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DIY (日曜大工) とものづくり・実験:3 次元印刷 (3D printing)・CAD

3D プリンタ 「Printrbot Plus」 のくみたて その 1

安価な 3D プリンタを買うために,ネットでいろいろしらべた. 1000 ドル以下の製品のなかから Printrbot Plus を選択した. 製造元はアメリカにあるが,国外へも出荷していたので,容易に入手することができた. くみたてられたかたちでも売っているようだったが,容易にくみたてられるだろうとかんがえて,キットを注文することにした.

ところが,くみたては想像していたよりはるかにめんどうだった. きょう,くみたてはじめたが,1 日で完成させられなかった. つぎのやすみには完成できるだろうが,きょうわかったことをここに書いておくことにする.

Printrbot のサイトで Printrbot Plus を 11 月 3 日に発注した. Printrbot Plus だけでなく,印刷材料である ABS 樹脂のフィラメント (線材) を追加したが,それもあわせて 8 万円ほどだ. とどいたメイルからみると,出荷されたのは 16 日のようだ. それが 23 日にはとどいた. うけとるときに 2000 円ほどの消費税をはらわなければならない. 海外出張していたので,くみたてはじめたのはきょう,12 月 2 日だ.

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DSCF2427.jpg すでにその 1 週間まえに開封はしていて,およその内容は確認していた. 比較的ラフな包装であり,おもさからかんがえて,いたんでとどく可能性もあった. ステッピング・モータは半分,うすい発泡スチロールで保護されてはいるが,上面はおおわれていないうえに,箱のなかで移動しうる状態だった (写真参照).

海外への発送実績はまだすくないのだろう. 最近,アメリカではかんたんに海外に出荷しないところがおおい. 代理発送や保険のために送料がたかくつく. しかし,Printrbot に関しては破損の危険があるかわりに,そのような余計なコストはかからなかった. パラバラの部品からくみたてるキットであり,モーター以外には輸送中の衝撃などで破損しそうなものがないから,海外に輸送しても問題はおこりにくいだろう. あらかじめくみたてられた部分が多ければ問題がおこりうる. まだ完成していないので故障していないかどうかはわからないが,みたところでは問題ないようだ.

プリント基板やモーター類をのぞくと,おおくの部品は合板でできている. レーザー・カッターできれめがはいっているが,部分的につながったままの合板だ. 合板は 6 mm くらいのあつさがあるので,部品をはずすのはかならずしも容易でない.

部品点数は 40 個ほどもあり,くみたてには時間がかかる. もっとかんたんな構造にすることもできるとおもうのだが… 部品どうしを固定するのにはビスとナットを使用するのが基本であり,数 10 本のビスを使用する. くみたてかたがわかっていたとしても,1 時間やそこらではくみたてられない複雑さだ.

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さらに,キットのなかに説明書ははいっていない. 合板でつくられた部品すべてに番号がふられ,それらの部品を記述した図面のかたちで書かれた紙がはいっているが,合板そのものにはその番号は記述されていない. そのため,合板の部品の確認に時間をとられる. 確認した部品には鉛筆で番号を書いていく (写真). なかには番号がやきつけられた部品もあるが,それは部品番号ではない,なぞの番号だ.

Web サイト をみても,プリンタ (Printrbot Plus) の詳細な機能や構造ははっきり記述されていない. あるのはくみたて手順と YouTube に登録されたくみたてビデオだけだ. プリンタの構造がまとめて書いてないので,手順をみても操作の意味がよくわからない.

部品やくみたてかたをみて感じるのは,いかにもアマチュア的なデザインだということだ. 部品がレーザー・カッターで切断した合板だということもそうだが,部品点数の多さ,結束バンドを多用したくみたて方法 (写真)も,プロならばたぶんほかの方法をかんがえただろうとおもえる.

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部品点数があまりに多いので,どの部品をいつつかうのかをあらかじめ把握することができない. くみたて手順のなかでも,そこでつかう部品がどれなのか,はっきり書いていないことがおおい. 手順はほとんど写真でしめされているのだが,さいわい,おくられてきた部品と写真とがほとんど一致している. しかし,ステッピング・モーターはすこしちがうもののようであり,どのモーターをどこにとりつけるか,すこしまよった. 電線の色が一致していればよいが,それがちがうので,つなぎかたもわかりにくい.

くみたて手順はこのように不親切なのだが,一方では不必要にこまかく書いてあるところがあるくみたてステップ数は 100 をこえているので,わからなくなったときにどこにもどればよいのかがわかりにくい. ビデオも FF, FB (はやおくり,はやもどし) などの操作ができないので不便だ. ビデオは 9 個に分割されているから,それぞれの先頭にもどることはできるが,うしろのほうがみたければ 10 分以上またなければならない.

ネジどめ個所が多いだけでもくみたてに時間がかかるのだが,ナットをうめこむ必要があるところが多数あり,しかもナットがはいりにくくぬけやすいために,さらに時間がかかる. ネジどめの数はみとめるとしても,もうすこしくふうすればくみたて時間をみじかくすることができるようにおもう.

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ステッピング・モーターにはベルトをかけるためのプーリーをとりつけるが,これを固定するのが 1.5 mm の 6 角ネジだ. さいわい家にあったが,2 種類ある 6 角ネジまわしセットのうち 1 個には 1.5 mm なんていうほそいものはついていない. くみたて家具などには 6 角ネジまわしが付属していることがあるが,printrbot に関してはそういうことはない. 工具はみな自分で用意しなければならない.

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いくつか設計上の弱点とおもえることをみつけた. 第 1 はプリント基板を固定するビスがショートを発生させかねないところだ. 心配なのでプラスティックをはさんで絶縁することにした.

第 2 はステッピング・モーターの回転を台につたえるためにベルトとベアリングをつかうのだが,おおきなワッシャがベアリングに接触しやすく,そのうごきをとめてしまいかねない. これはネジをゆるめることでとりあえず対処したが,それだけでよいかどうかわからない. あとでもう一度,対策しなければならないようにもおもえるが,きょうはまだうごかしていないのでわからない.

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r6Xyfy34odUIT4DA.medium.jpg 第 3 はプリントベッドに非常に接近したネジがあるために 「足」 をすこしけずらないととりつけられないことだ. けずれば安定度はさがるから,これは欠陥といえるだろう. ネジ穴の位置をずらせばよいのだとかんがえられるが,接近している穴だけをずらすとうまくくみたてられなくなるので,不本意だが指示どおりにした. けずる量をへらすため,ビスのむきを上下逆にしてみた. (写真は Printrbot のサイトから借用したものなので,逆転していない.)

結束バンドにはながいのとみじかいのとがあるのだが,みじかいのをつかうべきところにまちがえてながいのをつかってしまったために,たりなくなった. おおきなベアリングをとりつけることができなくなったが,きょうは買いにいく時間もないので,ここでやめにする. このベアリングが固定されていないところをのぞけばほぼ,くみたて手順の Step 134 まで完了したが,あとは来週末だ.

関連項目 (2013-6-9 改訂):

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