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書評:思想・哲学・宗教, 思想・哲学・宗教

説得力に欠ける議論 ― 中村 東吾 著 「孫正義のデジタル教育が日本を救う」

いそがしくて本が書けない (?!) 孫 正義 にかわって彼の教育論をまとめている. 代筆であることからくる (?) 底の浅さが気になる. 現在の学校の授業の問題点を指摘し,それがデジタル化によって改善されると主張している. そのとおりかもしれないが,改善される理由の説明はあまり説得力がない.

電子教科書にはハードウェア,ソフトウェア,コンテンツという 3 つの要素があるが,「光の道」 論と同様にまずハードウェアをそろえればあとのものはそれについてくるという議論であるようにみえる. しかし,ソフトウェアやコンテンツの開発はそれほど容易ではない. よい素材があればよいコンテンツがつくれるとはかぎらない. それらしだいでは,いまよりわるくなる可能性もあるだろう. ハードウェアだけでなくソフトウェアやコンテンツに関するビジョンをもっとしっかりしめしてもらわなければ,「デジタル教育が日本を救う」 と信じることはできない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル教育が日本を救う@Amazon.co.jp

注記: Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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