阪神大震災におけるインターネット・メイル利用調査と金田の回答

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From: Yasusi Kanada 
Date: Tue, 18 Apr 1995 15:56:10 +0900
To: kakiuchi@kitsu.sjk.kdd.co.jp (kakiuchi)
In-reply-to: kakiuchi@kitsu.sjk.kdd.co.jp's message of 18 Apr 1995 03:27:39
 GMT
Subject: questionnaire of internet on hanshin-daishisai
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> Q1. 阪神大震災でインターネットの電子メールを主にどのよう
> な情報の発信、入手に使いましたか。具体的にお書きください。

ボランティア団体のひととの連絡.

> Q2. 前問の情報の発信、入手において電子メ−ルがどのように
> 有効、役立ったかについて電話/FAX等のメディアとの比較も含
> めご自分の利用体験から具体的にお書きください。

電話や fax より情報の再利用がしやすい.とくに,データベースの構築をめざし
しているときには,再利用しやすいことは非常に重要.また,電話だと相手がな
かなかつかまらないこともあるが,email ではそういうことがない.

なお,Email が有効だった点 (= 長所) だけでなく,問題点 (= 短所) を調査す
ることが非常に重要だとおもう.長所だけの調査なら,価値は半減 (むしろそれ
以下) である.短所としては,メイルでは (会ったり電話したりするのにくらべ
て) 真意がつたわりにくい,メイルリストによる意志決定には時間がかかる,あ
るいは十分な意見をきくまえに決定をくださなければならないという問題があっ
たとおもう.

> Q3. インターネットをどのような情報の伝達,入手に使いました
> か。また、どのような動機(問合わせ,依頼,情報提供,要請,提言,
> 通知等)で使用したか、具体的に書いてください。

(NiftyServe などからあがってくる) 被災地からの声を一般の利用者につたえる
こと.InterVnet ができるまえは自動的に Nifty からインターネットのニュース
に投稿することができなかったため,メイルリストなどからの転送を代理でおこ
なった.

> Q4. 前問のインターネットの利用においてどのような結果と
> 効果、役立った点がありましたか。またテレビ、ラジオ等のマ
> スメディアと比較しての意見、感想もお書き下さい。

マスコミにはとりあげられない被災地からの情報をつたえることができた.ただ
し,あまり反響がなかったので,どれだけやくだったかは疑問である.マスコミ
では,どこの避難所でなにがたりない,あるいはどこでどういう行方不明のひと
がいる,というようなこまかい情報はあまりつたえられないので,それをつたえ
ることはインターネットをはじめとするコンピュータ通信のやくわりだとおもう.

それから,インターネットだけでなく,Nifty などのパソコン通信についても
あわせて調査するようにしないと,実際にどのようにつかわれていたか,また,
今後どのようにすべきかということも,明確にならないとおもう.ひとことでい
えば,阪神大震災では,パソコン通信にくらべてインターネットは (被災者に
とっては) あまりやくにたたなかったという評価が定着しているとおもう.

> Q5. 震災時にインターネットを利用するうえで特にその阻害
> となったこと、問題点、困ったこと等お書き下さい。(設備,情
> 報の信頼性や案内方法,制度/法律,プライバシー,モラル等の側
> 面で)

議長制をとっていないニュースグループでは,その趣旨 (たとえば被災者をたす
けるという目的) に無関係な,ばあいによると被災者やボランティアをおこらせ
る記事が投稿されて,本来の情報伝達のさまたげになったばあいがある.

> Q6. 今後災害時に行政,地方自治体,企業,ボランティアグループ,
> 個人等の分野においてインターネットをどのように活用していく
> べきか、自由なご意見、ご提言をお願いします。

阪神大震災においては,震災後に各避難所にパソコンがくばられて (インター
ネットではないが) パソコン通信がつかわれたが,なかなかおもうようにはつか
えなかった.つぎの災害へのそなえとして,あるいは日常のボランティアなどの
活動のためにインターネットなどがふだんからつかわれていれば,より有効につ
かうことができるであろう.

> Q7. 阪神大震災に係わる情報の発信、受信のためにあなたが実
> 際にインターネットの端末を使用した主な場所(地域)はどちら
> ですか。(記入例:兵庫県神戸市、東京都港区、アメリカ・ニュー
> ヨーク市等)

茨城県つくば市.

> Q8. ご回答いただいたあなた自身についておうかがいします。
> 性別・年代をコンマで区切って書いてください。(例:男,30代)

男, 30 代

> Q9. ご職業を書いてください。(分類例:会社員 、公務員 、自
> 営、教職、医療関係、自由業、学生 、主婦、その他)

会社員.

> Q10. お名前、そしてお差しつかえなければご住所、電話番号を
> 書いてください。

金田 泰 (かなだ やすし)
E-mail: kanada@trc.rwcp.or.jp, or yk@trc.rwcp.or.jp
WWW:    http://www.rwcp.or.jp/people/yk/home-j.html
〒305 茨城県つくば市竹園一-6-1 三井ビル 16F
新情報処理開発機構 (RWCP) つくば研究センタ
理論新機能研究部 ニューラルシステム研究室
Phone:  0298-53-1663 (直通), 0298-53-1641 (代表), Fax: 0298-53-1652
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PS. 結果は公表されるということですが,ぜひ fj.misc.earthquake において
も公表していただくようにおねがいします.

以上

Markup: 金田 泰 (kanada@trc.rwcp.or.jp)