To: ngo@center.osaka-u.ac.jp, quake-vg@kobe-u.ac.jp
From: ngoteam@ns.osaka.web.ad.jp (Local NGOs Co-ordinating Team for HANSHIN QUAKE Relief)
Subject: [Kirokushitsu Tsuussin] No.5
Cc: ...[中略]...
Date: Tue, 18 Jul 95 15:19:59 +0900
舟橋@「震災・活動記録室」です。
記録室通信のファックスバージョンだけ発信して、何か忘れているような気は
していたのですが、TEXTバージョンを忘れていました。ごめんなさい!
ちなみに、近日中に記録室通信のWWW-Pageとanonymous FTP Serverをたちあげ
る予定ですので、よろしくお願いいたします。
ご意見をお寄せ下さい。
では。
--------------------------------------------------------------------
#####################
記録室通信
15-July-1995 第5号
#####################
Quake Chronicle Project
震災・活動記録室
−はじめに−
皆様、いかがおすごしでしょうか。「震災・活動記録室」です。夏を迎え、いよいよ暑
くなってきましたが、引き続き頑張っていこうと思っています今後ともご協力の程宜しく
お願いいたします。それでは、第5号をお送り致します。
(「記録室通信」担当:舟橋健雄)
−記録室通信とは−
記録室では震災後のボランティア活動の記録を残すことを目的として、アンケート
調査、
インタビュー取材などを中心に活動してきました。同時に各団体から活動の資料を提供し
ていただき、目録を作成して将来公開するための準備を進めています。そして、活動の中
で出会ってきた皆さんとの情報交換の場として、また新たな出会いの場として、毎週「記
録室通信」を発行しています。被災地での最新情報、全国のボランティアの動き、支援活
動でつかんだノウハウの紹介等の発信を考えています。
−現地からの最新情報−
先日7月13日(木)、神戸YMCAチャペルにて、NGO連絡会議のサハリン緊急支援報
告会を開催いたしました。少人数ではありましたが、なごやかな報告会になりました。
また詳しくは、記録室の「中間報告」という形で報告させて頂きたいと思っておりま
すが、
以下にサハリン緊急支援の際に、どのようなことがあったのかを時系列に沿って報告致し
ます。
5/28 (日) 午前1時、地震発生(日本時間27日22時)
−以下、サハリンでの項目は現地時間−
5/30 (火) 草地、AMDA菅波代表と電話、物資とりまとめと
資金提供を申し出る。
関係団体に物資集結を呼びかける。
実吉、岡山へ。
5/31 (水) 「緊急援助物資調達可能リスト」作成
夕方:ちびくろ保育園の物資集積所より岡山に向
けて物資第1便出発
6/1 (木) 朝:神戸市の物資、積み込んで神戸出発
昼:中央区ボラの物資、神戸出発
夕方:ちびくろから出発 岡山空港での荷造りの
ため、ボランティア2名出発
岡南教会、岡山YMCAが現地で協力。
6/2 (金) 実吉、AMDA第2次派遣団に加わりチャーター
機で岡山空港出発
6/9 (金) AMDA第2次派遣団帰国(実吉含む)
6/14 (水) ちびくろ集積所・岡山等からトラック出発
物資の仕分け作業打合わせ、高圧ガス通関手続き
のため坂本、横浜に
6/20 (火) 白鳥、本牧で仕分け手伝いとコンテナ積み込み・
通関に立ち会い
6/21 (水) 御蔵小学校、西谷先生”子供たちの手紙”ロシア
語訳を持参
6/23 (金) コンテナ、船に積み込み 3人(坂本・実吉・白
鳥)通関・出国手続
6/24 (土) 9時20分、ロシア船「オホーツコエ号」
(「希望丸」)川崎港出港
6/26 (月) 松村飛行機で出発 夜ユジノサハリンスク着
6/27 (火) 18時サハリン、ホルムスク港入港
(松村、ADRA塚本出迎え)
船内で入国及び物資書類審査
6/28 (水) コンテナ陸揚げ、内容品検査、通関手続き
シネゴルスクの孤児収容施設訪問
(ぬいぐるみ・作文手渡す)
サハリン州政府、副知事を訪問
物資北部輸送は鉄道 -> トラックに決定
6/29 (木) 午後坂本、塚本(ADRA)帰国
6/30 (金) 松村帰国
22時半:実吉、白鳥ユジノ発夜行列車で出発
7/1 (土) 14時:実吉、白鳥ノグリキ着
7/2 (日) 早朝コンテナ、ノグリキ着 13本確認
7/3 (月) 午前:白鳥、コンテナを開けて物資の確認・整理
物資、トラックにつんで出発(白鳥同行)、
ネフチェゴルスクに到着
実吉帰国
7/4(火) 坂本、神戸市記者クラブで帰国報告 物資をト
ラックよりおろし、屋内に搬入、
午後ネフチェゴルスクの被災者へ物資の受け渡
し開始
19時:白鳥、オハ発 ユジノサハリンスクへ
7/7(金) 白鳥帰国
−全国のボランティア状況−
今回は、立命館大学の学生であり、「がりばー王国」という子どものケアを中心に活動
しているボランティア団体の代表でもある元道輝繁さんに、「京都の学生の動き」をご報
告頂きました。
京都の学生の取り組み:現在、私を含む京都の学生は主に以下のことを目指して
動いています。
1、『被災地の学校を応援しよう!ベルマーク大作戦』
現在、立命館・京都・同志社・花園・同志社女子の各大学のボランティアセンターおよ
び、ボランティアグループ・がりばー王国の京都地区学生ボランティア連絡会議共同事業
ということで、ベルマークを広く一般から募集しています。そして、集まったベルマーク
を集計し兵庫の学校施設に通っている生徒のPTAに寄付し、震災により失われた学校備品
を購入していただくというシステムをとっています。ちなみに目標は1000万点です。
2、芦屋市松浜公園(芦屋公園)でのプレーパーク・カフェテリアの開設
京都地区学生ボランティア連絡会議事業として、当面1年間をめどに、カフェテリアと
プレーパークを行うものです。
<カフェ松浜>
同志社大学が、4月まで神戸市灘区の成徳小学校避難所で行っていたカフェテリアのノ
ウハウを利用して、付近の仮設住宅の方々の交流スペースを作ろうという企画です。実際
の中身は、お茶の野だてを中心に「お話井戸端スペース」になればいいのになぁ、とスタ
ッフで言っております。
できれば私たちは、神戸市東灘区の「地域助け合いネットワーク」がやっておられる
『さわやかテント』のような和気あいあいとした交流スペースを作りたいと考えてい
ます。
<プレーパーク松浜>
がりばー王国が4月以前に芦屋で行ってきた活動を基本にして、公園に仮設住宅が相次
いで建設され遊び場が失われている子供達の少しでも遊び場づくりを、ということではじ
められました。このプレーパークではもちろん遊具を持って行き、子供が好きなもので遊
ぶというシステムを取っていますが、私たちボランティア自身も「動くおもちゃ」として
活動しています。
回を増すごとに、常連の子供達も増えてきていますが、子供さんのお母さん方からよく
聞かれることとしては、倒壊家屋の解体が進みダンプカーが町中を走り周り、外に出て遊
ぶ子供がたいへん危険で心配だということです。そういう声からも安全な子供の遊び場確
保の必要性が感じられます。
3、夏休みの活動
夏休みは、芦屋に泊まり込み芦屋市内の被害が大きかった小学校の留守家庭保育のお手
伝いや、子供達の勉強・宿題110当番みたいな寺子屋など、継続的に行うカフェ、プレ
ーパークの活動と併せて活動していく予定です。(なお、ボランティアの数がそろえば移
動カフェテリアや、プレーパークなども考えています。)
−ボランティア団体紹介−
<兵庫区ボランティアOB連絡会東日本>
兵庫区ボランティアに直接かかわっていた人、また兵庫区外で活躍してきたボランティ
アや新たに活動を始めた人などで構成されているボランティア団体です。神戸から離れた
地でもできる後方援を考え、兵庫区ボランティアOB連絡会西日本と連絡をとりながら、
神戸母子寮再建のための募金集め・兵庫区ボランティアの文集作成・「子供が見た震
災展」
の開催・被災地への夏服郵送など活動を行っています。
「子供が見た震災展」は今月4日から16日まで東京近郊3カ所で開催されており、今
後20日からは広島で、その後も全国で開催され続ける予定です。今回、実際に東京・多
摩センター会場での同展にお伺いしましたので、次号の記録室通信で詳しくご紹介いたし
ます。
震災で神戸などに集まってきたボランティアが地元に帰ってから後方支援を続けようと
思っても、なかなか個人の力では続けられず、焦りやいら立ちのなかで模索せざるをえな
い場合が多いと聞いています。
そんな中で、兵ボラOB会のような活動は価値のあるものと言えるでしょう。
会報誌「たまねぎ東日本」等での情報の交換を通して、神戸と神戸から離れたボランテ
ィアたちを結ぶかけ橋として期待されるグループの一つです。
(取材協力:フェルケル 寿々絵さん)
−資料の紹介−
震災サポーター 宇治・三室戸ふぁみりー 「なべかま宅急便 活動の軌跡」
阪神大震災の被災地の仮設住宅へ台所用品を送る活動を続けてきた宇治市のボランティ
アグループ「震災サポーター 宇治・三室戸ふぁみりー」が、5月末の第5便で物資の搬
送・配布を一応の区切りをつけ、これまでの活動を冊子としてまとめた資料です。“この
冊子はわたしたちの経験が次の機会に少しでも役に立つようにという意図の本にまとめま
した”のことば通り、物資を提供してもらうための呼びかけの方法、輸送の手段、物資配
布の際の心構えなど、その経験に基づくノウハウは、たいへんわかりやすく、しかも説得
力があります。特に「宇治・三室戸ふぁみりー」の場合、近所での呼びかけから始まった
活動であるため、ビラの全戸配布や町内会の回覧板などで物資提供をお願いすると同
時に、
パソコン通信のネットワーク「NIFTY−Serve」を利用して情報を交換する
など、
多角的に取り組んだ点が特徴的でした。今、現在も活動を続けているグループにも参考に
なりそうな知恵がたくさん盛り込まれています。こうした各団体の資料に目を通すこ
とで、
ボランティアのネットワークを広げていけたらいいなと思っています。
(資料熟読班<仮称>:三浦 あかね)
−ひと<人>こと−
秦なつみさん 島本由美子さん **阪神高齢者障害者支援ネットワーク
**
1人だけではなかなか難しい仕事でも、2人の協力でうまく進めている。そんな印象を
受けたのが今回のお二人、島本さんと秦さんです。様々な人と会い、話を進めるなど行動
力のある秦さんと、几帳面で細やかな性格の島本さん。そんな二人は、それぞれ違った場
所で違ったボランティア活動を続けていたのですが、その課程で出会うべくして出会った
「運命の二人」なのです。
震災以前、秦さんは東京の大学で福祉の勉強をしていました。卒業論文も提出し、卒業
も間近となっていた1月17日に阪神で震災が起こったのです。その時、長田区に在住の
島本さんは、それまで勤めていた会社を辞め、新たな生活を模索していた所でした。
震災後、秦さんは仕事を手伝うため父親と一緒に神戸にやってきました。そして、長田
で開業医をしていた梁(リャン)さんという方に出会い、4月から正式に『長田地区高齢
者・障害者緊急支援ネットワーク(略称:長田支援ネットワーク)』のお手伝いをするこ
とになりました。一方、地元の島本さんは自宅が地震の被害を受け、2月末まで家の手伝
いをしていました。家が落ちついた後、「自分にも何か出来ることはないか」と『これか
らの長田を考える会』という他のボランティア団体に飛び込み、3月から事務の仕事を中
心に活動を始めました。
それまで「長田支援ネットワーク」にとって、コーディネーターとして実質上の仕事を
背負ってきたのは秦さん一人でしたが、全てを一人でやっていくことの限界を次第に感じ
るようになりました。また、『すたあと−長田を考える会−(これからの長田を考える会
が改称)』の事務局で働いていた島本さんですが、「仕事として」長期間関わることの出
来る活動を捜しはじめます。そういった所に、「長田支援ネットワークの事務局を手伝っ
てくれないか」という話が島本さんの所に届いたのです。もともと福祉関係の仕事に興味
があった島本さんは、自分が今まで培ってきた経験を活かそうと、7月から『阪神高齢者
障害者支援ネットワーク(長田支援ネットワークが改称)』の事務局で働くことになりま
した。
1月17日の地震から半年経った今、新たな活躍の場を得た島本さんと、島本さんとい
う頼もしいパートナーを得た秦さん。お二人の今後の活躍が楽しみです。
注:
現在、『支援ネットワーク』では西区にも活動を広げ、"WOA"(Worth of Association)
というグループとともに仮設住宅内でのコミュニティーづくりの支援をするための『ふれ
あいテント』を運営するほか、三大目標として、1:一人暮らしの高齢者の孤独死を
防ぐ、
2:高齢者・障害者を寝たきりにさせない、3:仮設住宅を住み良い生活の場とする、を
掲げています。
(取材、編集:舟橋 健雄/白鳥 孝太)
−今週の記録室−
今週の記録室は、今後の長期的な方針をもう一度検討するための全体ミーティングを開
き、ほぼアウトラインが決まりました。詳しくは今月末に「中間報告」という形でお知ら
せする予定です。形としては、この「記録室通信」の号外版を考えておりますので、よろ
しくお願いいたします。
現在のインタビューの状況としては、『高取中学校』や『神戸心のネットワーク(ココ
ネット)』、それから「ひとこと」欄にも紹介させて頂いた『阪神高齢者・障害者支援ネ
ットワーク』や、個人ボランティアとして『中島公園』で活動しておられた方や、目の不
自由な方のために『音訳ボランティア』をされている方などにもお話を伺いました。
また、
メンバーの一人が東京へ行った際に、『兵庫区ボランティアOB東日本連絡会に』お邪魔し
ていろいろとお話をさせて頂きました。このように、最近は特にインタビューをできるだ
け多くの方々にさせて頂こうと、スタッフ一同、精力的に動きまわっております。もし、
皆様の中でインタビューを引き受けて下さる方がおられましたら、ぜひご連絡下さい。イ
ンタビューに伺わせて頂きます。
資料の方も、少しずつではありますが、整理・分類等が進みつつあります。また、それ
と同時に資料の目録作成とデーターベース作成にもとりかかっております。これからも、
なるべくたくさんの方々にお会いして、なるべくたくさんの資料を収集させて頂きたいと
思っております。今後とも、皆様のご協力・ご声援のほど宜しくお願い致します。
−Information 〜情報の広場〜 −
出版記念の集い
「市民・政府・NGO 力の剥奪からエンパワーメントへ」
(筆者:ジョン・フリードマン 新評論 定価3500円)
監訳者(斉藤千宏さん・雨森孝悦さん)を囲んで
日時:1995年7月26日(水) 開演 午後6時半
場所:大阪国際交流センター地下1階「フロンティア・クラブ」
〒543 大阪市天王寺区上本町8−2−6 tel:06-772-5931(代表)
主催:世話人実行委員会・NGO市民フォーラム
参加費:2000円(本を希望の方は、本代含め5000円)
申込方法:氏名・所属をFAXかハガキで以下に連絡のこと。
関西国際交流団体協議会 〒543 大阪市天王寺区上本町8−2−6
tel:06-773-0256 fax:06-773-8422
*****************************************************
阪神大震災地元NGO救援連絡会議
「震災・活動記録室」
〒650 神戸市中央区栄町通4-3-5 毎日新聞神戸ビル3F
Tel. 078-362-5951 Fax. 078-362-5957
Internet:ngoteam@mb.osaka.infoweb.or.jp
Nifty-Serve:SHB00846
Url:http://www.center.osaka-u.ac.jp/people/wnn/www-kobe/index-jp.html
*****************************************************