Return-Path: daemon@verdandi.ics.es.osaka-u.ac.jp To: ngo-info-help@center.osaka-u.ac.jp Cc: taratta@jcagw.jca-p.shinagawa.tokyo.jp Subject: APC (Re: PVO (Private Volunteers Organization)) In-Reply-To: Your message of "Mon, 03 Apr 1995 06:37:32 +0900" References: <0098E515.DD4484E6.6736@RCNPVX.RCNP.OSAKA-U.AC.JP> X-Mailer: Mew beta version 0.71 on Emacs 19.25.2, Mule 2. Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Date: Mon, 03 Apr 1995 08:38:36 +0900 From: HAMADA Tadahisa Reply-To: ngo-info-help@center.osaka-u.ac.jp (The ngo-info-help mailing list) Errors-To: ngo-info-help-owner@center.osaka-u.ac.jp X-Unix-From: taratta@jcagw.jca-p.shinagawa.tokyo.jp Mon Apr 3 08:47:06 1995 こんにちは、JCA(市民コンピュータコミュニケーション研究会)の浜田です。 4月1日にジャカルタ出張から帰って来ました。メールが2000通近くたまっ ていて、少しずつ目を通しています。 水野さん: > 海外のNGO団体が、どのように電子ネットワークを活用している > かを知りたい。 > [アメリカの「PVO(プライベート・ボランティア・オーガニゼ > ーション)」について、その概要とロス地震後の対応(システム) > 等を調査希望。] > > > という要望が,神戸の地元NGO救援連絡会議から,きています. > どなたか,ご存知では? 情報源をご存知では? 地元NGO救援連絡会議には、2月に神戸に行った時にお伺いする約束をしてい たのですが、交通渋滞でバスが大幅に遅れてしまい、結局果たせませんでした。 申し訳なく思っています。 NGOが使っている電子ネットワークとしては、APC(Association for Progressive Communications) が世界最大規模です。19ヶ国にノードをもち、 インフラとして主にインターネットやFIDOを使っています。ノードは主に南北 アメリカ大陸、ヨーロッパ、オセアニアにあり、アフリカには一昨年やっと南 アフリカにできたばかりでアジアにはまだ一つもありません。ぼくたちJCAは、 日本におけるAPCノードを設立することをめざして活動しています。 後ろに APC brochure と呼ばれる文書の日本語訳(JCAメンバーの干川さんによ るもの)をつけます。 > それから, > Internetとしては,NetNewsへの投稿も,して,捜すといいと思いますが, > どこへ投稿するとよいでしょうか? tnn.forum.global-brain は、JCAが運営しているグローバルブレインメーリン グリスト(g-brain ML)とリンク(相互自動転載)しているニュースグループで、 「人類の英知を結集するための道具」としてのコンピュータ通信の可能性を探 求するためのコミュニケーションの場です。「コンピュータネットワークを使っ て、地球規模の問題に対して何かできないか?」と思っている方のお役に立て れば幸いです(「グローバル・ブレイン・メーリングリストの御案内(暫定版)」 より)。 ---------------------------------------掲載始め------------------------------- APCとは? ============ ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// /  進歩的コミュニケーション協会(APC)とは、平和、環境保全、人間と社会の発展 、普遍的人権や経済的公正のために活動する個人や非政府組織(NGOs)に安価なコ ンピューター通信情報サービスを提供する加盟ネットワークから構成される国際的な共 同体のことであり、現在もさらに発展しつつあります。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// /  APCは、地域規模の組織や地域に根ざしたグループがコンピューターを利用したネ ットワーキングを十分に行うことができるように手助けすることで、それらの組織やグ ループを支援します。APCには、94カ国に17000の利用者がおり、それらの利 用者は、地域の公立学校から国際的なNG0にまでわたっています。これらの中には、 第三世界ネットワーク、世界資源研究所(WRI)、世界野生動物基金(WWF)、全 国野生動物連合会(NWF)、われわれの共通の未来のためのセンター、エコニュース ・アフリカ、KENGO、第三世界における環境開発行動(ENDA)、ブラジル社会 経済分析研究所(IBASE)、アムネスティ・インターナショナル等があります。  APCは、1992年のブラジルでの地球サミット、1993年のオーストリアでの 国連人権会議、最近ではカイロでの国連人口会議で、NGOのための主要な通信提供者 でした。1995年のコペンハーゲンでの社会開発に関する国連世界サミット、そして 1995年の北京での第4回女性会議において同様のサービスを供給するための計画が 、現在進行中です。 APCネットワークが提供する諸サービス ====================================== 電子メール  グループや個人は、電子メールを使うことによって、郵送による手紙よりも安価に、 電話よりも信頼性が高く、FAXよりも柔軟に、私信を即座にやりとりすることができ ます。迅速に、安価に、確実に、安全に、そして簡単に利用できるため、APCネット ワーク上の20000以上の国際的な平和・環境関連の利用者が、APCの電子メール にアクセスし、また、他のネットワーク上の何百万もの利用者もアクセスしています。  利用者は、APCネットワークを通じて、電子メールを、MCIメール、インターネ ット、ハンズネット、ファイドネット、ダイアルコム、ビットネット、UUCP、ジオ ネット、コンピュサーブそしてたいていの学術ネットワークや商用ネットワークと交換 することができます。利用者は、APCネットワークから直接、テレックをやりとりし たり、FAXのメッセージを送ったりすることができます。 電子会議  電子会議(”電子掲示板”)は、多数の利用者が次のことをできるようにするのに必 要不可欠な道具です。 ・多くの情報源から情報を収集する。 ・調査研究や執筆や計画立案で共同作業を行う。 ・”警戒行動を”促したり、それに応答したりする。 ・グループの通信やイベントの連絡で最新の道具として利用する。 ・遠く離れたところでも簡単に、ある主題について意見をやりとりする。 公開会議  APCは、情報豊富な何百という会議を提供しています。これらの会議には、イベン ト・カレンダー、ニュースレター、法的警告、出版物の公刊案内、最新の活動情報、最 近始まった物語、ならびに、会話のやりとりも含まれています。これらによって、利用 者は、現在最も重要な問題についての世界規模の議論に参加し、その結果を左右するこ とができます。 非公開会議  非公開会議は、グループ内部の意思決定、協力者を選ぶための情報交換、課題の共有 や円滑な意思疎通を容易にするために、特定の組織用に設定することができます。 データベース  オンラインデータベースには、オルタナティブ出版、著書目録、助成基金、第3世界 関係の資料、グリーンピース関係の出版物の公刊案内、アジェンダ21、短波ラジオの 録音記録、国連関連の情報サービス、殺虫剤関係の情報サービスがあります。 APCの国連との協力 ====================  APCネットワークは、いくつかの国連のプロジェクトから直接恩恵を受けています 。1987年に、APCは、NGOとラテンアメリカの研究者のためのコンピューター ネットワークサービスを開設するためのプログラム基金を設定した国連開発プログラム (UNDP)との協力を始めたときに、名実ともに発展しました。APC連合体が拡大 していく際に最初に加わったのが、オルタネックスとエクアネックスであり、この二つ は、その(当時のAPCと国連との協力の下での)取り組みから作り出されました。現 在、APCは、子どもネットプロジェクトに関して、国連子ども基金(UNICEF) との密接な連携の下で活動しています。さらに、いくつかの国連の機関が、多方面で連 絡し合ったり、地球規模の問題に関する情報を収集したり流布したりする任務を遂行す るためにAPCネットワークを利用しています。  これらの国連の機関には、以下のものがあります。  国連食糧農業機構(FAO)  気候改変に関する全体代表者会議における政府間交渉委員会(INF/FCCC)  国連連合国際サービス(UNAIS)  国連人権センター  国連子ども基金(UNICEF)  国連開発プログラム(UNDP)  国連女性の地位改善局(DAW)  国連教育科学文化機構(UNESCO)  国連環境プログラム(UNEP)  国連情報センター(UNIC)  人口と開発に関する国連国際会議(ICPD)  国連国際緊急ネットワーク(UNIENET)  国連非政府組織連絡サービス(NGLS)  国連人口基金(UNFPA)  第4回女性会議のための国連事務局(UNWCW)  国連大学(UNU)  国連ボランティア(UNV) リオ・デ・ジャネイロでの国連環境開発会議 ----------------------------------------  国連環境開発会議(UNCED)の準備のための2年間にわたるミーティングで、U NSEDの事務局は、準備委員会(PrepComm)で交渉を行う際に文書を提供す るため、APCと共同作業を行いました。市民活動家や非政府組織は、情報を交換し、 UNSEDの準備をするためにオンラインで共同作業を行いました。  第4回準備委員会(ニューヨーク、1992年3月)の間、APCとNGOネットは 、情報通信センターを提供しました。そしてそれによって、NGOと国連の参加者は、 世界各地の協力者と即座に便利な通信を行うように作られたネットワークにアクセスす るために、コンピューターを利用できるようになりました。  1992年6月にリオ・デ・ジャネイロで開かれた国連環境開発会議それ自体におい ては、APCは、リオセンター、政府関係の会場、NGOグローバルフォーラムで通信 サービスを提供しました。ブラジルの(APC加盟ネットワークの)オルタネックスの 主導の下に、APCは、UNCED・ISP/Rioネットワークを設計し、設置し、 運営し、そして、ブラジル全国調査研究ネットワークの協力をえて、国連環境開発会議 のほとんどの会場で完全なインターネットのサービスを提供しました。  国連環境開発会議の後でも、これらの組織から構成される共同体は、APCネットワ ークを通じて協力をし続けました。そしてまた、国連環境開発会議で決議された最初の 文書であるアジェンダ21の全文、その他の公式文書、国連環境開発会議を支援する委 員会に関連する情報などをAPCネットワークのいろいろな会議で見ることができます 。 ウィーン人権会議 ----------------  オーストリアのウィーンで1993年に開催された世界人権会議(WCHR)で、人 権センターは、APCが国家や非政府組織や個人のためのコンピューター通信サービス 提供者であるあることを公認しました。国連環境開発会議では、非政府組織による準備 と共同作業が、会議の前の丸一年をかけて始められました。特定の人権問題に関して、 議論がなされ、文書の草稿が提出されるとともに、それらの問題に関連する情報も提供 されました。  世界人権会議それ自体では、APCは、通信センターを設置し、そこでは、参加者た ちが、世界人権会議で行われた議論についての情報を共有し合いました。さらに、AP Cは、アムネスティ・インターナショナルのデータベースやインターネット上の人権関 連のデータベースにアクセスできるようにしました。国連環境開発会議と世界人権会議 でのサービスと同じサービスが、エジプトのカイロで最近行われた国際人口開発会議( ICPD)でも提供されました。1995年秋に中国の北京で開催される第4回世界女 性会議でも同様のサービスを提供するための計画が、現在進行中です。 非政府組織との協力 ==================  1993年の5月に、APCとNGOネットは、非政府組織連絡サービス(NGLS )との協力の下に、ニューヨークで開催された人口会議のための準備委員会で通信情報 センターを設置しました。これと同じコンピューター通信センターが、(非政府組織連 絡サービスと地球会議との協力の下で)1993年6月に、ニューヨークで、持続可能 な開発に関する委員会の第1回会議で、そしてまた、1993年9月の島しょ国家の持 続可能な開発に関する会議の準備委員会でも(国連開発プログラムとの協力の下で)設 置されました。コンピューター通信センターは、これまでに、社会開発に関する世界サ ミット(WSSD)の準備委員会でも、設置されました。  これらのイベントすべてのために、APCは、コンピューターシステムが、それらの 会議の前でも、会議の開催中でも、その後でも確実に役に立つように、それらの会議を 組織する国連の諸機関や、非政府組織が企画する委員会と協力を続けています。APC は、これらのイベントに費やされた努力や資源が十分に利用されるように、また、参加 者が会議に関連する問題を知ることができるように、さらに、会議への参加や会議の進 展が、イベントが終了した後でも続いて行くようにする道具を提供しています。 ----------------------------------------掲載終わり----------------------------