Return-Path: quake-vg-admin@kobe-u.ac.jp Errors-To: quake-vg-admin@kobe-u.ac.jp Sender: quake-vg@kobe-u.ac.jp (Volunteer group of Kobe University for South Hyogo Earthquak) Posted: Fri, 17 Mar 95 23:20:51 JST From: hashiba@main.h.kobe-u.ac.jp (Hirokazu Hashiba) To: quake-vg@kobe-u.ac.jp Subject: from IVN-KobeUniv. Date: Fri, 17 Mar 95 23:20:12 +0900 Precedence: bulk Reply-To: quake-vg@kobe-u.ac.jp X-Mlserver: nml.pl 1.2 X-Ml-Name: Volunteer group of Kobe University for South Hyogo Earthquak X-Mail-Count: 484 Lines: 150 quake-vg の皆様。 神戸大学大学院教育学研究科M1の橋場と申します。 これまでのも何度かメールが流れていましたが、神戸大学国際文化学部 の学生を中心にした『IVN神戸大学チーム』という情報ボランティアが 存在するのをご存知でしょうか。 これまで、いくつかのボランティアを対象に実際に情報提供の活動を行っ てきました。我々はインターネットを積極的に利用しようという目的を持っ ていたのですが、実際に現場に情報を持っていくという作業を中心に活動 してきたため、インターネットの利用はチームの中での連絡に電子メール を使う程度でした。 しかし、多くのボランティアが撤退をはじめる時期に入り、それに合わ せて我々の活動も新たなフェーズに合わせる必要が出て来ました。 その一つとして、今後インターネットに設けられているメーリングリス ト(具体的には quake-vg )やネットニュース(tnn,fj.misc.earthquake)等 に我々のこれまでの活動の経緯を報告し、我々が感じた問題点や提案など を流す活動をはじめる事にしました。 今後、ある程度定期的にメールを出す事になると思います。内容や文面 に適切でない表現が入る事もあるかと思いますが、我々の活動を理解して いただき、議論に加わっていただけたらと思います。 以下に、IVN神戸大学チームの渉外調査局の担当である国際文化学部 1回生の堤君(VN通信でお馴染みですね。)の作成した UP 用の文章を載 せます。 ///////////////////////////////// IVN神戸大学チームとは、阪神大震災に際し、ボランティア間 の円滑な流通を図るInter Volunteer Network(本部:三宮・神 戸電子専門学校)と協力し、主として同国際文化学部新2・3回 生が中心となって組織された実働部隊である。 現在の活動は、あじさいネットなどからFAX情報を打ちだし、 一つのファイルに綴じ込んだ「IVN情報ファイル」の配布や、 同ファイルの配布の際に各ボランティア間でのさまざまな情報 (現在は、撤退の時期や引き継ぎの情報などが主)の相互交換の 手助けなどを行なっている。 IVN情報ファイルの配布 IVN情報ファイルは、現在約30部発行されており、神戸市のサー ビス「あじさいネット」などからFAXをとりだし、各種のカテ ゴリーに分類して配布している。配布は週2回ずつIVN神戸大チー ムの人間が訪問し、新規情報を差し替えることで更新している。 現在の配布先は、神戸市内の主に移動・巡回系のボランティア 団体で、東灘区「情報センター」、灘区「灘ボランティア」 「FIWC」「キャンプオリザ」「神戸元気村」「神戸大学学生震 災救援隊」「神戸大学教養体育館」、中央区「中央区ボランティ ア」、兵庫区「兵庫区ボランティア」、長田区「長田ボランティ アルーム」「ピースボート」「これからの長田を考える会」須 磨区「須磨ボランティア」となっている。これらの配布先各ボ ランティア団体では、それぞれが各自発行するミニコミ誌の取 材材料としたり、掲示版の掲出資料として利用している。 それぞれがFAXを取り出して資料化することは、時間的問題(お よそ1時間くらいかかり、どれが新規情報か比較するのにさら に時間がかかる)、金銭的問題(電話回線使用料はほとんどの場 合関係ないが、FAXのロール紙を大量消費する)、回線的問題 (多くは電話回線を十分には所有せず、FAX用回線は電話と兼用 である。上述のように1時間回線を占有されるとかなりの負担 である。また、FAXそのものとしても行政サイドや他のボラン ティア団体との連絡に使用している。重要な情報があじさいネッ トからFAXを落していたために得られなかった、となると本末 転倒なので、うかつに長時間使用できない)などから、ほとん ど無理な課題である。故に、我々IVN神戸大チームは情報を整 理して判りやすく使いやすい形で各ボランティア団体へ提供す る意義を持つのである。 しかし、IVN情報ファイルの配布開始当初からこうだったので はない。開始当初は、我々も何をどのように提供すればいいの か判らず、取り敢えず情報のソース別に「あじさい」「運輸省 FAXサービス」「神戸新聞FAX号外」などと分類し、内容別に索 引をつけて配布していたが、評価は今イチだった。我々チーム でも、どのようにすれば利用しやすくなるか検討していたが、 これといって有力な案はなかった。 そんな折り、あるボランティア団体がどのように情報ファイル を利用しているかを知る機会があった。そこでは``情報部''を 新設して情報の整理を行なおうという時期にIVN情報ファイル 配布が始まったので、自分たちの利用法をすぐに検討した。そ して彼らは、「金融」「交通」「住宅」「炊出し」のようなカ テゴリー別に自分たちの持つ情報(新聞の切抜きや行政などか らのビラなども含む)を分類し、検索が用意に行なえるように していたのだ。 我々は早速その方法を検討してみた。すると、案外分類は容易 で、こちらでその方法をマニュアル化すればかなりの効率が予 想された。次回の更新から早速新方針を採用した。チームの人 間が2〜3人班になって訪問し、1人が入れかえをしている間も 他の人間はいろいろ話しを聞いたり状況を見たりしている。こ のことにより、情報の的確な更新と同時に何が必要とされてい るか(ニーズ)の吸い上げが行なわれている。 ボランティアの活動状況 今回の大震災では、実に大人数のボランティアがまさに全国各 地から被災地を訪れた。「ボランティア元年」といわれる理由 でもあるが、このような都市型災害に際してボランティアの働 きが不可欠となることが証明されたといえるだろう。 そのボランティアの活動は、立ち上がりの際は必ずしも効果的 ではなかった。今現在も全く非効率性が存在しないとはいえな いが、事態は徐々に解決されつつある。ボランティアが必要な ところに配置されるようになってきたのだ。しかしそれは「ノ ウハウ」を積み上げたからで、ノウハウがなければ相変わらず 仕事のないところにボランティアが集中するというようなこと は起こっていただろう。 あるいは物資・情報などにおいても、その流通にはいろいろな 問題があった。それをどのように解決したかという知識は、こ の悲惨な災害で体得されたものとして、これからずっと残され ていくべきである。その方法として、いわゆる『マニュアル化』 がある。 しかし、簡単にマニュアル化といっても、ことボランティアに 関してそれは難しい。責任がないため、自分たちの活動の総括 をまとめないで撤退してしまう場合があり得る。そのため、普 段の活動の中から我々との交流を持ち、いざ撤収という段階に 「後で総括をまとめてそれを頂きたい」という意向を伝える (活動中は忙しくてそれどころではない)ことが必要となる。そ のために上記IVN情報ファイルの配布なども行なってきた。 既に撤収の近い団体もあるため、最近では活動状況の取りまと めに掛かっている。徐々に内容を充実させていく方針だ。 これからの活動 各ボランティア団体後とにバラバラに活動を行なってきている ので、それぞれが持つノウハウもバラバラであるし、撤退に関 する考えも違う。それぞれを尊重しつつ、ノウハウなどの集約 が必要となってくる。 前項末でも述べたが、そのために普段からの交流を図り、情報 交換などができる関係を保っていくことは絶対不可欠である。 さらにその声を集約し、今度は同じようにボランティアのマニュ アルを作成しようとしている団体(我々が既に知っているだけ で2〜3団体あります)があるので、彼らと歩調を合わせて一つ のマニュアルにしていくことが大事であろう。たくさんのボラ ンティアの声を集めてさまざまな面から検証していくことが、 このボランティア活動の最終課題となってくるであろう。 ///////////////////////////////// 以上の文章はどのネットに転載して頂いても結構です。今後とも宜しく お願いします。 IVN神戸大学チーム quake-vg 担当