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DIY (日曜大工) とものづくり・実験:3 次元印刷 (3D printing)・CAD

3D デザインランプの 3 つの特徴

螺旋 3D 印刷でつくった 3DデザインランプTM の特徴を 3 つにまとめた. それらは「縦にのび横にもひろがりきらめく光」,「自由なかたちと繊細で変化する模様」,「かたちや模様の変化・カスタマイズとお客様によるデザイン」だ. ここではこれらの特徴を詳細に説明する. (2020-12-19 追記: dasyn.com のページでこれらの特徴をみじかくまとめている.また,3d-dl.com のブログで 3D デザイン電球の特徴をよりわかりやすくまとめなおしている.)

3D デザイン電球や螺旋 3D 印刷によるランプシェードには,従来の白熱電球や LED 電球,ガラスや従来製法の (射出成形の) プラスティックのランプシェードにはない 3 つの特徴がある.

第 1 の特徴「縦にのび横にもひろがりきらめく光」とは,粒状の LED の光が透明なランプシェードによって縦にのび横にもひろがりつつ,きらきらと輝くことを意味している.

3D デザインランプでは 3 mm 角くらいのちいさな LED 素子を使用する. このような LED 素子はとてもつよい光をだすので,その光を直接みるととてもまぶしい. たいていの LED 電球は乳白色のカバーによってその光を均等に拡散するし,乳白色のランプシェードも同様の機能をはたす. それらのランプはやわらかい光をつくりだすが,おもしろみはないということができるだろう. 一方,透明なガラスやアクリルを使用する市販のランプでは,もうすこしおおきな素子が発する (まぶしさをおさえた) 光をガラスやアクリルがそのまま透過させる. すなわち,「クリア電球」あるいは「はだか電球」とよばれる電球では素子として通常の LED 素子よりはひろがりがある白熱灯のフィラメントや LED フィラメント (細い棒状の LED) を使用するとともに光をそのまま透過させるガラスを使用している.屈折のすくないガラスやアクリルを使用したランプシェードも同様だ. これらのランプは乳白色のカバーやシェードより印象的な光をつくりだすが,光のかたちは素子によってほぼきまるため,その変化はかぎられている.

それに対して 3D デザインランプは,乳白色シェード,透明シェードのどちらともちがって,小粒でつよい光をだす通常の LED 素子を使用し,その LED の光を 3D 印刷したシェードによって不均等に拡散して,きらきらと輝く光をつくりだす. 光が縦にのびるのは積層されたフィラメントで光が屈折し,縦方向に拡散するからだ (左下の写真を参照). また,シェードのかたちによって,光は横方向にも屈折し,ゆらぎをつくりだす (右下の写真を参照). 拡散のしかたはシェードのかたちなどによって変化するので,クリア電球などとはちがって多様性がある. 透明なフィラメントから従来の LED 電球カバーにちかい拡散をするシェードもつくることもできる (2019-5-29 追記).

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第 2 の特徴「自由なかたちと繊細で変化する模様」とは,ランプシェードが自由なかたちにつくれて,繊細な模様,方向によって変化する模様が自由につけられることを意味している.

3D 印刷を使用することによってガラスや従来製法のプラスティックではつくれないかたちを自由につくることができるし,さらに,独自開発の螺旋 3D 印刷をつかうことによって 3D 印刷をふくむ従来の方法ではとても高価になる様々なかたちを比較的安価につくることができる. ガラスや従来製法のプラスティックでは複雑なかたちはつくりにくい. 厚手のガラスなら加工することによって江戸切子のように複雑なかたちをつくることができるが,高価になるし,つくれるかたちはかぎられている. 従来製法のプラスティックは型を使用してつくるので,型からぬけないかたちは基本的につくれない. とくに,ガラスでもプラスティックでも,うすくて複雑なかたちはつくれなかった. それは 3D 印刷においても同様だ. それに対して,螺旋 3D 印刷はうすくて複雑なかたちが得意であり,自由にかたちをつくりだすことができる. 自由なかたちはそれじたいが楽しめるだけでなく,第 1 の特徴における縦横の光のひろがりをつくりだし,それによってきらめきをつくりだす (右上の写真を参照).

また,ガラスや従来製法のプラスティックでは,おなじ理由で表面にこまかい自由な模様をつけることはむずかしかった. ガラスでもプラスティックでも型をつかえば表面に模様をつけることができる. しかし,つけられるのは型抜きができる模様にかぎられる. また,型を反復してつかうために,模様もくりかえされる. 3D デザインランプにおいては,ガラスや従来製法のブラスティックではつくれない繊細な模様を自由につくりだすことができる. また,反復しない模様を比較的容易につくりだすことができる. 模様のつけかたには変形 (deformation),うねり (vibrato),変調 (modulation) と呼んでいる 3 種類があり,それぞれが特徴的な模様をつくりだす (上の 2 つの写真は変形の例). とくに,うねりによってつくりだされる模様は見る方向や光をあてる方向によって変化する (下の写真がその例).

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第 3 の特徴「かたちや模様の変化・カスタマイズとお客様によるデザイン」とは,顧客の要求に応じてすばやくかたちや模様をカスタマイズすることができ,顧客がデザインに参加してもらえるということを意味している (2019-6-4 改訂).

従来の照明器具においては,あらかじめきまった選択肢のなかから顧客が好きなものを選択することしかできなかったし,ひとつの商品はひとつのかたちにきまっていた. それに対して 3D デザインランプなら,顧客の指定にしたがったり顧客の意見をきいてデザインをカスタマイズすることが比較的容易にかつ短時間・低コストでできる. また,乱数などをつかうことで,1 種類の商品のかたちや模様を 1 個製造するごとに変えることができる (2019-6-4 追記).

指定されたパラメタをデザインに反映させるだけなら,もっとも容易に実現することができる. つまり,かたちをきめるパラメタを変えたり,かたちをかえずにサイズをかえたりすることができる (下の写真はかたちがほぼひとしくサイズだけちがう 3 個の電球の例). さらには,顧客の要求にしたがってあたらしいランプのかたちや模様をすぐにデザインし,顧客に提供することができる.

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乱数を使用して,1 種類の商品でありながらおなじかたちがないようにした例がつぎの写真である (2019-6-4 追記).

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また,コンピュータのディスプレイ上にかたちを表示するなどして,顧客にかたちをきめてもらう,つまりデザインに参加してもらうこともできる. 場合によっては顧客自身がコンピュータを操作して,かたちをきめていくことができる. つまり,3D デザインランプのデザインは設計者 (人間) とコンピュータと顧客のコラボレーションによってきめられる. 模様についても顧客がデザインできるようにしたいが,いまのところ,模様はディスプレイにうまく表示できない場合がある.

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螺旋 3D 印刷技術を使用してつくったこのような「3D デザインランプ」を 3d-dl.com で売っています.

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