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言語・コミュニケーションとネットワーキングアーカイブ

0001-01-01

WLA2-S11.jpg second_life_startup.jpg このカテゴリーにはおもに人間の言語,メディアをとおした人間どうしのコミュニケーションやネットワーク (つながり) に関する話題をあつめています. ときにはコンピュータどうしのコミュニケーションやネットワークもあつかいます. 上位のカテゴリーはカナダからのブログです. 記号論・記号学voiscape 電話放送新聞・マスコミ・ジャーナリズムや さまざまな語彙・訳語などに関する話題はサブカテゴリーに分類しているので,そちらをみてください. また,iPhone に関する話題は情報通信博物館iPhone アーカイブにまとめました.

このページには書評もふくまれていますが,言語・コミュニケーションとネットワーキングに関する書評のページにはそれらの書評だけをあつめています.

なお,このページは コミュニケーションとネットワーキング アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 17:20 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,いくつかの個別ページにある写真をここに引用しておきます.

WASSad.jpg
WASS (Wikipedia Axis-Specified Search) (Wikipedia の検索エンジン)

2007-05-11

90 年代にはいくつかの会社がパソコンのために 3D 機能つきのサウンドシステムを開発しました. しかし,A3D という 3D サウンド API を開発した Aureal Semiconductor 社をはじめとして,そのおおくは解散するか,あるいは現在のこっていても規模はちいさいままです. ゲームなどで 3D グラフィクスはさかんにつかわれてきましたが,3D 音響はほとんど注目されないままです.

つづく…

2007-05-12

憲法改正というとすぐに第 9 条の話題になります. 日本の将来をきめるうえで第 9 条をどうするかがおおきな問題であることはまちがいありません. しかし,第 9 条にとどまらず,国民が主体的に憲法をえらびとって自分のものにすることが重要だとおもいます. そこで,ここでは憲法における情報・通信の保護と情報通信技術 (ICT) との関係についてかんかえてみたいとおもいます.

つづく…

2007-08-23

インスタント・メッセージング (IM) においては相手の “プレゼンス” を知ることができます. このばあいの “プレゼンス” とは,相手がオンラインかどうかという 1 ビットのデジタルな情報です. オンラインであればメッセージをおくって,すぐに相手のコンピュータにメッセージを表示することができます. しかし,もともとプレゼンスということばは,人間やものの存在感とか臨場感とかいうアナログな情報をあらわすものです. 仮想現実 (virtual reality) においては,もっと本来の意味にちかい意味でこのことばがつかわれています. この分野の専門雑誌として MIT Press の 「Presence」 があって,興味ぶかい論文がいろいろ掲載されています. IM における “プレゼンス” は,それらとはあまりにおおきくちがうものです.

つづく…

2007-08-29

バッファローの無線 LAN (WiFi) アクセス・ポイント WLA2-S11 がこわれました. 2003 年ころに導入したものです. 熱がたまりやすいつかいかたをしていたので寿命をちぢめたのかもしれません. それにしても,無線 LAN はトラブルがおおくて (信頼性がひくくて),いやになります. アクセス・ポイントも 5 年間で交換は 3 回め,交換にまでいたらなくても,その間,何回かトラブルが発生しています.

つづく…

2007-09-07

“プレゼンス” におけるデジタルとアナログ」 では,インスタント・メッセージング (IM) などにおける “プレゼンス” とはちがって,本来のプレゼンスはアナログ情報だと書きました. プレゼンスということばにはいろいろな意味があって,IM の “プレゼンス” もそのうちのひとつだということができますが,東工大の比嘉研でつかわれていた e-office というシステムには,IM の “プレゼンス” にちかいが記号化されていないアナログ情報がつかわれている例をみることができます.

つづく…

2007-09-08

Web は基本的にはデータベースのようなものです. つまり,Web 上の情報はいつでもみることができる,日常的なものです. もちろん,非日常性を演出するために,特定の情報を特定の期間だけそこにおくことはできますし,実際にそういう 「イベント」 が開催されてきています. しかし,非日常性ということばからすぐに連想される 「まつり」 とくらべると,なにか魅力に欠けたものであるようにおもえます.

つづく…

2007-09-09

iPod (アイポッド) が音楽プレヤーだということは,だれでも知っています. しかし,iPod は動画もとりいれました. また,電話をとりいれて iPhone (アイフォーン) もつくられました. iPod の本質はなんなのでしょうか? 私は iPod の本質はユビキタスなデータベース・アクセス・ツールだとおもいます.

つづく…

あふれる情報のなかから,ほしいもの,必要なものをどうやって選択するかということは,情報化がすすんだ現代におけるおおきな課題です. 情報の選択のしかたとして情報源を単位として選択するやりかたがあります. 情報源というのは,特定のひと,特定の新聞・雑誌・放送局などです. ここでは情報源としての “ひと” に焦点をおいて,情報源の選択についてかんがえてみます.

つづく…

あふれる情報のなかから,ほしいもの,必要なものをどうやって選択するかということは,情報化がすすんだ現代におけるおおきな課題です. 情報の選択のしかたとして,「情報源の選択 -- “ひと” の選択を中心として」 に書いたように情報源を単位として選択するやりかたがあります. 情報源というのは,特定のひと,特定の新聞・雑誌・放送局などです. ここでは情報源を 1 次元空間や 2 次元空間に配置して,その空間内を移動しながら情報源を選択するやりかたについてかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2007-09-14

新聞や雑誌は比較的ふるくからあるコミュニケーション・メディアですが,19 世紀後半以来,電話,ラジオ,テレビなど,さまざまなコミュニケーション・メディアが発明されてきました. 20 世紀後半にはさらにインターネットが普及し,メイル,Web などのメディアが発展してきました. これら,メジャーになったコミュニケーション・メディアは,あたらしいメディアがあらわれてもきえることはなく,つぎつぎにつみかさねられて (piled) きています. 今後もおなじことがくりかえされていくのでしょうか?

つづく…

イベント・プロデューサーである 平野 暁臣 は 「コトづくりの眼」 (日本実務出版, 2005) という本のなかで 「イベントにとって一番大切なもの,それはおそらく 「物語」 だ.」 (p. 45) と書いています. このことばがどういう意味をもっているのか,この本から十分に把握することはできません. なぜなら,この本はみじかいエッセイをあつめたものであり,ここで 「物語」 ということばがどういう意味をもっているのか,十分には展開されていないからです. しかし,「物語」 は,「イベントと ICT 技術 (とくに Mixed Reality)」 に書いた同時性,双方向性,一回性,ライブ性,参加性,空間性,体感性などのことばと同様に,私のこころにひびくことばです. したがって,イベントにとって一番大切なのは物語だということばは,おぼえておきたいとおもいます.

2007-09-15

以前,遠隔会話のためのメディア voiscape (ヴォイスケープ) に関係してテレビ朝日のひとの話をききにいったことがあります. そのときにきいたのは,表現者 (映像作家) はフレーム (わく) のなかに視聴者の注意をひきつけて,表現したものをそのままみてほしいということでした. これに対して,イベント・プロデューサーの 平野 勝臣 は映像についても観客が自分で選択して見るしかけをつくっています. 通常の映像作家と “イベント作家” とのちがいを感じさせる話です.

つづく…

2007-09-16

コミュニケーション・メディアのつみかさねとフュージョン」 のなかで,これまで,とくに 19 世紀後半以降,電話,ラジオ,テレビなど,あたらしいメディアがつぎつぎにあらわれてきて,従来のメディアのうえにつみかさねられてきたということを書きました. しかし,固定電話が携帯電話によってとってかわられようとしていることは,これまでの単純なつみかさねとはすこしちがっているようにみえます. また,地上波のテレビ放送がアナログからデジタルに転換されようとしていることは,政治的なちからがはたらくことによって,これまでの 「つみかさね (piling)」 になることを阻止しようとしています. 固定電話に関しても,NGN の登場によって,これまでとは質的にちがった変化がおこることが予想されます. 「コミュニケーション・メディアのつみかさねとフュージョン」 のなかではこうした具体的なメディアの変化についてかんがえなかったので,ここでそれをかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2007-09-19

濱野 智史 は 「情報環境研究ノート」 というブログのなかでニコニコ動画を 「疑似同期型メディア」 とよんでいます. 通常 「同期型メディア」 とよばれているメディア (濱野は 「真性同期型メディア」 とよんでいます) はリアルタイムであり共体験性 (臨場感・一体感 (?)) がありますが,ニコニコ動画にはライブ感やリアルタイム感があり,時刻がずれていても体験を共有することができるというのです (第 3 回 「Twitter」 と 「ニコニコ動画」 の共通点 (2)).

つづく…

濱野 智史 は 「情報環境研究ノート」 というブログのなかで Linden Lab (リンデン・ラボ) の Second Life (セカンドライフ) についてつぎのように書いています (第11回 セカンドライフ考察編(4)).

Second Life は

1) 「真性同期型アーキテクチャ」 であるがゆえに,(非同期型に比べて相対的に) ユーザー間の非接触機会が高い,
2) セカンドライフの仮想空間 「メタバース」 は,「場所」 という概念はそこそこ 《現実的》 に設計されているのに対し,「距離」 の概念は 《非現実的》 に設計されている (= テレポーテーションができてしまう),
3) ひとつの 「島」 (プライベート SIM) に共在できるユーザー数が数十人程度に制限されている」

これらの点を voiscape (ヴォイスケープ) に関して検証してみようとおもいます.

つづく…

2007-09-22

Linden Lab (リンデン・ラボ) の Second Life (セカンドライフ) に関して,しばしば 「閑散としている」 といわれます (たとえば濱野 智史 の 「情報環境研究ノート」 (第10回 セカンドライフが 「閑散としている」 のはなぜか? 3)). 「新 清士 のゲームスクランブル」 (ディズニーランドにはなれない 「セカンドライフ」 (2007-8-3)) によると,Second Life にログインするひとのおおくは新規ユーザであり,ほとんどのユーザは 1 回しかつかわずに放棄してしまうということです. 新が書いているようにログインしても閑散としているからインタラクションは成立しにくいわけですが,さらに,こういうユーザはひやかしでつかっているわけですから,だれかと出会ってもインタラクションしない可能性がたかいのではないでしょうか?

つづく…

2007-10-01

本書はおもにインターネットがもたらした変化,とくに言論のフラット化 (匿名でも権威があっても 「何を言ったか」 だけで判断される) と,ウィキペディアなどにおいて意見の集約が困難になっいること,セレンディピティによって人と人とが出会いやすくなったことについてのべている. しかし,それと同時に日本において 2000 年代前半に 「戦後世界」 のわくぐみとそれを象徴する共同体が完全に崩壊した崩壊したことによって人々がばらばらにされたこともフラット化のひとつであり,それが 「出会い系」 へののめりこみを生んでいることも指摘している. このようなネットだけにとらわれないはばひろい視野はまなぶ価値がある.

評価: ★★★★★

関連リンク: フラット革命@ [bk1]フラット革命@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-02

通信にも放送にもリアルタイムのものがありますが,通信と放送とではリアルタイムといってもその意味がちがいます. それらをあわせもつメディアをつくることが通信と放送の融合ということなのではないでしょうか.

つづく…

2007-10-03

このブログには,当初の目的からはずれて,さまざまなことを書くようになりました. おもに,書く訓練,そして思考の鍛錬のためにつかっているということができます. 書く訓練,思考の鍛錬のためには,以前は紙のカードやワープロをつかってきましたが,それにくらべるとブログははるかに画期的な知的生産の道具になっています.

つづく…

2007-10-06

今年前半におこった 「ビデオ・トラフィックが P2P (peer to peer, ピア・ツー・ピア) をぬいた」 という現象を,私の経験・意識とむすびつけて論じてみたいとおもいます.

つづく…

ブログの機能として,情報発信つまり一方向のコミュニケーション機能と,議論つまり双方向のコミュニケーション機能とがあります. ただ書くだけではどちらの機能も十分にはたすことはできません. どうすればそれらの機能をよりよくはたすことができるか,かんがえてみます.

つづく…

私のブログのかきかたについて書いてみようとおもいます. 私はブログを 「アイデア・メモ」 としてつかっていますが,ひとにも読んでもらいたいので,推敲したうえ,印刷してみて完成度をたかめています. 参考文献や他の Web ページへのリンクはてきるだけいれるようにしています. また,Movable Type における 「エントリーの内容」 と 「追記」 とのつかいわけについても書きます.

つづく…

2007-10-09

本書においては,一般市民がブログを通じてジャーナリズムに参加できるようになったいまジャーナリズムがどうなり,また将来どうあるべきかという点を論じている. 著者のジャーナリストとしてのこれまでの経験,ジャーナリズムがこれからどうなっていくのか,プロのジャーナリストや新聞社はどうするべきなのか,などなど,さまざまな問題があつかわれている. しかし,よみおわってみて,雑然とした印象しかのこらない. 前著 「ネットは新聞を殺すのか」 を出版したあと,著者は 「不完全燃焼のような思いを抱いていた」 とあとがきに書いているが,本書においてもまた不完全燃焼におわっているようにみえる. むずかしい問題が山積しているので,不完全燃焼するのはやむをえないのだろうが,もうすこし明確な主張をもりこんでほしかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ブログがジャーナリズムを変える@ [bk1]ブログがジャーナリズムを変える@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-13

書店でみたら,私だったら手にとるのをためらってしまいそうなカバーがついている. また 「ブログ魂」 という,読んでもなお理由のわからない書名がついている. しかし,内容はすばらしい. 本書ではつぎのようにブログに 2 種類の分類をあたえている.

A: Q & A 系,B: ホームページ系,C: 掲示板系,D: 日記系

1: 情報系,2: 共感系,3: エンタメ系

自分のブログがどれにあたるかをかんがえれば,これからどうすればよいかもみえてくるというわけである.

本書でもっとも価値があるのは,どうすればブログをもっと読んでもらえるか,コメントがもらえるか,トラックバックをどう利用したらよいか,他のブロガーとつながることができるか,などに関する記述である. これらについては類書にないくらいさまざまな内容が書かれている. たとえば,タイトルひとつにしても,10 種類に分類して論じている. 読んでもらうためには投稿する時間までかんがえたほうがよいと書いている. 他のブロガーとのつながりに関しては,「ブログ・コネクター」 になること,「ハブ・ブログ」 とつながることをすすめている. ほかにもさまざまなことが書かれている.

最近ブログに関する本をあつめていろいろ読んだが,この本が一番,私が知りたかったことにこたえてくれた.

評価: ★★★★★

関連リンク: ブログ魂@ [bk1]ブログ魂@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-17

きょう (2007 年 10 月 17 日) の NHK のためしてガッテン 「大満足!動物園サプライズ体験術」 では動物との “会話” をたのしむ方法が紹介されていました. これまで動物園は情報のながれが一方向だとおもってきたので,これは 「目からウロコ」 でした.

つづく…

2007-10-28

著者は 「グーグル」 (文春新書) という本などで Google のすごさを指摘してきた. 本書でも商品検索において Google が楽天などの顧客をうばってしまう可能性を指摘している. しかし,本書ではむしろ Google の支配にほころびがみえること,すなわちその信頼性がゆらぎ,グーグルラボから先進的なサービス,Web 2.0 的なサービスがうまれにくくなっていることなどを指摘している. そして,あたらしいサービスの可能性を,Google モデルが適用できない YouTube,ニコニコ市場,Twitter などにみている. これらで実現されている会話と独白がいりまじった非同期的なコミュニケーションが支持されていて,それをビジネスにすることができた企業がつぎの覇者になるという.

この種の本では現在のコミュニケーション・スタイルや現在の覇者を未来に延長しようとしていることがおおいが,本書ではもっとさきをみようとしている. 刺激的な本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ネット未来地図@ [bk1]ネット未来地図@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-29

Web をあまりつかわないひとにはもちろん,つかっているひとでも Web 上でおこっていることの全体像はみえにくい. 「炎上」 という現象についても,炎上しているところにぶつかることはあるとしても,その原因や過程をおいかけることは,ふつうの Web ユーザにはなかなかできないだろう. 著者はそういうひとたちにもわかるように,炎上やサイバーカスケードや他のさまざまな現象を分析してみせるだけでなく,この世界の用語をゴシック体にしてめだつように本書のなかにちりばめて教養主義的に解説している. これまでモヤモヤとしかわかっていなかった Web 上の現象が,本書を読めばもっとはっきりわかるようになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ウェブ炎上@ [bk1]ウェブ炎上@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-13

本書は,おおくのひとびとが Web などをつかって共同で創造していくさまざまなしかけをとりあげている. そのうちのいくつかは,ほかの本や Web などを通じて,すでにおなじみになっている. しかし,「サイエンス 2.0」 などについては,まだ日本ではあまり議論されていないようにおもわれる.

また,本書を読めばウィキノミクスの弱点もわかってくる. たとえば,「ピアリング」 が機能するための条件のひとつとして生産物が部分に分割できることがあげられているが,これは複雑系のように分割できないものはウィキノミクスでつくりにくいことを意味している. いろいろと興味ぶかい内容をふくんだ本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ウィキノミクス@ [bk1]ウィキノミクス@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-29

東京工科大学の 星 徹 先生の話をきく機会がありました. いろいろな話をききましたが,そのなかに,スイカ (Suica) などにはいっている FeliCa (フェリカ) をつかった行先表示システムがありました. 部屋にはいるとき,でるときにスイカなどをつかってチェックイン,チェックアウトすれば,どの部屋にいるかがみんなにわかるというシステムです. ひとにしらせたくないときはチェックインしなければよいので,プライバシーがまもれるわけです. 携帯電話の GPS などをつかった行先 (あるいは通過場所) 検出システムにおいては自動的に場所を検出するのでプライバシーをまもるのが困難です. ひとにしらせてよいときでもチェックアウトをわすれたりしてシステムを混乱させることがあるのが欠点ですが,こういうプライバシーに配慮した方法が普及するとよいとおもいます.

つづく…

通常の使用法ではなにも問題がおこっていないデジタル音声再生機器をちょっとちがう方法でつかうと,急に音質が劣化したりすることがあります. 音声固有の問題ではなくてリアルタイム処理にはありがちなことだとはおもいますが,いわば 「デジタル音声再生はひとすじなわではいかない」 ということです. 私は USB ヘッドセットを VoIP 通信 (IP デジタル音声通信) でつかって,こういうことを経験しました.

つづく…

2008-01-12

1988 年に自宅をたてかえたとき,もうすぐホーム・ネットワークがつかわれるようになるだろうとかんがえて,準備しました. しかし,準備した電力線ネットワークはいまだに実現されず,その一方で計画していなかった LAN が必要になりました.

つづく…

2008-04-11

きょうは事故で中央線がとまって,会社にいくのにとおまわりせざるをえませんでしたが,判断をあやまって時間をロスしてしまいました. このようなばあいにいつもおもうことですが,構内あるいは車内のアナウンスでもうすこし判断のための情報をあたえてくれれば,より適切な判断ができるとおもうのです.

つづく…

2008-04-12

放送通信融合」 ということばはあいまいで,私にはいまだにその意味がよくわかりません. しかし,すくなくともそれには 3 つの側面があることがわかります. ここではそれぞれの側面についてかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2008-04-27

SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) は最初の版が 1980 年に標準化されたのち,おおきく改訂されてはいない,ふるいプロトコルです. メイルが単なる文字情報のやりとりだけでなく,さまざまな用途につかわれていることは Dabbish ら [Dab 06] などで指摘されていますが,SMTP はそういう用途のためには,ちょっと役不足です. しかし,SMTP においては “to”, “cc”, “bcc” など,宛先をさまざまなかたちで指定することができます. こういう機能は他のプロトコルにおいてはおなじやりかたで指定することはできません. しかし,その有用性はみとめられていて,SIP のインスタンス・メッセージ機能などにも,べつのかたちでとりいれられようとしています. そういうわけで,私は SMTP をみなおしました.

つづく…

2008-04-29

すくなくとも最近まで,情報通信技術は最先端技術であり,主役でした. すくなくとも情報通信技術者たちは,そうおもっていたでしょう. しかし,ユビキタスの時代,つまりコンピュータがみえなくなる時代 (「ユビキタス・コンピューティングとエージェント指向コンピューティング」 参照) には,もはやコンピュータは主役ではなくなる,つまり情報通信技術は主役である 「みえる技術」 をささえる脇役になるのだとおもいます. 主役はむしろ農林水産業や鉱業などなのではないかともおもいます.

つづく…

2008-05-08

「調べる技術」 というと,最近ではまず Web をかんがえてしまうが,オリジナリティのあるものを書くにはいまでも取材が重要ということになるだろう. この本の中心は 「わすれさられた」 取材と執筆のルールを読者につたえることにある. 古典的な取材法と執筆法,そして書くテーマも古典的なテーマのなかからあたらしさをみつけるところに価値をおいているのだろう. しかしそれにしても,変化がはげしくなった時代のなかで 「あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくる」 と書かれているのを読むと,違和感を感じてしまう. 取材の場を世界にひろげれば,あたらしいテーマはいくらでもあるはずである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 調べる技術・書く技術@ [bk1]調べる技術・書く技術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-18

数年前,戸塚に通勤していたときに,東京テレポートにいくつもりで電車にのったのに横浜につれていかれてしまった外国人にであいました. それは湘南新宿ラインの電車で英語のアナウンスがないためでした. この点は改善されましたが,いまでも,外国人にはとても理解できないような内容のアナウンスをしています. どうも,こまったものです.

つづく…

2003 年ころ,私は湘南新宿ラインをつかって戸塚に通勤していました. その電車のなかで,アジア系外国人とみられるひとにであいました. 東京テレポートにいきたいというのですが,電車はすでに大崎駅をでて,西大井にむかっていました. 彼がのりかえるべきであることを知らなかったのは,英語のアナウンスがなかったからだとかんがえられます. 運のわるいことに,その電車は快速であり,横浜まで,おりることはできません. しかも,横浜から東京テレポート方面にいくのはかなり困難だとおもわれました.

つづく…

2008-06-29

中野新橋駅付近をとおるとき,ふだんはあまり上をみあげることもない. したがって,ほとんど気づいていなかったのだが,ここにはいくつか屋上に看板がつけられるようになったビル,つまり広告塔のあるビルがある. しかし,実際に屋上に広告看板をつけているビルはかぎられている.

つづく…

2008-07-03

著作権つきの動画が勝手に動画サイトに投稿されたとき,著作権者が要求すれば,動画サイトはその動画を削除せざるをえない. しかし,ニコニコ動画においては動画につけられたコメントはもとの動画の著作権者のものではない. したがって,もとの動画がけされてもコメントだけを再生することができる. コメントだけ再生しても,けっこう,おもしろいばあいがある.

つづく…

2008-07-27

最近,国内でおこるいろいろな刺殺事件・通り魔事件などがマスコミをにぎわせています. 秋葉原 で 6 月 8 日におこされた無差別殺傷事件7 月 19 日に埼玉県川口市で中学 3 年の長女が 46 歳の男性会社員を刺殺された事件7 月 22 日に京王八王子の書店で女性 2 人が刺された事件をはじめ,他にも多数ありました. このような事件がおこる背景に,親族やなかまとのコミュニケーションがうまくいっていないことがあるようにおもいます. 日本でも欧米的な個人主義がひろがっているなかで,コミュニケーションに関してももっと欧米のやりかたをとりいれるべきなのではないでしょうか?

つづく…

2008-09-07

ひとが情報にアクセスするときの枠組みあるいは文脈を著者は 「情報共有圏 (インフォコモンズ)」 と呼んでいる. このことばじたいは 「場所」 とむすびついているが,著者はむしろひとのグループとむすびつけている. 情報検索における絞り込みも情報共有圏のひろさを制御するものだととらえている. いずれにしても,きわめてあいまいな概念である.

著者はユーザごとにこの情報共有圏を適切に選択するためのしかけが 「暗黙 (インプリシット) ウェブ」,たとえばフェースブック・ビーコンのようなしかけだという. そこでは情報共有圏を適切に設定するためにさまざまな技術がつかわれるが,困難がおおく,たとえばマイクロソフトはベイズ理論をつかったユーザ支援で失敗している. そこで著者は Web 3.0 を登場させ,さらに考察をかさねている.

いろいろな知識が動員されくみあわされているが,それで現在の状況になにがつけくわえられ,問題が解決されるのか,私には理解できない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: インフォコモンズ@ [bk1]インフォコモンズ@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-12

書評はさまざまな新聞や雑誌にあらわれる. したがって,それらが目にふれる機会はすくなくない. しかし,いざある本を買おうとおもったときには,それらの書評はアクセスしにくい. そういう書評はみな沈んでしまって,やくにはたたず,実際に本を買うときに目にするのは Amazon や BK1 などの書評である.

つづく…

2008-09-13

数年前まで,あたらしい音声メディアをつくるという目標にむかっての研究を中心として仕事をしてきた. それによって研究としては成果をあげてきたが,実用になるものをつくることはいまのところできていない. その理由はいろいろあるとおもうが,そのなかでもおおきな理由は人間の耳をいかすメディアをつくることがむずかしいということだとおもう.

これはおおきな問題なのでもっとしっかり論じるべきだが,ここではとりあえず,いまおもいつくことを書いてみたい.

つづく…

2008-09-23

今後は,情報通信技術 (ICT) はこれまでのように主役であるよりも,農林水産業や鉱業の脇役としてのやくわりが増大していくでしょう. また,これらの 「リアル」 な産業に資金が傾斜する結果,ICT によるヴァーチャルな世界の重要性は相対的に低下するでしょう. サブプライム・ローン問題にみられるようなヴァーチャル世界のあやうさも,リアルへの指向をつよめるものとかんがえられます.

つづく…

Second Life (セカンドライフ) に関して,しばしば 「閑散としている」 という表現がつかわれています (「インタラクションの機会がかぎられる Second Life (?!)」 参照). これは参加している人数のわりに空間がひろすぎるからです. ひろすぎる空間という点ではインターネット上に展開されている他のメディアも同様です. たとえば,ブログにおいてはいったん炎上するとアクセス数は爆発的にふえますが,たいていのブログは,ふだんはわずかなひとしか,みていません.

つづく…

2008-11-12

宮崎駿が NHK の 「プロフェッショナル」 のなかで,こどもをたのしませるための決定的瞬間をのがして後悔した話をしていた. すこしちがうが,私はおもしろい話をする決定的瞬間にことばがおもいだせなくてのがすことがときどきある.

つづく…

2008-12-06

これまで英単語を (Web 上の) 辞書でしらべたいときは goo の辞書 をつかってきた. べつにそれがよいとおもってつかったきたわけではなく,もっとよいものをしらないから,そうしてきただけである. 最近,論文の英文添削をうけたときに,添削者から ALC の辞書 (英辞郎) は用例がおおくてよいということをおそわった. これからは,この辞書をつかうことにしようとおもう.

つづく…

2009-01-13

タイトルをはじめとして,実用的な本であるかのようにみせかけているが,実は言語学者によるメール作法の分析書である. メールを書くときの実用にはあまりならないだろうが,ケータイ・メールまでふくめて,これだけ様々な場面を分析した本は他にないだろう. ただ,メール作法はコミュニティによってかなりのちがいがある. 大学生が書いたメールを中心に分析しているので,企業でメールをみている私には違和感がある部分もあった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル社会の日本語作法@ [bk1]デジタル社会の日本語作法@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-10

XML データをあつかうとき,それを自動生成するしくみがよくつかわれる. そもそも XML の構文じたいが,人間が読むのに適しているとはとうていおもえない. 自動生成によって生産性が向上するのはよいが,つねに自動生成にたよる,自動生成しかできないようでは,人間はバカになってしまうのではないだろうか?

つづく…

2009-05-02

4 月 22 日の NHK 「視点・論点」 は詩作家の 荒川 洋治 による 「聞こえる言葉」 だった. 電車のなかなどで,ちかくにいあわせたひとの話をきいて,いろいろ想像をめぐらすところを語っていた. これは私が voiscape (「声の景色」 というような意味の造語) というあたらしいメディアを開発して実現したかった世界につながる内容だったので,印象的だった.

つづく…

2009-06-19

日本では携帯電話が固有の進化をとげていて,「ガラパゴス現象」 ともよばれている. この現象を肯定的にみるひとつの視点は,携帯電話が万葉集以来の短歌,俳句など,短文による表現の伝統にマッチしたデバイスなのではないかということだ.

つづく…

2009-07-26

世界中で現在つかわれている言語をカバーしようとしている. 新書のページ数でそれをやろうとすれば,個々の言語に関しては最低限の記述にならざるをえない. それでたしかに 「地図」 をえがくことに成功してはいるが,地図以上ではない. エピソード的な話もいろいろ書かれているが,つっこみが浅いので,あまりつよく興味をひく記述はなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 言語世界地図@ [bk1]言語世界地図@Amazon.co.jp

つづく…

2009-08-08

認知心理学者ノーマンは著書 「誰のためのデザイン?」 において既存のさまざまな工業製品のデザインを分析していた. するどい分析ではあったが,その内容はむしろ保守的にみえた. 本書では知的な機械と人間とのインタラクションがテーマとなっていて,よりノーマンらしい内容だとおもえる. 本書の内容はそのなかに書かれている 「6 つのデザインルール」 にまとめられ,また 「機械によって [実はノーマンによって] 作られた 5 つのルール」 もあわせて書かれていて,そのほうが私にはピンとくる. いずれにしても,マイコンなどを内蔵した知的なインタフェースのデザイナーは,本書をてもとにおくとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 未来のモノのデザイン@ [bk1]未来のモノのデザイン@Amazon.co.jp

つづく…

2009-09-04

ローレンス・レッシグがつかいはじめた意味での 「アーキテクチャ」 は,権力がひとびとを規制するためというネガティブな意味をおびていたが,著者はそれをもっとポジティブにとらえようとしている. ミクシィ,ウィニーなどの P2P ソフト,ニコニコ動画,初音ミクなどがとりあげられて,アーキテクチャという観点から論じられる. あたらしい視点のはずだが,そのわりには新鮮味が感じられない. 著者の議論をすでにブログなどでみているせいかもしれないが…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アーキテクチャの生態系@ [bk1]アーキテクチャの生態系@Amazon.co.jp

つづく…

2009-09-26

八ッ場 (やんば) ダムの 「八ッ場」 というのは奇妙なつづりだ. 「「八ツ場」 の由来は 「簗場」 だった」 (Yahoo ニュース) によると,もとは 「八ン場」 だったという説もあるということだが,それが誤記されたのなら 「八ッ場」 ではなくて 「八ツ場」 になりそうなものだ. 朝日新聞や上記の Yahoo ニュースなどでは実際 「八ツ場」 とつづっているが,ほかはたいてい 「八ッ場」 とつづっている. ほかにもいろいろ説があるということで,やはり謎の地名だ.

つづく…

2009-10-07

「論理」 といえばまず 3 段論法をおもいだすが,この本では 「対」,「言い換え」,「媒介」 の 3 つがすべてである. 3 段論法があつかわれていないわけではなくて,それは 「媒介」 の一種としてあつかわれている. つまり,ふだんの日本語でつかわれる論理としては 「対」,「言い換え」 という 2 つのものの関係 (2 項関係) のほうがもっと重要であり,3 段論法は 3 つのものの関係 (3 項関係) である 「媒介」 のなかのひとつ (にすぎない) ということだろう.

この本のなかには 「類書はすでに多数あります」 と書いてあるが,こういう方針が単純で実用的な読解の本は比較的すくなくて,価値のある本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語論理トレーニング@ [bk1]日本語論理トレーニング@Amazon.co.jp

つづく…

2009-10-16

話が通じない理由をいろいろ分析している. ひとことでいえば 「非・論理的コミュニケーション」 をしているからだという. しかし,私の経験では互いに論理的に話をしようとしていても通じないことがしばしばだ. この本を読んでもその理由や対策はよくわからない. いろいろな話が書いてあるが,あまり新鮮な話題はなかった. 結局,知りたいことはわからなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: なぜあの人とは話が通じないのか?@ [bk1]なぜあの人とは話が通じないのか?@Amazon.co.jp

つづく…

2009-11-10

「読解」 というと文章のなかにあるものを解読することだとおもってしまうが,この本はむしろ本のなかには書いてないことがいかに文章の解釈に影響するか,とくにそういう 「文脈」 をただしく理解しないと 「わかったつもり」 つまり誤解することになるかを,いろいろな例をつかって説明している. この本をよめば,「わかったつもり」 というおとしあなにおちるのをふせぐことができるようになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: わかったつもり@ [bk1]わかったつもり@Amazon.co.jp

つづく…

2009-12-21

著者は日本語が形式論理と同等であり論理的だという. 「同等」 ということばの意味がよくわからない. しかし,形式論理と 1 対 1 に対応するとはかんがえられないから,形式論理と対応づけられるという以上につよい意味はないだろう. 日本語が論理的でないといわれるのは,形式論理と対応づけられないということではなくて,それとの対応関係のあいまいさが英語にくらべておおきいということだろう. それを否定する議論はこの本のなかにはないから,「日本語が英語とくらべて論理的でない」 というかんがえを否定する根拠はあげられていないとかんがえられる. だから,この本はその主要なテーマにおいて失敗しているとかんがえられる.

しかし,この本にはおしえられることもおおい. 著者は日本では外国人向けには学校文法より合理的な文法が教育されているのに,英文法を無理にまねた学校文法が支持者がほとんどいないのに昔のまま教育されていることを批判している. そこには制度的な問題があることを指摘しているが,民主党政権がそこにきりこんでくれることを期待しておこう.

また,著者は日本語においては母音を左脳できくが,英語をはじめたいていの言語においては母音を右脳できいていることを指摘し,それを小学校での英語教育の問題にむすびつけている. 小学校で音声中心の英語教育をすれば母音を左脳できかなくなることを心配している. かんがえすぎのようにもおもうが,興味ぶかい議論ではある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は論理的である@ [bk1]日本語は論理的である@Amazon.co.jp

つづく…

2009-12-23

数週間前にフレッツ光の導入工事をした. 電話線を光ファイバーでおきかえるのに業者が苦労していたが,そこで駆使していた (が徒労におわった) ローテクが目についた.

つづく…

2010-04-05

どうすれば学会のポスターセッションで効果的なプレゼンテーションができるのかを説明している.ポスターセッションもしだいに紙のきりばりなどに依存しなくなってきているとおもうが,この本ではまだ,のりやはさみのつかいかたにウェイトがおかれている.本の末尾にはさまざまなポスター・セッションの写真とともに失敗している部分の説明が書かれている.成功例もわずかにふくまれているが,もっと成功例をふやしたほうが参考になったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ポスターセッションガイド@ [bk1] ポスターセッションガイド@Amazon.co.jp

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2010-04-14

4 月 13 日,文化審議会漢字小委員会は常用漢字としての 「私」 という字のよみとして 「わたくし」 のほかに 「わたし」 もみとめるという決定をしたという. たしかに慣用的に 「私」 は 「わたくし」 とも 「わたし」 ともよまれているが,この決定によって 「私」 という漢字のよみがますますあいまいになって,使用価値がひくくなったといえるのではないだろうか.

つづく…

2010-10-27

最近,来年度予算をきめるにあたって,政府の各機関がパブリック・コメントを募集していた. そのなかに総務省の 「光の道」 にかかわる予算があった. これに対して私は否定的な意見を書いたが,その時点ではまだかならずしも,かんがえが明確になっていなかった. その後 「光の道」 に関する本を 2 冊読んで,現状ではそこに税金をつかうべきでないというかんがえはパブリック・コメントに書いたのとかわっていないが,より明確なかんがえをもつようになった.

つづく…

2011-03-26

Capote による 「枝野官房長官から学べる 10 のこと: 危機管理広報の視点から」 を読んで,これはすばらしい分析であり,たしかにそこからまなぶべきだと感じました. リンクをはるだけでなく,引用させていただきます.

つづく…

2011-04-11

新聞も音楽 (CD) もデジタル化によって収益があがらなくなり,転職や賃下げを余儀なくされている. 著者は自分で電子出版に手を染めた結果,電子書籍も同様のことをひきおこすとかんがえている. また,日本にはアメリカよりはるかに複雑な著作権問題があり,電子書籍の普及をさまたげている. さらに,電子書籍には IT の力が不可欠だが,「IT 側の人間」 は IT やそのビジネスには興味があっても 「作品」 には興味がないという.

このようにこの本では暗い話題がつぎつぎにしめされるが,最後に 「オンラインによるヴァーチャル世界が広がれば広がるほどリアルが大切になる」 という話が登場する. これがほんとうであるなら,すこしばかり救いになるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 出版大崩壊@ [bk1]出版大崩壊@Amazon.co.jp

つづく…

2011-04-15

マスコミや有線放送,CATV などによる災害情報をさまざまな面からあつかっている. 章ごとにことなる著者が執筆しているので,一部重複もあるが,それはたいした問題ではない. 過去の災害情報の分析としてはよいだろう.

しかし,今後の参考にしようとすると,インターネットなどに関する記述がほとんどないのが気になる. 東日本大震災でひろくつかわれた Twitter や Facebook についての記述がないのはしかたがないが,この本の出版前におこった新潟県中越地震などでのインターネットのやくわりに関しては,もうすこし書いてあってもよかったのではないだろうか. いずれにしても,今後,大改訂が必要なことはまちがいないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 災害情報論入門@ [bk1]災害情報論入門@Amazon.co.jp

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2011-04-16

先日,仕事中に東日本大震災の比較的おおきな余震がきた. 電車がとまるのではないか! というようなときに情報をしいれるには,やはり Twitter (ツイッター) が便利だ. ワンセグつきの携帯電話でももっていれば,それをみることもできるだろう. しかし,放送では情報がどんどんながれさってしまう. 検索しやすいのはやはり Twitter だ

つづく…

2011-05-03

古川と石巻の間に 「谷地 (やち)」 がつく駅が 2 つある. なにかいわれのある名前かとおもってしらべてみると,「谷地」 は特定の場所をあらわしているのではなくて,湿地を意味しているらしいことがわかった.

つづく…

2011-05-10

災害予知情報をつたえるべきかどうか,どうつたえたらいいかといった話題もとりあげられているが,印象にのこったのは流言の発生やひろがりかたについての話題だ. 最近話題のツイッターによる流言はこの本ではまだ登場しないが,マスコミからはじまって,Web やメイリングリストはとりあげられている.

それとともに,ひとびとの不安をなくすには断定的な表現が必要とされたという話もとりあげられている. 地震発生のデマをうちけすには,正確さを重視するならいえないはずの 「絶対起きない」 と断言するようにしたという気象庁地震課長の話である. 福島第一原発事故で枝野官房長官が正確な表現につとめていたために不安が解消できなかったことをおもいださせる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 災害情報とメディア@ [bk1] 災害情報とメディア@Amazon.co.jp

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2011-06-13

鈴木 謙介 らと 「ダメ情報の見分けかた」 という本を書いた著者は,震災後ブログで流言・デマのまとめを書いてきた. それをまとめたのがこの本だ. ネット上でさまざまな流言・デマがあり,それを信じさせ拡大させるしかけもあったが,それを否定するツイートや記事もあって,流言・デマがひろがらずにすんだことが分析されている. また,どうすればそれをくいとめることができるかも分析されている.

関東大震災のときには流言・デマが虐殺事件にまで発展したことをかんがえれば,日本人が冷静だったからひろがらなかったのではなくて,情報がうまく流通したからなのだろう. この震災ではツイッターなどが救援のためにうまくつかわれたが,流言・デマの防止という点においてもそれがうまくはたらいたということだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 東日本大震災の流言・デマ@ [bk1] 東日本大震災の流言・デマ@Amazon.co.jp

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2011-06-29

災害による観光業の被害や銀行の取り付け騒ぎなど,さまざまな風評被害が分析されている. そのなかには放射能に関するものもあるが,おもに東日本大震災よりまえの事件がとりあげられている. 最後の 2 章はこの震災における風評被害にあてられているが,のびのびになっていたこの本の出版が震災を機会に加速されたということだ. 立場によっておなじ 「事件」 が風評被害とみなされることもあり,そうでないこともあるというあやうさも,とりあげられている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 風評被害@ [bk1] 風評被害@Amazon.co.jp

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東日本大震災をうけて再刊された本だが,おもな部分は戦前に書かれたようだ. 前半はタイトルになっている流言蜚語について書いているが,抽象的なのと,インターネットがある現在とはことなる状況のものなので,途中で読むのをやめようかとおもった.

しかし,後半は著者の関東大震災の経験をつづった文章をあつめていて,具体的かつ印象的な文章だ. そこではしばしば 「天譴 (てんけん)」 ということばがあらわれる. 「天罰」 にちかい意味だ. 石原慎太郎のことばがおもいだされる. 過去の震災が書かれている本として鴨長明の 「方丈記」 とヴォルテールの 「カンディード」 があげられている. 後者はヨーロッパに広範な被害をだしたリスボン地震について書いているという. 「カンディード」 との比較で日本の 「天譴」 ということばの軽さが指摘されている.

著者は 「東京が消失しても,300 万の日本人が死んでも,涙を流す外国人は 1 人もいないでしょう」 と書いているが,東日本大震災でわかったことはそれとはまったく逆だった. そして,著者はまた大威張りで朝鮮人を殺して銃剣の血を洗っている兵隊と出会っておどろいているが,東日本大震災では日本人みなが献身的にはたらく自衛隊員のすがたを見た. このコントラストは現代の日本人の希望であり自信につながるものだ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 流言蜚語@ [bk1] 流言蜚語@Amazon.co.jp

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2011-11-17

モバゲーのようなソーシャルゲームでなぜ錬金術のようにもうけることができるのか,その秘密を研究者的な目で分析している. フェイスブックなどとくらべると,ずっと,ひとの心をつかまえるように巧妙につくられているということだ. この本はそういうゲームの分析としておもしろいが,比較的みじかい本でもあり,そこにとどまっている. 著者の講演を先日きいてきたのだが,実はこの本を読むよりそのほうがずっとおもしろかった.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 仮想世界錬金術@ [bk1]仮想世界錬金術@Amazon.co.jp

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2011-11-23

マスコミに支配されていた時代はおわって,著者がビオトープとよぶ,多数のちいさな情報圏がうまれている. ひとびとはそこにチェックインし,キュレーターという,〈視座〉 を提供するひとをたよりに世界をみる. そこまでは,キュレーターというようなことばはべつとして,インターネットをつかってくらしているひとなら,みな感じているところだろう. この本ではあつかわれていないが,このような議論がでてくるまえから,インスタント・メッセージング (IM) というシステムがあり,そこにログインするとみんなにそれがつたわる (チェックインする) ようになっていた.

しかし,この本はそういう抽象的な話にとどまらず,どういうビオトープがあってどういうキュレーターがいるかを具体例でしめしている. 音楽の世界,ソーシャル・メディアとくにフォースクエア,アウトサイダー・アートなど,さまざまな例をとりあげながら,どういうキュレーターがなにをしてきたかをのべている. あまりまとまりのよい議論ではないが,1990 年代ごろからゆっくりとすすみつつある変化をとらえているといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: キュレーションの時代@ [bk1]キュレーションの時代@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-02

この本にはいたるところに妥当性に疑問がつく議論がある. そのうちのいくつかをここにあげてみよう.

著者は,最近の 10 年くらいでうつ病・躁うつ病が急激にふえているのはここ 20 年くらいでネットが普及しコミュニケーションを変えたからではないかという. しかし,それらの直接的な関係はしめされていない.

著者はまた,インターネットの普及で 「言葉」 がつかわれなくなったと書いているが,それによって顔をつきあわせての会話がへったとしても,文字でチャットする機会はふえているだろう. チャットでは短文しかかかないというのだが,もともと会話では短文しかしゅべっていなかっただろう. 昔は長文を読んだり書いたりしていたというのだが,それは相当にむかしのことだろう.

そこで著者は突然,「精神」 と 「言葉」 について考察するために,哲学や生物学や人工知能 (フレーム問題など) までもちだしてくる. しかし,それがこの議論のどこにやくだつのかわからない.

これらはまだ比較的慎重な最初の部分の議論であり,あとのほうになるとますます疑問があるが,枚挙にいとまがない. とりあげているテーマはよいが,議論や結論は信頼できない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: インターネットが壊した@ [bk1]インターネットが壊した@Amazon.co.jp

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2012-06-09

国会で原発事故の調査がつづけられている. 当時の政府と東電の当事者たちの発言,かんがえのちがいがあらためてうきぼりにされている. 焦点のひとつは東電が福島第一原発から全員を退避させるつもりだったかどうかだ. 東電がほんとうに全員を退避させるつもりだったとはかんがえられないが,当事者のコミュニケーション能力の不足が誤解と相互不信をまねいたようにおもえる. 危機の際にも適切なコミュニケーションができるように,現場のひとだけでなく政府要人や会社幹部も訓練しておくことが重要だといえるだろう.

つづく…

2012-06-28

マスメディアはもちろん,ケータイ,インターネットもとりあげ,テレビやテレビゲームがこどもにあたえる影響やネットの炎上,バーチャル・コミュニティなどにもかなりのページをさいている. ラジオについてもテレビ登場後の変化に注目している. 現代のメディアを俯瞰するのに適した本だといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: メディア・コミュニケーション学@Amazon.co.jp

つづく…

2012-07-01

言語学をまなんだことがあるひとが,もう一度,自分の知識をふりかえるのによい本だ. 当然のようにソシュールの話がでてくるが,だいじなのはシーニュとかシニフィアンとかではなくて,「現語句は規範の学ではない」 ということと 「文字はことばの正体をかくすものであって,文字を はぎとったところに,ほんもののことばが現れるのだ」 ということだという. その他,ソシュールやチョムスキーに関しても,言語学のほかの話題に関しても,教科書にはあまり書いてないようなさまざまな 話題がとりあげられていて,おもしろい. 「学校文法」 は 「言語学がまず最初にたたかうべき相手であった」 というのもそのひとつだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ことばとは何か@Amazon.co.jp

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2012-07-02

これはことばの誕生をさぐる本というよりは,動物の歌についての本だ. さまざまな鳥の歌の話が中心だが,くじらやガもうたうという話,霊長類のなかでは人間しかうたわないという話などがでてくる. 歌以外でも人間のことばや音楽の構造など,いろいろおもしろい話がちりばめられている. タイトルのとおりの内容を期待するとはずれるが,おもしろい本であることはたしかだ

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 言葉の誕生を科学する@Amazon.co.jp

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2012-07-21

言語学と人工言語学との関係は認知心理学と人工知能との関係に似ている. 言語学は人工言語を対象としないが,人間の心理を研究するのに人工知能が有用であるならば,言語を研究するのに人工言語をつくることは有用なはずだ (人工知能は工学だが人工言語学にも工学の側面がある). つくっただけでつかわなければ,つくりっぱなしの人工知能と同様に有用ではない. しかし,著者は言語学を知らないころからアルカという言語をつくってきた. そして,ながらくそれをそだてて,インターネット上のユーザなどとともにつかってきた. この本はそこからえられた,世界に例のない成果である. まだこの本は序の口だ. 今後を期待したい.(PDF 版のレビュー)

評価: ★★★★☆

関連リンク: 人工言語学・アルカ@Amazon.co.jp

つづく…

2012-07-24

アダムが楽園にいたころは言語も完全だったとかんがえられて,その探求あるいは復元がめざされてきた. この本ではおもに 13 世紀ごろから 20 世紀にまでわたる,このような完全言語探求の歴史がたどられている. 話題の中心は哲学・哲学者や言語学であり,チョムスキーにまでつながっている. しかし,記号論,数学,コンピュータ言語やハイパーテキスト,人工知能,和声学や 12 音音楽などにちかづいている部分もある. この本の中心をなす哲学者や言語学者のかんがえにも興味があるが,むしろこうした周辺の部分に興味をひかれる. あくまで周辺であって,わずかにふれられているだけなのだが…

評価: ★★★★☆

関連リンク: 完全言語の探求@Amazon.co.jp

つづく…

2012-07-25

この本より最近書かれたウンベルト・エーコの 「完全言語の探求」 と同様に 「アダムの言葉」,洪水,バベルの塔 からはじまり,チョムスキーにつづいていく普遍言語が中心のテーマになっている. だが,エーコの本とはちがってユートピア小説とその作者にひかりをあてている. ゴドウィンの 「月世界の人」 をはじめとする月や火星の話,ならってもいない外国語や不思議なことばを話すひとの話 (「外国語がかり」 や 「異言」),そのなかにも 「火星語」 を話すエレーヌ・スミスの話がある. この本を読んでもなお正体不明だが,これらの話題にひきつけられる. エスペラントについても言及している部分はあるが,それはこの本のテーマではない. エーコの本とあわせて読むとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 言語の夢想者@Amazon.co.jp

つづく…

2012-08-06

タイトルからすると,日本語を英語やドイツ語などにかわって国際的につかわれる言語に することをめざしているようにみえる. しかし,著者が意図しているのは,それらにとってかわることではなくて,ドイツ語やフランス語と 同様に世界で通用するようにするということだ.

まだ日本にもっといきおいがある時代に書かれた本だから,いまよりは説得力があったのだろう. 日本は 「経済超大国」 だから,それにふさわしい情報発信をするべきであり,日本語をひろめるのも そのひとつだということだ. いまや 「経済超大国」 ではなくなってしまったが,文化的には世界から注目されている部分もあり, また WWW の世界では英語につぐ規模の情報発信があるといわれている. ただし,後者に関しては情報の質において疑問があるが…

日本はこれまで世界から情報をどんどんとりいれる一方で,情報発信や国際政治における主張が よわかった. それを強化するべきだというこの本の主張はいまでも重要だろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は国際語になりうるか (文庫)@Amazon.co.jp日本語は国際語になりうるか (著作集)@Amazon.co.jp

つづく…

2012-08-07

「日本語は国際語になりうるか」 という,そっくりなタイトルの本があるが,その著者である鈴木孝夫がここ (未来学会) でも中心人物のようだ. この本のほうがさきに書かれているが,鈴木の主張はかわっていない. だが,この本は一般公募の作文をふくむ 10 人以上の著者と,シンポジウムの記録をふくんでいる. そのなかにはさまざまなかんがえがある.

日本語を一枚岩の言語として論じた意見もあるが,示唆的なのは日本語は複数あってよいというかんがえだ. 日本語には方言があるということからも一枚岩でないことはあきらかだが,外国人のために簡約化された日本語をつくること,日本語を容易に学習できるようにする標準的な方法 (シラバス) を確立すべきことなどが示唆されている. 日本語を国際語になるかどうかはともかくとして,日本語をまなびたい外国人のためにこのような便宜をはかるのは必要なことだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は国際語になるか@Amazon.co.jp

つづく…

2012-08-12

三訂版は 2004 年に出版されているが,改訂されているにもかかわらず内容はふるく,現代のフィッティングの実践には適さないとかんがえられる. ディジタル補聴器全盛の時代だが,この本の内容の大半はアナログ補聴器に関するものだ. 補聴器がディジタルになっても耳はアナログのままだから,この本の内容のおおくもそのまま適用できるが,ディジタル補聴器や改良された測定器・材料などに関する配慮も必要なはずだ. ディジタル補聴器についての記述も,まだそれが未熟だった時期のものだ. もはや,やくわりをおえた本だとかんがえられる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 補聴器のフィッティング@Amazon.co.jp

つづく…

補聴器は対面販売が基本の商品だから,この本にはよい病院・医師・補聴器販売店をえらぶのに必要な知識が中心に書かれている. どういうタイプの補聴器があり,どういう技術がつかわれているかについても書いてあるが,その記述は比較的みじかい. もうすこしくわしく書いてもよいようにおもえる. しかし,2011 年に出版された本だから,内容はかなりあたらしい. 自分または親が補聴器を買おうとしているひとには最適な本だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「聞こえ」に不安を感じたら…@Amazon.co.jp

つづく…

「補聴器選び」 というタイトルだが,内容はもっと積極的に補聴器をつかおう! というところからはじまっている. 補聴器に関するさまざまな最新の知識がつめこまれているのはよいが,補聴器の種類や補聴器選びそのものに関する記述は比較的かぎられている. しかも,基本的にはさまざまな種類の補聴器に関する説明がならべられているだけであり,比較のための基準などはあたえられていないので,この本を読んでも補聴器をえらぶことはできないだろう. 病院や販売店についても記述はわずかなので,どこにいけばよいかもよくわからない. こんな本が毎年,出版されているというのはおどろきだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: よくわかる補聴器選び@Amazon.co.jp

つづく…

2012-08-14

140 ページという比較的うすい本のなかに,難聴と補聴器についての基本的な知識がまとめられている. 日本より普及がすすんだデンマークの現状を反映したこの本には,補聴器のフィッティングなどに関して日本の本からはえがたい知識がちりばめられている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: よい聞こえのために@Amazon.co.jp

つづく…

原題は 「Compression for Clinicians」 であり,内容をかんがえても 「臨床家のためのデジタル補聴器入門」 というタイトルには違和感がある. デジタル補聴器中心に書いているのは第 6〜8 章だけだ. しかし,著者によればアナログ補聴器について書いているのは,デジタル補聴器においては重要な技術がおおいかくされているため,いきなりデジタル補聴器について書くとそれが理解されないからだという. 読者は辛抱づよくアナログ補聴器の話をよむ必要があるということだろう.

いずれにしても,いま日本で出版された本のなかでデジタル補聴器についてきちんと書かれたほとんど唯一の本だとかんがえられる. 臨床家だけでなく,補聴器に興味があるすべてのひとにすすめられる本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 臨床家のためのデジタル補聴器入門@Amazon.co.jp

つづく…

補聴器フィッティングには多数の方法があるが,有名な方法として NAL-NL1,DSL などが知られている. 旧式のものではあるが日本でも大和田法が知られている. しかし,この本ではこのような確立されたフィッティング法についてなにも書いていない. 著者は E 章においてただ周波数レスポンスをあわせることだけを書いている. ベネマの 「デジタル補聴器入門」 などでは,それではうまくいかないことが書かれている.

補聴器において重要なのは声を認知することだが,語音明瞭度についてはようやく最終章で書いている. その記述は詳細だが,それはむしろ研究紹介であり,フィッティングにおいてどのようにやくだつのかはわからない. 「フィッティング」 をタイトルとする本としてはまったく不十分だとかんがえられる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 補聴器フィッティングの考え方@Amazon.co.jp

つづく…

2012-09-25

言語の比較的深層を中心にあつかった入門書 (上 + 中 + 下) だ. 深層についてといっても,「これでもか !」 というくらいに列挙された例はみな英語からとられているから,日本人にはかならずしもわかりやすくはない.

言語学とともに英語という言語に興味があるひとなら,きっと興味がもてるだろう. 日本語と英語との構造的なちがいを意識しながら読むこともできるだろうが,読みながらそれをきちんと把握するのはむずかしい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 思考する言語 (上)@Amazon.co.jp思考する言語 (中)@Amazon.co.jp思考する言語 (下)@Amazon.co.jp

つづく…

2012-10-22

言語で表現できない感情や感覚などがビジネスにおいても重要だという主張だ. それはそのとおりだとおもう. しかし,著者 (ほとんどひとりで書いたらしいのだが,表紙にはなぜか 「博報堂ブランドデザイン」 という肩書きが書いてある) が書いている具体的な話になると,この主題との関係がよくわからなくなる. 最初にでてくる周囲がぼけてうつるデジカメの話,第 1 章の 「たとえ」 の話など, 言語で表現できるかどうかということとは無関係であるようにおもえる.

結局のところ,「非言語」 というテーマをたてて,そこに関係のあるものないものすべて ほうりこんでいるという印象をうける. その結果,著者がほんとうにいいたいこと (ほんとうにあるの ?!) はわからなくなっている.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ビジネスは「非言語」で動く@Amazon.co.jp

つづく…

人工言語について,エスペラントやそこから派生した言語を中心にして書いている. これらについて書いた本はほかにもあるから,この本特有の主張がそこにあるわけではないだろう.

それとあわせて,著者は 「異言」 やコンピュータ言語,機械翻訳などについても書いているが, とくにコンピュータ言語の章は完全にういている. 機械翻訳に関しては,翻訳のための中間言語としてエスペラントにちかい言語が適切だと 主張され,オランダの BSO 社などがそれをこころみたことが書かれている。 しかし,エスペラントがその目的にあっているという根拠は十分でない. ひとつの研究だけがあげられているのは,その主張がうらづけられていないということを 意味しているのだろう.

というわけで,あまりみるべきところはなかったようにおもう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 国際共通語の夢@Amazon.co.jp

つづく…

2012-11-07

ひとと交渉する際に重要なポイントを 「1 時間め」 から 「6 時間め」 にわけて書いている. そのなかには,なれれば自然にできることもあるだろう. しかし,ここで書かれている交渉技術のおおくは明確に意識しないかぎりはできないことだ. この本の演習問題をとくだけで実際の場面でもできるようになるなんていうことはないだろう. それだけに,この本をくりかえし,とりだしてみるとやくにたつだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 武器としての交渉思考@Amazon.co.jp

つづく…

2013-01-17

これは英語の文章などにも通用するマクロな作文技術の本ではないが,日本語の文を構成するためのミクロな作文技術の本としてはこれ以上のものはないのではないかとおもう. 文系・理系をとわず,わかりやすい文を書くための方法が豊富な例をつかって徹底的に説明されている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語の作文技術@Amazon.co.jp

つづく…

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