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DIY (日曜大工) とものづくり・実験:3 次元印刷 (3D printing)・CAD

ガラスや射出成型プラスティックではまねのできない螺旋 3D 印刷プラスティック

螺旋 3D 印刷の利点についてはこれまでにも書いてきたが,ガラスや射出成型プラスティックとのはっきりした比較をしてこなかった. ここではそれらがまねできない螺旋 3D 印刷の特徴をまとめる.

第 1 の特徴はこまかい表面形状をつくることができるということだ. ガラスは熱しても粘度がたかいため,こまかいかたちを造形するのはむずかしい. MIT などでガラスの 3D 印刷技術が開発されているが,1 mm 以下のふとさのフィラメントは実現できていないようだ. また,ガラスはひやした状態ではとてもかたいてめ,やはりこまかい切削加工をほどこすのはむずかしく,かつコストがかかる. また,射出成型によってつくるプラスティックも,こまかい型をつくってもすみずみまでとけたプラスティックをいきわたらせるのが困難であり,こまかいかたちをつくるのはむずかしい. プラスティックは切削加工が比較的容易だから,切削によってこまかいかたちをつくることは可能だ. しかし,こまかい加工はコストがかかる. これに対して,プラスティックの 3D 印刷ならばその表面にこまかい造形をすることができる. 螺旋 3D 印刷の場合,うすいプラスティックをつくるのであれば,比較的低コストでそれを実現することができる.

第 2 の特徴は複雑に反射・屈折するパターンを生成することができるということだ. 従来製法のガラスや射出成型プラスティックにおいては基本的に一様な構造がつくられるため,表面形状がなめらかであれば反射・屈折のしかたは単純だ. それに対して 3D 印刷においてはフィラメントの積層によってかたちがつくられるため,フィラメント表面においてさまざまな方向への反射や屈折がおこる. 通常の 3D 印刷であればフィラメントの間隔はほぼ一定なので,場所による反射・屈折のしかたのちがいはすくない. しかし,螺旋 3D 印刷においてはフィラメントのピッチをかえるなどして,反射・屈折を場所によってかえることができ,それによって複雑な反射・屈折のパターンを生成することができる. すなわち,光のあてかたをかえたり,見る方向をかえたりすることによって,さまざまに変化する透明ブラスティックをつくることができる.

その例を写真でしめす. 下の写真は 3 つの波をくみあわせた螺旋 3D 印刷によって生成されるモアレ縞模様の例だが,場所によりほぼ直交する同心円状のパターンが 2 個かさなっている. しかも,中央にかすかにみえる同心円状パターンは見る角度によって薄くなったり濃くなったりする. モアレ縞模様の生成においてはどの方向からみても一定のパターンもつくりだすことができるが,このように方向によって変化するあいまいなパターンを生成することができる. このような複雑なパターンを他の方法でつくりだすことは困難だろう.

また,「ピッチが変化する 3D 印刷による光の変化」にのせた YouTube のビデオは,もっとゆるやかに変化する反射・屈折のパターンをしめしている.

第 3 の特徴はジェネラティブなデザイン法とうまくくみあわせられることだ. 上記のようなこまかい形状や反射・屈折のパターンをすべて人間がデザインするとコストがかかる. アートならばそれもよいが,工業製品にはつかえないだろう. それに対してコンピュータ・プログラムによって形状やフィラメントのピッチや断面積を制御するようにすれば,比較的容易に複雑なパターンをつくりだすことができる. このようなジェネラティブ・デザインによってつくりだしたかたちを螺旋 3D 印刷によって直接,表現することができる. 上記のモアレ縞模様はそのよい例だ. 3 つの波をくみあわせるという比較的単純なしくみによって,さまざまな複雑な形状や反射・屈折する模様を生成することができる.

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上記の特徴とはべつのことだが,螺旋 3D 印刷に使用している PLA というプラスティックは生分解性であり,拡大しつつある環境指向のニーズにもあっているから,今後使用するのにふさわしい材料だということができる.

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