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社会・経済:災害・地震

石巻市大川小学校の悲劇をくりかえさないためには 2 次,3 次の避難場所をつねに整備しておく必要がある

東日本大震災ではおおくの犠牲者をだしたなかで,学校の児童・生徒はそのおおくがたすかった. そのなかで石巻の大川小学校はほとんどの児童と教師が死亡またはゆくえ不明になっている. そこでなにがおこり,なぜそのようなことがおこったのか,しだいにあきらかにされてきている. 津波はときとして 10 m 以上になるが,そうすると通常の避難場所は水没する危険がある. それをかんがえて,1 次の避難場所である大川小学校から 2 次の避難場所ににげる方法や手段を用意しておくべきだったが,その用意がまったくなかったことが最大の原因だろう.

OhkawaElementarySchool.jpg この震災で通常の避難場所が水没したところは多数ある. それでも,おおくの場所では 2 次の避難場所ににげている. 場所によっては,それができたひとつの理由は,津波の専門家からおおきな津波の際には通常の避難場所が水没する可能性を示唆されていたからだという. 津波のおおきさに注意をはらっていたひとが,通常の避難場所では危険だということをさとったわけだ. あるいは,みとおしのよい場所であれば,実際に津波をみてからさらに高い場所に逃げても,まにあったのだろう. いずれにしても,さらに高い場所ににげられたのは,そこに道があったからにほかならない.

大川小学校のそばには,より高い山があった. しかし,不幸なことには,そこにのぼる道がなかった. その山を 2 次の避難場所にするときめていれば,階段かなにかをつくっておいて,にげることができただろう. そういう設備があれば,そこにむかってもっとはやく避難していただろう. あるいは,津波がきてから避難しても,もしかするとまにあったのかもしれない. しかし,2 次の避難場所をつくるということは,まったくかんがえられていなかったのだろう. そこに逃げられたひとはほんのわずかだった. なかには,いったんは水にのまれたが,山にうちつけられて,たすかったこどももいる.

2 次の避難場所は,それが避難可能なようにつねに整備されてさえいれば,そしてだれかが津波のおおきさに注意をはらってさえいれば,とくにそこへの避難訓練をしていなくても避難することができるだろう. 大川小学校のような悲劇をくりかえさないためには,津波の危険があるあらゆる場所で,2 次避難場所,そしてもっとたかい津波がきたら 3 次避難場所をつねに整備しておくことが必要だろう. (写真は フォト蔵 から借用しました.)

2011-6-5 追記: 被害を拡大したひとつの原因が避難がおくれたことにあるのはたしかだろう. 避難を開始した直後に津波におそわれている. しかし,避難先の高台は津波に洗われている. 避難が完了したとしても,被害をくいとめることはできなかっただろう. だから,被害をくいとめるためには 2 次避難場所をあらかじめ用意しておく以外の方法はほとんどなかっただろう. いきのこった児童のおおくは家族にくるまでつれかえられたのだが,そういう家族の判断はただしかったといえるだろう.

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