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最適化の罠 ― 現状維持を促進する

これまで,さまざまな最適化の技術が開発されてきました. それによって,たとえば工業製品をつくるのに,かつては試行錯誤をくりかえして最適なものをつくりあげていたのが,コンピュータをつかうことによってむずかしい最適化問題についても最適にちかい解がもとめられるようになり,ほとんど試行錯誤なしに最適なものがつくれるようになりました. しかし,現状をパラメタ化してそれに対して最適化すると,その結果としてつくられるものは現状維持を指向することになります. ほんとうは現状が適切でないときには,これによって 「最適化の罠」 にはまってしまうことになるとかんがえられます.

最適化の手法としてシミュレーテッド・アニーリングというのがあります. アニーリングとは焼きなましのことです. シミュレーテッド・アニーリングは,むずかしい最適化問題をとくときに,温度をあげてやる (エネルギーがたかい状態におく),つまりいろいろな状態のあいだをランダムにうごきまわれるようにすることによって,最適でない状態でおちついてしまうことがないようにする方法です. 徐々に温度をさげていく (ランダムなうごきをへらしていく / エネルギーをひくくしていく) ことによって,最適にちかい状態におちつくようにします.

現状に最適化してしまうとうごきがとまってしまう,つまり現状維持につながるようにおもえます. そういうとき,現状に疑問があるときには,シミュレーテッド・アニーリングとのアナロジーでいえば温度をある程度たかい状態にとどめておくのがよいようにおもえます.

卑近な例ですが,めがねをえらぶとき,いま一番みやすいめがねをえらぶと,とおくをみる訓練をしなくなる,というか,みにくいものをみようとする努力をしなくなってしまいます. あるいは,いま私が感じていることですが,コンピュータのディスプレイをもっともみやすい距離におくと,やはりこのような努力をしなくなってしまいます. 科学的な根拠はありませんが,すこしエネルギーがたかい状態にとどめて,ややとおくをみる訓練をしたほうが,視力の低下がさけられるような気がしています.

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