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ワークプレイス

あたらしいオフィスワークをささえる方法・手段とその課題

この項目においては,オフィスワークに関するトレンドの項目 でのべたような変化したオフィスワークを支援するための方法や手段を,オフィス・コミュニケーション,そのなかでもとくに音声コミュニケーションに関するものを中心としてしめすとともに,それらに関する課題を分析する.

1. コミュニケーションとコラボレーションの支援

ユビキタス化がすすんでオフィスワークの場がオフィス以外のさまざまな場所にひろがるなかで,「仕事の場」 をあらわすのにワークプレイスということばがつかわれるようになっている. 知識労働化の進展によってたかまったコミュニケーションとコラボレーションを支援するための対策を,ここではワークプレイスにおける顔をつきあわせてのコミュニケーションやコラボレーションを支援する方法と,遠隔のコミュニケーションやコラボレーションを支援する方法とにわけて論じる.

1.1 直接のコミュニケーション / コラボレーションの支援

コミュニケーションとコラボレーションを支援し,ソーシャル・キャピタルをはぐくむためのワークプレイスの改革においては,日本においても米国においても,いくつかの事務用家具メーカーや建設会社が重要な役割をはたしている. 米国においては Steelcase 社がオピニオン・リーダーであり,ゆたかなノウハウをもっているとみられるが,その Web サイトでも多様な情報が提供されている. 日本においては岡村製作所が先駆者であり,その関係者が “Office Everywhere” [Nod 96],“オフィス進化論” [Kuj 05] などを出版したり “変革するワークプレイス” [Zel 98] を翻訳したりしている.

また日本では,ワークプレイス改革に関してはサテライト・オフィスやリゾート・オフイスに関するこころみが 1980 年代後半からさまざまな団体をつうじておこなわれ,1991 年のサテライトオフィス協会 (現在のテレワーク協会) の設立につながった. ワークプレイス全般の改革に関しては日本ファシリティマネジメント推進協会のワークプレイス研究部会や FM 情報環境研究部会,ニューオフィス推進協議会,次世代オフィスシナリオ委員会などの組織がつくられ,現在も活動をつづけている. ワークプレイスの抜本的な改善のためにはそれに適した建築が必要だとかんがえられるが,建設業界のなかではとくに鹿島建設がこれらの組織に積極的に参加している.

Steelcase 社を中心とするワークプレイス改革においては,気軽なミーティングやインフォーマル・コミュニケーションを促進するためのしかけとして,個人スペースとミーティングスペースを接近させること,たとえば部屋の周囲に個人スペースを配置して中央にミーティングスペースをもうけるような配置がつかわれることがおおい.

気軽な会話を促進しソーシャル・キャピタルをそだてるための場として注目されてきたもののひとつがアトリウムである. アトリウムとはガラスなどにおおわれた,ひらかれた中庭のような空間のことである. アトリウムはもともと公共建築などにとりいれられてきたが,気軽な会話を促進するために研究所などでもとりいれられてきた. たとえば,地球環境戦略研究機関 (IGES) の解説には,その本部研究施設についてつぎのようにかかれている.

「一方,情報通信技術が成熟しつつある今日,あえて世界中から研究者がこの施設に集まり共に研究することの意味を空間として反映するために,施設東側にはアトリウムを設けた. 研究空間はもちろん,この施設に収容される全ての施設はこのアトリウムに面して配置し,施設に集う人々同士の偶然の出会いや face to face のコミュニケーションが誘発されるように配慮した. 施設全体の湾曲なりに設けられた廊下からは,常にアトリウム全体を視野に納めることができ,施設の利用者はその時々の施設のアクティビティを肌で感じ取ることになるはずである. また,このアトリウムは空間演出の装置であると同時に環境制御のための装置でもある. [後略.http://www.iges.or.jp/jp/outline/shisetsu.html]」

リコーの中央研究所においてもアトリウムが重視されている*. アトリウムは研究所だけでなくイノベーションをめざす企業などには有効なしかけだとかんがえられる.

なお,近接した,あるいはひとつのワークプレイスではたらくひとでも,現在ではコラボレーションのために電子化されたツールを使用することがおおい. そのばあいには 1.3 節でのべるコラボレーション・ツールを使用することになる.

* アトリウムの写真はたとえば http://www.city.yokohama.jp/me/tsuzuki/kumin/kigyou/k-ricoh-link1.html, http://www.ricoh.co.jp/about/business_overview/research_dev.html に紹介されている.

1.2 遠隔コミュニケーションの支援

遠隔地をむすんでコミュニケーションやコラボレーションをするためには,情報通信技術をつかった,しかるべきコミュニケーション・メディアやコラボレーション・ツールが必要である. これらのメディアやツールをあわせてグループウェアとよぶ.**

コミュニケーション・メディアはつぎの 2 種類に分類することができる.

同期型コミュニケーション・メディア
電話,インスタント・メッセージング (IM) のように相手と同期しながら (つまり,すぐに返事をかえしながら),リアルタイムに会話するためのメディア.
非同期型コミュニケーション・メディア
Fax やメール,電子会議,掲示板,push-to-talk のように非同期にコミュニケーションするためのメディア.***

インスタント・メッセージングをのぞけば,最近開発されたコミュニケーション・メディアのほとんどが非同期型であることに注意する必要があるだろう.

以前はオフィス・コミュニケーションのために電話がよく使用されたが,最近ではメールが使用される機会がふえている. その理由としてはつぎのようなことがかんがえられる.

多者間コミュニケーションの機会の増加
グループワークにおいては 3 者以上のあいだで情報交換が必要だが,電話は基本的に 1 対 1 のコミュニケーションしかできない. 3 者以上をつなぐ電話サービスや会議システムもあるが,価格やつかいやすさの点であまり普及していない. また,同期型コミュニケーション・メディアによる多者間のコミュニケーションのためには全員のスケジュールをあわせなければならないという煩雑かつ場合によっては困難な問題があるが,メールをつかえばそのような問題はない.
不在率の増加
電話で代表される同期型コミュニケーションのためには相手がコミュニケーション可能な場所にいることが必要である. しかし,(不十分な?) ユビキタス化によって不在率が増加したため,つかいにくくなったとかんがえられる. 同期型コミュニケーションのなかでも IM であれば相手の不在をあらかじめ把握できる確率がたかいので,電話よりつかいやすいということができる.

しかし,今後もますますメールのような非同期型コミュニケーション・メディアが使用される機会がふえるとはかならずしもいえないのではないだろうか. すなわち,これまでメールの使用頻度が増加してきた理由のなかには,それがまだ普及していなかったからということがある. 今後 IM やリアルタイムの会話メディアなどのあたらしい同期型コミュニケーション・メディアが普及していけば,同期型コミュニケーション・メディアの使用頻度が増加することもかんがえられる.

** ただし,“グループウェア” という用語はメンバー全員が知りあった比較的安定した (とじた) 集団すなわち “グループ” を支援するものというひびきがあるため,知らない相手もふくむ流動的な (ひらかれた) 集団を支援するものをよぶには “コミュニティウェア” という用語がより適切であろう. Shlichter [Sch 98] や大澤 [Ohs 01] は “コミュニティ支援システム” という用語をつかっている. ここでは両者をあわせた意味で “グループウェア” と呼んでいる.

*** Push-to-talk においては同期はかならずしも必要ないが,メッセージはただちに相手につたわるので,半同期型コミュニケーション・メディアとよぶべきかもしれない. Fax においてもメッセージはただちに相手のファクシミリにつたわるが,そのメッセージがただちによまれることは通常はないため,非同期的である.

1.3 遠隔コラボレーションの支援

前記のコミュニケーション・メディアも遠隔コラボレーション支援ツールだとかんがえることができるが,これ以外の遠隔コラボレーション支援ツールはつぎの 2 種類に分類することができる.

コーディネーション・ツール
コラボレーションのために人や資源をコーディネートするツール.
知識・データ管理ツール
コラボレーションに必要な書類などのデータや知識を管理するツール.

コーディネーション・ツールとしてつぎのようなものがある.

1. スケジューリング・システム
個人のスケジュール管理やグループの会議スケジュール,会議室のスケジュール,工程のスケジュールなどを管理するシステム. 工程管理のためのシステムにおいてはスケジュールを自動生成させることもできるが,自動生成されたスケジュールは柔軟性に欠けるなどの理由により,自動生成機能はあまり使用されていない.
2. グループウェア統合環境
さまざまなグループウェアをくみあわせてつくられた Lotus Notes や日立の GroupMax のような統合環境は,メディアやツールをコーディネートしているという意味においてコーディネーション・ツールだとみなすことができるだろう.

ツールとはいえないが mixi などの SNS (Social Network Services または Social Network Sites) は人脈 (social network) を管理し,出会いを支援する点でコーディネーション・ツールだということができる. スケジューリング・システムやグループウェア統合環境がとじた集団のために開発された機能であるのに対して,出会いの支援はひらかれた集団に特有の機能である.

また,知識・データ管理ツールとしてつぎのようなものがある.

3. ワークフロー・システム
紙の書類を回覧するかわりに電子化された書類をオンラインで回覧するシステムである. 紙の書類とはちがって一度に複数のひとに回覧することができる.
4. ファイル共有システム
コラボレーションにおいてはひとつのドキュメントを複数のひとがアクセスする必要が生じるため,ファイル共有が必要になる. 単純なシステムにおいてはドキュメントごとに排他制御をおこなうため,ひとつのドキュメントをひとりずつしかアクセスすることができないが,会議などにおいて使用する際にはこれではこまるので,ひとつのドキュメントを同時に複数人でひらき,書きこんだ内容がすぐにつたわるようなしかけが必要になる.
5. Wiki
WWW のコンテンツをだれでも編集できるようにしたシステムである. 悪意をもったユーザがコンテンツを改竄することもできるが,ログがのこり,もとのコンテンツも保存されるため,通常はそれほどひどい問題は発生しない. Wiki をつかった百科辞典 Wikipedia が有名である. Wiki はファイル共有システムの一種だとかんがえることができる.
6. 知識管理システム
ビジネスにおける知識管理 (knowledge management) をささえる情報技術として,エキスパート・システム,発送支援,テキスト検索,データマイニングなどがある [Osa 03] といわれるが,より特定の分野に特化されたものとしては CRM (顧客関係管理システム) や SFA (営業支援システム) などがある.

1.4 遠隔コミュニケーション / コラボレーションの課題

遠隔コミュニケーション・メディアや遠隔コラボレーション・ツールの問題点・課題についてのべる.

“人間” 不在
Cohen [Coh 01] が指摘しているように,“情報” の重要性が強調されると “人間” (ひとのつながりなど) がわすれられてしまう (ソーシャル・キャピタルの項目を参照). 現在のグループウェアには “コミュニティ” というような概念がとりいれられているが,それはなまみの人間の関係をとらえてはいない. 現在のグループウェアの主要な問題点はそこにあり,SNS が登場して急速にのびた理由もそこにあるとかんがえられる.
文字情報の偏重
グループウェアが導入されたワークプレイスにおいては文字情報が偏重される傾向があるとかんがえられる. オフィス・コミュニケーションのために従来は電話がよくつかわれていたが,最近はメールや IM のような文字をつかうコミュニケーション・メディアがよくつかわれるようになっている. それによって周辺的情報がつたわりにくくなったり,つたわる情報量が減少して,つたえるべきことがつたわらないままになったりする.周辺的情報に関しては次項でのべるが,ここでは文字をつかうことによる得失についてのべる. 文字によるコミュニケーションは記録がのこしやすくアクセスしやすいという利点があるが,音声によるコミュニケーションにくらべてメッセージを形成するのに時間がかかるという問題点がある.
周辺的情報のつたわりにくさ
遠隔コミュニケーション・メディアにおいては顔をつきあわせての会話にくらべて周辺的情報がつたわりにくい. 音声によるコミュニケーションにおいても,顔の表情やしぐさなどはつたわらないため,顔をつきあわせての会話にくらべると周辺的な情報がつたわりにくい. さらに,音声では声の表情がつたわるのに対して文字によるコミュニケーションにおいては,さらに感情的な要素をつたえることが困難である. そのため,文字では周辺的な情報がつたわりにくく,それがしばしば誤解を生む原因になる. この点についてはこの節の後半でさらに論じる.
遠隔コミュニケーションにおいて顔をつきあわせての会話におけるのとおなじだけの周辺的な情報をつたえることはできないとかんがえられるが,それができるだけつたえられるようなコミュニケーション・メディアを開発する,あるいはそのように従来のメディアを改善していく必要があるとかんがえられる. もっともプリミティブなメディアとしていわゆるプレゼンスがある. 次世代オフィスシナリオ委員会 [Jis 04] は 「どこにいてもコミュニティ全体の様子やコラボレーターの様子が把握できる」 ことをオフィス・アウェアネスと呼び,位置情報の把握などをつうじてそれを実現すべきだと書いている. すなわち,遠隔コミュニケーションにおいてうしなわれるものを回復するだけでなく,従来つたえられなかったものまでも積極的につたえていく必要があるとかんがえているわけである.
閉じた環境
オフィスワークに関するトレンドの項目 (2 節) でのべたように,現在では会社などの組織をこえたコミュニケーションやコラボレーションが重要になっている. コミュニケーションに関しては電話やメールなどのメディアがプロトコルを標準化することによって,このような組織をこえたコミュニケーションを可能にしている. ところが,遠隔コラボレーション・ツールに関しては,ひとつのベンダの製品を採用しないかぎり,このような組織をこえた運用がまだできるようになっていない. Lotus Notes で代表される統合的グループウェア環境は,個々のグループウェアをわけてつかうこともできるが,基本的には閉鎖的な統合環境を形成している. すなわち,おおくのグループウェアにおいては,それが導入された組織内において複数の “コミュニティ” をつくることができるが,外部とのコラボレーションのためのコミュニティにそれを適用することはできないとかんがえられる.
また,組織間のコラボレーションだけでなく,組織内の個人が会社とは別の場,たとえば家庭において会社の情報にアクセスするときには,会社で推奨されているのとはことなるツールを使用することがありうる. 会社の仕事と他の作業を完全に分離できれば会社で推奨されたツールを使用することに問題はないかもしれないが,オフィスワークに関するトレンドの項目 (4 節) でのべたように仕事と家庭とをわけるのがむずかしくなれば,推奨ツールの使用を強制することもむずかしくなる.
生産性の矛盾
野田 [Nod 96] はつぎのように書いている. 「ビジネスの情報技術に対する膨大な投資が個人の生産性を非常に高めてきたにもかかわらず,同じ効果がチームや部署や企業,産業界,国家といった,より高いレベルの集合体には現れない」 (p. 32). この現象は “生産性の矛盾” とよばれている. このような矛盾はグループワークに対する要求が認識されるまでは,「グループ単位での情報共有や理解に多くの注意を払う人はほとんどいなかった」 [Nod 96] ために生じたというが,それが認識されてきた現在でもまだ十分な対策がとられているとはいえないであろう. この問題を解決するためには,ソーシャル・キャピタルの育成という視点が必要だろう.

周辺的な情報のつたわりにくさに関連して,Cohen [Coh 01] から引用しておく. 「サイバー・スペースは 「現実の場所」 の適切な代替物にはなりえないということである. サイバー・スペースにおける 「出会い」 の弱点のなかでは最も明白なのは,以下の点である (少なくとも,現状のテクノロジーにおいてはという意味だが).

  • 身振りや顔の表情,感情,声の調子などが大幅に抑制されるか切り捨てられてしまうため,コミュニケーションの幅が非常に狭くなる.
  • オブザーバーとしての参加意識が弱まる (物理的な集団のなかで発言しないメンバーとちがって,オンラインでの議論に参加しまいまま注視している個人は存在が忘れられやすい).
  • 物理的なミーティング場所を満たす予想外の光景や音は,特定のテーマや業務のために設定されたサイバー・スペースでは排除されがちであり,思いがけない発見を得る機会が少なくなる.」 (p. 149-150)

鯨井 [Kuj 05] (p. 95) は顔をつきあわせての会話やコラボレーションとの差をうめる方策あるいはアプローチとしてつぎの 2 つの方針があると書いている.

作業環境・情報の共有をツールで実現する
(遠隔コミュニケーションを face-to-face にかわるものにかわるものにすることをめざす)
遠隔コミュニケーションのルールを明確化する
(遠隔コミュニケーションは face-to-face の補足とする)

2. ユビキタス化の支援

「いつでも,どこでも」 はたらける環境をつくるためには,ユビキタス・ワークプレイスを整備し,ユビキタスなコンピューティング環境とコミュニケーション環境をつくることが必要である. 前節で考察した,ユビキタス化をかんがえないばあいとのちがいは,コミュニケーションやコラボレーションが単に遠隔地をむすぶだけでなく,いつでも,どこでも,おなじようにできるようにする点である. 以下,これらの 3 点について順にのべる.

ユビキタス・ワークプレイスの整備
メイン・オフィス以外での仕事をやりやすくするためには,労働者自身のくふうも必要だが,雇用者側もそれを支援する必要がある. すなわち,SOHO への支援,たとえばパソコンや通信機器などの貸しだしや資金援助,サテライトオフィスの整備などが必要になる. また,テレワークにおいておこりやすいコミュニケーションの不足や孤独感を軽減するために,定期または不定期の面とむかっての会議や遠隔会議など,仕事のすすめかたにおいてもくふうが必要である. 労働者自身でなければむずかしいくふうとしては,遠隔会議などにおける音声が外部にもれないようにしたり,無線 LAN などから情報が漏洩することがないように対策したりする必要がある. 仕事が家庭にあたえる影響を軽減し情報漏洩などの事故をなくすためにはワークプレイスを個室とすることがのぞましいが,とくに日本においてこれはおおくのばあい困難である.
ユビキタスなコンピューティング環境の整備
いつでもどこでも,いつもの仕事環境が実現されるようにするべきだが,このことをプロファイル・ポータビリティという. 会社で使用している機器をもちあるいている場合はもちろんだが,ことなる機器をつかうばあいでもプロファイル・ポータビリティを実現する必要がある. これが理想的に実現されれば,ことなる機器を使用するときでも自分のすきなキー配置やタッチが実現され,いつでも仕事を中断したときの状態からそれを再開することができる.
ユビキタスなコミュニケーション環境の整備
いつでもどこでも,だれとでも,いろいろな方法でコミュニケーションやコラボレーションができるようにすることがのぞましい.

3. ユビキタス環境でのセキュリティ

ユビキタス環境においてはセキュリティ保護がよわくなりがちであり,従来以上のセキュリティ対策がもとめられる. そのためにユビキタスなコミュニケーションやコラボレーションをしようとするとセキュリティ対策のバリアをこえる必要がでてくる. バリアが厚いとユビキタスなコミュニケーションやコラボレーションそのものに対する意欲をそぐことになる.

ファイアウォールでへだてられた場所のあいだでコラボレーションしようとすると,さまざまな困難が生じることはいうまでもない. しかし,そのような組織をまたがるコラボレーションのばあいでなくても,困難は生じうる. たとえば,セキュリティ対策がゆるかったときには家庭で個人の PC で仕事をすることができたのが,家庭でもさまざまなセキュリティ対策がほどこされた会社の PC をつかうことが義務づけられるということがおこる. ??? でのべたように公私の区別があいまいになると,個人の PC と会社の PC のつかいわけは困難になり,知的生産のさまたげとなる.

参考文献

  • [Coh 01] Cohen, D. and Prusak, L., “In Good Company”, President and Fellows of Harvard College, 2001, 訳書: コーエン, D., プルサック, L. 著, 沢崎 冬日, “人と人の 「つながり」 に投資する企業, ダイヤモンド社, 2003.
  • [Jis 04] 次世代オフィスシナリオ委員会編,“知識創造のワークスタイル”,東洋経済新報社, 2004.
  • [Kuj 05] 鯨井 康志 編, “オフィス進化論”, 日経 BP, 2005.
  • [Nod 96] 野田 一夫 監修, “Office Everywhere”, 岡村製作所, 1996.
  • [Zel 98] Zelinsky, M., “New Workplaces for New Workstyles”, McGraw-Hill Companies, Inc., 1998., 訳書: マリリン・ゼリンスキー 著,鈴木 信治 訳, “変革するワークプレイス”, 日刊工業新聞社, 1998.
Keywords: スチールケース

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