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シミュレーションと評価

ネットワーク・トラフィックの性質

WAN などにおけるネットワーク・トラフィックがもつ性質について考察する. とくに,従来,シ ミュレーションやネットワーク機器の性能測定などにおいてネットワーク・トラフィックをシミュ レートするときにひろくつかわれてきたポアソン分布を再検討する.

Avallone ら [Ava 04] はさまざまなトラフィック生成プログラムの分析と実験をおこなっている. これらのプログラムのおおくはポアソン分布にしたがうトラフィックを発生させることができる. ポアソン分布を使用するときは,ネットワークの特定の点に到着するパケットはたがいに統計的に独立であることが仮定されている. しかし,広域のネットワークにおいても Ethernet LAN において も,ポアソン・モデルによってトラフィックがうまくシミュレートできないことが指摘されている [Lel 94] [Pax 95]. すなわち,ネットワーク・トラフィックには自己相似性がある [Lel 94] [Cro 97]. これもふくめてネットワーク・トラフィックにつぎの 3 つの性質があることがしばしば指摘される (たとえば Roon ら [Roo 06]).

自己相似性 (self-similarity)
ことなる時間スケールでトラフィックをみたとき,おなじようにみえる (スケールをかえてもトラ フィックの性質がかわらない) という性質を自己相似性という. さまざまなネットワーク・トラ フィックにおいて自己相似性が観察されている.
長時間の依存性 (long-range dependency, LRD)
ひとつのトラフィックの 2 つの時刻のあいだの依存性は,そのトラフィックの自己相関によってあ らわされる. 自己相関は時刻の差 Δt の関数となるが,それを -∞ < Δt < +∞ の区間での積分値が 発散するなら依存性はつよい,有限であれば比較的依存性がよわいと判断することができる. この意味においてつよい依存性は LRD,よわい依存性は SRD (short-range dependency) とよばれている (図 1 [Roo 06]).
バースト性 (burstiness)
バースト性はつぎのように定義される.

Burstiness = Peak rate / Average rate

すなわち,バーストしているときのトラフィック・レート (Peak rate) と平均トラフィック・レー ト (Average rate) との比である.

LongDependence.png
(a) LRD (つよい依存性)

ShortDependence.png
(b) SRD (よわい依存性)

図 1 LRD と SRD の自己相関関数の例 (Roon [Roo 04] から引用)

参考文献

  • [Ava 04] Avallone, S., Prescape, A., and Ventre, G., “Analysis and Experimentation of Internet Traffic Generator”, Next Generation Teletraffic and Wired/Wireless Advanced Networking (New2an’04), pp. 70–75, 2004.
  • [Cro 97] Crovella, M.E. and Bestavros, A., “Self-Similarity in World Wide Web Traffic: Evidence and Possible Causes”, IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol. 5, No. 6, pp. 835–846, December 1997.
  • [Lel 04] Leland, W. E., Taqqu, M. S., Willinger, W., and Wilson, D.V., “On the Self-Similar Nature of Ethernet Traffic (Extended Version)”, IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol. 2, No. 1, pp. 1–15, February 1994.
  • [Pax 95] Paxson, V. and Floyd, S., “Wide area traffic: the failure of Poisson modeling”, IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol. 3, No. 3, pp. 226–244, June 1995.
  • [Roo 04] Roon, S. J. E, “Resource Dimensioning ina Mixed Traffic Environment”, Master’s Thesis, Fac-ulty of Engineering, The Built Environment and Information Technology, University of Pretora, South Africa, 2004.
  • [Roo 06] Roon, S. J. E and Penzhorn, W. T., “Optimizing Resource Dimensioning in Third Generation Networks”, Int’l Conference on Internet and Web Applications and Services/Advanced International Conference on Telecommunications 2006 (AICT-ICIW’06), pp. 17–17, February 2006.
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