シミュレータ/ハードウェアの最近のブログ記事

今年は「インターネット論」の受講者が 60 人ちかくいて,しかも遠隔で参加する学生にも配慮する必要があるため,一昨年までやっていたハードウェアをつかったイーサネットの演習はあきらめて,4 年以上まえにつかっていたシミュレータをつかった演習をすることにした.ところが,その後とくにここ数ヶ月のあいだに,おもに 2 つの原因でこのシミュレータを Windows 10 でつかうことがむずかしくなっていることがわかった.学生にはおもっていた以上に苦労をかけることになってしまったが,はじめたからにはしかたがない.ここでは問題と解決策について書くことにする.

工学院大学 (1 部) での「インターネット論」の講義は 2 年めになった.その内容は以前担当していた 2 部の「コンピュータネットワーク」の内容を基本にしつつ,昨年も今年もすこしずつ変えてきた. これまで変えてきた内容については別に書くとして,ここではイーサネット演習でのあたらしいこころみについて書く. それは,これまでつかってきたシミュレータをやめて,安価なスイッチや Arduino Uno 互換ボードなどをつかったハードウェアを使用した演習 (実験) だ.

シミュレータの例題として,ループをつくるとうまく通信できないという例をあげていた. しかし,その例題をちゃんとテストしていなかった. 学生がそれをためしてみて,あまりうまくうごかないことがわかった.

今年度はとくにシミュレータの改良とそれをつかった演習にちからをいれている. イーサネット・シミュレータにくわえて IP のシミュレータもつくった (IP シミュレータはもうすこし完成度をあげてから公開する). 最初の演習ではコマンド・プロンプトでつまづいてしまったので,それを陽にひらかくなくてもダブル・クリックするだけでシミュレーションできるようにくふうした.

ことしはイーサネットの講義 (2 回) の後半を演習室つまり学生ひとりに 1 台ずつコンピュータがある環境でやってみた. それでもいろいろハードルがあってうまくいかなかったが,その経験をもとにして シミュレータを改訂したので, ここにあたらしい版をのせる (5 月 10 日改訂).

この講義でつかっているイーサネット・シミュレータについての論文を書いて,国際学会 ICOIN 2015 で発表してきた. 査読者の評価がひくくて,口頭発表でなくポスターでしか採択されなかったが,好意的な意見もきくことができた.

ネットワークは耳学問でなくて,なにかしら,さわってみるのがよいとかんがえている. そのために昨年,イーサネット・シミュレータをつくった (最新版, 2014-4-27 版, 2014-4-19 版, 昨年度版). 昨年はもともとの計画が失敗してドロナワ的につくったものなので,うまくつかってもらうことができなかった. しかし,今年はうまくつかってもらえるようにしたい.

講義は全体としては昨年にちかいかたちですすめている. だから,このブログにもほとんど書かなかった. しかし,当初予定では Seattle というシステムをつかうつもりだったのをあきらめて,イーサネットのシミュレータを新規開発して演習につかってみた. その結果はあまりよくなかったが,このプログラムはつかえるのではないかとおもうので公開する.