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NGN, QoS 保証

NGN における QoS 保証

NGN (次世代ネットワーク) における QoS 保証について,とくに端点間 (end-to-end) で保証することなど,インターネットにおけるそれとのちがいに重点をおきながら説明する.

1. 標準化の状況

インターネットにおいては端点間で QoS を保証することは困難だったのに対して,NGN においては端点間の QoS 保証を達成することが重要な目標とされている. すなわち,NGN においても,とくにアクセス・ネットワークとしてはさまざまな種類のネットワーク,さまざまなプロトコルが使用され,それにともなってさまざまな品質保証機構が使用されるとかんがえられるが,これらを連携させて端点間の QoS 保証を実現する必要がある. また,マルチメディア,ストリーミングなどのサービスにおいては保証項目に関してもさまざまな要求にこたえる必要があるだろう.

NGN の QoS 機能は調査を実施した 2006 年 7 月現在,きまっていなかった部分がおおい. 同様の機能を先行して標準化しているのが 3GPP であり,これをもとにして ETSIITU-T が標準化しようとしている. そこで,ここではおもに 3GPP のドキュメントにもとづいて QoS 保証アーキテクチャを説明する. ETSI,ITU-T においてはこれとは部分的にことなるアーキテクチャが採用される可能性がある.

3GPP における QoS 関連のドキュメントとしてはつぎのようなものがある.

QoS の基本概念とアーキテクチャ
基本となる概念とアーキテクチャについては TS 23.107 [3GP 06d] にのべられているが,とくに端点間の QoS に関しては TS 23.207 [3GP 06e] にのべられている.
複数の網を接続するときの保証方式
UMTS と他の網を接続したとき,とくにバックボーン網と接続したときの端点間の QoS を保証するための方式については,TR 23.802 [3GP 06f] に記述されている. これが,この報告の目的からすると,現在利用できる標準化ドキュメントのなかでもっとも重要なドキュメントだということができる. ただし,下記のように,まだうまっていない部分もおおい.
QoS にかかわる信号のながれ
QoS に関する信号のながれは TS 29.208 [3GP 06g] に記述されている.
ポリシー設定
アプリケーション (AF) から PDP (3GPP においては PDF (Policy Definition Function) とよばれている) にポリシー設定に関する情報をつたえるインタフェースは Gq とよばれ (図 1 参照),TS 29.209 [3GP 06h] に記述されているが,ここではプロトコルとして Diameter [Cal 03] が使用される. また,PDP から PEP にポリシーを設定するインタフェースは Go とよばれ,TS 29.207 [3GP 05] に記述されているが,ここではプロトコルとして COPS が使用される.

TISPAN においては QoS に関する 3GPP のドキュメントの一部がそのまま,または一部修正のうえ標準化されている (TS 23 107 [ETS 06c], TS 123 207 [ETS 02] など) が,RACS に関するドキュメント ES 282 003 [ETS 06f] などが独自に規定されている. また,RACS の一部である A-RACF (Access-Resource and Admission Control Function) について ES 282 026 [ETS 06e] において記述されている.

ITU-T においては現在,QoS に関する標準化が進行中であるが,現在は公式ドキュメントにおける QoS に関する記述はまだかぎれられている. しかし,QoS クラスに関しては Y.1541 [ITU 02] [Ash 06b] に記述されている.

2. NGN の QoS への要求

3GPP においては QoS に関するおもな技術的要求としてつぎのような項目があげられている (TS 23.107 [3GP 06d] (p. 8)).

  • 端末から端点間 (peer to peer) の QoS 属性を指定できること.
  • 複数の QoS レベルをもうけること.
  • (あらかじめ固定されているのでなく) セッション開始時に QoS レベルを指定すること.
  • セッションの途中で変更できること (資源をへらすこともできるようにする).

ここに NGN においてぜひ実現するべきこととして,つぎの項目を追加するべきであろう.

  • 実時間のトラフィックに対しては帯域,遅延,パケット損失などだけでなく,ジッターに関する保証もおこなうこと.

すなわち,ジッターに関する保証はインターネットや IP ネットワークのためのプロトコル (RSVP など) においては実現されていなかったが,電話のような実時間の用途においてはぜひ保証する必要があり,実現することがつよくのぞまれる.

関連項目

参考文献

  • [3GP 05] 3rd Generation Partnership Project (3GPP), “Technical Specification Group Core Network and Terminals; Policy control over Go interface (Release 6)”, 3GPP TS 29.207 V6.5.0, September 2005.
  • [3GP 06d] 3rd Generation Partnership Project (3GPP), “Technical Specification Group Services and System Aspects; Quality of Service (QoS) Concept and Architecture (Release 6)”, 3GPP TS 23.107 V6.4.0, March 2006.
  • [3GP 06e] 3rd Generation Partnership Project (3GPP), “Technical Specification Group Services and System Aspects; End-to-end Quality of Service (QoS) Concept and Architecture (Release 6)”, 3GPP TS 23.207 V6.6.0, September 2005.
  • [3GP 06f] 3rd Generation Partnership Project (3GPP), “Technical Specification Group Services and System Aspects; Architectural Enhancements for End-to-end Quality of Service (QoS) (Release 7)”, 3GPP TR 23.802 V7.0.0, September 2005.
  • [3GP 06g] 3rd Generation Partnership Project (3GPP), “Technical Specification Group Core Network and Terminals; End-to-end Quality of Service (QoS) Signaling Flows (Release 6)”, 3GPP TS 29.208 V6.6.1, March 2006.
  • [3GP 06h] 3rd Generation Partnership Project (3GPP), “Technical Specification Group Core Network and Terminals; Policy control over Gq Interface (Release 6)”, 3GPP TS 29.209 V6.5.0, June 2006.
  • [Ash 06b] Ash, J., Dolly, M., Dvorak, C., Morton, A., Tarapore, P., and El Mghazli, Y., “Y.1541-QOSM -- Y.1541 QoS Model for Networks Using Y.1541 QoS Classes”, draft-ietf-nsis-y1541-qosm-02, Internet Draft, IETF, May 2006.
  • [Cal 03] Calhoun, P., Loughney, J., Guttman, E., Zorn, G., and Arkko, J., “Diameter Base Protocol”, RFC 3588, IETF, September 2003.
  • [ETS 02] ETSI, “Digital Cellular Telecommunications System (Phase 2+); Universal Mobile Telecommunications System (UMTS); End-to-end Quality of Service (QoS) Concept and Ar-chitecture (Release 5)”, ETSI TS 123 207, V5.5.0, September 2002.
  • [ETS 06c] ETSI, “Digital Cellular Telecommunications System (Phase 2+); Universal Mobile Telecommunications System (UMTS); Quality of Service (QoS) Concept and Architecture (Release 6)”, ETSI TS 123 107, V6.4.0, March 2006.
  • [ETS 06e] ETSI, “Telecommunications and Internet Converged Services and Protocols for Advanced Networking (TISPAN); Resource and Admission Control; Protocol for QoS reservation information exchange between the Service Policy Decision Function (SPDF) and the Access-Resource and Admission Control Function (A-RACF) in the Resource and Protocol specifica-tion”, ETSI ES 283 026 V1.1.1, April 2006.
  • [ETS 06f] ETSI, “Telecommunications and Internet Converged Services and Protocols for Ad-vanced Networking (TISPAN); Resource and Admission Control Sub-system (RACS); Func-tional Architecture”, ETSI ES 282 003 V1.1.1, March 2006.
  • [ITU 02] ITU-T, “Network Performance Objectives for IP-Bases Services”, Y.1541 (Pre-published), May 2002.
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