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Web とインターネット:プロトコルとネットワーク

J. Abbate によるインターネットと OSI, X.25 などの,いままなぶべき歴史

Janet Abbate の Inventing the Internet (MIT Press) という本の一部を読んだ. インターネットの歴史を書いた本だが,そのなかの国際標準に関する章にとくに興味をひかれたからだ. ここには ARPANET と OSI との関係や X.25 の衰退など,これまで知らなかったことがいろいろ書かれていて,興味ぶかい.

一番興味をひかれたのは X.25 のことだ. X.25 はコネクション指向のプロトコルであり,その点では ATM にちかいということができる. Ethernet にせよ ATM にせよ,もともとは単独で使用することをかんがえてつくられたものだ. だからアドレッシング機能 (ネットワーク層機能) ももっている. X.25 もまた,そうだった.

ところが,X.25 は Ethernet や ATM と同様に OSI でリンク層に位置づけられた. その結果,ネットワーク層に位置づけられる IP などのプロトコルを補助するものとされ,重要性をうしなったのだという. Abbate は OSI 7 層モデルに現実のプロトコルをおしこめることに否定的であるようにみえる. 7 層にわけるのが複雑すぎることも示唆している. ATM もまた,高度なルーティング機能までそなえながら,IP の下位に位置づけられた. ATM のばあいは転送レート向上の要求にこたえられなかったことが衰退につながったのだが,OSI が ATM の地位をひきさげたことも否定できないだろう. X.25 についても同様なのだろう.

しかし,Ethernet に関しては事情がことなっている. Ethernet はこれらの 2 層プロトコルのなかで唯一,勝ちのこり,発展しつづけている. いまやルーティング・プロトコルもとりいれられようとしている.

OSI と TCP/IP との関係は,いままでかんがえていたよりは複雑だったようだ. OSI は一方では Ethernet や Token Ring をそのままうけいれた一方で,TCP/IP をそのままのかたちではうけいれず,TP4 とか ISO-IP という類似のプロトコルをつくった. TCP/IP ももともとはひとつだったプロトコルを OSI の 3 層と 4 層に対応する 2 つの層に分割された. しかし,それでも結局,両者は一致しないままにおわった.

いろいろな意味でインターネットがあたまうちになってしまっているいま,こういう歴史からまなべることはいろいろあるのではないだろうか.

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