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社会・経済:グローバル化, 社会・経済:貿易・TPP

なぜ TPP がよいのか?

TPP 反対派がいろいろな本を書いているのに対して,賛成派が 書いた本はほとんどない. TPP に反対する理由は日本の農業に壊滅的な影響をあたえることなど,明確だ. それに対して,賛成する理由はあまり明確にのべられていないようにおもう. そういう状況のなかで,私も日本の TPP 参加には不利益のほうがおおきいのではないかと,おもわざるをえない. しかし,抽象的なレベルでは TPP には利点があるとおもう. それは,FTA にくらべて単純だということだ. FTA で複雑化した国際経済はどのようにうごくか,予測困難であり,したがって対処困難だ. それに対して TPP の単純さは予測と対処を可能にするといえるだろう.

経済のうごきは人間の心理などにも影響されるから,単純ではないし,予測ももともと困難だ. しかし,国際経済に関するしくみが単純であれば,まだしも対処可能だ. 関税などの古典的なしくみは,国の数を N とすれば N に比例する程度の複雑さだ. ところが,最近ひろがっている FTA は 2 国間できめるから,そのくみあわせは N x (N - 1) つまり N2 の複雑さをもっている. 2 国間でそれぞれの事情に応じてきめられる. これによって国際経済はいちじるしく複雑化し,予測困難かつ対処困難になる.

TPP はこのような状況を劇的に単純化する. 参加するすべての国におなじ規則が適用され,複雑さは 1 になる. これによって国際経済ははるかに単純化され,みとおしのよいものになる. 一律の規則を適用することは,それぞれの国にとっては,もちろん,つらい部分もでてくる. 日本の農業はそのひとつだ.

しかし,おなじような問題は通貨統合にもあった. 通貨統合による経済の単純化とひきかえに,個々の国の経済状況が通貨に反映できなくなる. ギリシャやポルトガルなどでいまおこっている問題はユーロによる通貨統合によってひきおこされた. しかし,だからといってこれらの国を統合からはずそうということには (ぎりぎりの状況にならないかぎりは) ないだろう. TPP もそれとおなじようにかんがえることができるだろう.

キーワード: TPP, FTA

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