[ Top page ]

« サイバースペースの原理 | メイン | ビジネス・コミュニケーションの分類 »

コミュニケーションと相互作用

DIVE と MASSIVE における相互作用のモデル

Benford らによる共同作業などのための仮想環境 DIVE と,Greenhalgh らによる共同作業などのための会議システム MASSIVE における相互作用 (インタラクション) のモデルについてのべる.

DIVE (Distributed Interactive Virtual Environment) [Ben 93] は共同作業 (CSCW) などのための仮想環境である. 仮想空間上のオブジェクト (アバタとしての人間もふくむ) はその周囲にオーラ (aura) とよばれる領域をもち,それが他者のオーラとかさなると会話などの相互作用がうまれるというモデルにもとづいている. 相互作用はあるかないかの 2 とおりであり,そのつよさはモデル化されていない. 人間どうしの会話だけでなく,ホワイトボードなどの受動的な物体もあわせてモデル化しようとしている.

MASSIVE [Gre 95] は共同作業などのための会議システムである. DIVE と同様の空間的な相互作用モデルを採用している. オーディオ,グラフィクス,テキストなど,さまざまなメディアをつかった会議ができる. 相手との距離がひろがると相互作用がよわくなるモデルを採用している. ひとつの空間内で複数の会議をおこなうことができ,それらのあいだで相互作用がありうることも指摘している. ネットワーク性能に関しても評価している. MASSIVE-3 [Gre 00] にいたるまで 3 世代のシステムが開発されている.

ここでは MASSIVE-1 の相互作用のモデル [Gre 97] をよりくわしく紹介する. このモデルにおけるおもな概念はつぎのとおりである.

Aura
Aura はユーザの個人的な存在 (プレゼンス) の境界であり,aura の外部にいる他ユーザとのあいだでは相互作用はおこらない. すなわち,aura の内部に他ユーザがはいっているあいだだけ両者のあいだで通信がおこる. Aura のおおきさはメディアごとにちがっているかもしれない.
Awareness
Awareness とはある時点におけるひとつのオブジェクト (ユーザなど) と他のオブジェクトとの関連 (relevance) のおおきさをはかるものである. ネットワーク的には awareness は両者の接続において必要とされる QoS (Quality of Service) の表現だと解釈することができる.
Focus
Focus はユーザ周囲の空間にむけられたそのユーザの注意をモデル化したものである. 他のオブジェクトがユーザの focus 内にあればあるだけ,ユーザの awareness がおおきくなる.
Nimbus
Nimbus はユーザの存在 (プレゼンス) が空間に投影されたものである. ユーザの nimbus 内に他ユーザがいればいるだけ,他ユーザの awareness がおおきくなる.

MASSIVE-1 においては aura によって通信が制御されるが,どのように制御されているか,その詳細は明確にされていない. Focus や nimbus に関しては,awareness をそれらの積として定義し,awareness にもとづいて文字チャットにおける表示法を制御するという [Gre 95]. Focus や awareness は本来は主体的にきめられるべき量だが,それをシステムがあたえることによってどのような効果があるのか,かならずしもあきらかにされていない.

関連項目

参考文献

  • [Ben 93] Benford, S.D, and Fahlén, L.E., “A Spatial Model of Interaction in Large Virtual Environments”, 3rd European Conference on CSCW (ECSCW’93), Milano, Italy, Kluwer, 1993.
  • [Gre 95] Greenhalgh, C., and Benford, S., “MASSIVE: a collaborative virtual environment for teleconferenc-ing”, ACM Transactions on Computer-Human Inter-action (TOCHI), Vol. 2, No. 3, pp. 239–261, September 1995.
  • [Gre 97] Greenhalgh, C., Bullock, A., Tromp, J., and Benford, S., “Evaluating the Network and Usability Characteristics of Virtual Reality Conferencing”, BT Technology Journal, Vol. 15, No. 4, pp. 101–119, 1997.
  • [Gre 00] Greenhalgh, C., Purbrick J., and Snowdon, D., “Inside MASSIVE-3: Flexible Support for Data Consistency and World Structuring”, ACM Conference on Collaborative Virtual Environments (CVE), pp. 119-127, 2000.
Keywords: DIVE, MASSIVE, 仮想環境, サイバー空間, サイバースペース, 共同作業, バーチャル環境, ヴァーチャル環境, 相互作用, インタラクション, インターアクション

コメントを投稿

Powered by
Movable Type 3.36