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コトづくりとしての IT ソリューション構築

イベント・プロデューサーの 平野 暁臣 は 「コトづくりの眼」 (日本実務出版, 2005) という本を書いています. イベント制作はモノづくりではなく 「コトづくり」 だからです. ひるがえって情報通信についてかんがえてみるとき,俗に 「ソリューション構築」 といわれるものはむしろ 「コトづくり」 といったほうがわかりやすいのではないかとおもえます.

単なる製品の売りきりではなく SI (システム・インテグレーション) がもとめられているとき,ギョーカイ用語としてしばしば 「ソリューション」 ということばがつかわれています. 通天閣に 「日立 IT ソリューション」 という広告がかかげられていたこともあるのですが,「ソリューション」 ということばは意味は,この広告をみていた一般のひとにはもちろんだとおもいますが,このギョーカイにいる私にもかならずしもよくわかりません. 顧客がもとめるのはモノをおさめることではなくて,おさめたモノがちゃんと機能してビジネス・プロセスがまわっていくことをもとめるわけです. プロセスはモノではなくてコトです. したがって,「ソリューション構築」 というかわりに 「コトづくり」 といったほうが,もうすこしよくわかるようにおもわれます.

新木 廣海 は 「日本コトづくり経営」 (日経 BP 社, 2005) という本を書いていますが,ここでいう 「コト」 とはソフトウェアをさしています. 私からすればソフトウェアも 「モノ」 であり,ハードとソフトだけをとりあげて 「コトづくり」 というのは適切でないようにおもいます. やはり顧客がハードとソフトをどうつかうかというプロセスにまでふみこんではじめて 「コトづくり」 といえるのだとおもいます.

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