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デジタルとアナログの融合

金田がいくつかの研究テーマにおいて共通して追究してきたことのひとつは,ひとことでいえば 「デジタルとアナログの融合」 ということです. アナログ・コンピュータ というものもありましたが,現在ではほとんど過去のものとなっていて, いまコンピュータといえばまちがいなくデジタル・コンピュータのことをさします. しかし,人間の感覚はもともとアナログなものであり,人間のつかい勝手をかんがえれば,コンピュータもアナログにちかづく必要があるとおもっています. デジタルのよさとアナログのよさをうまくくみあわせる,あるいは融合させることが必要だということです. アナログ・コンピュータはすたれてしまいましたが,それにかわって (?) 登場してきた ニューラルネット はアナログのよさをもっていました. それに触発されて以来,いつも 「デジタルとアナログの融合」 について かんがえてきました.

CCM (化学的計算のモデル) という研究テーマにおいては,反応規則という規則と局所秩序度という関数とをつかった計算について研究してきました. ここで反応規則はデジタルなものであり,局所秩序度はアナログなものです. これらのくみあわせによって,いろいろな問題をとくことができます. デジタルな世界ではプログラムをまちがえると計算がちょうどよいところでとまらずに暴走するようなことがよくおこりますが,アナログなものとくみあわせる,すなわち極小値をもつ関数をつかうことによって,このようなことがおこりにくくなるとかんがえられます.

軸づけ検索 においては,キーワードにくわえて 「検索の軸」 を指定することによって, 百科事典などの検索において,その軸にそって整理された検索結果をうけとることができます. ここではキーワードによる検索はデジタルなものですが,それを軸というアナログなものとくみあわせています. たとえば軸として時間をとれば,時間によってソートされた結果をえる (つまり年表をつくる) ことができます. また,軸として空間をとれば,地図上に結果を表示させることも可能になります.

voiscape (仮想の “音の部屋” にもとづくコミュニケーション・メディア) をつかえば,2 人以上のひとが立体音響技術 (3 次元オーディオ技術) にもとづく仮想の音空間をつかってたがいに話をすることができますが, 立体音響をつかうことによって声の方向感と距離感を表現して,より自然な 会話ができるようにすることをめざしています. 従来の電話のようなメディアにおいては 相手と接続されているか,接続されていないか という 2 状態しかない (デジタルだった) ものが,とおくにいるかちかくにいるか,どの方向にいるか,というようにアナログな状態が実現されます. (この点については 「“プレゼンス” におけるデジタルとアナログ」 というブログ・エントリーでもうすこし説明しています.)

このように私はデジタル時代のなかでもアナログへのこだわりをもってきましたが,ブログのエントリー 「FM/AM チューナーのスタイル ― アナログ・チューニング」 に書いたようなオーディオにおける経験がここに反映されているようにおもいます.

Keywords: CCM, 化学的計算, 軸づけ検索, 軸付け検索, voiscape, デジタル, アナログ, ディジタル, 人間の感覚, つかい勝手, 使い勝手

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2006-10-17 23:30に投稿されたエントリーのページです。

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