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書評:思想・哲学・宗教, 思想・哲学・宗教

ディベート形式で一般人にもかかわる話題にもふれている ― 高橋 昌一郎 著, 「理性の限界 ― 不可能性・不確定性・不完全性」

20 世紀の科学はさまざまな限界に直面した. この本はそのなかの,ハイゼンベルクの不確定性原理やゲーデルの不完全性定理などについて書いていて,この本のタイトルにふさわしい. しかし,最初の章は経済学が中心であり,「限界」 ということばとの関係はあまりピンとこない.

この本は (対話形式というよりは) 多数のひとの会話 (ディベート) という形式で書かれていて,立場がちがうさまざまな経済学者や科学者,一般人などが登場する. どういう立場のひとがどういう主張をしそうかがわかるのはよいが,あまりにいろいろなひとが登場してくるので,実はディベートにはなっていないし,だんだんわからなくなってくる.

ここに登場してくる不完全性定理やテューリング・マシンそのものは日常生活に関係ないようにみえるが,それらが神の不在の証明につかわれたり,人間とコンピュータ (テューリング・マシン) との差を議論したりしているので,一般人にも興味のある話題になっているだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 理性の限界@ [bk1]理性の限界@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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