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思想・哲学・宗教アーカイブ

0001-01-01

IonCare.jpg Kokubunji-Jinja.jpg このカテゴリーには思想・哲学・宗教などに関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーはカナダからのブログです.

このページには書評もふくまれていますが,思想・哲学・宗教に関する書評のページにはそれらの書評だけをあつめています.

なお,このページは思想・哲学・宗教アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 22:35 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,個別ページにある写真をここに引用しておきます.

2005-12-24

この本を読む前にバカの壁をこえているひとにとってこの本の内容は納得できるものだとおもいますが,読む価値はあまりないでしょう.逆にバカの壁をこえられないひとにはこの本の内容は理解できないので,やはり読む価値はあまりないでしょう.編集者でなく養老先生自身がこの本を書けば,もうすこしバカの壁をこえるたすけになったのかも…

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: バカの壁@ [bk1]バカの壁@Amazon.co.jp

つづく…

2006-10-24

私はつねに趣味と仕事とを一致させようとしてきました. 仕事が趣味からはなれてしまったときは,趣味を仕事にちかづけるように努力してきました. また,逆に仕事が一段落したときには,仕事を自分の興味 (趣味) にちかづけるように努力してきました. それは,ある意味では 「公私混同」 的なやりかたであり,以前はあまりひとにいえるようなことではなかったのですが,最近はややおおげさないいかたをすれば 「私の時代がきた」 と感じています.

つづく…

2007-09-19

仕事や人生がうまくいっていないひとは,自分で自分のちからを殺してしまっていることがおおいとおもわれる. 本書はそのような状況からぬけだして,ちからが発揮できるようにするための方法を順序を追って説明している. 私自身が実践していることや私にも納得できる点がおおいが,気になるのは説明が論理的でないことである. 本書のサブタイトルは 「幸運の流れをつかむ新しい哲学」 とあるが,哲学は論理的でなければならない. その意味で本書はむしろ宗教である. 本書には占いのすすめなども書かれていて,そういう点では私はついていけない. 信じられるひとがこの本にそって実践すればきっと成功するだろう. だから,そういうひとにとっては良書だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: パワー・オブ・フロー@ [bk1]パワー・オブ・フロー@Amazon.co.jp

つづく…

2007 年 8 月 12 日に NHK で放送された 「鬼太郎が見た玉砕」 というドラマの原作である. 戦争や死,病気などが日常化した戦場の世界がえがかれている. ドラマではより戦争の非情さが強調されていたようにおもうが,この本のなかに登場する人物たちはより人間的であるようにみえる. 玉砕するはずだったがいきのこった小隊長たちもドラマよりは温情的にあつかわれているようにみえる. しかし,それは著者のやさしさからでた表現なのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 総員玉砕せよ!@ [bk1]総員玉砕せよ!@Amazon.co.jp総員玉砕せよ!@Amazon.co.jp

つづく…

2007-09-21

人生にしろ,ビジネスにしろ,「あきらめないのが成功の秘訣」 ということはよくいわれます. あきらめれば,そのとたんに成功のチャンスはうしなわれる. あきらめずに継続すれば,また努力すれば,成功するチャンスはある,というわけです. しかし,あきらめないことは単に成功のチャンスをふやすだけではないとかんがえられます. あきらめずに継続し,努力しているあいだは,つよい挫折感を感じずにすみます. 挫折感は不幸につながるでしょう. 反対に挫折感がなければ,それだけ幸福だということになるでしょう. つまり,あきらめないことがたとえ成功につながらないとしても,幸福につながるということです.

つづく…

2007-10-06

いま,われわれは時代の変曲点,つまり,おおきな変化の時代にさしかかっているようにおもわれます. ここをまがりきると,これまでとはまったくちがった世界がひらけ,あたらしい時代がはじまり,それにともなってあたらしいニーズにもとづくあたらしい技術が必要とされていくようにおもわれます.

つづく…

2007-11-22

かつて,原子爆弾の出現におどろいた科学者たちは反対運動を組織しました. しかし,すでに完成され軍拡のながれにのった核兵器開発をとめることはできませんでした. それと同様のことが,いまわれわれの時代におこっているのではないでしょうか? それは原子爆弾のような物理的な兵器ではありません. われわれのこころをむしばみ,われわれを洗脳してしまう種類のものです. もしかしたら,インターネットも携帯電話もそういうもののひとつであるのかもしれません.

つづく…

かつての日本には国のまとまりをつくるものとして武士道や天皇の存在があったといえるでしょう. 欧米においてはいまでもキリスト教がそのやくわりをはたしうるのかもしれません. しかし,現代の日本においてはどうでしょうか? もっとべつのしかけにたよらざるをえないのではないでしょうか?

つづく…

2007-12-24

この本の中心的な思想はヒマネンらの著書 「リナックスの革命」 におけるような 「ハッカー倫理」 が今後,世界にひろがっていくというかんがえである. したがって,この本やそれに関連する本を読んでいれば,この本の内容に特別,めあたらしいことはない. しかし,著者は自分の経験や思考をそこにかさねているので,それだけ迫力がある. 自分の生き方を根本的に見直す気がある読者にとっては,よい機会をあたえてくれるかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ウェブ時代をゆく@ [bk1]ウェブ時代をゆく@Amazon.co.jp

つづく…

2007-12-30

趣味 (あそび) と仕事の一致」 に書いたように,私にとって趣味 (あそび) と仕事との境界は明確なものではありません. ということは,それをなんと呼んでよいか,よくわからないということでもあります. しかし,それを呼ぶために “hob” ということばをおもいつきました.

つづく…

2007-12-31

東 浩紀 は 大澤 眞幸 との共著 「自由を考える」 (NHK 出版, 2003 年) のなかで 「規律訓練型権力」 と 「環境管理型権力」 について論じています. 「規律訓練型権力」 はもともとミシェル・フーコーが 「監獄の誕生」 (新潮社, 原著 1975 年) において論じているということですが,私自身はこの本を呼んではいません. 東の論旨は 「ポストモダン化」 によって 「規律訓練型権力」 によっては秩序を維持することができなくなり,「環境管理型権力」 がそれにかわって登場してきたが,そこにはいろいろ警戒すべき点があるということです. 「環境管理型権力」 は情報技術とくにセキュリティに関する技術を背景として登場してきているということなのですが,したがって,セキュリティ技術との関係を吟味する必要があります. このブログはこのような考察に適当な場所ではないとおもわれたので,「環境管理型アーキテクチャとセキュリティ管理」 において,環境管理とセキュリティ管理の技術との関係を論じています.

つづく…

2008-01-07

「問題作」 を読んだときには,すぐにみずから書評を書いて Amazon.co.jp と BK1 とに投稿している私だが,この本に関してはそうたやすく書評を書けなかった. ここには,Amazon.co.jp から,よく内容を要約している モチヅキ (名古屋市) の書評を引用しておきたい.

つづく…

中村 天風 の数 10 文字のことばをおおきな活字で 1 ページにひとつずつ印刷した本である. すでに天風の本を多数読んだり話をきいたひとには,その話がおもいだせればよい本なのだろう. しかし,文脈がわからない私には,これだけでは理解することができない. 天風の本のなかでよいものをさがして,あるひとにすすめようとおもって買った (ということは私も天風のことばが気にいっているわけなのだ) が,そういうわけなので,この本はすすめるわけにはいかない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 心が強くなる言葉@ [bk1]心が強くなる言葉@Amazon.co.jp

つづく…

2008-01-08

宇野 千代 が 中村 天風 の講話を編集して書いた本である. 廣済堂文庫にある 「天風先生座談」 (こちらが本来のタイトル) とおなじ内容だが,小見出しをつけてその目次をつくることによって,あとから見返すのが容易になっている. まえむきに生きることがどれだけ人生にとって大事であるかを実感させてくれる本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 中村天風の生きる手本@ [bk1]中村天風の生きる手本@Amazon.co.jp

つづく…

2008-02-24

洗濯機の流行と普遍性」 という項目では洗濯機を中心として,家電品で流行したニューロ,ファジィ,銀イオン,塩などのことばをとりあげました. もっとひろい範囲の流行語 (あるいは信仰 (?)) として 「マイナスイオン」 というのがありますが,これはなかなかしぶとく,いきのこっているようです.

つづく…

2008-03-07

この本は、最近多数出版されている自虐史観のみなおしに関するものである. 米軍の占領政策のなかで日本人が洗脳されたという指摘はすでにさんざん読まされているが,この本では日本が戦前あやまった方向にふみだすにあたっても,また戦後の占領政策も最近の 「ジェンダーフリー」 運動も 「社会主義」 に影響されたと主張している. なにもかも 「社会主義」 のレッテルをはりつけてしまうことで真実をかくしているようにおもえる.

とはいえ,大陸における戦争の一因をもともと日本の弱腰外交,英米と協調した出兵をしなかったことなどをもとめている点などは,きくに値するようにおもえる. 弱腰ではかえって戦争をまねいてしまうということはドイツに対する各国の対応でもいえることであり,現代日本にもあてはまるとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人としてこれだけは知っておきたいこと@ [bk1]日本人としてこれだけは知っておきたいこと@Amazon.co.jp

つづく…

2008-03-19

ちかごろの本はただ平易でよみやすくするばかりで,味わいのない文章がおおい. それに対してこの本の著者は 「本を大量に読み,文章を膨大に書きなぐるという過程を子供の頃から無意識で繰り返しては来たのだが,文章に味わいや品格というものがどうにもこうにも涌いてこない」 と書いてはいるものの,この本はひと味ちがっている. また,通説にとらわれず,2 ちゃんねらーについても小林秀雄や藤原正彦も独自に理解しようとしている. 疑問の点も多々あるが,得るところもある本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 新しい神の国@ [bk1]新しい神の国@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-19

会社のすぐそばに本町八幡神社というちいさな神社があります. きょう,しらべるまで名前すらしらなかったのですが,ここでこの半年くらいのあいだに,けっこうなイベントがありました. ちいさいけれども,けっこうりっぱな社殿がつくられたことです.

つづく…

2008-04-29

資本主義経済においては,分業,大規模化,集中,グローバル化がめざされてきました. ひくいエネルギー・コストのもとではものを移動させてもそれほどコストがかからないからです. しかし,温暖化をはじめとする環境問題が深刻化し,エネルギー・コストが大幅に上昇すると,そういう方向はかならずしものぞましいものではなくなってきます.

逆の極端は自給自足です. 完全な自給自足を復活させることはかんがえられませんし,情報通信のグローバル化は今後もさらにすすみ,過去にもどることはないでしょう. しかし,モノに関しては分散的な生産・消費をゆるいネットワークによってむすぶシステムがひとつの理想形になるのではないでしょうか?

つづく…

2008-05-05

タイトルの 「モノの捨て方」 にひかれて買ったまま読まずにいた本を最近,読んだ. たしかに最初の章にはモノの捨て方が話題にされていて,常識を捨てることが大事だということも感じさせる. しかし,それ以降の章はタイトルにこそ 「捨てる時代」 がかぶされているが,内容はモノを捨てることとは関係がない. 話題になっていた 辰巳 渚 の本に便乗しようとしたのだろう. もっと独自性をうちだしたほうが価値ある本になったのではないかとおもえる.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: モノの捨て方で人生が変わる@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-05

川北 義則 の 「40 歳から伸びる人,40 歳で止まる人」 という本に,「明日に延ばせることを今日するな」 という 藤子 不二雄 A のことばを,常識的な 「今日できることを明日に延ばすな」 ということばと反対だと書いている. しかし,実はこれらは矛盾することばではないとおもう.

つづく…

2008-08-18

「やる気」 がないのにもいろいろな原因やレベルがある. この本ではその原因を 「思うように仕事がはかどらないから」,「仕事の目標が見つからないから」 など,6 つに分類している. そして,原因のちがい,レベルのちがいなどに応じて,いろいろな対策をしめしている.

いずれかの原因,いずれかのレベルに特化して対策をしめしても,そこからはずれているひとには効果がないが,この本からはよりおおくのひとが自分にあった対策をみつけることができるのではないかとおもう. それができるのは,著者みずからがかつて 「やる気なし人間」 だった,たぶんそのときによっていろいろな原因やレベルを経験してきているからなのではないかとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: やる気の法則@ [bk1]やる気の法則@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-22

おとなになると 「常識」 にとらわれて自由に行動できなくなるので,それを排して自由になろうという趣旨はたいへんよい. しかし,こどものときはほんとうに自由だったのだろうか?

こどものころは温泉で下半身をかくしたりしなかったのが,おとなになると人目を気にするようになると書いている. しかし,私のばあいはむしろ逆だった. 「何もない原っぱで遊べますか?」 というのもあるが,いまでも原っぱをたのしめる私に対して,私のこどものほうがたのしめないようだ.

つまり,こどもかおとなかということはあまり関係なくて,へんなこだわりはすてたほうがよいということだ. この本のヘンなところにこだわるのも,もうやめよう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 子ども脳の大人になろう@ [bk1]子ども脳の大人になろう@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-26

どんな分野でも 「できる人」 は 〈まねる (盗む) 力〉,〈段取り力〉,〈コメント力〉 をもっているという. なるほど,さすが齋藤先生だ,とおもいながら読んでいったが,わけあって,途中で数日ほうりだしてからつづきを読んだ. それまでに書いてあることをすっかりわすれていることに気づいた. 私にとっては,もっともだがどうもピンとこなくて実践的にはつかえない,すぐ内容をわすれてしまう本だった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「できる人」はどこがちがうのか@ [bk1]「できる人」はどこがちがうのか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-03

この本にはいろいろなことが書いてある. サラリーマンや経営者なら,そのなかから自分にあったやりかたをみつけることができるだろう. 自分に関係ないことはわすれて,よい部分だけを読めばいい.

とはいえ,仕事の種類によって 「いい仕事の仕方」 はかわってくるだろう. しかし,この本がどんな仕事を対象としているかははっきりしない. それだけでなく,仕事とはなにか,趣味とはなにか,それがまず書いてない. そのため,仕事は生きがいになるが 「趣味そのものは,生きがいになりにくい」 と書きながら 「仕事を趣味にすればよい」 と書いているのは意味がわからない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: いい仕事の仕方@ [bk1]いい仕事の仕方@Amazon.co.jp

つづく…

2009-01-17

最近は宗教とのかかわりは希薄になってしまった. しかし,私がこどものころは,もうすこし宗教とくに立正佼成会とのかかわりがあった. 学生のころから立正佼成会が世界平和に貢献しようとしていることは知っていたが,イスラム教世界とキリスト教世界が対立するなかで,仏教者がはたせるやくわりは,いまもあるものとおもう.

つづく…

2009-02-06

新自由主義に席巻されたアメリカの経済学を信奉してきた著者が,そういう過去を自己批判する. 最近はつよく批判される小泉政権の政策については,郵政民営化で公共事業に自動的に資金がながれるしくみにくさびをうった点を評価しながらも,いなかの特定郵便局まで民営化して採算重視することへの疑問をのべている.

しかし,著者の議論はそれだけにとどまらない. 格差や貧困ををうみだし環境を破壊する近年のグローバル資本主義を批判するだけでなく,一神教であるキリスト教にささえられた米英の資本主義や土地の私有制などにもメスがいれられる. その一方でグローバル資本主義を拒否したブータンとキューバに羨望の目がむけられる. また,自然との共生を重視してきた日本人の思想をみなおし,「商人道」 から発した日本の商慣習を評価し,日本の自動車産業の成功の理由をそういうところにみている. また,日本 「再生」 のためにも,さまざまな提言をしている.

しかし,その一方で,批判した資本主義を 「歴史を逆行させることはおそらくできないだろう」 というように,かんたんにみとめてしまっている. 資本主義のルーツにまでさかのぼった議論をするのであれば,改良主義的な提言よりも,もっと根本的なみなおしの議論がほしかったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 資本主義はなぜ自壊したのか@ [bk1]資本主義はなぜ自壊したのか@Amazon.co.jp

つづく…

日本人は無宗教であることを比較的最近,自覚するようになったが,昔の日本人は無宗教になりようがなかったという. それは 「宗教」 ということば自体がなかったからだという. そのため,宗教の有無のくべつもなく,神道と仏教をはっきりくべつするする理由もなかった. 現在でもそれらを明確に区別して,どちらかだけを信仰することに,どれだけの意味があるのだろうかと著者は疑問をなげかける. また,宗教どうしが排他的になりがちなのに対して,無宗教である日本人は対立をうまず,世界的におおきな意味をもちうるという.

しかし,無宗教がどういう意味をもちうるのか,明確な議論はない. 未完の議論であり,いささか,くいたりない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 無宗教こそ日本人の宗教である@ [bk1]無宗教こそ日本人の宗教である@Amazon.co.jp

つづく…

2009-03-29

著者は日本中に 「思考停止」 したひとがはびこっているのをうれいている. 藤原正彦の 「国家の品格」 を 「思考停止のススメ」 と評し,「ものを考えない」 小泉純一郎にだまされた国民も思考停止しているといい,食品偽装に関しては 「日本の食品には,真実性のかけらもない」 と評している. こうなった原因のひとつとして,思考をきたえない 「偏差値教育」 をあげ,「少年ジャンプ」 もヤリ玉にあげている. 中国,インドをはじめ日本以外の国では学生が必死に勉強しているなかで日本の学生だけが意欲をうしなっていることに危機感をもっている.

興味ぶかい点のひとつは,「いわゆる教養主義は 1970 年前後に消滅し」,「最近では世界のエグゼクティブと言われる人間でも,伝統的な教養をあまり知らない」,だから 「古典的教養」 を復活させるのでなく,ネット社会重視の 「21 世紀の教養」 を身につけるべきだといっていることである.

この本の内容にはうたがわしい点も多々ある. 「思考停止」 してそれを信じるのは著者がもっとものぞんでいないことだろう. 刺激的な著者の意見を自分のあたまでかんがえなおせば,えられるものはすくなくないだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「知の衰退」からいかに脱出するか?@ [bk1]「知の衰退」からいかに脱出するか?@Amazon.co.jp

つづく…

2009-05-11

死後の世界を図解しようという前代未聞の (?!) こころみである. イラストを書いているのは著者ではないので,どれだけ著者の意図がイラストレータにつたわっているかはよくわからないが,いろいろと興味ぶかい点がある.

「地獄界の 「針の山」 や 「血の池地獄」 は実際にあるのでなく観念的に地獄の苦しみをあじわう」 というわけで,ベンチのようなものに腰かけている絵がかかれている. 地獄の映画をみているようなものであり,現実の戦争などにくらべれば天国のようなものだとおもえる. これはぬるま湯につかった日本の現状を反映しているのだろう.

地獄界からしてそうなので,さらに天界となると 「常に昼のような明るさに満たされ,季節や天候の変化もない」 ということだ. これでは退屈で死にそうだ.

水子供養を手厚くすれば賽の河原での修行がうまくいくが,「通り一遍の供養」 では修行がはかどらないという. 著者は真言密教の管長だというが,その立場 (あるいは利益) がこういうかんがえに反映されているようにおもえる.

この本には黒カビが魔物をよびよせるとか,衣服をくりかえしクリーニングすることでマイナスの霊がさけられるとか,ラブホテルには水子や色情霊がいるので注意が必要だとか書かれている. ある意味で著者の感覚のナイーブさをしめすものだといえるだろう. 過剰な清潔感などはいただけないが,よりよい生活をおくるためのくふうとして,ある程度はうけいれられるかんがえだとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下ヨシ子の死後の世界@ [bk1]下ヨシ子の死後の世界@Amazon.co.jp

つづく…

2009-07-14

「軽い」 なやみには冗談をまじえてこたえ,深刻ななやみには真正面からこたえている. こういう姿勢が支持をえているのだろう. しかし,内容をみるとどうも疑問の点がおおい. 何人かのひとがおなじ質問をすれば,ひとによってこたえるべき内容は本来はちがうだろう. それに対してひとつだけのこたえをあたえようとすれば,やはり無理がある. しかし,ほかの答えをきりすてて,ひとつにしぼるから,迫力があるのだろう. ないものねだりをしても,しかたがないのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: あなたの悩みが世界を救う!@ [bk1]あなたの悩みが世界を救う!@Amazon.co.jp

つづく…

2009-11-14

「図解」 に興味があるので,ついついこの本を買ってしまった. 哲学を図にするとはどういうことか?

しかし,やはり図をみてもいっこうにわからない. 文章を読んではじめて理解できる. ★ 1 個にしようかとおもったが,文章の内容はそれなりなので 2 個にしておいた.

それでも,あとで図をみかえせば内容をおもいだすことができるのであれば,図にする価値があるのだろう. しかし,そこまでは検証できていない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 哲学は図でよくわかる@ [bk1]哲学は図でよくわかる@Amazon.co.jp

つづく…

2009-11-30

著者は緒言でいきなり 「ウェブ空間」 ということばをつかっている. それはメイルなどもふくんでいるようだが,その意味が明確にされないまま議論がすすんでいく. 4~5 章で 「ウェブ空間」 について論じているので,「ウェブ空間」 がなんであるかもしだいにあきらかになっていくとはいうものの,読みにくい本である.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「場所」論@ [bk1]「場所」論@Amazon.co.jp

つづく…

2010-01-18

人間にせよ他の動物にせよ,自分が中心にあるというふうにしか世界を認識できないはずだ. それなのにこの本はあたかもそうでないかのように生きているひとのための本だ. この本は執拗に 「自分中心にかんがえなさい」 といっているが,そういわれなければ自分のことをかんがえないひとがいるらしいということを知るのは私にとってはむしろ,おどろきだ. 私のような人間のための本でないことはあきらかだが,それでも,えるところがあったといえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: もっと自分中心でうまくいく@ [bk1]もっと自分中心でうまくいく@Amazon.co.jp

つづく…

2010-10-19

著者はロボット屋からシステム論屋になったひとのようである. この本ではシステム論を発展させることがいまの日本に必要だという. 著者は 4 つの思考法として 「要素還元思考」,「システム思考」,「ポスト・システム思考」,「システム思想」 をあげ,それらは相補的だと主張している. はじめの 2 つはシステム論を知っているひとにはおなじみのものだが,あとの 2 つは著者が独自にかんがえたものだ.

著者はこれは宗教ではないというのだが,「ポスト・システム思考」 は哲学,「システム思想」 は宗教だ (とくに仏教に影響されている) ととらえると理解しやすいようにおもう. 著者がいうように 「要素還元思考」 でも 「システム思考」 でもとけない問題はあり,科学にこだわらないのであれば,そこに哲学や宗教が登場してくる余地がある.

現代の困難な問題をとくには,これらをうまくくみあわせるのがよいということだが,どうくみあわせればよいのかはあいまいだ. あとの 2 つを哲学と宗教とかんがえるなら,これはとくにあたらしい思想ではないだろう. もっと明確な指針をあたえてくれるのなら価値があるだろうが,この本からそれほどのものがえられるようにはおもえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 思考脳力のつくり方@ [bk1] 思考脳力のつくり方@Amazon.co.jp

つづく…

2011-02-19

かつては科学のことは科学者がきめていればよかったが,現代においては科学技術が政治や社会におおきな影響をあたえ,非専門家が科学研究のすすめかたにおおきくかかわるようになっている. 本書は,高速増殖炉もんじゅや BSE などを例としてとりあげつつ,そういう 「トランス・サイエンス」 のながれを追っている.

著者は 1970 年代がこういうトランス・サイエンスへのおおきな転換期だったという. しかし,それではなぜこの本が 2007 年に書かれなければならなかったのか,その理由がわからない. トランス・サイエンスの時代への変化は数 10 年あるいはもっとながい期間を要するものだということかもしれない. しかし,2000 年代の話題をとりあげつつも,この本がどちらかといえば過去の変化をかたっていることに,かるい失望感をおぼえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: トランス・サイエンスの時代@ [bk1]トランス・サイエンスの時代@Amazon.co.jp

つづく…

2011-04-05

日本が再生するためには人間 (日本人) はどうあるべきか,国家 (日本) はどうあるべきか,国際社会のなかで日本がどういうやくわりをはたすべきか,3 章にわけて論じている. よく全体像をえがいているということができる. しかし,どうあるべきかは書いてあっても,それがなぜなのかは書いてない. ただちに同意できる部分もあるだろうが,そうでない部分については,わからないままになってしまう. 論理がしめされていないという点で,これは哲学書というよりは宗教書だろう. カリスマのないひとが宗教書を書いても,ひとはなかなか信じてはくれないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ニッポン全体発展論@ [bk1]ニッポン全体発展論@Amazon.co.jp

つづく…

2011-04-10

いま,おおくの雑誌が東日本大震災の特集を組んでいる. そのなかで,Courier Japon 5 月号では各国のジャーナリズムがこの震災における日本人のふるまいとその解釈をしめそうとしている. 宗教的な背景にむすびつけようとする議論がおおいが,そうでないものもある.

つづく…

2011-05-04

東北地方太平洋沖地震がもたらした津波は人工物をことごとく破壊した. それによってのこされたのは瓦礫という醜悪なものたちだ. しかし,津波は同時に砂をはこんで造形し,津波の水はさまざまなかたちの池をつくった. そこには美をみることもできる. この対比はなにかをかたっているのではないだろうか?

つづく…

2011-05-08

柄谷 行人 は東日本大震災や阪神大震災の話から,ついには 「世界資本主義は 2,30 年のうちに存続することができなくなるだろう」 と書いている. しかし,その根拠は十分,明確にされていない.

酒井 直樹 は 「「無責任の体系」 3 たび」 という文章を書いている. そんなこと,いまさら,あらためて言うことか ?!

早尾 貴紀 は東京ももはや放射線において安全ではないので,「仙台にも東京にも子どもを置いておくことはできない」 と書いている. 矢部 史郎 も 「東京を離れて」 という文章を書いている. 気持ちはわからなくはないが,みんながそうやって京都や愛知などに移動し始めたら,どういうことになるのだろう.

著者のなかにはもっとまともなことを書いているひとはもちろんいるが,このひとたち,この雑誌,くるっているのではないだろうか?

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 現代思想2011年5月号@ [bk1] 現代思想2011年5月号@Amazon.co.jp

つづく…

2011-06-04

やはり TPP に反対する文章ばかりがならんでいる. 賛成派とぶつけてこそ,特集を組む意味があるのではないだろうか. おそまつな論旨の文章もあるが,それはさておき… TPP の議論だから表やグラフも登場するのだが,この雑誌にはあまり登場しないものであるせいか,レイアウトはまずいし,印刷もきたない. それが内容に影響するわけではないが,サボっているという印象はぬぐえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 現代思想@ [bk1] 現代思想@Amazon.co.jp

つづく…

2011-06-27

「現代思想」 2011 年 5 月号には,2 人ほどの思想家らが東京からの脱出について書いている. それに対して私は 「狂った雑誌 ?! ― 「現代思想 2011 年 5 月号 特集 = 東日本大震災 危機を生きる思想」」のなかで 「このひとたち,この雑誌,くるっているのではないだろうか?」 と書いた. ところが,日経ビジネス 臨時増刊 「徹底予測 日本の復興」 (日経ビジネス アソシエ 6 月 27 日号) には 東 浩紀 が 「東京を離れた理由」 を書いている. これで,この問題についてもう一度かんがえてみる必要があると感じた.

つづく…

東北の復興そして日本の復興がかかっているだいじなときに,政治家たちは目先のことであらそっているといわれている. 復興のために,原発や自衛隊など,現場のひとたちが最大限の努力をはらっているときに,政治家は無能ぶりを発揮しているともいわれる. だが,もうすこしながい目でみるとき,復興をおくらせる要因は政局や政治家の無能ではなくて,日本の針路に関する対立なのではないかとおもえる. 「復興の精神」 という共著本を読み,東京脱出に関するかんがえかたのちがいをみるにつけて,いまや,あらゆる点で国民のなかに対立があり,それを解消することの必要性と困難とを感じざるをえない.

つづく…

2011-07-05

序章において著者は中国の台頭や中東での民主化運動にふれ,西洋文明が限界点に到達しているのではないかとのべている. そこで著者がたよりにしているなかにはヨーロッパの思想家もいるが,この本でおもに引用されているのは森信三と安岡正篤だ. この 2 人がいま引用するに値するのかどうか,よくわからない. しかし,ウィキリークスをデジタル情報革命の弊害といってかたづけたり,人々や社会はどんどん無力化し堕落しはじめているというような現代社会に対する偏見にこれらの思想家のかんがえをむすびつけてみても,著者がめざす 「21 世紀の近未来を洞察する」 ことにはつながらないだろう. 森や安岡の引用が登場しない最終章がたぶん著者の得意分野である現代日本における「国を開く」施策についての章であり,ここだけは読むに値する. それ以前の章は論理の破綻した,たわごとといってよいだろう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 日本人の底力@ [bk1] 日本人の底力@Amazon.co.jp

つづく…

2011-08-01

この本は戦後の思想をささえた大江健三郎,吉本隆明そしてとくに丸山真男の批判を通じて,戦前の思想史における 「近代の超克」 にせまろうとしている. しかし,「近代の超克」 がおもなテーマになっているにもかかわらず,それを正面から論じていないところにこの本のわかりにくさがある. とはいえ,「近代の超克」 というおおきなテーマを新書 1 冊で論じつくせるものではないから,そのなかの 1 冊とかんがえれば,これでよいのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 戦後思想は日本を読みそこねてきた@ [bk1] 戦後思想は日本を読みそこねてきた@Amazon.co.jp

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2011-08-04

著者は勝間和代のように 「やればできる」 という自己啓発論者に反発する. 「高度化した資本主義社会では,論理・数学的知能や言語的知能など特殊な能力が発達したひとだけが成功できる. こうした知能は遺伝的で,意識的に "開発" することはできない」 という. それをみとめて 「バザールに向かえ」,つまりグローバル化した世界のなかでは 「ロングテール」 のなかになら特別な能力がなくても自分の好きな仕事をみつけられるだろうという. いろいろ刺激にみちた本だが,肝心の最後の部分には説得力が欠けている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法@ [bk1] 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法@Amazon.co.jp

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2011-08-08

著者は大企業や国・自治体などを映画館にたとえて,映画館にはいれたひとは努力せずに高給がえられるが,それによって映画館はちぢんでいくので出口付近のひとはおしだされるし,外で待つひとは中にはいれないと書いている. そういう映画館にはいれないひとはフリーエージェントになることをすすめている. そして,フリーエージェントにとっては 「マイクロ法人」 がやくにたつこと,どうすればそれをいかすことができるかを,くわしく書いている.

しかし,この本はマイクロ法人を運用する技術についての本であって,フリーエージェントになってなにをするべきかをおしえてくれる本ではない. やりたいことがきまったら,そこから最大の利益をえて,やりたいことを継続していくための技術だ. ウマい話がいろいろ書いてあるが,やりたいことがないひとには,なんの役にもたたない.

評価: ★★★★★

関連リンク: 貧乏はお金持ち@ [bk1] 貧乏はお金持ち@Amazon.co.jp

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2011-08-21

現代思想 2011 年 5 月号の東日本大震災特集でも感じたことだが,この本を読んで,東日本大震災に関して哲学あるいは哲学者が無力であることをあらためて感じる. 佐々木 中 は震災に関して発言すべき 「知識人の責任」 があるかのようにいう圧力に反発しているが,これはこの本の企画への批判ともいえるだろう. 加藤 典洋 は,吉本 隆明 に影響をうけてきたが,いまは 池田 清彦 など,理系のひとの発言により,ひかれているという. これらはみずから無力をみとめているようなものだろう. なかには世間のトンデモ発言にまどわされているひともいて,ひとさまざまだが,いずれもあまり読むに値するとはおもえない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 思想としての3・11@ [bk1] 思想としての3・11@Amazon.co.jp

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2011-10-17

資本主義が一神教にむすびつけられるのは普通のことだが,原発つまり核分裂によるエネルギーを核融合によるそれ,つまり太陽と同列において,一神教にむすびつけていくところは 「宗教学者」 ならではだろう. 原発にかわる第 8 次 (エネルギー) 革命が同時に一神教的な経済つまり資本主義をのりこえることにもつながるという. ひとつのかんがえかたとして理解することはできるが,妥当性があるかどうかはうたがわしい. この本は新書としてもうすいが,それは雑誌の連載を本にしたからというだけでなくて,きちんとした論理をあたえられない,よわさをあらわしているともいえるのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 日本の大転換@ [bk1]日本の大転換@Amazon.co.jp

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新聞連載をまとめた本だという. IT 革命と旧来の技術,著作権と引用,クローン,ロボットなど,さまざまな話題がとりあげられている. 副題にあるように著者は 「時代のテンポに翻弄され」 ているというが,ゆっくりのほうがいいノダなどといわない謙虚さがあらわれているようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタルを哲学する@ [bk1]デジタルを哲学する@Amazon.co.jp

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2011-12-21

パラダイム・シフト,ポスト・マテリアリズム,資源制約と環境再生を 3 つの柱として,それらを織りあわせて,あたらしい思考法や価値観をみつけようとしている. あたらしいパラダイムとしては,複雑適応,自己組織,カオスなどがキーワードとなっている. そのなかでも建築家のクリストファー・アレクザンダーがくりかえし登場する. ほかにも,とりあげられる例には芸術や建築がめだつ.

その一方で,この考察は日常生活からはとてもとおい. あたらしいパラダイムやポスト・マテリアリズムは効率主義的ではない. しかし,世界の人口が爆発するなかで,衣食住などの効率を無視することはできない. だから,この本の内容は,すくなくとも当分は 「卵」 でありつづけるのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 宇宙卵を抱く@ [bk1]宇宙卵を抱く@Amazon.co.jp

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2012-03-10

20 世紀の科学はさまざまな限界に直面した. この本はそのなかの,ハイゼンベルクの不確定性原理やゲーデルの不完全性定理などについて書いていて,この本のタイトルにふさわしい. しかし,最初の章は経済学が中心であり,「限界」 ということばとの関係はあまりピンとこない.

この本は (対話形式というよりは) 多数のひとの会話 (ディベート) という形式で書かれていて,立場がちがうさまざまな経済学者や科学者,一般人などが登場する. どういう立場のひとがどういう主張をしそうかがわかるのはよいが,あまりにいろいろなひとが登場してくるので,実はディベートにはなっていないし,だんだんわからなくなってくる.

ここに登場してくる不完全性定理やテューリング・マシンそのものは日常生活に関係ないようにみえるが,それらが神の不在の証明につかわれたり,人間とコンピュータ (テューリング・マシン) との差を議論したりしているので,一般人にも興味のある話題になっているだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 理性の限界@ [bk1]理性の限界@Amazon.co.jp

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2012-03-28

宗教者である著者は生きるのがつらいとおもっているひとになにができるかをかんがえてきた. この本もそういうひとにむけられている. この本に共感するひとの声をきけば,この本に価値があることはあきらかだろう.

しかし,著者のかんがえはほとんど日本のなかにとじてしまっているようにおもえる. 世界をみれば,たとえばブータンのような国もある. あまりに現在の日本とはかけはなれているかもしれないが,日本人とはちがうかんがえかたもまた,日本人をすくうのに貢献するようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: なぜこんなに生きにくいのか (単行本)@ [bk1]なぜこんなに生きにくいのか (文庫)@ [bk1]なぜこんなに生きにくいのか (単行本)@Amazon.co.jpなぜこんなに生きにくいのか (文庫)@Amazon.co.jp

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2012-04-17

じっくり読むと疑問だらけの内容だが,文章にリズムがあり,読んでいるとひきこまれる. すんなり読めるのは,どこかできいたことがある内容が多いせいかもしれない. 「あなたが意識したことが実現する.意識しないことは実現しない」 とか,「ナンバーワンよりオンリーワン」 というように…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: いつでも、今がいちばん幸福@ [bk1]いつでも、今がいちばん幸福@Amazon.co.jp

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2012-05-08

文学の専門家は文学の目でものをみるし,政治や経済の専門家はそういう目でものをみる. しかし,専門家でない吉本はそういう固定的なみかたにしばられずに文学から政治,経済,歴史その他すべてをみている. これは容易なことではないだろう. この本では自己幻想,対幻想,共同幻想という 3 つの概念を軸として,かつ遠野物語と古事記からとった題材を論じている.

とはいうものの,論理はあらけずりであり,理由もわからず断定的に書かれているところもある. 吉本の本をいろいろ読んでいれば彼がかんがえそうなことがわかるのだろうが,初心者にはなかなかついていけない. くりかえし読むというひともいるが,むしろ吉本の本をいろいろ読んでみるのがよいのではないだろうか.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 共同幻想論 (文庫)@ [bk1]共同幻想論 (文庫)@ [bk1]共同幻想論@ [bk1]共同幻想論 (文庫)@Amazon.co.jp共同幻想論 (文庫)@Amazon.co.jp共同幻想論@Amazon.co.jp共同幻想論@Amazon.co.jp

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Amazon.com で Takaaki Yoshimoto を検索してみると,すくなからぬ数の本がでてくる. ところが,そのほとんどは日本語の本だ. 英訳された (そして現在も買うことができる) 吉本の本はほとんどないということだ. 日本ではこれだけ有名なひとの本がなぜ英訳されていないのだろうか.

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2012-05-09

一見,平易にみえる文章だが,重要なところは難解で私にはとても歯がたたない. 資本論もほとんどかじったことがないまま読むような本ではないのだろう. だから,星などつけられる状態ではないのだが…

解説の中沢新一はそれを平易だと書き,現実的なもの,幻想的なもの,象徴的なものからなる 「三位一体」 論を論じているが,これがはたして解説になっているのだろうか. しかし,これまで群盲象をなでていたさまざまなマルクス論とはちがって,もっとマルクスの全体像をとらえようとしているということは,いえるのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: カール・マルクス@ [bk1]カール・マルクス@Amazon.co.jp

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2012-05-21

著者はこの本に 「記号学を超えて」 という比較的わかりやすいタイトルをつけておきながら,最後になってそれを 「確信に反対して」 にかえることを 「提案」 している. つまり,著者はこの本そのものを脱構築しようとしている (しかも最後までその過程にある). それがこの本を理解するのをむずかしくしているといえるだろう. しかし,記号学 (の先) にはそういう道しかのこされていないのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 記号学を超えて@ honto記号学を超えて@Amazon.co.jp

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2012-05-26

ひきこもる若者に対するメッセージという意味もあるのだろうが,そういう意味でのこの本に対する評価は私には書けない. しかし,「ひきこもり」 や学校やその他の 「常識」 に対する著者の懐疑は,読者をこれまでのとらわれから解放してくれるだろう.

たとえば,「ほとんどの親が間違えているのは,学校というところは勉強をするところだと信じているところです」というのもそのひとつだ. 学校はそんなに一生懸命,勉強できる場所ではないということは,もしかしたらわすれがちなことなのだろう. こどもが自殺するのは親に原因があるのではないかという議論も,すべてを学校におしつけることへの疑問であり,かんがえてみる必要があるだろう.

著者が書いていることが絶対の真実であるというようなことはない. しかし,ひとびとが真実だと信じていることをうたがわせ目をひらかせることに,この本 (だけではない著者の議論) の価値があるのだとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ひきこもれ@Amazon.co.jp

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2012-07-01

日本人は 「まじめの罠」 にはまっているという. 日本人は、状況がかわっても,あらかじめきめられたことをきちんとやらないといられない. 特捜の問題,旧日本軍の問題,過労死の問題など,さまざまな問題が 「まじめの罠」 という ことばのもとで論じられる. たしかに,そこには共通するものがあるようにおもえる. 「まじめの罠」 をさけるための手段として,「クリティカル・シンキング」,「大局観」,「メタ認知」 などということばが登場する. しかし,まだ 「まじめの罠」 とはなんなのかがあきらかにされていない. そのために,およそ異質なものがまぎれこんでいるようにもおもえる. もうすこしそれをはっきりさせなければ,この本がおおくのひとからうけいれられることにはならないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: まじめの罠@Amazon.co.jp

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2012-07-10

著者は人間がロボットにあたえた知能を 「道具知」 とよび,ロボットが自律的に獲得した知能を 「自律知」 とよぶ. AIBO の失敗の原因を自律知でなく道具知をめざしたからだと分析し,著者自身は自律知を追究する. ピアジェの 「シェマ」 という概念にもとづく理論をたて,それを実際にロボットをつくって実験・実証している. この内容は著者の学位論文にもとづいているという.

著者が製作したロボットがどれだけ理論を反映しているのか,この本だけからはわからない. しかし,人工知能だけでなく哲学や心理学にもとづく理論を構築し,それを構成的にたしかめたうえ,それを一般向けにまとめたこの本は価値あるものといえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: コミュニケーションするロボットは創れるか@Amazon.co.jp

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2012-07-31

旧約聖書の創世記は複数の作者によるテキストをはぎあわせたものだという. そのうちのひとりがヤハウィストとよばれているが,著者はたの作者を排してヤハウィストが書いた 「創世記」 をよみとく. アダムが禁断の木の実をたべるところから 「神と地と人との分裂と対立」 がはじまり,それがバベルの塔の物語につながっていくという. バベルの塔の解釈にはくるしいところもあるようにおもえるが,独自の創世記解釈として興味ぶかい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: バベルの謎@Amazon.co.jp

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2012-09-06

著者は,幸福にせよ他のものごとにせよ,としをとったら 「あまり長いスパンで物事を考えないほうがいい」 という. また,著者は理科系の出身でありながら学問的な知識はほとんどどこへ行っても役に立たない」と書いている. つまりはプロフェッショナルを否定している,とくにとしをとったらプロとしてやっていくことはかんがえるなということだろう. これにはまったく共感できない. たぶん著者は理科系だったがその知識がまったくいかせない仕事をえらんだから,こういうことを書いているのだろう. 理科系らしい仕事をえらんだひとにはまったく参考にならないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 老いの幸福論@Amazon.co.jp

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2012-10-03

「戦後教育」 や 「自虐史観」 などが問題にされるなかで戦後の歴史をふりかえる機会はすくなくないが,それでも,この本はこれまでわすれていた,あるいは気づいていなかった事実に気づかせてくれる. 太平洋戦争後 1960 年ごろまで,一般の日本人は戦争の被害者であり加害者意識がなかったこと,そこでめばえた加害者意識が 「7.7 告発」 というできごとを機会に急速にひろまり,そこからこの本の最大のテーマである 「マイノリティ憑依」 が日本人とくにマスコミなどにひろがっていったこと.

「マイノリティ憑依」 ではアウトサイダーがマイノリティの立場にたとうとするが,東日本大震災ではその規模がおおきかったがゆえに,河北新報の記者をはじめおおくの当事者 (インサイダー) が情報を発信することになった. 著者はそこに 「マイノリティ憑依」 からぬけだす道をみている. しかし,津波被害と原発被害がまったくことなる様相を呈しているように,東日本大震災の被災者ではあっても,ひとによって経験はまったくちがう. 津波被害者は原発被害に関してはアウトサイダーであり,逆もまた真だ. 東日本大震災の被災者であるということだけで,みなが当事者だということにはならないだろう. だから,この本のタイトルには違和感をおぼえる. 「マイノリティ憑依」 が問題点であるのなら,それは今後も継続していくのではないだろうか.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「当事者」の時代@Amazon.co.jp

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2012-10-30

「師をみつけろ」 とか,「一生に一度は,がむしゃらにがんばる時期が必要である」 とか,もっともらしいことが書いてある. しかし,あまりにサラッと書いている感じがする. 重いはずのことばが軽くあつかわれていて,ウソっぽい.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 魔法の杖@Amazon.co.jp

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2012-11-26

いそがしくて本が書けない (?!) 孫 正義 にかわって彼の教育論をまとめている. 代筆であることからくる (?) 底の浅さが気になる. 現在の学校の授業の問題点を指摘し,それがデジタル化によって改善されると主張している. そのとおりかもしれないが,改善される理由の説明はあまり説得力がない.

電子教科書にはハードウェア,ソフトウェア,コンテンツという 3 つの要素があるが,「光の道」 論と同様にまずハードウェアをそろえればあとのものはそれについてくるという議論であるようにみえる. しかし,ソフトウェアやコンテンツの開発はそれほど容易ではない. よい素材があればよいコンテンツがつくれるとはかぎらない. それらしだいでは,いまよりわるくなる可能性もあるだろう. ハードウェアだけでなくソフトウェアやコンテンツに関するビジョンをもっとしっかりしめしてもらわなければ,「デジタル教育が日本を救う」 と信じることはできない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル教育が日本を救う@Amazon.co.jp

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著者は 「システム思考」,「ポスト・システム思考」,「システム思想」 について論じて,「要素還元思考」 とともにこれらすべてが重要であり,いつも 4 つの並行的につかって,ものごとをかんがえることをすすめている.

これらのうちシステム思想以外は広義の 「システム論」 の範疇であり科学的ないし哲学的だが,「システム思想」 は著者もみとめるように西洋哲学の範疇にははいらない. 著者はこれを東洋思想と関連づけるが,すくなくとも西洋的な見方では宗教の範疇だろう. 宗教としてみると,尊敬される宗教家が自分の経験にうらうちされた思想をもっているのに対して,この著者は頭でっかちであり,思想としては軽い.

「システム思想」 は本来はシステム論 / ポスト・システム論と独立であり,セットで論じるのは単なる 「まとめ売り」 だとおもえる. 読者はさまざまな宗教や哲学のなかから 「システム思想」 をまなべばよいのであり,このような安易なセットをまなんでも,えられるものはすくないだろう. とはいえ,「システム思想」 と 「ポスト・システム思想」 に関しては,批判的にまなべる内容がある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 思考脳力のつくり方@Amazon.co.jp

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2012-12-11

著者は作家でありながら 「引退」 後の人生を 4 期にこまかくわけて考えている. もうすぐ定年といっても,まだその第 1 期にもはいっていない自分にはピンとこない. 「定年を迎えても 「臨戦態勢」 を失わないこと」 と書きつつも,積極的に社会に貢献するようなことはまったく書いてない. この年齢の平均的日本人にはそれ以上はかんがえられないのかもしれないが,それでは若者や未来の世代から 「搾取」 したカネを浪費するだけではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 五十歳でも老人@Amazon.co.jp

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2012-12-18

日本人にとってはふつうの行動や態度がフランス人である著者には異様にうつる. だから,日本人には書けない指摘,したがって日本人の本を読んでもわからないことが,外国人の目で書かれたこの本がわからせてくれる. 「思考法」 というタイトルだが,エクササイズ (体操) もいろいろ登場する. あたまだけの思考法ではなくて,全身をつかう 「思考法」 だ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: デュボワ思考法@Amazon.co.jp

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2013-01-08

著者は 「昔から人に何か強制されるのがキライでした」 と書いているが,それは毎朝きめられた時刻に会社に行かなければならず,社会人になったらスーツにネクタイを着用しなければならず,満員電車に乗らなければならないというように強制されていると感じることのうらがえしなのだろう. この本のなかにもあるように,毎日の生活が自分の選択の結果だとおもえれば,強制されている,イヤだと感じなくてすむだろう. 著者とおなじような感じをもっているひとにはやくだつ本なのかもしれないが,ひとりずもうをしている感じは否定できない. おおげさなタイトルにだまされた.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 7つの制約@Amazon.co.jp

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2013-02-26

思考停止した大学生などを批判している. 自分でかんがえている 「つもり」 のひとに,かんがえることはそんなにかんたんでないということをおしえている. しかし,この本は自覚のあるひとを説得するちからはあるだろうが,思考停止したひとの思考をよみがえらせるちからがあるだろうか?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 知識だけあるバカになるな! @Amazon.co.jp

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2013-06-14

220 ページくらいの比較的うすい本のなかに 40 の項目がたてられている. そのため,ひとつひとつの項目の記述は舌足らずだ. 読者のためというよりは著者が書きたいことを書いている印象だ. あまり印象にのこる本ではない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: オリジナルワンな生き方@Amazon.co.jp

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2014-02-03

日本語のタイトルにすっかりだまされた. この本は人間の 「常識」 についての本であり,「偶然」 や 「(自然) 科学」 についての本ではない. 本の内容をおよそ理解したうえで読めばもっとえるところがあっただろうが,誤解したまま読みすすめたため,えられるものがすくなくなったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 偶然の科学 (単行本)@Amazon.co.jp偶然の科学 (文庫)@Amazon.co.jp

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