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環境・温暖化・エネルギー, 社会・経済:産業・ビジネス

電力ネットワークのふしぎ

通信ネットワークにおいては,受信した情報は通常はだれか特定のところで発信されたものであり,おおくのばあいに発信者を特定することができます. ところが,同様のネットワークによっておくられてくる電力に関しては,どこからおくられてきたものかを特定することができません. にもかかわらず,とくに欧米などでは環境に配慮した特定の発電者から電気を買うことができるようになってきています. これはふしぎなことだとおもえます.

インターネットにおいては,おくられる情報には送信元のアドレスや送信者の識別子がつけられています. これらは詐称することも可能ですが,通常はただしく使用されています. そのため,情報の発信元を知ることができます.

これに対して,電力ネットワークにおいては,おくられる電気を観測しても送電元はわかりません. 単に書いてないからというだけでなく,量子力学によればすべての電子は他の電子と区別することができません. つまり,本質的に送信元を特定することはできないわけです.

それにもかかわらず,最近の一部の欧米の地域などでは,環境負荷のひくい発電方法をつかっている会社が従来の電力会社の送電線をつかって送電し,電力の使用者がそういう会社から電力を買うことができるようになっています. まったくくべつがつかない電子のながれであるにもかかわらず,だれから買うかによって値段がちがうわけです (2008-9-6 追記). 温暖化や他の環境対策の方法として効果的であることはわかりますが,排出権取引などと同様に人工的なしくみだということができるでしょう. 発電量と消費量をどうやってバランスさせているのか,また安定的な電力供給のためにどのような方法をとっているのか私はしりませんが,これはそんなにかんたんなことではないはずです.

関連項目 (2008-9-27 追記):

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