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書評:文化・教育と学習, 文化・教育と学習

「近代」 を強調しても問題の解決にはならない !? ― 諏訪 哲二 著, 「オレ様化する子どもたち」

学力低下をはじめ,学校ではさまざまなことが問題にされている. 著者は,教師がかわったわけではなくて,1980 年代にはいって,こどものありようがおおきくかわったことがその原因にあるという. ジャーナリズムでは 「こどもが変だ!」 という表現はタブーになっているため,教育問題はいつも学校,教師,文科省などのせいにされるのだという.

NHK スペシャルでとりあげられた,おおくのこどもが 「人間は死んでも生き返る」 と信じているということがとりあげられているが,著者は 「学校で教えられる近代の知識とは,むしろこどもたちの感覚とは衝突するものが多い. そして現代のこどもたちは,客観的な事実 (科学) よりも 「この私」 の感覚のほうを大事にする.」 と書いている. そして,著者はこどもに 「近代」 をおしえることの重要性を説いている. しかし,学校教育というものがはじまって以来つづいてきたはずの近代をおしえることで問題が解決するのなら,もうとっくに解決されているはずではないだろうか? これはむしろ時代錯誤であるようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: オレ様化する子どもたち@ [bk1]オレ様化する子どもたち@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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