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心理, 思想・哲学・宗教, 社会・経済:災害・地震

海外メディアは震災での日本人の冷静さのもとを宗教などによる感情抑制にもとめるが…

いま,おおくの雑誌が東日本大震災の特集を組んでいる. そのなかで,Courier Japon 5 月号では各国のジャーナリズムがこの震災における日本人のふるまいとその解釈をしめそうとしている. 宗教的な背景にむすびつけようとする議論がおおいが,そうでないものもある.

イギリスのデイリー・テレグラフの記事では,日本人がこの大災害のもとでもしずかに対応しているさまを解釈するのに 「正しい作法」 ということばがつかわれている. (ここでは Courier Japon (クーリエ・ジャポン,以下 CJ) p. 18 の記事にもとづいているので,原語はわからない.) そして,さらに 「正しい作法」 を神道や禅とむすびつけている.

米国のニューヨーク・タイムズの記事 (CJ p. 20) では 「我慢」 ということばをつかっている. そして,我慢の精神のみなもとを教育や自然との関係にもとめている. イギリスのタイムズ (CJ p. 19) でも 「ガマン」 ということばをつかっているが,ガマンのみなもとはなにか,ということにはふれていない.

フランスのル・モンドの記事 (CJ p. 21) では,日本人の冷静さのもとを仏教にもとめている. 仏教がこころのやすらぎをあたえているという解釈だ.

海外のメディアのおおくが,日本人が感情を抑制している (我慢している) と感じている. イタリアのコリエレ・デラ・セラ (CJ p. 22) は,この震災に関して 「感情を抑制することは,物事を抽象化して考える能力と合わせて,生き残るための唯一の現実的な手段なのだ」 と書いている. しかし,ほんとうに被災者たちは感情を抑制しているのだろうか. むしろ地震や津波は一時的に感情をはじきだし,ながしさってしまったのではないだろうか. すくなくとも,津波におそわれ,津波や火災でまちがおおわれていく光景をまぢかにみたとすれば,私自身はきっと泣き叫んだりすることはできないだろうとおもう.

キーワード: 東日本大震災, 3.11

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