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2006-05 アーカイブ

2006-05-14

歴史:共産主義・社会主義, 書評:歴史, 歴史, 書評:社会・経済, 社会・経済

この本は,ゴルバチョフからエリツィンに主役が交代する時期に,ロシアがかかえる,ひとことではいえないさまざまな問題をあつかっている. とくに,のちにプーチンをも苦しめることになる生産・流通の問題点などを分析している. とくに印象にのこったのは 「資本主義との対決に一喜一憂する中で,我々は何世紀にもわたって人類が創り上げてきた多くのものの意義を明らかに過小評価したのである」 というゴルバチョフのことば (p. 74) である. このことばは,「資本主義」 や 「人類」 を日本をとりまく局所的な文脈でよみかえることによって (たとえば 「人類」 を 「日本人」 とよみかえることで) 破壊的なマルクス主義の影響からぬけだしていない現在の日本にも警鐘となるであろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ロシアの悲劇@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

2006-05-15

歴史:共産主義・社会主義, 政治・法律・憲法, 書評:政治・法律・憲法, 書評:歴史, 歴史, 書評:社会・経済, 社会・経済

3 つの章のうち 2 つはソビエト崩壊の予測に関係している. しかし,3 章では突然,日本の非武装中立論を批判している. 1990 年前後の小室直樹の本は饒舌で脱線が多いが,それにしても…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソビエト帝国の崩壊@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

政治・法律・憲法, 書評:政治・法律・憲法, 文化・教育と学習:教育・大学・研究, 書評:文化・教育と学習

この本は教育基本法制定から改正論の歴史と条文の抽象的な解釈がのべられているが,改正論の背景となっている現在の教育における具体的な問題点との関係がのべられていない. 改正に反対するのであれば,すくなくとも,いま教育現場でおこっているさまざまな問題が教育基本法に起因するものでないことをしめす必要があるし,できれば問題を解決するうえで教育基本法がどう役立つのかをしめしてほしい. こうした記述がない以上,改正への反対論としては失敗しているとかんがえざるをえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: いま、教育基本法を読む@ [bk1]いま、教育基本法を読む@Amazon.co.jp

つづく…

書評:政治・法律・憲法, 政治・法律・憲法:政治家

この本は全体としてはあまり冷静ですじみちたてた議論をしているとはいえないので,得るところはすくない. しかし,森前首相の 「神の国」 発言をあつかった部分 (p. 106-110) ではこの発言を冷静に分析していて,「「神の国」発言が,今日の 「愛国心」 教育や,『心のノート』や,教育基本法 「改正」 の動きを導く一つの理念なのではないかと思うのです」 という,この本の核心につながる結論にも納得させられた.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「心」と戦争@ [bk1]「心」と戦争@Amazon.co.jp

つづく…

歴史:戦争, 書評:歴史, 歴史, 書評:社会・経済, 社会・経済

最初の何章かは従軍慰安婦問題,東京裁判の問題など,すでにほかの論者によってさんざん書かれている内容である. そのなかには 「選挙コンプレックスがニクソンの生命取りになった」 (p. 113) というような,おもしろい話がちりばめてあったりはするものの,あまり新鮮さは感じられなかった. 3 章からは日本資本主義の分析など,小室らしい話題が登場するが,私にとってもっともインパクトがあったのは第 4 章 「なぜ,天皇は 「神」 となったのか」 である. 最近は教育勅語が現在でも有効な常識的な内容だとする意見が多くなっているが,小室によれば教育勅語はキリストのような現人神である天皇が儒教にはないまったく新しい規範を説いたものであるという. これぞ小室天皇教の真髄であり,逆にいえば教育勅語の “復活” に注意が必要だということでもある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本国民に告ぐ@ [bk1]日本国民に告ぐ@Amazon.co.jp

つづく…

2006-05-25

書評:歴史, 歴史

著者は戦国時代から明治時代にいたるまでのさまざまな武士道を比較しつつ論じている. 「明治武士道」 というと新渡戸や内村などのキリスト教徒の思想が有名だが,この本では当時むしろ優勢だったが 「敗戦とともに忘れ去られた」 井上哲次郎らの国家主義者による明治武士道についても論じている. この本でもくわしく論じられてはいないが,いま,敗戦とともにうしなわれたものをほりおこすことが必要であり,このような明治武士道もほりおこすべきもののひとつなのではないだろうか.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 武士道の逆襲@ [bk1]武士道の逆襲 @Amazon.co.jp

つづく…

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