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書評:科学・技術・自然, 科学・技術・自然

「創造」 ということばを矮小化し,システムの複雑さを軽視している ― 中尾 政之 著 「創造はシステムである ― 「失敗学」 から 「創造学」 へ 」

著者は 「創造」 という行為を科学のまないたにのせ,システマティックに実現できるようにしようとかんがえている. 「システマティック」 ということばをゆるく解釈すればもっともなことだが,目的をきめればあとは最適化の問題になるときめつけているのは,はなはだ疑問だ. 「創造」 という行為をあまりにかるくとらえているようにおもえる.

「システム」 といえばおもいだすのはベルタランフィのシステム論だが,この本ではこのような複雑系に関する理論はあつかわれず,システムの複雑さに関する考察は十分でないようだ. アメリカではモジュラーな設計が好まれ,日本ではインテグレーテッドな (干渉のある複雑な) 設計が好まれるというような話でおわっている.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 創造はシステムである@Amazon.co.jp

注記: Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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