらない. iPhone でもいじっているほうが,あたらしい発見があるだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ユビキタスは建築をどう変えるか@ [bk1]ユビキタスは建築をどう変えるか@Amazon.co.jp

つづく…

2011-11-06

「プログラマ主役型」 といわれてもわからないのだが,要するにプログラミングという仕事は上司のいうことを忠実に実行するだけではうまくいかない,プログラマは自律的でなければならないということだ. 会社の管理は階層的な組織によっているが,プログラマのチームはそれとはちがうネットワーク的なものだということだ. トラブル発生時など,チームがフルに機能するとき,階層的な組織は機能しない. この本のなかには,ほかにも会社組織のなかでのプログラミングがかかえるさまざまな矛盾を指摘している. 矛盾があってこそ,うまく機能するのだろう. とてもスリリングだといえる.

評価: ★★★★★

関連リンク: プログラマ主役型プロジェクトのススメ@ [bk1]プログラマ主役型プロジェクトのススメ@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-12

「複雑ネットワーク」 というタイトルだが,半分強のページは普通のグラフやネットワークにあてられている. グラフやネットワークの基礎をしらないひとがいきなり複雑ネットワークの話をよんでもわからないだろうから,ある意味では必要なことだろう. しかし,いくらマンガでよみやすくしてあるとはいっても,すこし道がとおすぎるようにおもえる. もうすこし,近道をしてもよかったのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 複雑ネットワーク@ [bk1]複雑ネットワーク@Amazon.co.jp

つづく…

複雑ネットワークに関してはダンカン・ワッツやマーク・ブキャナンらによる一般むけの本もあるが,そういう,数学的なあつかいがまったくない本とくらべると,この本は数式はほとんどないものの,もうすこし数学的なあつかいをしていて,知的好奇心をみたしてくれる. 多少の数学的センスがあれば,かんたんに読むことができるだろう. スモールワールド,スケールフリー,伝染病,インターネットなどがとりあげられているのはそれらの本と共通だが,ベーコン数とエルデシュ数などに 1 章がわりあてられている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「複雑ネットワーク」とは何か@ [bk1]「複雑ネットワーク」とは何か@Amazon.co.jp

つづく…

スモールワールドやスケールフリー,インターネット,エイズの流行などをとりあげている点ではダンカン・ワッツの本と同様の内容だといえる. しかし,著者はサイエンス・ライターであり,専門家であるワッツよりはひろい視野でインターネットの歴史や散逸構造や物理学者ランダウに関するエピソードなどを話のなかに織りこんでいるところにこの本の魅力があるといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 複雑な世界、単純な法則@ [bk1]複雑な世界、単純な法則@Amazon.co.jp

つづく…

複雑ネットワークの研究者であるダンカン・ワッツが自分の研究経験もふくめて書いた本である. とりあげられている話題はタイトルにあるスモールワールドのほか,スケールフリー,伝染病やインターネット・ウィルス,WWW や他のネットワークにおける探索などだ. 研究者どうしの関係などは研究者が書いた本ならではだとおもえる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: スモールワールド・ネットワーク@ [bk1]スモールワールド・ネットワーク@Amazon.co.jp

つづく…

ダンカン・ワッツの本と同様に,複雑ネットワークの研究者による一般むけの本だ. 内容もスモールワールド (「小さな世界」 と訳されている),インターネットとスケールフリー・ネットワーク,ウィルスやコンピュータ・ウィルスなど,かさなる部分が多い. 類書はワッツの本以外にも何冊かあるが,それらとくらべるとインターネットと WWW についてはややくわしく書かれているようだ. 他の本にない興味ぶかい部分もあるが,残念ながらワッツやブキャナンの本とくらべると,やや印象はうすかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 新ネットワーク思考@ [bk1]新ネットワーク思考@Amazon.co.jp

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2012-02-17

「ネットワーク・サイエンス」 というと幅がひろいが,この本は社会学者である著者が四半世紀にわたってつづけてきたという社会ネットワーク分析を中心としていて,ほとんどのページはひととひととの関係について書かれている. もっとひろい意味の 「つながり」 を期待するひとには,期待はずれになるだろう. SNS や「恋人連鎖」のような個人的な関係と,業務電子メールなどからわかる,エンロンなどの企業内の関係の両方が話題としてとりあげられている. こういう話題に興味があるひとなら,おもしろく読めるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「つながり」を突き止めろ@ [bk1]「つながり」を突き止めろ@Amazon.co.jp

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2012-02-25

ここ 30 年くらいの複雑系の研究の集大成といってよいだろう. とりあげられているのは創発現象,秩序と無秩序,カオス,フラクタル,ゲーム理論,そして比較的最近発展してきた複雑ネットワークの理論などだ. 複雑ネットワークに関する本のおおくは 2005 年ごろに書かれているが,それよりあたらしい本書には,もっとあたらしい研究成果もとりあげられている. 「複雑で単純」というのが全体をまとめたことばなのだろうが,全部読んでも全体の地図はみえてこない. やはり複雑なのだ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 複雑で単純な世界@ [bk1]複雑で単純な世界@Amazon.co.jp

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ネットワーク科学の研究者である著者が,その理論がひとのネットワークにどうかかわってくるのか,できるだけ具体的にイメージできるように書いている. わかりやすさを追求しているのは博物館もおなじであり,ニューヨークの博物館でネットワークがどのように展示されているかもとりあげられている. とりあげられている理論は他の本とあまりかわらないが,わかりやすさの追求のしかたには独自のものがある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 私たちはどうつながっているのか@ [bk1]私たちはどうつながっているのか@Amazon.co.jp

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2012-03-10

3 部構成だが,1 部と 2 部は数学的思考というよりは経済学的思考について書いている. 現代においてお金なしでいきていくことはできないから,経済をただしくとらえるのは必要なことだろう. 3 部は村上春樹の小説などを 「数学的」 だととらえて,分析している. しかし,読んでみても村上春樹がどう数学的なのか,わからない. 「難しい」 と書いているレビュアーもいるが,「数学的」 あるいは論理的にわかるように説明できていないのは著者の責任だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 数学的思考の技術@ [bk1]数学的思考の技術@Amazon.co.jp

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2012-05-03

ファイリングというと通常は情報のあつかいが中心だが,ここではむしろモノをどうやって整理し検索するかがテーマになっている. 私にとっても学生のころは 「物質ファイリング」 がひとつのテーマだったが,いまでは情報のことばかりかんがえているのは退化なのではないかと,かんがえさせられた. ただ,この本では展示会のための製作物をあつかっているために整理・検索という本来は動的なはずのものが静的にだけあつかわれている点にいささか不満がある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: FILING@ [bk1]FILING@Amazon.co.jp

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2012-05-12

コンピュータ言語やその理論,とくに再帰を記号論的な見方で分析している. 記号論と人工言語とをむすびつけるそのやりかたは斬新だ. これら両方の分野に精通した人は非常にわずかだとかんがえられるから,どちらの分野のひとにとっても,この内容は新鮮だろう.

しかし,一応は両方を知っている立場からすると,このむすびつけかたはいささか強引だとおもえる. 記号論の対象は人間の言語や記号であり,記号の概念も解釈も人間のものだ. ところが,著者がそれをコンピュータ言語にあてはめるとき,そこには基本的に人間はいない. 機械が解釈するものとしてのコンピュータ言語と人間の言語の記号論を対応させるのには違和感がある. また,いまさら記号論なのかという気がしないでもない.

コンピュータ言語も人間が書くものだから,記号論や言語学の手法をとりいれるのにもっとべつの視点もある. 著者もところどころアドホックに人間の視点をいれてはいる. しかし,それをもっとすすめた議論は実は存在している. 金田 泰 著 「プログラミング言語学をめざして」がそれなのだが,(Web にはアップされているが) 残念ながら手書きの修士論文でおわっているためほとんど知られていないし,議論は浅い.

いずれにしても,この本はいくつかの賞をとり,英語でも出版されている. 著者あるいはこれらの本を読んだだれかが (私もふくめて) これをきっかけとして,さらにすすんだ議論や周辺の話題をほりおこしてくれればよいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 記号と再帰@ [bk1]記号と再帰@Amazon.co.jp記号と再帰@GoogleBooks

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2012-05-26

コンピュータの基礎をつくった人物として有名なノイマンの本ということで,いまでも示唆をあたえてくれるのではないかと期待した. しかし,すくなくともこの本からは,えられるものは皆無といってよかった. しかも,こんなうすい文庫本が 1000 円以上ときている. 最悪だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 計算機と脳@Amazon.co.jp

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2012-07-06

ベイズ推定とその対立理論であるフィッシャー推定とをかんたんに紹介し,ベイズ推定の経済・社会理論への応用を 紹介している. タイトルからはなぜか経済学とか社会学とかいうことばがかくされている. しかし,一般むけにこういう話題をとりあげた本はすくないだろうから,価値ある本だとかんがえられる. 高度な数学はつかわずに,なるべく平易に説明しようとしているのがわかる.

しかし,著者のかんがえには疑問を感じる点もすくなくない. 冒頭に 「「学校の確率」 というのは,本物の確率でなく,粗悪なイミテーションにすぎません」 と書いているが, これは教科書に書かれた確率論へのいわれのない非難だ. 「学校の確率」 が大数の法則にもとづき,ベイズ推定はそうでないというだけのことであり, 立場がちがうからといって 「粗悪なイミテーション」 というのは不適切だ.

また,この本にはじめて書かれたという著者独自のかんがえのひとつとして 「確率の時制」 というのがあるが, ここで時制をもちだすのはよけいなことであり,まったく理解できない. その文脈で 「ニューカムの問題」 (「ニューカムのパラドックス」 ではない) がとりあげられ,パラドックスだと 書いているが,仮定している命題をみとめるならパラドックスではないだろう. そこに時制が登場するべき理由がわからない.

いずれにしても,疑問の点は多々あるものの,貴重な本であることにかわりはない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 確率的発想法@Amazon.co.jp

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2012-07-10

著者は人間がロボットにあたえた知能を 「道具知」 とよび,ロボットが自律的に獲得した知能を 「自律知」 とよぶ. AIBO の失敗の原因を自律知でなく道具知をめざしたからだと分析し,著者自身は自律知を追究する. ピアジェの 「シェマ」 という概念にもとづく理論をたて,それを実際にロボットをつくって実験・実証している. この内容は著者の学位論文にもとづいているという.

著者が製作したロボットがどれだけ理論を反映しているのか,この本だけからはわからない. しかし,人工知能だけでなく哲学や心理学にもとづく理論を構築し,それを構成的にたしかめたうえ,それを一般向けにまとめたこの本は価値あるものといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: コミュニケーションするロボットは創れるか@Amazon.co.jp

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2012-07-12

普通の学会とはかなりちがった雰囲気のようであり,当然のように初音ミクの話題が多いが,まじめでおもしろいヒューマン・インタフェースの話もたくさん (研究 100 連発!) 登場する. プログラミングやインタフェースの有名な研究者も登場する. でも,どうも元気のでる話があんまりない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ニコニコ学会β@Amazon.co.jp

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2012-09-15

スパコンをしゃぶりつくし (?!) 事業仕分けにも参加した著者による,スパコン開発と事業仕分けに関する本だ. スパコンの歴史についてもひととおり書いてあるし,「京」 の開発についてもこの本を読めばだいたいのことがわかるだろう.

スパコンをものにするには 「2 位じゃダメ」 であり,もっと人材をそだてる必要があると著者がかんがえていることはあきらかだ. しかし,それ以上なにをこの本で主張しようとしているのかは,かならずしも明確でない. 事業仕分けは国の予算を有効につかうことが目的だとかんがえられるが,この本の最後に書いてあるのは 「もっと予算を」 ということでしかないようにみえる. 人材を育成するにはどうすればよいのか,どうすれば予算をもっと有効につかえるのか,というところまでふみこまなければ,スパコン開発を強化することはできないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: スパコンとは何か@Amazon.co.jp

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2012-10-04

なぜかいまごろになってこんな本を読んでいる. 意味不明なタイトルだが,内容は MIT で 1999 年から 5 年間おこなわれた Oxygen というプロジェクトの目標とその開始時点での内容の紹介だ.

目標にはいろいろカッコいいことが書いてあるが,地をはうような地味なプロジェクトだ. テーマは自動化,個人化 (personalization),コラボレーション,カスタマイゼーションなど,タイトルだけみればだれでもおもいつき,やってみようとおもうようなことばかりだ. それにまた,「人間中心型」 という陳腐な形容詞がついている.

そういう地道な内容の研究はもちろん重要なはずであり,その成果はきっといま Web などでいかされているのだろうとおもう. しかし,いまその成果をさがしてみても,容易にみつけることができない. まさに,酸素 (oxygen) のように拡散してしまっている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: IT学講義@Amazon.co.jp

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2012-11-18

この学会誌がてもとにとどいても,すぐにみることはあまりない. しかし,この号は電子書籍の特集なので,さっそくみてみた. コンピュータの学会なので最近開発された電子書籍技術の論文があつめられているのかとおもったが,そうではなくて政治的・社会的な内容の論文でしめられている. 高価なところに問題はあるが,学会員以外の一般読者のほうがむしろ興味をもてる内容だろう. 学会員の私としては技術的なサーベイがないところが不満だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 情報処理2012年12月号@Amazon.co.jp情報処理2012年12月号別刷@Amazon.co.jp

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2012-11-29

比較的マイナーだが個性的な言語を 7 つえらんでいる. かつては 「言語屋」 のつもりだった私でも,つかったことがある言語はひとつだけだ. メジャーな手続き型言語やオブジェクト指向言語しか知らないひとにとっては,それらとちがう 7 つの言語を知ることはとてもよい経験になるだろう.

ただ,ひとつの言語について書いているページはかぎられているから,これだけで理解するのはむずかしいかもしれない. 時間があれば実際にこの本にある例をなぞってみれば,より理解がすすむだろう. むかしとちがって,いまならそれが比較的容易にできるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 7 つの言語 7 つの世界@Amazon.co.jp

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2013-02-06

プログラミングはほんとうはとてもわくわくするものだとおもうのだが,おおくのひとはそこにちかづかないし,職業プログラマーはなおさらそれを理解していないようにおもう. この Kindle 本には学校教育でプログラミングのおもしろさをおしえること,それを実践してきた MIT のレズニックや UEI の清水氏の話などがとりあげられている. この本がきっかけで,すこしでもプログラミングというものへの理解がふかまるとよいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: Random Analysis@Amazon.co.jp

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2013-05-19

もとになっているのは「ハッカーズジャパン」という雑誌の記事だ.雑誌記事としてはかぎられたひとの目にしかふれなかっただろうが,コンピュータの歴史に興味があるひとならだれでもおもしろく読めるであろう内容だ.これまでもこの種の話を読んできた私も知らなかった (もしくはわすれてしまった) エピソードがいろいろ書いてある.Kindle で出版するのにもっともふさわしい内容だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 真空管と十進法@Amazon.co.jp

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2013-06-16

「業界標準と互換機戦略」 という主題はよく理解できないが,副題のようにキーボードの歴史についての本だ. キーボード配列がなぜ現在の QWERTY になったのかについて書いた本はほかにもあるが,これだけくわしくしらべて書いたものはすくないだろう. このひとつのテーマだけで,十分よみごたえのある内容になっている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: キーボードQWERTY配列の真実@Amazon.co.jp

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階差機関,エニグマ暗号,ライト兄弟など,内容紹介をみれば魅力的なテーマがならんでいる. しかし,本のタイトルは「レトロハッカーズ合本第1集 」という,まったく魅力のないものだ. Kindle 本の書棚におさめたとき,内容がわからなければ,あとでひらいてみる気にはならないだろう. 残念なタイトルだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: レトロハッカーズ合本第1集@Amazon.co.jp

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テレビでみたディープブルーにやぶれたカスパロフのなさけない表情がいまでも目にやきついている. この AI 史を画すできごとを,そのたたかいだけでなく,そこにいたる経緯やカスパロフという人物など,周辺もふくめてえがいている. できれば,タイトルにもあるその中心のできごとを,もっといきいきとえがいてほしかった.

評価: ★★★★☆

関連リンク: カスパロフとディープブルー@Amazon.co.jp

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牧野 武文 著 「機械との心理戦に敗れたチェス世界チャンプ ― カスパロフとディープブルー」 を読んで,ディープブルーにやぶれたカスパロフのなさけない表情をテレビでみたことをおもいだした. そのとき,これこそが人間と機械との最大のちがいだとおもった.

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2014-01-07

最近,科学技術とアートを融合させようとした大学の学部・学科がいろいろつくられている. そのはしりが著者が助教になったという MIT メディアラボだ. しかしこの本を読むと,そんな中途半端なところではなくて,ガチガチの科学技術とその正反対のアートの世界の両方に本気でとびこんだひとがほんとうにスゴイひとになるのであり,メディアラボもまだなまぬるいとおもえてくる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: はみだす力@Amazon.co.jp

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2015-03-30

人工知能の 3 回のブームとそのあいだの冬の時代について書いている. 3 回のブームをもたらした技術 (推論と探索,知識,機械学習とディープラーニング) について,とくにディープラーニングについて,わかりやすく解説している. 現在が 3 回めのブームであり,著者のかんがえではディープラーニングは人工知能の歴史における 最大のブレークスルーだという. 人工知能が人間をこえるのではないかというかんがえもそこからきているが, 著者が書く文章からはそれを肯定的に実現させたいという熱気が感じられる.

評価: ★★★★★

関連リンク: 人工知能は人間を超えるか

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2016-12-31

日本語の本にはほとんど記述されたことがないであろう,さまざまな機械学習の方法について,すこしずつ記述されている.目録としては,やくにたつかもしれない.しかし,個々の方法について 2 ページくらいしか,ついやしていない.方法そのものについての記述はまったくなく,プログラムとそのわずかな説明がついているだけだ.これではその方法を理解できないだけでなく,本のタイトル「超実践」とはちがって実践にもまったくやくにたたないだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: アンサンブル機械学習

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2017-08-20

コンピュータやネットワークに関する歴史やさまざまな話題 (たとえばエントロピー,グラフ理論,ニューラルネット,…) がぎっしりつめこまれた本だ.さらっとした語り口なのでそれが負担になることはないだろうし基礎的な内容だが,そのすべてをあらかじめ理解しているひともすくないだろう.消化不良になるのではないかと心配だが,知的な刺激にみちた本だ.

評価: ★★★★★

関連リンク: あなたはネットワークを理解していますか?

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