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書評:Web とインターネット, Web とインターネット, 書評:言語・コミュニケーションとネットワーキング, 言語・コミュニケーションとネットワーキング

テーマはよいが妥当性を欠く議論ばかり ― 森田 幸孝 著, 「インターネットが壊した 「こころ」 と 「言葉」 」

この本にはいたるところに妥当性に疑問がつく議論がある. そのうちのいくつかをここにあげてみよう.

著者は,最近の 10 年くらいでうつ病・躁うつ病が急激にふえているのはここ 20 年くらいでネットが普及しコミュニケーションを変えたからではないかという. しかし,それらの直接的な関係はしめされていない.

著者はまた,インターネットの普及で 「言葉」 がつかわれなくなったと書いているが,それによって顔をつきあわせての会話がへったとしても,文字でチャットする機会はふえているだろう. チャットでは短文しかかかないというのだが,もともと会話では短文しかしゅべっていなかっただろう. 昔は長文を読んだり書いたりしていたというのだが,それは相当にむかしのことだろう.

そこで著者は突然,「精神」 と 「言葉」 について考察するために,哲学や生物学や人工知能 (フレーム問題など) までもちだしてくる. しかし,それがこの議論のどこにやくだつのかわからない.

これらはまだ比較的慎重な最初の部分の議論であり,あとのほうになるとますます疑問があるが,枚挙にいとまがない. とりあげているテーマはよいが,議論や結論は信頼できない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: インターネットが壊した@ [bk1]インターネットが壊した@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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