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書評:社会・経済

「おもてなし」による過重労働という論理の無理な拡大適用 ― 榎本 博明 著,「「おもてなし」という残酷社会」

目をひくタイトルなのでおもわず買ってしまったが,タイトルにあわせて無理やり内容をつくりあげたというような本であり,共感できない. お客様の要求をできるだけ満たすようにするのが日本的な顧客サービスのやりかただということはたしかだろう. それが日本人の顧客サービスにかかわる労働をきついものにしているという主張は理解できる. しかし,それをあらゆる分野に拡大しようとする著者の論理には無理があるとおもわざるをえない. ビジネスにおける「お客様は神様」ということばは日本に昔からあるものだが,本書ではそれを教職にまであてはめようとしている. しかし,教師にとっての生徒はすくなくとも過去には「お客様」ではなかったから,モンスター・ペアレントがもたらす過重労働の問題は「おもてなし」とはまったくちがうものだろう. それを同一のものと論じるのは無理がある. そういう無理がこの本にはあらゆるところにある.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「おもてなし」という残酷社会

注記: Amazon.co.jp書評に投稿しています.

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