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知的生産とリテラシーアーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, DIY (日曜大工) とものづくりWeb とインターネットインタフェース,アメニティとデザインセキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護メディア・アート・イベント・エンターテイメント仕事と起業心理思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境・エネルギー生活知的生産とリテラシー社会・経済言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

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WASS (Wikipedia Axis-Specified Search) (Wikipedia の検索エンジン)

2007-05-18

この本を読んだのはもう 20 年以上まえであり,それ以後は読んでいないが,いまでも文章を書くときにはこの本からえた知識がやくにたっている.読点のうちかたと修飾語のならべかた (ながいものからみじかいものへ) はいつも意識している.とくに理科系むきにはほかの著者による本がすすめられていることがおおいが,私は理科系・文科系をとわず,この本をすすめたい.本多のほかの本 (「殺す側の論理」) の書評で本多勝一を「ばか」よばわりしたが,この本は秀逸である.

評価: ★★★★★

関連リンク: 日本語の作文技術@ [bk1]日本語の作文技術@Amazon.co.jp

つづく…

2007-05-20

梅棹 忠夫 の 「知的生産の技術」 以来,この種の本をいろいろ読んできた. もっともインパクトがあったのが 「知的生産の技術」 であることはいうまでもないが,最近読んだ本のなかではこの 鎌田 浩毅 が出色である. 日本はホワイトカラーの生産性がひくいといわれている. 生産性をさげている原因としてはダベっている時間がながいこともあげられるだろうが,なにもしないでかんがえている (フリをしている) 時間がながいこともあるのではないだろうか. 知的生産の生産性がひくい理由のひとつはいきなりむずかしいことをしようとすることにあるとおもわれる. この本はラクなところからはじめればよいこと,もとめられるアウトプットにできるだけはやくちかづくことを主張している. それは,私自身が実践していることでもある. ほかにもいろいろ,私のやりかたと共通するところがあった. 本にどんどんしるしをつけること,原稿は締切よりずっとはやく書くこと,などなど. 理系であれ文系であれ,やくにたつことはいろいろあるとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ラクして成果が上がる理系的仕事術@ [bk1]ラクして成果が上がる理系的仕事術@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-06

最近,自分のブログに関してもっと反応をもらいたいとおもいはじめたことをきっかけに,ながらく,つん読していたこの本をよむことにした. この本では 11 人のアルファ・ブロガーへのインタビューの結果が書かれているが,その意見は,当然のことながら,さまざまである. 読者をつよく意識して書くひともいるし,自分のためのメモというつもりで書くひともいる. しかし,読者を意識しているといっても,新聞や雑誌に書くのとはちがって読者からの直接の反応をきくことができる. まだまとまっていないかんがえを読者にぶつけることもできる. ほかにもさまざまなことが書かれている. 私自身は結局,反応をえるために特別のことをするのではなく,自分のポリシーをつらぬいて待つべきなのだと悟った.

評価: ★★★★☆

関連リンク: アルファブロガー@ [bk1]アルファブロガー@Amazon.co.jp, 「ブログと画像の親和性」.

つづく…

2007-10-07

著者は元毎日新聞記者であり,現在もフリー・ジャーナリストである. その経験をいかして,記事や提案書などを書くためのインターネットからの情報収集の方法を書いている. その方法はまず,直観的な世界把握 (クオリア) をもとに,必要な情報要素と取材先を縦横にならべたマトリックスをえがいて全体像を把握する. そして,4 種類のインターネット情報源,つまり新聞や雑誌の (有料) 記事データベース,一般のウェブサイト,個人や企業のブログ,2 ちゃんねるなどのネット掲示板をこの順に調査していく. インターネットをつかった調査は拡散的になりがちなので,「ニューロン型」 という方法をすすめている. これは,拡散的な調査法と直線的な調査法とをくみあわせた方法である. そして,調査途中でのいきづまりをセレンディピティ (偶然の出会い) によって克服することについても記述している.

インターネットで情報収集しているひとは,ある程度はここに書かれたのとちかい方法で情報収集しているだろうが,かならずしも著者ほど確立された方法にしたがっているわけではないだろう. おおくのひとにとって,ここからまなべる点はすくなくないものとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 3 時間で「専門家」になる私の方法@ [bk1]3 時間で「専門家」になる私の方法@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-27

私は,以前はいろいろ本を読んでもその内容をすぐわすれてしまうことがおおかったようにおもいます. しかし,最近はとくに印象的な本を中心として “書評” をブログに書き,それを Amazon (アマゾン) と BK1 (ビーケーワン) にものせています. こうすることで,ある程度記憶が定着するし,わすれたときには自分が書いた “書評” をみればさらにおもいだします. つまり,Web / ブログ を利用して読書を活性化しているわけです.

つづく…

2008-02-19

「知的生産術」 ということばからは,本やブログの読み書きや取材,パソコンのつかいかたというような,頭をつかうことばかりが想像される. しかし,この本に書かれているのはそれだけではない. 自転車のつかいかた,飲食や睡眠,運動などの生活にかかわることなど,知的生産をたかめるために著者が実行しているありとあらゆることがつめこまれている.

読者がこの本に書かれたことをそっくりまねても,たぶんうまくいかないだろう. 著者は著者にあったやりかたをえらんで,この本に書かれた方法論をきずきあげたが,読者は自分でその方法をさがさなくてはならない. しかし,そのときにこの本はさまざまなヒントをあたえてくれるだろう. 非常に刺激的な本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 新・知的生産術@ [bk1]新・知的生産術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-02-23

私の常識に反する会社での PowerPoint プレゼン資料づくり」 には,会社で私がつくった PowerPoint ドキュメントが予想しない方向に改訂されて唖然としたことを書きました. それ以来,おおくの日本人が PowerPoint によるドキュメントやプレゼンテーションについてどうかんがえているのかを知るために,それらに関する本をすこし,しらべてきました. その結果,日本にはプレゼンテーションのノウハウと PowerPoint のつかいかたの両方をバランスよく書いた本がみあたらないこと,アメリカにはそういう本があるけれどもかなりぶあついことなどがわかりました.

つづく…

この本は基本的には PowerPoint を買ってもついてこないマニュアルがほしいひとが買うものだろう. PowerPoint がなんのためのソフトウェアなのか知らないひとがこの本をみても,さっぱりわからないだろう. マニュアルであればそれはかまわない. しかし,この本のようにただソフトウェアの機能とそのつかいかただけを淡々と説明されたのでは,自分がやりたいことのためにどの機能をつかったらよいかもわからない.

PowerPoint は汎用性のたかいプログラムだから,まずつかうべき機能がどれなのかを説明する必要があるだろう. この本ではいろいろな目的をもったひとみんなにつかいかたを説明しようとしているが,それでは自分がつかいたい機能がどれなのかはわからない. 私の会社でも PowerPoint のどの機能をつかえばよいのかがわかっていないひとがおおい. それは,こういう情報 (本) がはびこっているからなのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ひと目でわかる Microsoft Office PowerPoint 2003@ [bk1]ひと目でわかる Microsoft Office PowerPoint 2007@ [bk1]ひと目でわかるMicrosoft Office PowerPoint 2003@Amazon.co.jp

つづく…

この本にはマニュアルや上記の本などではめだたない,あるいは書かれていない “高級なわざ” が中心に書かれている. PowerPoint の機能や使用法をひととおりマスターしたひとが,短時間でもう 1 歩ふみだすにはよいだろう. PowrPoint がプレゼンテーション用のソフトである以上,PowerPoint の本にはそれをどうつかえばプレゼンテーションが効果的にできるかを書くべきだとおもう. しかし,ここではプレゼンテーションの基本ははっきり書かれてはいない. もっとも,つかわれている例はプレゼンテーションの基本にそったものだということはできるが…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: PowerPoint 実践技 & 上級技大全@ [bk1]PowerPoint 実践技 & 上級技大全@Amazon.co.jp

つづく…

この本は企画書における図解のかきかたに関する本であり,他の種類のプレゼンテーションは対象になっていない. したがって,PowerPoint の機能に関するひととおりの説明のあと,「「よい企画書」 とは?」 というところから話がはじまっている. 目的をしぼった本の導入として,これは適切だといえるだろう. しかし,書きたいのが企画書だとしても,図解だけがわかれば書けるわけではないので,これだけで十分というわけではない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 企画・プレゼン図解の極意@ [bk1]企画・プレゼン図解の極意@Amazon.co.jp

つづく…

この本はいきなり図解の話からはじまる. プレゼンテーションにおいて図解は重要なものだといえるだろうが,そういう導入的な話はいっさい書いてない. この本で解説されている図解がプレゼンテーションのなかでどのように位置づけられ,どういかされるべきなのかは,この本からはわからない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: PowerPoint の図解が 3 分間で書ける本@ [bk1]PowerPoint の図解が 3 分間で書ける本@Amazon.co.jp

つづく…

この本のタイトルからは PowerPoint による図解のひろい応用をめざしているようにみえる. しかし,なかをみると実はこの本は 「企画プレゼン 図解の極意」 の続編であることがわかる. この本のほうがあたらしくて図解のパターンなどに関してはゆたかになっているが,導入はほとんどない. タイトルから 「企画」 がぬけているためにダマされてこの本だけを最初に買ってしまったひとがもしいるとすれば,不幸だといわざるをえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 攻めるプレゼン 図解の極意@ [bk1]攻めるプレゼン 図解の極意@Amazon.co.jp

つづく…

“Bible” シリーズとともに有名な “For Dummies” シリーズとはちがって,1 冊で “まにあう” ように書かれている. この本は PowerPoint の機能をざっとみるところからはじめているが,第 2 章はプレゼンテーションの基礎の解説にあてられている. PowerPoint を前提とするのでなく,これからおこなおうとしているプレゼンテーションにどういう手段が適切なのかというところから検討するように書かれている. プレゼンテーションのための部屋のかたちや聴衆・テーブルの配置の代案まで検討されている.

PowerPoint の機能やそのつかいかたの説明も Microsoft Press の「ひと目でわかる Microsoft Office PowerPoint 2003」 などよりはるかにくわしいのだが,やはり私の目からみるとプレゼンテーションの基礎から書いてあるところがよいとおもう. ただし,(まだ内容をよく読んでいないので,からなずしもよくわからないが) いったん機能の説明にはいってしまうと,プレゼンテーションの基本との関係が希薄になっているようにおもえる. つねにそこにたちもどりながら説明することがのぞましいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: PowerPoint 2007 Bible@Amazon.co.jp

つづく…

2008-03-09

本書は 「通勤時間は長いほどよい」 という逆説からはじまっている. ただし,「通勤電車で重要なのは,座っていくということ」 (p. 44) である. 電車で長時間すわっていられれば集中して読書や思考ができることは私も経験した. しかし,著者は 「いまは職住近接で,朝の時間はさらに有効に使えるようになった」 (p. 113) とも書いているので,逆説はやはり逆説として理解したほうがよいのだろう. 仕事は始業前にはじめて残業はしないのがよいとも書かれている. 仕事に追われるのでなく仕事にむかっていくということだろう. いろいろ矛盾はふくんでいるようにおもえるが,まずこの積極的な姿勢はまなぶことができるし,いろいろヒントをあたえてくれるとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 通勤時間「超」活用術@ [bk1]通勤時間「超」活用術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-13

一般的な知的生産の方法ではなくて研究の方法についての本である. さまざまな研究に挑戦しつづける著者がその秘訣を語っている. とくに,他人の知識を利用するためのさまざまな方法に興味をひかれる. そのためには社交的になりなさいというのは私にはなかなか実践しがたいが,メールより電話のほうがきかなかったことまでおしえてもらえるからよいという記述には納得させられる. ほかにもさまざまなことが書かれている. 一部はふるくなっている点もあるが,絶版 (品切れ?) になっているのが惜しい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 知的生産 考える技術@Amazon.co.jp

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2008-05-05

著者はモノを捨てることと情報を捨てることとをくべつしていない. そこがこの本の画期的な点なのかもしれない. 常識を捨てなければどちらも実現できない. しかし,やはりモノを捨てるのと情報を捨てるのとではちがうとおもう. 情報は電子化してかさばらないようにできる. 捨て方の技術に関してはこの本を読むまえから私が実践していることもあって,納得できる点がおおい. しかし,上記のように基本的なかんがえかたにおいて同意できなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「捨てる!」技術@ [bk1] 「捨てる!」技術@ [bk1]「捨てる!」技術@Amazon.co.jp「捨てる!」技術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-07

副題が 「52 の法則」 となっているが,この本のエッセンスは 52 もない. 基本はまず,毎週 1 回 2 時間くらいかけて,やるべきことをすべて書きだす. つぎに,そのなかからつぎにやるべきことをきめて,それに専念する. それだけであり,あとはそれをよりよく理解したり,うまくやるための 「法則」 である. 著者も 「複雑すぎるシステム」 を批判しているが,著者の方法 (GTD) は単純で効果的だからこそ,おおくのひとに支持されているのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ストレスフリーの仕事術@ [bk1]ストレスフリーの仕事術@Amazon.co.jp

つづく…

社会学ではフィールドワークが欠かせないが,社会学や社会調査などの本は調査の技術にかたよりがちである. 著者がこの本でつたえたいのは技術でなく,フィールドワークのこころがまえやかんがえかたである. 社会学者でなくてもフィールドワークやアンケートなどの調査が必要になる機会があるだろう. そういうとき,この本が参考になるのではないだろうか. また,これは 「おもてなし」 のこころにも通じているようにおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「あたりまえ」を疑う社会学@ [bk1]「あたりまえ」を疑う社会学@Amazon.co.jp

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2008-05-08

「調べる技術」 というと,最近ではまず Web をかんがえてしまうが,オリジナリティのあるものを書くにはいまでも取材が重要ということになるだろう. この本の中心は 「わすれさられた」 取材と執筆のルールを読者につたえることにある. 古典的な取材法と執筆法,そして書くテーマも古典的なテーマのなかからあたらしさをみつけるところに価値をおいているのだろう. しかしそれにしても,変化がはげしくなった時代のなかで 「あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくる」 と書かれているのを読むと,違和感を感じてしまう. 取材の場を世界にひろげれば,あたらしいテーマはいくらでもあるはずである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 調べる技術・書く技術@ [bk1]調べる技術・書く技術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-10

プロではなく一般の市民むけに,文献やフィールドワークなどの調査の方法を書いている. 図書館の文献,新聞などのデータベース,フィールドワークなどの調査法を紹介し,KJ 法をつかったまとめかたを紹介している.

資料の検索のためにインターネットをつかってはいるが,インターネット上の資料を Google などで検索してつかうという方法には (だれでもやっているから紹介する必要がないということなのか) わずかしかふれていない. この本で紹介されている方法はむしろプロ向けのものであり,一般市民がかぎられた時間で調査をおこなうにはやはりインターネットがもっとも便利だとおもえる. その意味でこの本よりは 佐々木 俊尚 の 「3 時間で 「専門家」 になる私の方法」 に軍配をあげたい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 自分で調べる技術@ [bk1]自分で調べる技術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-16

速読法にしたがって本の内容をはやく吸収することより,自分の目的にあう部分だけを読むことをすすめている. また,「読書でいちばん大切なことは,「考えること」 なのです」 といいきっている. しかし,ひとりよがりな読書をすすめているわけではなくて,どんな本でも読むようにすること,ふだんは読まない本をよむことなどをすすめている. 私には共感する点がおおかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: インテリジェンス読書術@ [bk1]インテリジェンス読書術@Amazon.co.jp

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2008-06-18

著者は,文章を読んだり書いたりするとき,文章の構造を図にかいてみればよくわかる,どう書けばよいかがわかる,ということを主張している.すくなからぬ例をつかって具体的に図のかきかたなどを説明している.

図にかくことで直観的に文章構造の概要を把握できることはたしかだろう.しかし,すくなくともこの本で説明されている文章の構造は単純であり,ほとんど箇条書きで表現できる内容である.そういう文章を読んだり書いたりするのに,とくに効率をかんがえるとき,はたして,てまをかけて図をかくのが最適な方法なのかということに疑問を感じる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 論理的に考える技術@ [bk1]論理的に考える技術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-19

ほんとうに,てまをかけて図をかくべきなのか ?」 という項目にすこし書きましたが,村山 涼一 の 「論理的に考える技術 ― 図形化すれば考えはこんなにまとまる」 という本では論理的にかんがえるための訓練として,文章を読んだり書いたりするときにその内容を図形化 (視覚化) してみることをすすめています. ほかにも論理を図によつて表現することをすすめる本はすくなくありません. たしかに,訓練として有用なばあいもあるでしょうが,私には,図にしなくても箇条書きにするだけでほぼ必要がみたされてしまうようにおもえます.

つづく…

村山 涼一 著 「論理的に考える技術」 は論理的にかんがえるための訓練として,文章を読んだり書いたりするときにその内容を図形化 (視覚化) してみることをすすめています. 論理を重視する文章においてはこういうやりかたをとるのはもっともだとおもいます (とはいえ,私自身はかならずしも同意しません) が,この本においてはおなじやりかたを小説や童話を書くのにも適用しようとしています. これは,さすがに,ワルノリといってよいでしょう.

つづく…

2008-06-20

日経ビジネス Associé の 2008-7-1 号ではビジネスメイルに関するアンケートの結果が紹介されています. アンケートの項目のひとつは 「ビジネスメールは 24 時間いつ送っても構わないとおもいますか?」 というものですが,それに対するこたえは 49% が 「深夜や早朝は避けて業務時間内に送るのが適切」 であり,39% が 「24 時間いつでも構わない」 です. こういうふうに結果が二分されたのは,メイルを PC でうけているのか,携帯でうけているのかを区別していないからではないでしょうか. それをくべつしないと,この項目はあまり意味がないようにおもえます.

つづく…

2008-07-02

「知的生産法」 ときいておもいだすのは 梅棹 忠夫 の 「知的生産の技術」,川喜田 二郎 の 「発想法」,野口 悠紀雄 の 「「超」整理法」 などだが,この本はこれらと共通しているところもありながら,だいぶちがう. パソコンもデジカメもつかわない古典的なやりかたはこれらにちかいが,B6 カードなどをつかって整理することはやめて,B5, B6 のノートをつかっているという. これらのノートから,いきなり本を書くのだという.

この本におもに書いてあるのはそういう情報の整理のしかたではなくて,「現場」 つまりフィールドワークでのふるまいかた,ひととのつきあいかたなどが中心である. 梅棹や川喜田の本もフィールドワークの方法を書いていたはずだが,内容はずいぶんちがう. おなじフィールドワークをするのでも,外部からみるのと内部にとけこんでみるのとのちがいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 現場主義の知的生産法@ [bk1]現場主義の知的生産法@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-17

「普通のひと」 でもできそうな部分とできそうもない部分と両方をふくんでいる. できそうな部分としては手帳のかきかたがある. こまかくわかれた市販の手帳の欄は無視して,つかいやすいようにつかえばよいということ,日ごとのページと月ごとのページにスケジュールを重複して書くのはやめるということなどが書かれている.

それに対してファイリングに関しては,キャビネットの写真がいくつかあるが,とてもこれだけのスペースを確保できないだろうとおもってしまう. 場所がせまくてもできることはもちろんあるだろうが…

いずれにしても,ほかのひとがあまり書いていないことがいろいろある. 読む価値のある本だとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 能率 10 倍のシンプル仕事術@ [bk1]能率 10 倍のシンプル仕事術@Amazon.co.jp

つづく…

第 1 章に 「これからは 「専門バカ」 よりも 「何でも屋」」 ということばがある. 何でも貪欲に勉強して本を書こうというひとには,この本は参考になる点がおおいだろう. しかし,専門 「バカ」 はこまるが評論を書くにも解説書を書くにもやはり専門を核にするべきだとおもえる. すくなくとも,専門をおろそかにしてみんなが広く浅くをめざしたら,日本はほろびるだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 単行本 他人の 10 倍仕事をこなす私の習慣@ [bk1]他人の 10 倍仕事をこなす私の習慣@Amazon.co.jp; 文庫 他人の 10 倍仕事をこなす私の習慣@ [bk1]他人の 10 倍仕事をこなす私の習慣@Amazon.co.jp

つづく…

2008-10-01

「ひと月に 50 冊 本を読む方法」という副題がついている. 200 冊とかでなく 50 冊であるところが重要だ. つまり,ただはやく読むだけでなく,目的に応じてさまざまな読みかたができるように訓練する方法を紹介している. 視線移動の訓練法などが具体的に紹介されている.私自身はまだ,こころみていないが,よさそうにみえる.

ただ,速読のための例文としてとりあげられているのが夏目漱石の 「こころ」 だったり,寺田寅彦随筆集だったりするのだが,おおくのひとにとっては速読したい本はもっとあたらしい本なのではないかとおもう. いささか,違和感があった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: すごい速読術@ [bk1]すごい速読術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-10-08

大学教授を定年退官して時間ができた著者は,本を書きはじめた. この本はその習慣を読者にもすすめている. 著者の 「書き方」 には参考になる点もあるが,あまり内容の濃い文章ではない. そのぶん,はやく読めるが,あまりのこるものもない. ただ,ひとつおもしろかったのは 「書いて千円を得るためには,1 万 ~ 10 万円の投資が必要だ」 というところだ. 金もうけをかんがえないところはよいが,読者を満足させることもかんがえていないのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: まず「書いてみる」生活@ [bk1]まず「書いてみる」生活@Amazon.co.jp

つづく…

2009-01-19

本を読んでえた情報も,読みたい本に関する情報も,みな 1 冊のノートにまとめることをすすめている. ひとつにまとめることで,あつかいやすくなるのはたしかだろう. しかし,著者もすべてをこのノートでまにあわせているわけではなく,書店で買いたい本は 「探書リスト」 というべつの紙に書き,検索にはアマゾンやセブンアンドワイをつかうという.

それなら,ブログやアマゾン,BK1 の書評欄を読書ノートとしてつかい,それらの保存用カートを 「探書リスト」 としてつかう私のやりかたでも,おなじようなことができる. このほうが読書ノートを検索しやすいし,とくに BK1 では書評にすばやくフィードバックがかえってくるので,書きがいがある. もちろん 「探書リスト」 の本をすぐに発注することができる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 読書は1冊のノートにまとめなさい@ [bk1]読書は1冊のノートにまとめなさい@Amazon.co.jp

つづく…

2009-01-31

著者はすでに論文作法を新書に書いているが,田中 克彦 の本を読んで 「楽しい」 論文を書く方法をひとにつたえたいとかんがえて,前著とはまったくちがう内容を本にしている.

著者は多数の論文を査読しているのだろう. この本には査読者の立場がしばしばのぞいている. 査読者を納得させるには論文をどう書けばよいか,そういう視点で書かれた本はこれまでなかっただろう.

しかし,個々の話題に関しては疑問がある部分もある. たとえば,論文の 「はじめに」 の部分をどう書くかはその論文のはじめに要旨があるかどうかでちがうとかんがえられるが,要旨が考慮されていない. 文の構造に関しては 本多 勝一 の方法を紹介し,読点のつかいかたを議論しているが,そこでとりあげられている例題 (f) は,読点のうちかたよりまず語句の順序を再検討するべきだとかんがえられる.

しかし,そういうこまかい欠点はあっても,とくに理科系の論文を論文誌などに投稿するときには,この本は他の本には書かれていなかったいろいろなことをおしえてくれるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: どう書くか@ [bk1]どう書くか@Amazon.co.jp

つづく…

2009-02-02

論文の書きかたから投稿のしかた,発表のしかた,資料の収集・整理法まで,ひととおりのことが書いてある. 2003 年に出版されたものだが,資料の収集・整理法をはじめ,ふるさを感じさせる部分もある. しかし,大半の部分は普遍的であり,参考になる点がおおい. この本でも本田勝一の 「日本語の作文技術」 が引用されているが,理科系のあいだでのこの本の人気をうかがわせる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 理科系のための論文作法@ [bk1]理科系のための論文作法@Amazon.co.jp

つづく…

2009-02-12

いくつものミリオンセラーをだした編集者が,自身の 「読む技術」 を紹介している. 1 日 30 分の読書時間をつくることをすすめ,速読や精読でなく多読をすすめている. また,ペンやマーカーをもって本を読み,重要とおもった文章を書き写すことをすすめている. 「あなたは本当に読めているか?」という章では 「読解力」 をためす問題がならべられているが,この部分は疑問がおおい. 「次の文章で論理的に正しいものはどれか」 という問題では,そもそももとの文章が論理的でないので,正誤がこたえづらい. とはいえ,読者はこの本のなかのどこかで,自分にやくだつものをみつけることができるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: カリスマ編集者の「読む技術」@ [bk1]カリスマ編集者の「読む技術」@Amazon.co.jp

つづく…

2009-02-25

この本にはメールソフトなどをつかう際の 100 のテクニックが紹介されている. そのなかにはきっと読者がつかってみたいとおもうものもあるだろう. しかし,とりあげられているメールソフトは Outlook Express がほとんどで,Outlook がそれについでいる. 最近私の周囲では,私自身もふくめて Thunderbird をつかっているひとがおおいが,それはとりあげられていない. また,多数のメールを受信するひとにとっては,すばやく読めることがたしかに重要なので,そのための方法を紹介するのはもっともだが,メールの返信にはどちらにしても時間がかかるので,ショートカットなどをつかって 「1 秒で送信できる」 というたぐいの方法はあまり効率の向上にはやくにたたないだろう. つかえる方法はわずかだとおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 1秒を争う人のメール術@ [bk1]1秒を争う人のメール術@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-23

内山 悟志 著 「名前だけの IT コンサルなんていらない」 という本には,「脳を活性化させる 「多読」 のススメ」 という,かこみがある (p. 82). そこには,つぎのようなことが書かれている. 本の著者は 「どんなに知識や経験を注ぎ込んでも,12 万文字 [1 冊分] が埋められない場合があります. そんなときは,一般的に著者は 「水増し」 をします. つまり,書籍のテーマとはある程度関連するが本題ではなく,参考程度の情報を付け加えるのです. 水増し部分を見極めることができたら,その部分を読み飛ばせるため,多読も容易になってきます.」 いわれてみればそのとおりだが,かんがえたことがなかったし,こういう話を読んだこともなかった. これは達見だといってよいだろう.

つづく…

IT コンサルタントをめざす SE のための本である. 著者はコンサルタントではなくアナリストだという. IT コンサルタントにもとめられる能力の大半は特殊なものではなく,他の職種のひとも必要としているものであり,本書の内容もコミュニケーション,プレゼンテーション,ドキュメンテーション,プロジェクトのすすめかたや管理,調査,問題解決などのポイントをおさえていて,おおくのひとにやくだつものとなっている. 本文もやくだつのはもちろんだが,章ごとにある囲みの内容も著者の経験や裏話など,興味ぶかい内容にみちている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 名前だけのITコンサルなんていらない@ [bk1]名前だけのITコンサルなんていらない@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-26

この本には IT アーキテクトやコンサルタントに必要な知識,スキルなどが系統的に整理され,説明されている. それはたしかに有用な知識だろう. しかし,あまりにも建前的でありすぎる. 著者は以前 IT アーキテクトやコンサルタントを経験したということだが,現在はそこからはずれているために,なまなましい記述ができなくなっているのではないだろうか. この内容なら,専門家でなくても書けるのではないかとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ITアーキテクト×コンサルタント@ [bk1]ITアーキテクト×コンサルタント@Amazon.co.jp

つづく…

この本のはじめにコンサルタントの仕事や業界を分類している. この本はそれらをすべてあつかっているわけではなく,著者がおもにたずさわってきた炎上する IT プロジェクトの火消し役を中心として書かれている. こういう仕事においては,「2 ちゃんねる」 などに変なスレッドがたっていないかチェックするというような,「なるほど!」 とおもわせる内容が書かれている. 詳しい説明はないが,コンサルタントの 7 つのロールのひとつとして 「エネミー」 つまり反面教師・仮想敵として周囲の不満のはけ口になるというロールがあることなども書かれている. うすい本なので網羅的ではないが,密度はたかい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: SEからコンサルタントになる方法@ [bk1]SEからコンサルタントになる方法@Amazon.co.jp

つづく…

2009-05-11

プレゼンテーションなどの際には文章ではわかりにくい要素や要素間の関係を図解するとわかりやすい. この本では図解の要素としてまず○△□などのかたちをとりあげ,つぎに矢印や線など,それらを関係づける方法を論じている. そのあとで論理思考を 「図解の説得力を高める」 ものとして論じている. これは順序が逆だろう. まず論理があって,それを直観的にわかりやすくするために図解があるはずだ.

この点にかぎらず,この本においては 「論理」 がよわいとおもえる. MECE を 「モレやダブリのない状態」 と説明しているのはよいが,それを論理学の用語と紹介したり,不適切な例をあげているのもそのひとつだ. ひとを説得するには論理がしっかりしていることがまず必要だろう.

図解の入門書はいろいろあるので,他の本をえらんだほうがよいだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 図解する思考法@ [bk1]図解する思考法@Amazon.co.jp

つづく…

2009-05-15

マインドマップとはなにかという問のこたえをみつけたいというのが,この本を手にとったひとつの理由である. しかし,これまでにわかっていた以上に明確なこたえはみつからなかった.

マインドマップはなににつかえるのかという問のこたえはこの本のなかにいろいろ書いてある. しかし,どれも私には説得力をもたなかった.

マインドマップは木構造 (ツリー) にみえるが,ちがうという.ちがいは明確にされていないが,マインドマップにはアート性があるのはたしかだろう. アート性があるために,マインドマップをつかえば文字だけのノートより脳に刺激をあたえることができるだろう. しかし,マインドマップはアートというよりはブラックアートだともおもえる.

マインドマップにはいろいろなことばのあいだの連想的な関係が記述される. しかし,それがどういう関係なのかはわからない. また,論理を記述することもできないだろう. この本じたいが,文章で書かれていてはいても,論理がよくわからない. マインドマップのような文章である. マインドマップばかり書いていると,そうなってしまうのではないだろうか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ザ・マインドマップ@ [bk1]ザ・マインドマップ@Amazon.co.jp

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2009-05-28

この本はいきなりアイデアをだすにはどうすればよいか,というところからはじまっている. 思考のコツ,心身の調整,ビジネス環境,余暇のすごしかたなど,いろいろな話題がとりあげられている. 「ビジネス」 ということばがあることからかんがえて,会社での仕事のアイデアをだすことがおもな目的なのだろうが,それにしてもいろいろな場面があるだろう. アイデアの種類やそれをだす目的をぬきにして議論できるものだろうかという疑問を感じる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: アイデアの極意@ [bk1]アイデアの極意@Amazon.co.jp

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2009-06-04

著者はツリー図,ベン図,マトリクス,点グラフ,フロー図という 5 種類の図が,かんがえをまとめるのに役に立つと主張し,そのつかいかたを解説している. 130 ページくらいのうすい本としては,つかいかたをよくまとめているといえるだろう. とりあげられている例は比較的単純だが,それは単純なほうが理解しやすいからなのだろう. しかし,単純な例であれば図示しなくてもかんがえられるともいえる. また,ベン図のように,もともと 4 つ以上の集合を表現するのに適さない,つまり複雑なものがあらわせない図もある. 図をつかうことでほんとうにかんがえやすくなるのだろうか,とくに本書が対象にしている 「忙しいビジネスパーソン」 は図をかくことでかえって時間をつかってしまうようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 自分の考えをまとめる技術@ [bk1]自分の考えをまとめる技術@Amazon.co.jp

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2009-06-11

160 ページほどのうすい本だが,さまざまな質問の技法が説得力をもって語られている. 図解が多様されているが,読んだあとでそれをみればポイントがすぐにわかるようになっている. 質問する側だけでなく,質問される側,たとえば詐欺などにだまされないようにするためにも役にたつだろう.

指導的な立場にあるひとがこれらの技法を身につければ役にたつことはまちがいないとおもうが,読んだだけではなかなか身につかないだろう. 実践のなかですこしずつ身につけていくか,集中的な訓練が必要だとおもえる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: するどい「質問力」!@ [bk1]するどい「質問力」!@Amazon.co.jp

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2009-07-25

ビジネスには図解と文章のうち,どちらが重要か? この本は図解派と文章派の 2 人が分担して執筆した本である. 結論は両方うまくくみあわせるのがよいという常識的なところにおちついているが,それぞれの主張を比較するのはおもしろい.

私自身はどちらかというと文章派であり,図解でかんがえることはほとんどない. しかし,会社では図解派のほうが圧倒的なので,妥協せざるをえない. 文章派の主張がまったくうけいれられない (文章を書いてもよまれない) 環境でくらしている身には,文章派がどういうところで勢力をのばせるのかが気にかかるが,そういう疑問には本書はこたえてくれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 図解 vs 文章@ [bk1]図解 vs 文章@Amazon.co.jp

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2009-09-04

著者は無理をせず自然な発想でつぎつぎアイデアをうみだしている. さまざまなひとと会って話をするなかでうみだしたアイデアを,相手におしみなくおしえている. この本にはそういう,いろいろ奇抜なアイデアをうみだす過程が書かれていて,うみだされたアイデアもおもしろいし過程もおもしろい. 著者のようにすればだれもがポンポン,アイデアをだせるというわけではないとおもうが,参考になる点はあるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 考えないヒント@ [bk1]考えないヒント@Amazon.co.jp

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2009-09-12

最近は論理的思考をきたえるための本がはやっている. 著者はそれに批判的であり,左脳より右脳をきたえることを提案している. パソコンをつかって検索したり整理したがる最近の知的生産のやりかたにも批判的であり,もっとふるくからある 「アナログ」 的なやりかたをすすめている.

たしかに,論理的思考をきたえてもあたらしい発想がうまれるわけではないし,パソコンをつかっても必要なときに必要な情報がとりだせるともかぎらない. しかし,あたらしい発想がうまれるのは論理的にかんがえぬいたあと,ふとした瞬間だともいわれている. この本に共感して論理的思考をなおざりにしてしまうのは危険だろう. また,著者の議論は多分に抽象的であり,あたらしい発想がうまれた現場をとらえていないので,この本の迫力はいまいちだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: スパークする思考@ [bk1]スパークする思考@Amazon.co.jp

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この種の本のなかにはできもしないことを書いているのではないかとうたがわれる内容のものもある.しかし,この本ですすめている方法はもっともだ.G メールの使用など,会社づとめの身にはセキュリティ・ポリシーの関係からできないこともあるが,個人でやるにはよい方法だとおもう.私自身は 10 数年まえからメールの分類をやめて検索にたよっているので,ぴったりだ.とはいっても,スケジュール管理はいろいろ問題があって,この本のようにスマートにはいっていないのだが…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「超」情報検索・整理術@ [bk1]「超」情報検索・整理術@Amazon.co.jp

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2009-11-10

私は Word で論文などを書くためにスタイルなどをくふうしているが,他人がどうやっているかはあまりよく知らない. 本書の副題は 「文書も頭も構造化する」 となっていて期待させたが,内容はほとんど瑣末的なことばかりで期待はずれだった.

期待していたのは論文の構成要素や構造がこうなっているから,こういうふうにつかうべきだというような内容だが,書いてあるのはタブやインデントのつかいかた,タブや表をつかって図をかくやりかたなどだ. はじめのほうにテンプレートのつかいかたがかいてあるが,そもそも論文をかくにに適したスタイルの定義がないのにテンプレートを定義してもしかたがないようにおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: Word 利用法@ [bk1]Word 利用法@Amazon.co.jp

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2009-12-31

「ソフトシステム論」 にもとづく文章,図表,統計,百科事典,年表,Web など,さまざまなメディアの読みかたについての本である. MBA の授業をまとめた本ということであり,知識としてえられるものはすくなくない. しかし,この本からえられる知識だけで 「読む」 ための実践的な技術が身につくとはおもえない. A5 版 280 ページくらいの本だが,内容のひろさのわりにページ数はすくないので,「広く浅く」 という感はまぬがれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「読む」技術@ [bk1]「読む」技術@Amazon.co.jp

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妹尾 堅一郎 の 「「読む」 技術」 には,文章や通常の図表の読み方ももちろん論じられているが,特徴的なのは百科事典と年表の読み方が論じられていることである. 私はちょうど Wikipedia の年代軸検索のプログラムを開発したところなので,とくにここに興味をひかれた.

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2010-01-28

テレビ,本,携帯電話など,さまざまなメディアにおける議論の問題点を具体例でしめしている. 本としては 「ゲーム脳の恐怖」 がとりあげられ,「論述が誤りを多く含んでいるということと,主張が誤りだということは直結しない」 とことわりながら,そこにふくまれるさまざまな 「虚偽論法」 を分析している. アマゾンにおける批判的な書評も具体例があげられている. 著者にとってみれば格好の材料だったのだろうし,ゲームがすきな多くのひとをよろこばせることになっているようだが,この本からばかり例をあげるのが適切だったのかどうか,疑問を感じる.

携帯電話に関してはペースメーカーなどの医療機器に影響をあたえるかどうかという問題がとりあげられている. 総務省の 「平成 14 年度報告」 がとりあげられて,その 「矛盾」 が指摘されている. しかし,実はここには論理的な矛盾があるわけではなく,「安心」 (引用されたことばとしては 「不安」 の解消) をめざした調査を 「安全」 とよみかえて延々と議論しているのはいささか珍妙だ.

このように疑問点もいろいろあるとはいえ,えるところが多々ある本であることもたしかだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 議論のウソ@ [bk1]議論のウソ@Amazon.co.jp

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2010-02-01

哲学者である著者は,21 世紀にはだれもが研究や勉強をするための書斎を必要とするという. 仕事とはべつに自宅で 「研究的生活」 をすることをすすめている. このすすめは,この本で紹介されているように著者がすみかをかえるたびにさまざまな書斎をもってきた経験からきている.

といっても,著者自身もいつもめぐまれた書斎で研究的生活をしてきたわけではない. 場所はかぎられていても,書斎を確保し,研究的生活をおくる. だれもができることではないとしても,またこの本から研究的生活の必然性がよみとれるわけでないとしても,この本から触発されることはいろいろある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 研究的生活の方法@ [bk1]研究的生活の方法@Amazon.co.jp

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2010-02-02

著者は (一流なのかどうか私は知らないが) 学者であり,学者になりたいひとが知るべき経験をいろいろしていることはまちがいないだろう. そういう意味ではこの本は参考になるだろう. しかし,著者は 「定年後に 1 から始め」 たわけではないようなので,この本のタイトルを文字どおりうけとることはできない. ほんとうにそれをめざすひとにとっては,たぶん,あまり内容の濃い本だとはいえない. 著者は多数の本を書いていて,そのなかには類似のテーマもあるから,他の本を読むほうがえるところがあるようにおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 一流学者になる方法@ [bk1]一流学者になる方法@Amazon.co.jp

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2010-02-07

本を読んで自分のあたまでかんがえるための姿勢や鍛錬のしかたについて書きながら,ボールペンから PC ソフトウェアまで,さまざまなツールを紹介している. いろいろなソフトウェアが登場しておもしろいが,マイナーで首をかしげるものもおおい. あまり真にうけると,せっかく PC に入力したテキストがあとでつかえなくなって,泣くことになるのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 自分で考える本@ [bk1] 自分で考える本@Amazon.co.jp

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2010-05-04

グラフによるさまざまな 「だまし」 の技法が紹介されている. だまされないようにするためにつかうか,だますためにつかうかは読者しだいだ. 「だますためにつかう」 というと,ひとぎきがわるい. しかし,よくいえば,効果的なプレゼンをするための技法ということでもある. この本の例をみていくと,だますプレゼンと効果的なプレゼンとの差が微妙だということがよくわかる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: グラフで9割だまされる@ [bk1] グラフで9割だまされる@Amazon.co.jp

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2010-06-09

著者は,仕事の効率をあげるためにさまざまな 「テンプレート」 をつかうことをすすめている. Microsoft Office の文書のひながた (定型文書) をつくっておいて利用すれば効率があがるというのはわかりやすい. また,むかしからいわれている 5W2H の利用も 「テンプレート」 の一種だというのもわかる.

しかし,著者がすすめる 「テンプレート」 のなかには Office などにおけるショートカット・キーや tips (仕事のコツ) を書いたものなどは 「テンプレート」 ということばとはなじまない. 仕事の効率をあげる手段としては共通しているが,それを 「テンプレート」 としてひっくるめられると,かえってわかりにくくなるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: テンプレート仕事術@ [bk1] テンプレート仕事術@Amazon.co.jp

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2010-06-12

展示会などでカンタンに動画をつかえれば便利だとおもうが,こういう目的での動画編集に関する本はすくない. これはそのなかでは貴重な本だということができる.

しかし,複数の著者がバラバラに書いた原稿をまとめただけの本という印象であり,まとまりに欠けている. 学会でのプレゼンテーションが目的なのだから,その目的のために必要な要素ごとに書いてほしいところだが,使用されている用語も動画編集ツールのマニュアルで使用されている用語をそのままつかっていて,目的にあっていないようにおもえる.

あまり売れそうもない本なのでやむをえないが,カラー図版がおおいとはいえ,111 ページで 3150 円というのはやや高価だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 学会発表のための動画編集マニュアル@ [bk1] 学会発表のための動画編集マニュアル@Amazon.co.jp

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2010-06-17

トニー・ブザンの本も読んだが,いろいろな体験談やいろいろなひとが書いたマインドマップがとりあげられているこの本のほうが,マインドマップとはなにかがわかる気がする. マインドマップにはいろいろな側面があるが,この本ではデザイン思考という面からみている. きれいにかくことによってポジティブな気分になる. それはけっして軽視するべきことではないだろう. とはいえ,やはりこの本を読めばマインドマップというものがよくわかるということではない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: マインドマップ@ [bk1] マインドマップ@Amazon.co.jp

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2010-06-20

Twitter のさまざまなつかいかたからその周辺の Web サイトである Favotter, buzztter, twinavi などや,さまざまなツールまで,さまざまな内容が 190 ページの本のなかにつめこまれている. コアの部分だけ読めば 「30 分で達人に」 なれるということだろうが,もっといろいろたのしめる話題がふくまれている. ほかの本は読んでいないので比較はできないが,自分で Twitter をやろうとおもわない私でも,そこでおこっていることを知るのに,やくだった.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 30分で達人になるツイッター@ [bk1] 30分で達人になるツイッター@Amazon.co.jp

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2010-07-18

作文技術に関する本はおおいが,そのなかでもっともやくにたったのは本多勝一の 「日本語の作文技術」 だ. この本はそれに匹敵するくらい,やくにたつ本かもしれない.

この本では,だれもがいう常識的な点もとりあげているが,具体的かつ実践的である. 読点のつかいかたや修飾語の順序など,本多がしめしたいくつかのポイントもとりあげて,さらにふかめようとしている.

ただ,末尾に収録されている多数の定型表現はどうかとおもう. 現代ではつかえそうもないものもあり,また,辞書的にならべてあるのであまり実践的ではない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語作文術@ [bk1] 日本語作文術@Amazon.co.jp

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2010-08-21

世界でアニメ,ゴスロリ,コスプレなどを取材し,イベントに参加してきた著者が,そのパワーや世界の若者のかんがえかたなどについて書いている. おなじ著者が 「世界カワイイ革命」 などの本も書いていて,基本的な方向はかわらない. しかし,この本では世界と日本とのちがい,とくに世界ではコスプレがうけいれられているのに日本ではあまりうけいれられていないことなどがとりあげられている.

しかし,世界の現象も日本の状況も,十分に分析されているとはいえない. 「クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった」 のはたしかだろうが,アニメがどれだけそれにとってかわれるのか,近視眼的なこの本からはこたえがみいだせない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本はアニメで再興する@ [bk1] 日本はアニメで再興する@Amazon.co.jp

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2010-09-17

パソコンより手書きノートのほうがすごいんだと著者はいう. しかし,読んでもその理由はなかなかわからなかった. 読みすすんでわかったのは,著者にとってはパソコンで書くよりノートで書くほうが脳が活性化されるということだ. 個人差があるが著者にとってはノートのほうがよいということだろう. 読者は自分でどちらがよいかを判断すればよい. 当然のことだが…

過去の有名な作家などがどのようにノートをつかっていたかが紹介されている. 著者にとってはそれもノートをつかう動機なのだろうが,彼らが現代に生きていたら,ノートをつかっていたかどうかはわからないだろう.

それから,著者はブログについてもふれている. ノートに書くのは日記にちかいが,おなじく日記にちかいブログとちがうのは,ノートが個人的なものであるのに対してブログは他人によませるものだということだ. これはあきらかなちがいだが,ノートしかつかえなかった時代に生きていたひとが,いまだったらブログをつかっていたという可能性もあるのではないだろうか. ひとによませたくないものはノート,よませたいものはブログというように,わけて書くかどうか… うまくブログを書くことで,完全ではないがノートのかわりにもなるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 思考・発想にパソコンを使うな@ [bk1] 思考・発想にパソコンを使うな@Amazon.co.jp

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2010-09-29

9 人のスゴ腕編集者へのインタビューからなりたっている. 各編集者が編集した本,書いた本の表紙の写真がちりばめられている. それをみると,好感がもてるものもあるが,内容からはずれてとにかくひとの目をひいて売ろうとしているようにみえるものもある. そういうのをみると,アマゾンで電子本を売りまくって得意になっている本と大差ないようにもみえてくる. 一方で,共感する編集者もいる. スゴ腕編集者のなかにもいろいろいるということがわかって,よいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: スゴ編@ [bk1] スゴ編@Amazon.co.jp

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2010-09-30

最近は 「自炊」 つまり断裁機とスキャナをつかって自分の蔵書を電子化するひとがふえていて,アンケートをとると 「自炊」 した経験があるひとが 20% 前後いたというが,著者は 9 年前からそれを実行してきたという. だから,この本には 「自炊」 のしかたはもちろんだが,紙ではできなかったいろいろな利用法や,iPad などに多数の本を収容したときのつかいかたや課題など,他の著者では書けないことがいろいろある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: iPadでつくる「究極の電子書斎」@ [bk1] iPadでつくる「究極の電子書斎」@Amazon.co.jp

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2010-10-06

オフィス・ドキュメント生産のプロセスをソフトウェア開発のプロセスになぞらえて,ウォーターフォール型やプロトタイピング型のプロセスを論じ,「デバッグ」 のやりかたを論じている (が,本書の内容がそれだけというわけではない). 「書かない技術」 というと,ソフトウェアのばあいは既存のプログラムの再利用を意味する. 読むまえには,ドキュメントについてもあらかじめ部品を用意してつかうことをすすめているのかとおもっていたが,そうではなかった. 書くために必要以上に時間をかけない技術ということであり,それはもちろん重要だが,期待していた内容ではなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ドキュメントハックス@ [bk1] ドキュメントハックス@Amazon.co.jp

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2010-10-17

2 人の著者は iPhone の使用にちがうくふうをしているのだろうとおもう. しかし,この本ではそれが融合されている. 読者は著者とはちがうつかいかたをするだろうから,読者が自分にあった方法をみるけることができるように,いろいろ選択肢を書いているということかもしれない.

しかし,そのために,著者がほんとうはどういうふうに iPhone をつかっているのかが,みえにくくなって,ちょっとウソっぽくなっているようにもおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: iPhone 情報整理術@ [bk1] iPhone 情報整理術@Amazon.co.jp

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2010-11-21

この本にとって 「ボトルネック」 ということばにそれほどの意味があるとはおもえないが,知識の不足の問題を中心として,選択の困難,健康・習慣・好奇心の不足などの問題もあわせてあつかっている. 「知識」 の問題は単なる 「情報」 の問題ではなく,「手法」 や 「技能」 の問題もおなじくらいのウェイトをおいてあつかわれている. 「論理思考」 に関する本が多数出版されているが,この本ではそれは 「手法」 の一部としてあつかわれている.

個別の 「ボトルネック」 を追求するまえに,まずこの本を読んで全体をみるとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 思考のボトルネックを解除しよう!@ [bk1] 思考のボトルネックを解除しよう!@Amazon.co.jp

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2010-12-16

定年後も興味のあることをみつけて学習し,知的にすごそうという趣旨はまったく賛成だ. しかし,それ以外に共感できるところはあまりなかった. 定年に達したら蔵書をすべててばなす学者や最終講義でなにもはなすことがなかった大学教授の話をされても,あまり得るところはない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 知的余生の方法@ [bk1]知的余生の方法@Amazon.co.jp

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2011-01-08

「アナログ」 と 「ディジタル」 ということばは本来の意味からはずれて,さまざまな意味でつかわれる. この本では 「ディジタル」 はほとんどウェブやインターネットと同義であるようにみえる. それに対して実世界や紙つまり雑誌,新聞,本などは 「アナログ」 だ.

著者が指摘している 「ディジタル」 情報の問題のひとつは,それがたいてい 2 次情報だということだ. 著者は 1 次情報の重要性を強調しているが,それは 「アナログ」 であることがおおい.

それに,「ディジタル」 の問題のひとつは視野狭窄しやすいことなのだろう. Web で検索するとヒットしないものはまったく目にとまらない. 電車の車内広告や,新聞の紙面のはしにある記事や,ほしい本とは直接関係がない読書案内など,周辺的な情報がはいりやすいのは 「アナログ」 だ.

こういう論旨からすると 「アナログ」 と 「ディジタル」 ということばが最適だとはおもえないが,内容には共感することができる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アナログ主義の情報術@ [bk1]アナログ主義の情報術@Amazon.co.jp

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2011-01-26

もののかんがえかたや学習のしかたなどについての 1970 年代くらいに書かれた短文をまとめた本だ. 最近の本がおおかれ,すくなかれ,教養主義が死滅し情報資本主義的なかんがえかたに毒されているのに対して,この本はそれ以前のもっとナイーブな思考や教養主義にもとづいていて,かんがえさせられることがいろいろある. しかし,すでに 「このごろどこでも会議というものがやたらにある」 というように,現代病があたまをもたげている. もういちど,こういう時代からただしい方向にすすんできたのか,それともまちがった方向にきてしまったのか,こういう本を読んでかんがえなおしてみてはどうだろうか?

評価: ★★★★☆

関連リンク: 知的創造のヒント@ [bk1]知的創造のヒント@Amazon.co.jp

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2011-03-08

「デザイン思考」 ではデザインということばをひろくとらえる. 著者の仕事は商品や Web の企画やデザインだというから,「デザイン思考」 の中核的な部分をあつかっているといえるだろうが,この本では野外科学やパースの哲学の話まで登場する. 野外科学が登場するのは KJ 法という発想法との関係だし,パースが登場するのはアブダクションという推論の方法が企画発想にやくだつからにほかならない. これらと 「デザイン思考」 との関係は,いまいちすっきりしないが,「デザイン思考」 のためにはそのときどきで目的にあった方法を選択するのがよいということなのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デザイン思考の仕事術@ [bk1]デザイン思考の仕事術@Amazon.co.jp

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2011-03-27

研究だけでなくマーケティングのような実践的な目的までふくめたフィールドワークの方法を,さまざまな関連文献を紹介しながら説明している. 著者は実際にフィールドワークをおこなうときの手引きとしてつかわれることを期待している. 関連文献の要点は紹介されているから,まずはこの本を手引きとして出発することができるだろう. しかし,参照されている文献をいかすためには,フィールドワークをはじめるまえに読んでおくべきだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 実践フィールドワーク入門@ [bk1]実践フィールドワーク入門@Amazon.co.jp

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2011-04-07

時間を有効につかうには,携帯電話やツイッターやブログなど,情報量のうすいコミュニケーションは極力排して,クリエイティブな時間をふやすべきだと著者はいう. もっともな部分もあるが,ここまで効率を追求すると,だいじなものがこぼれおちてしまうのではないかとおもう.

自分がブログを書くのはよいが,ひとのブログはみないほうがよいという主張は,あまりにひどいのではないか. ホロスコープなど,「非科学的」 なものに対する攻撃もはげしいが,べつに,たのしみや安心のために星占いをしてもいいではないか.

著者は 3 代世襲の私大学長 / 経営者だというが,まちがってそんな大学にはいってしまったひとは不幸だとおもえる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 40歳からの知的生産術@ [bk1]40歳からの知的生産術@Amazon.co.jp

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2011-05-07

この本では,新聞など,従来のメディアを読むときにもつかえる知識もえられるが,なんといってもおもしろいのはツイッターに特有の知識だ. ツイッターでは文脈がつたわりにくいので一部だけをみて流言がひろまっていくこと,ツイッターの検索機能が貧弱なためにおこる誤解などなど.

タイトルや帯をみると,この本を読めばネットの情報をパッとみて捨てるべきものが捨てられるようになるような印象をうける. しかし,読んでみるとそうではなくて,誤解・流言をへらすには文章をちゃんと読む,裏をとるというように,より多く読む努力をかさねることがやはり必要だということだ.

評価: ★★★★☆

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2011-09-20

英語の論文を書くとき,構成と表現の両方が課題になるが,この本は基本的に後者だけをあつかっている. さまざまな英語らしい表現が紹介されている. ある程度,論文を書く経験をかさねたひとが,もう一度みなおすときに読むのに適しているだろう. 何度書いても時制をどうするべきかはまようが,それについてもおよその解がしめされている. 表現についても構成との関係で注意するべき点があるとおもうが,それはほかの本で知る必要があるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 理系のための英語論文執筆ガイド@ [bk1] 理系のための英語論文執筆ガイド@Amazon.co.jp

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卒業論文などのかきかたについて何冊も本を書いている著者だが,論文をかきはじめるときには七転八倒すること,途中からかきはじめることができずに頭からかきはじめることなどを告白している. ということは,途中からしか書くことができない私などはこの本からえられることがすくないということかもしれない. たくさん勉強しすぎると自分でかんがえなくなるからよくないという著者のかんがえにも賛成できない.

「論理的思考法」 や 「論理的な議論」 にはっきりした方法がないということも書いているが,演繹や帰納はもちろん推論の方法はさまざまあるのだから,はっきりしているかどうかはべつとして,そういう方法がないというのはおかしいだろう.

文章には 「つなぎ」 が重要という話も書かれていて,それはそのとおりなのだが,文どうしをつなぐのが接続詞だけであるかのように書いているのは不十分だろう. たとえば代名詞やそれに相当する名詞のくりかえしなどもつなぎのやくわりをはたしているはずだ.

というわけで,この本には不満な点がおおい. しかし,この本だけ読むのでなくて,ひとつの意見として読むぶんには参考になる点があるだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 論文の書き方@ [bk1] 論文の書き方@Amazon.co.jp

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2011-09-21

大学生むけの論文の書き方本のおおくは卒論に特化されすぎているようにおもう. この本はもっとひろくて,高校生くらいでもつかえるし,興味がもてるのではないだろうか. ネタのえらびかたや調査のしかたも具体例をあげて説明しているし,「論文を書く段取り」 もなっとくのいく説明がなされている. ただ,記号やフォントのつかいかたに関しては,卒論でもここまでこまかく指定しなくても…とおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 論文マニュアル @ [bk1] 論文マニュアル @Amazon.co.jp

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英文を書くのになれていないひとのために,論文の構成から表現まで,ひととおりの説明をしている. 表現は比較的日本人にかきやすいものをえらんでいる (つまり,あまり英語らしくないものがおおい) ようにみえる. たとえば,abstract の例としてあげられている文章では purpose という単語が 2 つの意味でつかわれている (奇妙 !) うえ,自分の研究目的を過去形で書いている (奇妙 !). “It is ...ed (過去分詞)” が多用されているのも Japanese English っぽい. もしかすると初学者にはこのほうがかきやすくてよいのかもしれないが,最初からもっと英語らしい表現が書かれた本をえらんだほうがよいようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: かならず書ける英語論文 @ [bk1] かならず書ける英語論文 @Amazon.co.jp かならず書ける英語論文(ベーシック版) @ [bk1] かならず書ける英語論文 (ベーシック版)@Amazon.co.jp

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2011-09-22

和文にしろ英文にしろ,文章を書くときには文どうしや段落どうしのつなぎをくふうする必要がある. 私のばあい,おもに英文添削で自分が書いた文章の不備をしてきされるのだが,最近たまたま,文章のかきかたに関する本をいろいろ読んで,つなぎについて書いている部分をいくつかみつけた.

つづく…

2011-09-24

この本では論理思考の方法そのものについても書かれているが,重点はその図表や文章による表現,論理思考の結果をひとにつたえたり,それをもとに説得したりするための方法にある. うまくつたわらない原因は,ときには表現のまずさにあり,ときには論理思考そのものにある. さまざまなケースについて,具体例をあげて説明している. うまくつたわらない原因すべてが分析できているとはおもえないが,これらが典型的な例なのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 論理思考の「壁」を破る@ [bk1] 論理思考の「壁」を破る@Amazon.co.jp

つづく…

よくこれだけ誤用例をあつめたとおもうくらい,多数の例が,論文などからあつめられている. もちろん参考になる点は多々ある. しかし,危惧をいだいてしまうのは,ただしい例とおなじ数だけ誤用例をよまされると,そちらがあたまにのこって,まちがえてつかってしまうのではないかということだ. ただしい例だけ読んだほうがよいような気もする.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 間違いだらけの英語科学論文@ [bk1] 間違いだらけの英語科学論文@Amazon.co.jp

つづく…

大学生がレポートを書くときにはこの程度のことに気をつければよいということかもしれない. しかし,文章とくに論文の書き方としては相当にまずい内容だ. たとえば,段落については 「段落をどこでとるかの規則はない」 と書いている. 日本語ではもしかするとこれでよいのかもしれないが,英語のパラグラフをかんがえると,これはまったくのまちがいだ. 日本語で書くときも,段落をどう構成しどこで段落をきるかに関しては,もっと意識的であるべきだろう. この調子のゆるい内容がいたるところにみられるから,むしろ有害な本だといってよいだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 新版 大学生のためのレポート・論文術@ [bk1] 新版 大学生のためのレポート・論文術@Amazon.co.jp

つづく…

著者の百戦錬磨 (?!) の経験がいかされた本だ. 類書からはえられない,ふかい内容にみちている. たとえば,他人を説得するための 3 つの方法つまり 統計的な方法,演繹論理法,データのきれはしを論理でつなぐ方法 (論理重合体合成法). それから,「不思議」 と 「面白い」 に関する話題,文章のつなぎかた,などなど. しかし,残念なのは論点が抽象的であり,具体例がひとつもないことだ. よく,かみしめて読む必要があるだろう.

評価: ★★★★★

関連リンク: 創造的論文の書き方@ [bk1] 創造的論文の書き方@Amazon.co.jp

つづく…

PowerPoint 資料を本にしたような感じで文章がこなれていないし,うすい本なのにちいさなフォントでぎっしり印刷されていて読みやすいとはいえない. しかし,得るところはすくなくない. 「Leggett の木」 という,日本語とはちがう英語の論理に関する説明にも,具体例をつけてていねいに説明している. 連結語の説明でも,文どうしをつなぐさまざまな表現が分類されたうえで具体的にしめされている. ほかにも論文の構成から細部の表現にいたるまで,有用な項目が多々ふくまれている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 科学英語論文の書き方@ [bk1] 科学英語論文の書き方@Amazon.co.jp

つづく…

以前から有名な論文の書き方の本のなかに 「起承転結」 の 「転」 はいらないという話が書いてあって,もう常識になっているものとおもっていた. ところが,そういう本をあらためてまとめて読んでみると,おおくの本にあいかわらず 「起承転結」 がポイントとして書いてある.

つづく…

2011-09-25

論文の構成や表現が話題の中心だが,論文の計画から投稿までの過程についても書いている. 論文構成に関しては,序章のかきかたなどに参考になる点がおおい. パラグラフの構成に関してもかなりのページをさいている. 段落のきりかたになやんでいるようなひとは,ぜひ読むとよい. 時制についてもページをさいているが,完了形のつかいかたが書いてないので,この本だけでは不十分だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 創造的論文の書き方@ [bk1] 創造的論文の書き方@Amazon.co.jp

つづく…

2011-09-28

スタイルの定義のしかたやそのほかの設定のしかたを微に入り細に入り説明している. しかし,それでどういう形式の論文ができるのかが直観的にわかるように書いてない. 実際にやってみればわかるということだろうが,あまりに不親切ではないか. 論文のイメージをみせられなければ,設定する気もおこらない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: Word活用法@ [bk1] Word活用法@Amazon.co.jp

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2011-10-01

「情報を見せる」 ということばからは,言語情報のプレゼンテーションに関する本だという印象をうける. しかし,この本は言語情報にかぎらず,CG のようなほとんどが感覚的な表現までも対象にしているようだ. PowerPoint によるプレゼンテーションをつくる場合についても,その言語的内容ではなくて色や配置を話題にしている. 訓練をとおしてそういう感覚的な 「見せる」 技術を獲得することがこの本のめざすところだ. 視覚情報としても,とりあげられているのは絵や写真であり,「図」 のような論理的なものはとりあげられていない. 私がほしかったのはプレゼンテーションを 「見せる」 ための 「原則」 のような知識,図のかきかたなどだが,そういうものはここにはなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「情報を見せる」技術 @ [bk1]「情報を見せる」技術 @Amazon.co.jp

つづく…

2011-10-23

著者自身の文章のあいだに勝間信者 (?!) のことばがはさまっているが,論旨とはあまり関係がないし読みたくもない. しかし,著者が書いた部分にあるおすすめの本は翻訳書が多いこととか,フォトリーディングのすすめとかは自分の読書法を反省するきっかけになった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 読書進化論@ [bk1]読書進化論@Amazon.co.jp

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2011-10-25

「図で考えよう」 という本が多いなかで,この本は考えるときは図でなく 「言葉にする」,理解するときは 「絵」 にすることをすすめている. 考えるときは文字を書くだけでも思考がさまたげられることもあるが,さらに手間がかかる図や絵はすくなくとも自分には向かないとかんがえてきた. だから,この本には納得する. 理解する,あるいはまとめるときには,箇条書きだけでまにあうこともあるが,絵というか図にするのはひとつの方法だ. 他人に理解させるにも図が必要になる.

この本では考えるときどうすればよいか,理解するときや他人を説得するときにどういう図や絵を書くのがよいかをまとめている. うまくまとめているので,ひととおり読むにも時間がかからないし,必要なときにこの本のなかから必要な情報をすぐにさがしだせるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 思考ツールの教科書@ [bk1]思考ツールの教科書@Amazon.co.jp

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2011-12-16

「ひらめき」 のためにはさまざまな発想を身につける必要があるだろう. その意味で,この本ははばひろい発想術を紹介しているのはたしかだ. しかし,はばがひろがればひろがるだけ,それぞれをふかく追究する必要かあるだろう. しかし,この本ではつっこみがよわいようにおもえる. 各章には 「成功のポイント」 がまとめられていて,その内容はたしかにもっともなのだが,共感するところまではいけない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「ひらめき」を生む発想術@ [bk1]「ひらめき」を生む発想術@Amazon.co.jp

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2011-12-29

タイトルをみて,てっきりメイルのかきかたの本だとおもった. 実際,メイルのかきかたについても書いてあるが,おもには手紙など,手書きの文章について書いている. 文章を手書きする機会はへってしまったが,手書きに関する部分もふくめて,この本はメイルを書くときの姿勢について,もう一度かんがえる機会をあたえてくれるだろう. おおくのひとは,メイルを書くときにすでになんらかのくふうをしているだろうが,この本を読めばふだんはつかっていない表現や,みおとしている点をみつけることができるかもしれない. ただ,「お疲れさま」 の連発は疑問だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ほんの数行で…気持ちを伝える技術@ [bk1]ほんの数行で…気持ちを伝える技術@Amazon.co.jp

つづく…

2012-02-04

著者は大学教授であり,この本もこれから就職しようという学生を中心に書いている. そのせいか,かなり具体的な方法も書いてはあるのだが,とうのむかしに大学を卒業した私には,あまりピンとこない. すでにやっていること,ためしたことがあることがおおい. まだあまりいろいろやったことがない学生にはよいのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 自分イノベーション@ [bk1]自分イノベーション@Amazon.co.jp

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2012-02-17

Google が提供するさまざまなツールやエバーノート,スカイプ,フェースブックなどのツールを研究にどうやくだてることができるかが書かれている. この手の一部の本とはちがって,著者の経験にもとづいて,ほんとうにつかえるやりかたを書いているのだろうし,先端的なつかいかただといえるだろう.

しかし,これだけさまざまなツールをずっとつかいこなしていけるのだろうかという疑問も感じる. メールにふりまわされないために G メールをつかうことをすすめていて,それはおおくのひとがこころみていることでもある. しかし,メールにふりまわされるかどうかは,著者もところどころ書いているように,環境よりつかいかたの問題だから,環境によって問題が解決されるかのようなかきかたは適切でないだろう. また,論文管理のためのツールはむかしからあるが,あまり決定版といえるものはないから,ここで紹介されているメンデレイがものになるのかは疑問だ.

とはいえ,ここにはさまざまなヒントがあることはたしかだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: クラウド知的生産術@ [bk1]クラウド知的生産術@Amazon.co.jp

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2012-03-03

最近読んだ本のなかで,これほど印象のうすい本はほかにない. 書いてあることはそれぞれもっともなのだが,いずれもどこかで読んだことがあるようにおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: イノベーション思考法@ [bk1]イノベーション思考法@Amazon.co.jp

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2012-05-03

著者は 「図解する思考法」 をはじめ,この種の本をすでに何冊も書いている. それらより最近に書かれたこの本はより明晰に整理されていて,実践的だとかんがえられる. 図でかんがえるひとと文章でかんがえるひとのちがいも書かれていて,読者が自分の思考を再考するうえでやくにたつだろう.

紹介されている方法は紙をつかった伝統的なものだ. まだパソコンが図解にはつかいにくいことを反映しているのだうが,そこが文章派である私からみると弱点だとおもえる. 文章による思考はワープロやアウトライン・ツールで強力にサポートされているからだ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 図解で思考する技術@ [bk1]図解で思考する技術@Amazon.co.jp

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2012-05-28

「図解」 ということばはクセモノだ. この本の場合は 「図表」 とも書いてあるが,実のところ,この本の内容は 90% 以上グラフだ. 単純なグラフのかきかたの本はほかにもいろいろあって,おおくの点は共通している. しかし,グラフにしてもさまざまなバリエーションがある. たとえばグラフをマトリクス状に多数ならべた表現法もある. しかし,最後にすこしだけ書かれているプロジェクト管理のための図をのぞけば,この本であつかわれているのは古典的な単純なグラフだけだ. これは私が知りたかったことではない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 図解表現のルール@Amazon.co.jp

つづく…

2012-07-16

著者は 「空気」 を追究していくうちに 「世間」 にぶつかった. その 「世間」 はこわれつつあり,そうあるべきだと著者はかんがえている. しかし,「空気」 はどうなのだろう. かつて山本七平が書いたように 「空気」 は戦前から日本をむしばんでいた. 現代人はそのとき以上に 「空気」 にふりまわされている. しかし,この本の最後で 「空気」 の話はどこかにいってしまっている. 「世間」 がきえても 「空気」 があるかぎり,現代日本の問題は解決されないのではなかったのか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「空気」と「世間」@Amazon.co.jp

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2012-07-19

フューチャーセンターとは,公的機関や企業内にもうけられる 「未来の価値をうみだすセンター」 だという. 「デザイン思考」 をはじめ,さまざまな創造的な方法論にもとづいているようだ.

この本ではフューチャーセンターの構成要素や効用や原則や方法論やセッションのステップやステージや,その他いろいろなものが箇条書きで書かれていて,それぞれひきつけられる. しかし,それらの関係はかならずしもよくわからないし,いろいろありすぎて混乱してしまう. 200 ページはない比較的うすい本のなかに,あまりにいろいろなことがつめこまれていて,消化不良になってしまう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: フューチャーセンターをつくろう@Amazon.co.jp

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2012-09-27

はじめて本を書きたいとおもったひとが,どうやってその目標を実現すればよいかを書いた本だ. 本のテーマをみつけ,情報をあつめて整理し,出版社をみつけて出版にまでもちこむ. ひととおりのことが書いてある.

この本じたいは,きちんと構成され,各章のポイントがきちんときめられ,著者が重要な点として強調しているように 「わかりやすく」 書かれている. たしかにわかりやすい. しかし,スッとよみおわって,のこるものもあまりない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 本を書く技術@Amazon.co.jp

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2012-10-01

論理にたよらない 「水平思考」 のためにはどういうかんがえかたをすればよいのかが,10 項目にわけて書かれている. 項目のあいだには 「パズル」 と称する練習問題があるのだが,項目との関係はかならずしも明確でない. 各項目を読んで納得したとしても,訓練しないと身につかないだろう. パズルがそれにやくだつようになっていればよいのだが,これでは身につかないままおわってしまうだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: イノベーション・シンキング@Amazon.co.jp

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メールを書くさまざまな場面 (おもにビジネス上の場面) に応じて,そのかきかたを紹介している. 場面にぴったりはまれば,やくにたつだろう.

文章をみじかくすることが重要であり (それはそのとおり!),方法も紹介されているが,その方法は文章をもてあそんでいるという印象をうける. 改行のいれかたも書かれているが,句点ごとに改行するのはやりすぎだろう. そもそも,この本の文章は段落をみじかくきりすぎていて (1 文 1 段落のところも多い),文章法としては適切とはおもえない. メイルの文章は本とはちがうが,こういう文章をかくひとのまねをするのはどうかとおもう. 末尾には 「慣用句」 が紹介されているが,陳腐だからまねしないほうがよいだろう.

というわけで,あまり,おすすめできない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 振り回されないメール術@Amazon.co.jp

つづく…

論文のかきかた,プレゼンテーションのしかたは,それほど急速にかわっているわけではない. だから,この本は初心者に有用な部分があるだろう. しかし,2012 年に改訂されているが,それでも内容はふるびてみえる. だから,読者は注意が必要だ.

すくなくとも科学技術分野でいまどき手紙など書くことはほとんどないだろうし,文献の入手もネット経由がほとんどであり,著者に依頼することはほとんどないだろう. どこを改訂したのかよくわからないが,これなら,もし必要なら旧版を古書として買ったほうがやすくてよい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 改訂版@Amazon.co.jp旧版@Amazon.co.jp

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2012-10-11

東日本大震災後によくみられたという欺瞞的な話法を 「東大話法」 と呼んでいるが,それは東大がうみだしたわけではない. また,議論のすすめかたに弱点があるのはむしろふつうのことであり,あげられている例には,著者がはげしく糾弾しているほどにおおきな問題があるともおもえない.

著者はその話法の原因を 「立場主義」 というナイーブなことばで説明しようとしている. しかし,それは実は官僚制の問題なのではないか. 立場というよりは権限がかぎられているためにそれを越境する発言ができない. 官僚においては典型的だし,そのなかに東大卒が多いのもたしかだが,だからといって 「東大話法」 などといわれるのは,無関係な東大 OB には迷惑な話だ.

著者は企業の例もあげているが,企業組織は官僚制よりはゆるいとはいうものの,やはり権限がないところにはふみこめない. 著者は企業につとめていたことがあるというが,すぐにやめているから,適切な例をあげることはできないのではないだろうか?

単なるおもいつきの議論でなく,きちんと組織論などを理解して議論してもらいたいものだ. もちろん,それを理解したうえでそこが問題でぶっこわすべきだというなら,それはきくべき意見になるだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: もう「東大話法」にはだまされない@Amazon.co.jp

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2012-11-07

ひとと交渉する際に重要なポイントを 「1 時間め」 から 「6 時間め」 にわけて書いている. そのなかには,なれれば自然にできることもあるだろう. しかし,ここで書かれている交渉技術のおおくは明確に意識しないかぎりはできないことだ. この本の演習問題をとくだけで実際の場面でもできるようになるなんていうことはないだろう. それだけに,この本をくりかえし,とりだしてみるとやくにたつだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 武器としての交渉思考@Amazon.co.jp

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2012-11-13

ひとりでかんがえるときでもディベートの技術がやくにたつという. だから,この本では 「ディベート思考」 が論じられている. しかし,読みすすむにつれてディベートと思考とのちがいがみえてくる. ディベートでは 「大きな枠組みから考えはじめて,徐々に小さな枠組みに落とし込んでいく」 から,かんがえるときもそうするのがよいと書いているが,ほんとうにそうだろうか? 思考はもっと自由にすすめたほうがよいのではないだろうか.

また,ある行動をするときにそのメリットとデメリットを検討するが,メリットの 条件として揚げている 「内因性」 と 「解決性」 がこの本にあげられた例ではひとつの条件のうらがえしになっている (重複! 冗長!) だけで,わける意味がわからない.

ディベートの方法を思考法としてつかおうというところはすこしあたらしいが,それが成功しているかどうかは疑問だ. ディベートそのものはもっとほかの本でまなんだほうがよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 武器としての決断思考@Amazon.co.jp

つづく…

2012-12-13

この本のおもなテーマは,ひとりでかんがえるための方法と,対話を通じてかんがえをひろげる方法だ. ひとりでかんがえるための方法として 「アウトライン法」 が紹介されている. KJ 法にちかいところもあるが,むしろ 「知的生産の技術」 で梅棹忠雄がひとりでかんがえるための方法として紹介した 「こざね法」 の現代版といえるようにおもう. ほかにもいろいろな方法が書かれている.

対話によってかんがえがすすむことはよく経験するが,著者は外交官としての経験をいかしてグローバルな対話法にまで話をひろげている. ここにもいろいろ,まなぶべきことがあるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「世界水準」の思考法@Amazon.co.jp

つづく…

2013-01-08

常識的な思考で満足していると思考停止におちいってしまう. この本は,複眼的にさまざまな思考をすることによってそこからのがれる方法をしめしている. 読書や作文など,具体的な場面,具体的な例にそって説明しているから,わかりやすい.

しかし,読者は,著者のかんがえに満足して思考停止しないようにする必要があるだろう. 著者のかんがえはひとつのかんがえかたであって,読者はそれをヒントにして自分のかんがえを発展させてこそ,この本の問いが生きることになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 知的複眼思考法(単行本)@Amazon.co.jp知的複眼思考法(文庫)@Amazon.co.jp

つづく…

2013-01-09

表現には会話表現もあり文章表現もあるが,この本は話のしかたから,文章やメールのかきかた,ボディーランゲージまで,はばひろくあつかっている. だから,あまり系統的な内容ではなくて,エピソード的だ. 雑然としていて,あまり印象にのこらない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: なぜ伝わらないのか@Amazon.co.jp

つづく…

2013-01-13

著者は 「頭のいい文章」 とは読み手に負担をかけない文章だという. 修飾語と被修飾語をちかづけるとか,長い修飾語をさきに書くとか,結論をさきに書くというような,文章法の本ならどれでも書いてあるようなこともこの本にはもちろん書いてあって,それは読み手の負担をへらすことになるのだろう. しかし,この本の真髄は 「かぎ括弧文章」 (はなしことばで書く) のつかいかたや具体的なできごとを書く,体験をストーリーとして書くというような後半の部分だろう. 「まじめな」(?) 文章読本などには書いてない,ひとのこころをつかむ技術が満載されている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ダメな文章を達人の文章にする@Amazon.co.jp

つづく…

タイトルに 「スモールビジネス」 ということばがはいっているが,スモールビジネスにかぎらず有用な,パブリック・クラウドを利用した仕事でのコミュニケーションの技法が紹介されている. 大企業ならプライベート・クラウドがつかえたり,Gmail などは使用禁止になっていたりするからかもしれない. しかし,それほど特別なことが書いてあるわけでもない.

この本は行間がきっちりつまっていて,Kindle の設定ではかえられないので,よみにくい. この種の実用書では,読んだあとで目次から特定の項目がみられると便利だとおもうのだが,この本の目次にはリンクがはってないのでそれができない. というわけで,すこし★をへらした.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: スモールビジネス仕事術@Amazon.co.jp

つづく…

2013-01-16

論文のかきかたに関する本はやまほどあるが,この本はパラグラフのかきかたにしぼって,徹底的な訓練をめざしている. ほかの本を読んでも知識としてはおぼえるだろうが,なかなか実践するまではいかないだろう. このくらい徹底的にやればこそ身につくだろうとおもう.

評価: ★★★★★

関連リンク: 書く技術@Amazon.co.jp

つづく…

「論理思考」 といっても,ほとんどディベートの方法とくに 「論証責任」 とか 「クレーム」 という概念を中心に説明している (と書いても意味がわからないだろうが,この本を読んでもらう必要があるだろう).

タイトルに 「高校生のための」 とある. しかし,最後の章には入試問題がとりあげられているが,それまではかならずしも高校生がこの本を読むモティベーションがないようにおもえる. 最初の 100 ページくらいはトレーニングではなくて,論理によわい日本人と日本語を英語とくらべた評論的な内容だが,それを読むうちにモティベーションをもってもらいたいということかもしれない. トレーニングの本とおもわなければ,そこを読むだけでも価値があるとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 論理思考トレーニング@Amazon.co.jp

つづく…

2013-01-17

著者がなにをかんがえて 「考え抜く技術」 などというタイトルをつけたのか,わからない. 「考え抜く」 といえば論理的思考のことだとおもうが,これはむしろ発想法の本だ. どうすればよいかんがえがひらめくか,そのためのいろいろな技術が書いてある. 論理性はほとんどゼロだ. タイトルにまどわされずに読めば,えるものはいろいろあるとおもう. しかし,本を買うときにはやはりタイトルに影響されるから,★をへらした.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 考え抜く技術@Amazon.co.jp

つづく…

論文などを書くための準備から執筆そして学会発表にいたるまで,1 冊でひととおりのことが書いてある. パラグラフのかきかたは 1980 年代に出版されたこの本からひろまったといってよいだろうが,いまでもひととおりのことを知るにはよい本だとおもう. ただし,パラグラフのかきかたはこの本をよむだけでは身につかないだろうから,この本を読んでから他の本や講座などでトレーニングするとよいだろう. また,ふるくなっていることもあるから,最近の本でおぎなうとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 理科系の作文技術 @Amazon.co.jp

つづく…

これは英語の文章などにも通用するマクロな作文技術の本ではないが,日本語の文を構成するためのミクロな作文技術の本としてはこれ以上のものはないのではないかとおもう. 文系・理系をとわず,わかりやすい文を書くための方法が豊富な例をつかって徹底的に説明されている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語の作文技術@Amazon.co.jp

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2013-01-23

日本における英文のかきかたの本のおおくは,ひとつの文のなかにあらわれる単語や表現に重点をおいている. この本は,そうではなくて,バラグラフの構成やパラグラフ内での文のつなぎなどに重点をおいている. 論文のかきかたも意識しているが,ビジネス英語により重点があるので,ひとによい印象をあたえる文章というところにも注力している. パラグラフに関してはこの本もひととおりのことが書いてあるが,不足している部分もあるから,おなじ著者による 「論理が伝わる 世界標準の「書く技術」」 も読むとよい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 英語ライティング上達法@Amazon.co.jp

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2013-01-25

従来の 「接続詞」 の概念を拡張して,文末にある 「つなぎ」 表現も接続詞としてあつかっている. 文と文をつなぐのが目的だから,より適切なほうをえらぶことができるのでよいだろう. しかし,拡張するなら,文をつなぐのに名刺がつかえることも書くべきだろう. 英語なら代名詞や冠詞もつなぎになるが,日本語ではつかえない.

「接続詞のさじ加減」 という章では接続詞がつかいにくいときに文のつなぎをなくしてしまうことをかんがえている. とりあげられている例のおおくは文に主語がないために名詞によるつなぎがなくなっている. 英語なら主語が省略できないからつながるのだが,日本語ではつながらない. しかし,くふうすればつなげる場合もあるとかんがえられる. この本を改訂する機会があるなら,さらに洗練してほしいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 文章は接続詞で決まる@Amazon.co.jp

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2013-01-29

さまざまな雑誌などに発表された短文をあつめたものなのでまとまりはうすいが,著者のかんがえはほぼ一貫している. 著者は,日本人がよくつかう論理が理科系の論文や発表の際にはうけいれられないことを指摘しつつ,日本人どうしのコミュニケーションにおいては従来のやりかたを否定していない. 文章や発表のくみたてかたに関する示唆は現在も有効だが,1960 〜 90 年代に書かれたものなので,ふるくなってしまった部分もある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語の思考法 @Amazon.co.jp

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2013-03-01

文科系の大学生にはヒントになる点はあるかもしれない. 読書のすすめはよいかもしれないが,すこしはインターネットをいかしてもよいようにおもう. いつまでも古典的な方法だけでよいということはないだろう. 作文の方法についても書いてあるが,本質をはずしているとしかおもえない. リズムとパンチを強調しているが,それよりまず論理的な文章を書く訓練をしたほうがよいだろう. 文章をたくさん書くことをすすめているが,へたな文章をいくらたくさん書いても,よい文章が書けるようにはならないだろう. あまり真にうけないほうがよい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 学問の技法@Amazon.co.jp

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2013-06-05

企画あるいは企画書を活きたものにするためのさまざまなくふうが書かれている. 物語性やアート性,推理小説のように書くこと,世の中をかえようという「企み」,などなど. 企画を成功させるためにあらゆる努力をすることがもとめられている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 企画力@Amazon.co.jp

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2013-06-12

文章からそれを構成している論理をよみとる訓練をするための入門書だ. 諸外国では重視され学校でも訓練されているが,日本ではなおざりにされている種類の訓練だ. この本 1 冊では十分な訓練ができるとはいえないが,まず読むにはよいだろう. 帯には 「なぜ読解力がつかないのか?」 とあるが,日本でいう読解力はむしろ論理をよみとることではないとかんがえられるから,誤解をまねく表現だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: クリティカル・リーディング@Amazon.co.jp

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