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メディア・アート・イベント・エンターテイメント:音楽 (一般)

松永通温 「3 ジェネレーション・コンサート」

東京文化会館小ホールでひらかれた,上記タイトルのコンサートを家族 3 人でききにいった. 家族でききにいくのはそれなりの関係があるからなのだが,それは秘密にしておこう. 「3 ジェネレーション」 とは作曲家・松永通温の作品をその娘の松永加也子と孫の平野花子とが演奏することを意味している.

Matsunaga3G.jpg 定刻になると前衛風の音楽がながれたが,これも松永通温の作品か? 最近は文化会館にいくことがないのだが,ふだんはこんな音はつかっていないとおもう. 席はがらがらである. もうすこしひとがあつまるのかとおもっていた. ただし,文化会館小ホールは 「小ホール」 のわりには席数がおおい (649 席) ということがあるのだろう.

プログラムをよまないまま最初の曲 「ディスインターラクション=メディテーション VI + ソナタ フォー・ハープ」 をきいた. 暗闇でピアノ (松永加也子) が演奏をはじめ,途中からハープ (平野花子) がくわわって途中でいなくなった. 最後も暗闇で拍手なしにおわるのかとおもったが,最後の拍手は通常どおり,うけていた. ピアノとハープがまったくちがうことをやっていることはわかったが,それ以上はよくわからなかった. 説明を読むとハープのほうが新作だということだが,それ以外は読んでもあまりよくわからない.

「ウェイブズ・フォー・ピアノ」 はきいたことがあるような気がする. これは 1984 年の作品ということだが,他は 2000 年以降の曲ばかりなので,はじめてきくはずである. 「葦と枝と風と」 というタイトルの LP の作品集 (コジマ録音 AL-20) をもっていたはずだが,あとでさがしてみても,まだみつからない. しかし,この LP はもっとふるいはずなので,「ウェイブズ・フォー・ピアノ」 をきいたのはこの LP ではないだろう. プログラムの説明には音列,音域等々,物理的なことばかりが書いてあるが,やはり読んでもわからない.

よかったとおもう曲はプログラム最後の 「メディテーション IX」 (ピアノ, 2005) と 「アンコール」 の 「Sonata for Harp」. これにさきだつ曲では短 2 度のするどい音が耳についたが,この曲はやわらかい音,反復する音など,もっと変化があるように感じた. Sonata for Harp は最初にも演奏されたが,そこではべつの曲をひくピアノとまざってよくわからなかった音を,はっきりききとることができた. 「ソナタ 春」 でもそうだが,平野花子のために作曲された曲では 「前衛的」 な音がおさえられて,わかりやすい. それをのぞくと,この作曲家は 「わかりやすさ」 を拒否しているようにみえる (きこえる). プログラムもわざとわからないように書いて,音からききとることをもとめているようである. ほかには 「不思議な花の咲く地帯」,「メディテーション V」,「メディテーション VII」,「メディテーション VIII」 が演奏された.

キーワード: 前衛音楽, クラシック音楽, 現代音楽

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