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DIY (日曜大工) とものづくり・実験:3 次元印刷 (3D printing)・CAD

Rostock MAX での最初の印刷

プーリの破損のためにうまくうごいていなかった x 軸のおくり機構が,Printrbot で印刷したプーリでうまく動作するようになった. 再度キャリブレーションをやりなおして,印刷できるところまできた. しかし,Printrbot で印刷したプーリをつかうと,交換可能なプーリが印刷できなかった.

交換したプーリは歯がうすいし,歯どうしが接近しているところもあって,うまくベルトがおくられるか,いささか心配だった. 軸も中心からはずれているので,回転させるとヨタヨタしている. しかし,ベルトはスリップすることなく,おくられている.

ノズルの先端が z = 0 のときにちょうどプリント・ベッドをこするように調整する. プリント・ベッドの周囲の 3 点で z = 0 のときはノズルとプリント・ベッドとのあいだに紙がはさみこめないようにし,かつ z = 0.2 のときは紙がはさみこめるようにする. さらに,ノズルを中央におろして,z = 0 のときにどうなるかをたしかめる. プラスになるばあい (z = 0 の面が凹のとき) とマイナスになるばあい (z = 0 の面が凸のとき) とがあって,そういうときはファームウェアをコンパイルしなおすのだという. しかし,さいわい,ほぼ平坦になった. つまり,ファームウェアをつくりなおす必要はないことになった.

ところが,フィラメントを装着しておくってみる (extrude してみる) と,なんと,フィラメントが逆にうごくではないか! “Retract” するとフィラメントがおくられる.

なおしかたはたぶん 2 とおりあって,モータの接続をかえるか,ファームウェアをかきかえるかだ. ネットでしらべても,その 2 つの方法が書いてある. 4 個おなじはずのモータの接続を 1 個だけかえたくないので,ファームウェアをかきかえる方法をとることにした. ネットでしらべたところでは INVERSE_E0_... という論理定数の値を逆転 (true <-> false) させればよいと書いてあるが,そんな定数はプログラムのなかにみつからない. “INVERSE” で検索してみた結果,“EXT0_INVERSE” であることがわかった. その値を反転させてコンパイルし,ボードにロードした. Arduino の開発環境をつかうのだが,ボードの種別をおぼえてくれないので,毎回 “Arduino Mega 2560 or Mega ADK” をメニューから選択しなければならないのがめんどうだ.

ロードすると,たしかに動作が反転して,ただしく extrude/retract するようになった. そこで,調整して印刷可能な状態にまでもっていった. 最初になにを印刷するかが問題だが,この中途半端なプーリにかわる,もっとよいプーリが印刷できないか,ためしてみた.

Rostock MAX のくみたてガイドには,印刷用のソフトとして Repetier Host をつかうようになっている. Printrbot をつかうときも GCode ファイルの確認用などの目的で Repetier Host Mac をつかっていたが,よくできたソフトウェアなので感心していた. Printrbot では印刷するときには Pronterface をつかっていたが,Rostock MAX では GCode の生成からその確認,印刷まで Repetier Host をつかう. Pronterface でも GCode ファイルを層ごとに表示することはできたが,3D の表示はできなかった. それができることが Repetier Host のつよみだ.

Repetier Host にはあらかじめ Slic3r と Skeinforge という 2 つのスライサがくみこまれている. Slic3r は最新版 0.99 ではないが,0.98 がくみこまれているので,まずはそれをつかってみた. くみたてガイドにパラメタの設定法がかかれているので,それにしたがって設定する.

買っておいた ABS のフィラメント を装着して印刷してみる. Printrbot で ABS の印刷をすると,においがひどかったが,Rostock MAX ではほとんどにおわない. 蒸気がもれない構造になっているからだ. これはありがたい. もう Printrbot で ABS の印刷はしたくないが,残念ながら Printrbot のフィラメントの直径は 3 mm,Rostock MAX は 1.75 mm なので,Printrbot のために買ったフィラメントは Rostock MAX ではつかえない.

Printrbot で Slic3r をつかって印刷すると,ただしいかたちで印刷できなかった. しかし,Rostock MAX で ver 0.98 の Slic3r をつかうと,だいたいただしく印刷できるようだ. もっとも,歯のかたちは Printrbot で印刷するのとあまりかわらない.

RIMG1795.jpgところが,プーリを印刷してみると,層が x 軸方向にずれてしまう (写真). Prinrbot でプーリがスリップしたときと同様のことがおこる. 印刷していないとき,高速に移動するとずれるのではないかとおもえる. ゆっくり駆動すればずれないはずだ.

プーリが印刷できるようになるまでに,もうひとつ問題があった. z 軸のキャリブレーションはうまくいったはずなのに,あいかわらすノズルがプリント・ベッドにぶつかるのだ. はってあるカプトン・テープが毎回はがれてしまう. z 軸方向にすこし余裕をもたせて印刷しているのだが,それでもぶつかってしまう.

Slic3r に問題があることもかんがえられるので,スライサとして Skeinforge もためしてみた. しかし,問題は 2 つとも,解決されなかった. x 軸方向のずれに関しては,Skeinforge の設定をかえて移動速度をおそくしてみたが,おもうように速度が低下しない. そして,ずれもおさまらない. プリント・ベッドにぶつかることもうまく解決できない.

結局,すべての原因はプーリが完全には機能していないことだとかんがえられる. スリップすると印刷はずれるし,z 座標もずれる. Rostock MAX でもうまく印刷できないことがわかったので,解決策は買ったプーリととりかえることだけだ. Monotaro には発注ずみなので,それがとどいたら交換しよう. それでこの 2 つの問題は解決するはずだ.

印刷したプーリによって,こわれたプーリを完全に代替することはできなかった. しかし,印刷がずれるしプリント・ベッドにぶつかるものの,キャリブレーションはだいたい完了したとおもう. プーリを交換しても,それほどはずれることはないだろう. Slic3r をつかっても Skeinforge をつかっても印刷できることはわかった. スリップしなくなれば,ただしいかたちのプーリが印刷できるだろう. Printrbot と Rostock MAX の印刷精度がどのくらいであるかも,だいたいわかった. 精度に関しては両者にあまり差がないこともわかった. ただし,Rostock MAX にはまだ冷却ファンをつけていないので,それをつければもうすこし精度がよくなるだろう. この週末でここまで確認することができたので,ほぼ満足だ.

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