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書評:セキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護, セキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護, 生活:食品・料理と嗜好

現在もかわらない点,かわった点,ともにかんがえさせられる本 ― 中村 靖彦 著,「食の世界にいま何がおきているか」

2002 年に発行された本であり,それ以降に状況がかわった部分もある. しかし,「食の安全」 に関する基本はいまもかわっていないし,最近おこっている中国食品の安全の問題をかんがえるうえでも価値のある本だとおもう.

いまでも有効な指摘のひとつとして,「コンビニで買う中食などの画一化された味に慣らされてしまって,みな食品を識別する舌の間隔を失ってしまった」 というのがあるが,これは天洋食品の事件でも感じられることである. 無登録農薬がインターネットなどをつうじて日本に輸入されているという記述にも,もしかすると天洋食品の事件を解決するヒントになるかもしれないとおもえる. 「日本の野菜は,外観は見事だがだんだん個性がなくなった」 という指摘も,するどく問題をなげかけている.

一方で,2002 年当時とは状況がかわってきていることとして,魚の値段がさがりつづけて,国内では生産できなくなっているという指摘がある. 現在では魚の値段はあがってきている (こちらも中国の影響がおおきい) 一方で日本の人件費は円安などで相対的にさがっているのと国産指向とで,あるいは国内での魚の生産がうまくいくようになるのではないかという期待ももてる.

いろいろ,かんがえさせられる,興味ぶかい本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 食の世界にいま何がおきているか@ [bk1]食の世界にいま何がおきているか@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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